普段見かけないサラーリマンが駅に急いでいた
祥子を駅まで見送ると 現場に入り高橋と挨拶をした
「やあ おはようございます」
「山ちゃん おはようございます 早いですね」
「うん まあ ところでさ 悪いけど照明を点けてもらえる
この曇り空で どのように見えるか ちょっとね」
「ええ ちょと待ってください」
高橋はバックヤードの脇にあるスイッチを入れた
「おお 良いじゃないですか この曇り空だと期待以上ですね
しかし柔らかい光で 雰囲気造りにも最高だね うん いいよ」
「ええ 先ほど確認したんですけど 山ちゃんが喜ぶと思っていました」
「うん いい」
「よかったですね 効果が出ていますよ」
「ところで 孝ちゃん 24日のバックヤードだけど 勿論忙しいのは
分っているけど ニーナ・ニーナ 何時に入れられるかな?」
「そうですね、、、第二貨物さんは早くて3時と言っているんですよ」
「そうか 第二貨物次第か 何時に空きますか?」
「ええ 一応お昼前には全て綺麗にしようと思っています
10時過ぎに床の掃除やワックスが入ります 乾くのは13時だったら
大丈夫だし 10時までには荷物を出しますよ
別に大きな物はないですけど 残材が13時しか来ないんです
だから それまで動けないと思っていたんですが
残材は 少し早く来て 外に纏めましょう そうすれば使えますね」
「うん そうしたらニーナ・ニーナからオーナーさんに断ってもらおう」
「そうですね まあ通行の邪魔にはなりませんが その方が安心です」
「了解です では後でニーナ・ニーナに連絡します ありがとう
やっぱり工程表どおりにはいかないね 外が絡むと」
「ええ 自分の所だと 調整つくんですが 難しいですね 外部が絡むと」
「今のところは そのくらいかな 孝ちゃん何かある?」
「壁面のスリットの棚受け金物が品番違いが来て 合わなくて
困っているんですが 什器の方が別のスリットを使っていないか
今 小田原工場の返事待ちなんですよ 什器はもう変更きかないし
こちらの壁面スリットを替えなければいけないし 金物もその後
取り寄せになります 大きいのはその位ですね」
「わぁ大変だ 図面はどうなっているの」
「ええ ここに使っているスリットが正解です」
「小田原が間違わなければ良いね」
「ええ 実は横浜と一緒なんです 同じ部屋で同じ様な什器を作っていて
今 寸法を測り割り出しをしています」
「そうか 横浜も同じような什器か」
「そうですね 固定棚より移動棚のほうが 使い勝手良いですからね」
「そうだね 金物も丈夫なつくりになったしね」
そんな話をしていると高橋に電話が入った
スリットの品番を確認したところここで使っている品番と同じと言ってきた
棚受け金物も聞いてみた 小田原は図面どおりだと言ってきた
「山ちゃん 大丈夫だよ 小田原は 図面どおりだって」
「良かったね 助かったよ だって什器が合っても もしかして
間に合わないかもしれないしね」
「うん ぎりぎりだと踏んでいた 良かった~」
高橋は不安が払拭されたのか 安堵した
神山は時計を見ると9時になっていたので祥子に電話した
「神山ですが」
「は~い わたし」
「うん バックヤードの件ですが 13時から使えます
だけど その前に空いているけど 床はワックスをかけるから
やはり 乾いてからの13時からがいいと思う」
「ふぁ~ ありがとうございます 手配しますね」
「うん それと残材を13時まで出しておくので オーナーさんに
一言断ってもらうとありがたい」
「ええ 24日は搬入搬出がありますって事で 一応話はしてあるけど
今一度 残材の事を伝えておきますね ありがとうございます」
神山は高橋に祥子との事を伝えた
「24日夕方までいないけど 何かあったら携帯電話までね」
「大丈夫ですよ 大きいミスはその位で 今は順調です」
神山は段々と出来てくる現場を隅々まで見て廻った
昨日も同じ様に廻ったが 時間が有れば廻る事にしている
バックヤードに来た時 少し考えた
「孝ちゃん 2つあるけどいい? 空いてる」
「ええ」
高橋は神山に呼ばれバックヤードに行った
「まず 照明だけど 天井にないし 暗くならないかな
排煙ルーバーからの採光だけでは暗いな 特に今日みたいな時」
「そうですね 天井に付けましょうか」
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