電話に出ると
「やあ 山ちゃんおめでとうございます 素晴らしいね
今 内藤社長から聞きましたよ これで思う存分
御殿場アウトレットの仕事が出来ますね いや本当におめでとう」
神山は会議室に戻ると
「筒井さんから 頑張ってくださいとお褒めの言葉を頂きました」
神山は杉田に
「なあ 翔 これで地下でケーキ買ってきて」
神山は杉田に小銭入れを渡し頼んだ 杉田は小銭入れを覗いたが
「先輩 足りませんよ 実は昨日も足りなかったんで自腹切ったんです」
「ごめんごめん そうか」
そう言うと札入れを出し 1万円を渡し
「昨日の分 そっから引いといてちょうだい」
「はい 行ってきます」
そう言い部屋を出ると又 戻ってきた
「奥村課長 店長が来られました」
奥村以下全員立ち上がり 店長を迎えた
「いや 大した用じゃないんだ 今 山ちゃんが部屋に居るので来た」
「おう 翔 店長の分も買ってこいや」
倉元から言われ地下へ買いに行った
「改めて 神山君 おめでとうございます 素晴らしい働きだ
アルタの社長がべたほれで 私はどうする事も出来なかった
鈴やさんで理事扱いしなければ私の会社に引き抜きます
と そこまで言われ 考えた結果なんだ だから理事でも
店次長ではなく 東京本社次長になる 勿論仕事はここも手伝ってもらうが
メインは御殿場アウトレットになってくる
アルタさんのアレックスグループやうちの食堂 ニーナ・ニーナの仕事と
この一年 大変な事になる いち催事課員だと動きが制限されるので
東京本社付けになった その方が自由に動けるしな
しかし はじめてだぞ 東京本社次長は」
奥村は組合の執行役員をしていることもあり
「そうですよね 本社社長はいませんからね 東京本社と言う
名称は普通の会社の本社と違って 各店を統括する人の集まりですからね
だから 東京本社社長は居ないだろ」
「したがって 神山君は30日の人事発令後は私の部下ではなく
同格になる ちょっと変な話だけどな ははは」
奥村が
「そうすると役員になるわけですか?」
「うん まあそう言う事になるなかな」
「えぇ~ そうか 鈴や社長 副社長 専務 常務 その次ですか」
「うん そうだ わしもほんとビックリしている」
「そうか 株主総会で承認が必要なのは常務までだから 次長理事だと
本社サイドで人事が発令できるわけですね」
「うん そうだな」
黙っていた神山が
「そうすると 30日は本社秘書課に伺う事になるのでしょうか?」
「うん そうだね」
由香里がきょとんとして
「神山さん 店長と同じ位偉くなるんだ」
奥村が
「店長は常務だから山ちゃんはその下さ だけど銀座店を統括して
みる事が出来るし 店長にも同等の立場で発言できるのさ」
「おう 山ちゃん 凄いな ワシはびっくりだよ まだ信じられない
銀座だけじゃなく 全国でも初めてだぞ ははは」
奥山が
「店長 アルタは何をそんなに山ちゃんを買ったんですか」
「うん みんな居るがいいのか?」
「ええ 構いません それに勉強になります」
「そうだな 御殿場アウトレットのオープンが早まる事は関係者は
皆知っていたが動けない状態が続いているわけだ
勿論 構築物などはある程度原案は出来ているがね
しかし 本格的に稼動しようにも 道路設備 土地買収など
特に駐車場関連など色々な要素があって 動けなかった
ところが山ちゃんの情報で一気に稼動できるわけだ
コレは単に構築物をデザインするとかではなく 総合的に
権利を取得出来るチャンスでもある訳さ
例えばオープン時のアレックスグループのTVCM権利や現場の
イベント関係の権利など 全てが優位に話を進める事が出来るんだよ
なぜかと言うと オープンまで時間がないから スムースに進まなければ
今度は発注した側が困る訳だ そこでもアルタは優位に立てる
そこで山ちゃんがなぜ必要かに成って来るのだが
今までの仕事の内容や態度 上原の仕事の進め方
絶賛していたのは24日の配車の件 26日の配車の件 今朝の件
.