2011年3月6日日曜日

Vol.239 青葉 -5-19


「ねえそうしたら時間だし そろそろ食事に行こうよ」
「そうね行きましょ」
「今度はカード持ってきてね」
「は~い ねぇこのままで大丈夫?」
「なにが?」
「だってお化粧もしていないし VIPのお連れ様に相応しい?」
「全然平気だよ 僕はすっぴんの方が好きだなどちらかと言えば」
「またお上手ね よし貴方がOKならばこのまま出ましょ」
亜矢子は腕を組んで エレベーターホールにいった
エレベーターが来て扉が開くと 何組か出たので乗り込み
3階のボタンを押したが 上の8階に行ってしまった
神山と亜矢子は顔を見合わせ笑ってしまった
行き先階のボタンを押しなおすと 扉が閉まりゆっくりと下降した
途中止まらないで3階に着いた
探す事なくレストランがすぐわかり入ると
カウンターで受付嬢がニコニコして出迎えた
「お名前様とお部屋番号をお願いします」
神山はキーカードを見せて神山と名乗った
「神山様ですね はい ただいまお席までご案内いたします」
受付嬢はカウンターから出て奥の窓際の席に案内し
亜矢子の椅子を引き着席を促し神山にも同じ事をした
「お飲みもは何になされますか?」
「うんビールを下さい」
「はいかしこまりました 少々お待ちくださいませ」
そう言うと 厨房に伝え戻ってくると
「只今準備をさせて頂いていますので 少々お待ちくださいませ」
そう言うとお辞儀をして カウンターに戻っていった
亜矢子と外の夜景を見ていると
若いウエイトレスがビールを持ってきて
「お待たせしました こちらが今夜のお品書きです」
そう言って先付けを置くと 二人のグラスにビールを注いで
「あとのお料理は直ぐに お持ちいたしますのでお待ちください」
お辞儀をして厨房カウンターに戻り 各テーブルを見渡していた
亜矢子がビールグラスを持ち 神山もグラスを持った
「では VIP様お疲れ様でした 乾杯」
「うん乾杯でもVIPは やめてよねぇ お願いします」
「だめ だって電車の中でなんと言ったか 覚えていますか?」
「えっ」
「赤パンを何回も言ったでしょ お返ししたからすっきりした」
亜矢子は よっぽど楽しいのか楽しくしようと振舞っているのか
普段になく明るく そして輝いていた
亜矢子の顔を見ていると
「ねぇやっぱり可笑しいお化粧してこようかしら」
「誤解だよ綺麗で輝いていて 見とれていたのさ」
「ほんと大丈夫?」
「うん ほんとうだよ 綺麗だよ」
亜矢子はようやく納得したのか ビールを美味しそうに呑むと
神山も同じ様にグラスを空けビールを注いだ
ビール瓶が空いたので 手を挙げると先ほどの
ウエイトレスがやってきて
「はい どうされましたか?」
「うん ビールをもう一本お願いします」
「はい かしこまりました 少々お待ちくださいませ」
ウエイトレスは厨房脇に在る冷蔵ケースから
ビールを取り出し持ってきた
「お待たせいたしました」
「うん ありがとう」
彼女が立ち去ると 入れ変りに前菜が運ばれてきた
先ほどの女の子の先輩か 前菜の説明をされたが
神山は分らずに頷いていたが 説明が終わり帰った後亜矢子に
「分った今の説明?」
「ええ わかったわ」
「全然分らなかったよ ちんぷんかんぷんさ」
「まあいやだ 彼女かわいそうよ 分らなかったら
聞いてあげないと」
「そうなんだ でもちょっと恥ずかしいじゃん」
「私はあなたが頷いているので 判らない事は後であなたに
聞いてみようと 口を挟まなかったのに もう」
亜矢子はそう言いながらも
「美味しそうね いただきましょ」
「うん いただきます」
「いただきます」

亜矢子は 口にすると素晴らしいお味よ凄く美味しいと





.