2011年3月31日木曜日

Vol.264 青葉 -6-20


がっかりしていたが 事が会社の為となれば恥じを晒してもいいかと思い
自分のデスクからパソコンを持ってきた

PC立ち上げてエクセルを更に立ち上げファイルを開くと
神山が以前みた女の子管理リストと書かれたスケジュール表が開いた
皆がパソコンを覗き見る中 
「さあ 操作して 例えば 10日あこちゃん会う そこをクリックして」
市川は 言われた通り操作した クリックすると別なウインドーが開き
出会いから 会話内容 好き嫌い などなど 履歴が一目瞭然で分る
これを導入すれば 僕だけではなく洋子さんも
困った時なんか 何かを掴めるかもしれない どうですかと聞くと
「ええ お願いします しかし市川さんまめですね 
これで女性に使ったお金 大変だったでしょ」
「ええ 今考えてみれば はい だけど全部知っていたんですか?」
「いいえ 何も知らないわ こんなに女の子とお付き合いしていたなんて
今 このPCで分りました 早速人事課に提出しましょう」
「もう 勘弁してくださいよ さっきからもう心臓が爆発寸前です」
「神山さんからは何も言われてないわ ただ私が感じた事を言ったのよ」
「えっ じゃあ 完全に引っかかったんだ それって詐欺でしょ もう」
「市川 しょうがないだろ 負けだ 相手は泣く子も黙る田所さんだよ
その人に勝てるわけねーじゃないですか ねぇ倉さん」
「おう そうだぞ そこに居る由香里姫と洋子ちゃんは 才色兼備で
銀座店の2枚看板だった 洋子ちゃんは怖かったな ほんと奥ちゃんが
言ったように 泣く子も黙る洋子 だったからな それで婚期を遅らせ
今でものんびり楽しく独身をしているのさ 由香里姫は
そろばんの鬼と言われ 本社会計が来る前は必ず残業で汚点を見つけ
呼ばれ その場で納得いくまで修正をさせられたそうだ そう意味で
由香里姫も怖かった存在で 婚期を逃し洋子ちゃんと一緒に楽しんでいる」
「まあ倉元さん そんなに怖くないですよ 優しかったですよ」
「そうですよ 私だって好きで嫌われた訳じゃないですからね ねぇ」
奥村が
「まあまあ 兎にも角にも分った スケジュール管理というか
顧客管理リストは後日 神山部長監修で作ってくれ いいね市川君」
「はい 停職より嫁に言われるのはもうこりごりですから」
「しかし山ちゃん記憶力いいね 人のパソコンの中身を覚えているなんて」
「だって男はいくつに成っても女の子に興味持つでしょ 課長だって」
「うん まあな」
「だからこのシステムを覚えちゃったんですよ いいなこんな事できてって
メモは必要だけれど 一覧する時はこちらの方が断然早いし
比較するのにもページをめくる必要が無いし そこですね」
「うん そうだな」
「洋子さんは見てどう思われました」
「ええ 戦略を立てる時とかに非常に有効な武器になりますね」
「おう 奥ちゃん 新しく戦士が誕生したぞ 喜べ」
「ええ 頼もしいですね 田所さん お願いしますよ」
「はい」

奥村はテーブルのお寿司が無くなったので
「ようし 仕事も順調だしお寿司が無くなったので 2次会に行きます
田所さんは どうしますか?」
「はい 神山さんが 来なさいと言われれば行きます」
「神山部長 どうされますか?」
「う~ん もう直ぐ9時でしょ 帰って貰っても良いんじゃないですか」
「では 決定 田所さんは帰ります 後は 市川か」
「ええ 呑めないんで それに嫁さんが、、、」
「分った 以上 帰り支度をしよう」
洋子が突然立ち上がり 怒った様子で
「私 行きます」
きっぱり言うので みな唖然とした
「神山さん 見損ないました あれほど私を心配して下さるんでしたら
こうゆう事もありきと 何故言ってくれないんですか
なんか 見放されたようで 寂しいです 私 行きます」
一同 唖然としていると 倉元が
「おう そうだぞ これからの準備だろ 心の 誘ってあげろ」
「はい 洋子さん 付いて来なさい しかし時間が許す限りでいい」
「よお どこで覚えた そのセリフ かっこいいぞ」
市川が 野次を飛ばした
また一同大爆笑をした 怒っていた洋子も笑ってしまった
「はい 分りました 時間が許す中 神山さんに付いて行きます」
奥村が 仕度をして早く出ようと皆に言った
神山が携帯でアルタの高橋に電話をした
「神山です お疲れ様です どうですか床は?」
「やあ 山ちゃん大丈夫だよ それより特進おめでとうございます」
「ありがとうございます でも大変ですよ そこでここの次長室





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2011年3月30日水曜日

Vol.263 青葉 -6-20


「だって神山さん さっきも秘密と言って自分から話したでしょ だから」
またみんな大爆笑になった
「う~ん そうだね そのお金を社員カードを使って福利厚生費を
あげる事ないじゃないですか だったら普通に買っていれば
お店もきちんと売上が伸びるわけでしょ」
「おう よく言った そのとおりだ」
「うん山ちゃんの言った事 翔や市川 ちゃんと聞いておけよ
そうなんだよ 山ちゃん だからお金は回せばみんながいい夢を
見る事が出来るんだよ 特にそうゆう性格のお金は」
「私 幸せです こんなに会社の事を思い仕事に熱中する神山さんと
その廻りのみなさんとご一緒できて 嬉しいです
先ほどの服装についても皆さんの意見を取り入れ 何とか鈴やを
引き上げようと 素晴らしいです 綺麗な洗練された秘書になります」

今度は大拍手だった 収まってから
「神山さん 私を呼ぶ時 『田所さん』ではなくて
『洋子』って呼んでください ファーストネームですから お願いします」
ここでも皆拍手した
「そうですね これからファーストネームで呼びます 
それからパソコンのスキルはどうですか?」
「ええ会社で使う程度でしたら なんとか」
「分りました 市ちゃん」
「あいよ なんだ」
「あのさ えーと あの 洋子さんのパソコンスキルを調べてくれ」
「うん どの程度?」
「洋子さん キー入力のブラインドタッチですが出来ますか?」
「すこしですが」
「市ちゃん どのくらいの速さか 調べて それとエクセルの簡単な
四則計算 簡単な表計算 ほら市が普段使っているのでいいや
それからワード あとはプレゼンする時に エクセルを使っているけど
そこらへんかな 頼んだよ」
「お任せ」
「では洋子さん 連絡を取り合い 市川にパソコンスキルを
調べてもらってください お願いします」
「はい 分りました」
「それから市ちゃんに頼みがもう一つあるんだ 以前 ほら女の子の
管理をPCで行っていただろう」
「なんで そんなここで言うの」
「良いじゃないか 洋子さんはお見通しだよ」
みんな大爆笑だった 特に洋子は笑いが収まらなく涙を流していた
「そこで ほら何月何日の誰と会った と言ったセルをクリックすると
彼女のそれまでの会話内容が別ウインドーで出てきたじゃないか」
「うん 分るけど そんなに詳しく言わなくてもいいじゃないか」
「うん それって ちょこって変えれば対会社や対会社個人に
変える事は可能だよな」
「うん 可能だよ なんで」
「うん 洋子さんに大事な時メモをとって貰うけど その手帳の
ままだと生かしきれないんだ 折角のメモが そこで市の女の子の
そうゆうリストを作っておけば 次回会うときの強力な武器になるでしょ
あの時はこうゆう発言をしたとか 会社はこうだったとか
履歴が一覧できれば なにかつかめるし ヒントが有ると思う」
「わかった そうだよ 僕も山ちゃんの言う通り 履歴をみて
その子の弱点を探した うん協力する 作ろう」
「それって まだ残っているだろ」
「まさか 見せないよ 嫌だぜ」
「だから 洋子さんはお見通しさ さあ持ってきて 見せて」
「嫌だよ 絶対に」

神山が洋子に耳打ちをした 時々驚いて聞いたり頷いていた 
市川は 以前の離婚騒ぎをねたにされているのか不安になった 洋子が
「市川さん 会社をどう思っていますか」
洋子は笑いながら 
「奥方にまた怒られたくないでしょ どうですか?」
市川はきょとんとして 
「ええ もうこりごりですから」
「それでしたら これは上司の命令です 言ってみれば会社命令です
したがって」
もう洋子は堪えきれずに大笑いをしてしまい
「その女性のリストを 直ちに提出しなさい でないと停職3ヶ月です」
またまた大爆笑で 洋子も自分で言っていて笑いが止まらなくなった
横に座っている由香里も涙をながし笑っていた
奥村課長も笑いながら
「俺もそんなに凄いのなら使って見たい 見せてくれ おい停職だぞ」
市川はさっきまで明るかった顔が曇ってきて まるで犯罪者扱いをされ





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2011年3月29日火曜日

Vol.262 青葉 -6-20


「ごめんごめん 驚かすつもりちょっとあったけど 言いそびれて ごめん」
またまた大爆笑になった 
「ごめん知らなかったから それで田所さんもスーツではなくていい
あまりカジュアルだといけないが 任せます」
「だめです キチンと決めてください 神山さん」
また大爆笑 どうしても笑いが止まらなくなった
ぎこちない二人のやり取りを 奥村と倉元は 微笑ましく眺め
大丈夫 この二人ならこの仕事を乗り切ると確信した
「わかった ビジネススーツを作る 田所さんのだ」
「ビジネススーツは持っていますよ」
「いや 仕事着だから 自宅のとは区別する いいね その代わり
直ぐに着られる様 会社に置いておく事になるかな 
今 どのくらいしますか?」
「安いので スリーシーズンだと8万から10万です 
夏物も同じくらいです」
「分った 白いブラウスは?」 
「そうですね 2万円前後だと思います」
「わかった 黒い靴は?」
「1万円位でしょうか」
「ねぇ 由香里姫 大体そんな所でそろう?」
「ええ 余るんじゃない」
「分りました ありがとう」
神山はポケットから札入れをだして 1万円札を30枚を田所に渡し
「このお金で 早速先ほどの ビジネススーツ ブラウス 靴を
揃えてください 出来るだけ高いほうがいい
足りない分は 建て替えておいてくださいね 28日に払うから
そうだ イメージが湧いてきたぞ スカートはストレートではなく
少しタイトがいい 上はオードリーヘップバーンが着ていたような
3つボタン いや 2つボタンのダブルが素敵かな ブラウスは
衿が少し大きい形で開き 靴はハイヒールがいい どうでしょう
皆さんのご意見は」
「先輩 ばっちりじゃないですか いいと思います」
「おう オレもいいと思うな」
「私もいいと思うわ 洋子 綺麗だからますます綺麗になるわ」
「そうだ 生地は多少サテンがあっても良いけど 目立たないくらいだね
そうゆうのありますよね」
「ええ あります」
「イメージは湧きましたか?」
「はい 分りやすく説明してくださったんで OKです」
「そうだ バッグ これは ハンドバッグはだめで
ショルダーバッグがいい デザインは」
神山はテーブルに指で書いてこんな感じでこんな風にと説明した
「はい わかります」
「絶対に安い物はだめだよ 出来れば貯金を一時的に降ろしてでも
買ってください 協力してください」
「ねぇ 山ちゃん さっき自分はスーツ着ないで なぜ秘書を
そんなに着飾る必要があるわけ?」
「うん 僕なりの考えだけど 主役がキチンとしているのは
どこの世界でも一緒でしょ しかし秘書がごく普通だと
主役だけではなくその会社全体まで普通に見られてしまうんですよ
この心理を逆にとって 主役はなんだこの格好はと思わせ
しかしこの大事な会議だから何者だろうと思う訳
そして秘書が洗練された姿 普通品でない物を身に付けていれば
相手はそれだけで引き そこで勝負がつき話しを優位に進める訳です」
「うん 山ちゃんの言う通りだ 俺なんかも良く出かけるでしょ
だけど相手がきちんとスーツなんて当たり前でしょ しかし
女性が素晴らしく素敵だとそこで負けちゃうね」
「おう 良いんじゃないか ちょっと待ってくれ」
倉元は 由香里とはなし 20万円をだした
「おう 山ちゃん オレも賛成だ コレ貸しておく 利息はアルコール」
奥村も財布から5万円出し
「山ちゃん 僕も出します 利息はいらないよ」
「みなさん ご協力ありがとうございます さあ田所さん
皆さんに借用金を書いて下さい 倉元さん 20万円 奥村さん5万円
神山 30万円  由香里姫 これだけ有ったらどうだろう さっき言った
高級品とまで行かなくとも結構な線でいけますか?」
「ええ 充分すぎるんじゃない でも上は高いからな でも大丈夫よ」
「田所さん 社員カードでは買わないように 正札で買ってください」
「はい 分りました」
「なぜ もったないじゃない それに会社で使うんでしょ」
「うん さっき田所さんから聞いたんだけど ある程度
自由なお金が出るんです これは秘密にしてください」
この時 洋子が笑い出した 
「どうしたの?」





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2011年3月28日月曜日

Vol.261 青葉 -6-20


そんな笑っている時に扉を叩く音がした
由香里が出てみると お寿司が来た 銀座築地の寿司屋いせ丸だった
翔と市川が手伝いお寿司を運んだ
テーブルに置き 箸を配って 由香里が帰ってくるのを待った

「店長からの差し入れです ありがとうございます」
奥村が代表で御礼を言った
すかさず田所は店長に
「店長 あれですか?」
「うん あれしかないだろう」
田所は神山にそっと耳打ちした
「先ほどの活動費ですって」
神山は頷き OKサインを分る程度に示した
(なるほど 活動費はあれで とうるんだ 勉強する事多いや)
神山は洋子とは余り話さなかった どうせ向こうはこちらの隅々まで
知っているんだし あと1週間で嫌でも毎日会わせなければなくなる
そう考えると今 がつがつとしなくて良いやと思った
神山は28日の事を気が付いたので店長に聞いた
「店長28日火曜日ですが 田所さんを連れてアルタとニーナ・ニーナに
あいさつ回りをしてはどうでしょうか」
「うん いいだろう 但書きを付けておけよ」
「はい 分りました 田所さん そう言う事で アルタとニーナ・ニーナに
あいさつ回りをします 忙しいでしょうがお願いします」
「はい 分りました 時間は何時でしょう」
「うん 明日は内藤社長忙しいから、、、ちょっと待って」
神山は立ち上がって席に戻りアルタに電話をした
内藤社長は凄く喜んでいて 今仕事が順調に進んでいる事も伝えてきた
28日の火曜日は朝9時なら空いていると言ってきたので その時間に
ご挨拶に伺う事を伝えた
それと30日木曜日アルタの辞令交付は11時になった事を言われた
内藤にスーツは着ませんが良いですねと 言うとOKですと言われた
早速店長に報告した

「今 内藤社長に電話をした所OKを頂きました 9時に伺います」
「うん 分った 田所君聞いたか 9時だ なにか包んでおくように」
「店長 お言葉ですが お土産は不要です アルタとの関係は
彼女がしっかりと秘書の役目を果たせば 喜ぶはずです
中途半端な金額では逆に足元見られ 不利になります」
「おお ワシに意見したぞ 山ちゃんが3人目だ わかったそうしよう」
「すみません アルタは巨大です だから上手に使う方法を考えます」
「おお 奥ちゃん なんか似てきたな 奥ちゃんと倉さんを足して
割ったような なんか若いからいいな 内藤さんが惚れるわけだ」
奥村が
「ええ 本当に寂しいですよ 出勤簿から消える事は しかし
余力があったらお手伝いをしてくれると言ってくれていますので
期待しています」
「だめだよ 奥ちゃん 余力が出来たら どっか遊びに行っちゃうよ」
「行きませんよ そんな それと内藤社長は明日の準備で大変だけど
仕事は順調に行っている事を伝えてくださいと言っていました
それから 30日のアルタの辞令交付は11時決定です
そのときにスーツは着ていきませんよって言いましたらOKでした」
「うん分った 田所君に伝えなさい 君の秘書なんだから
もうワシじゃないんだ 山ちゃん もう自分ひとりなんだよ
君を支えるのが秘書 田所君だいいね じゃあワシは失礼する楽しかった」
池上店長は立ち上がると 手を差し出してきたので 神山は立ち上がり
店長の手を両手で握った そして深々とお辞儀をした
そのままで居ると 店長が
「山ちゃん 何かあったら 困った事があったら 来なさい
ワシの力で出来る事は充分協力するから」
「はい ありがとうございます」

奥山以下全員で見送りしてテーブル席に座ると
「さあ 店長が居なくなって寂しいですが お寿司を頂きましょう」
神山は田所に
「スケジュールをお願いします」
「はい」
「4月28日 火曜日 9時アルタ本社 内藤一哉社長 住所電話番号は
あとで したがって 8時30分にここを出ます 田所さんも一緒です
4月30日 木曜日 11時アルタ本社 私の辞令交付
ここを10時20分に出ます 私一人」
「すみません 私もご一緒させて頂きます」
「えっ ご一緒って ねぇ課長 どうなっているんですか?」
「うん 彼女も向こうで辞令を貰う」
「えっ~ ほんとですか なんで今まで、、、もう信用できない ねぇ」





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2011年3月27日日曜日

Vol.260 青葉 -6-20


今度は店長が秘密をばらしてしまったらしい 頭をかき 洋子に
「すまん 勘弁」
と謝ったのでまた大爆笑になった 収まったのを機に奥村が
「田所さん 催事課はいつもこんな感じです 仕事の時は
厳しいですが あとは何時もこんな感じです 宜しくお願いします」
今度は洋子が立ち上がって
「先ほど神山さんのスピーチを聞いていて 付いて行ける男だと
決心しました 仰られたように仕事の内容がハードで心配してくださり
優しさは感じていました
しかしその後 お金の事 いわゆる会社のお金ですがそのこともきちんと
考えておられ ちゃんと先を見ているんだと感心しました
しかし 私がいままで見てきた男性には神山さんのような方は
何名かいらっしゃいました がしかし会社のお金を使ったり
うそばっかり通して自分の首を絞める方ばかりでした
そんな中 神山さんはそれまでの男性と違った 芯を見る事が出来
先ほどから考えていましたが 嘘を言わず
話しをきちんとできる そうゆう人物なら 付いていくと
思っていた所 先ほどの件で 決心しました」
「ありがとうございます しかし 山ちゃん 羨ましいな」
「そんな 何も話していないですよ」
店長が洋子のはなしを聞いて
「山ちゃん 田所君が言っている事はうそではないぞ
ワシもいままで田所君が言っていた男を知っている しかしな
嘘をつきとおして 首になったり あとは天狗になり めちゃくちゃな
仕事をしたり 結局会社にとってはマイナスなんだよ
そこで言えるのは そんな男に付いていた秘書はと 後で非難される
だから彼女も 考えていたんだと思う そうかな田所君?」
「はい そうです 嫌ですもの そう非難されるのは」
「山ちゃん そう言う事だ 彼女を悲しませたら首だからな」
「えっ そんな まだ 辞令も貰っていないのに そこまで飛躍ですか」
また大爆笑だ 収まった所で奥村課長が
「よし 改めて 皆起立 お二人の昇進前祝で」
「課長 ちょっと待ってください昇進ではなく二人とも特進です 特進」
またまた 大爆笑になった
「え~ お二人の大特進の前祝で かんぱい」
みんなも かんぱいをして席につき ビールを呑んだ

神山の隣りの店長が
「山ちゃん 凄いな しっかりしている」
「えっ」
「さっき田所君が言っていた活動費を考えるとは なかなか自腹は
考える人間はいないぞ ワシはそうゆう発想をもった男は初めてだ」
「そうですか だけど当たり前ですよね あとで会社で清算して
戻ってくるんですから」
「うん 山ちゃんのような人間ばかりじゃないんだ そこだな
会社はその人間に見合ったお金を出すわけだ 分るだろ」
神山は頷き 奥村も頷いてきいた
「だから 金に目が眩むと悪い事をする訳だ ただ悪い事をしても
嘘をつかなければなんとかなる 対処の仕方もね つき通すと
どうにも成らなくなり 終ってしまう 解雇だな
まあ 山ちゃんの事を調べたが 太鼓判10こ押しても
まだ余るくらい大丈夫な人物とみて 銀座に呼んだんだよ
だから 山ちゃんがこけるとワシもこける 田所君もこける 頑張ってな」
神山はそこまで考えて 銀座に呼んでくれて そして次長までしてくれて
ありがたいと思った 胸が熱くなり 目を潤ませてしまった
ずっと下を向いている神山に田所がハンカチーフを渡そうとすると
「あっ ありがとう 大丈夫さ 店長ありがとうございます」
そう言ってまたビールを一気に呑みほした
シーンとなりかけた所を 杉田が
「店長 そうすると来年のウインドーコンテストに先輩は
出られないですよね 本社だし なんたって次長だし それに
今回最優秀賞を受賞しているし 来年は遠慮しますよね」
そこでようやく皆が笑った 倉元が
「おう そうだぞ 翔が言う通り 来年は遠慮しろよな 
仕事でも 追い抜いていくし 役職でも追い抜いていくし
少しは礼儀を心得ているんなら 来年は倉元さん頑張ってください
とかなんとか言っちゃってさ 遠慮して下さい それでないと
オレ自信なくしちゃうぞ 本当に 今だって傷ついているんだ ねぇ」
この倉元の訴えで大爆笑になった 田所も笑いっぱなしだった
神山もようやく普段に戻り反撃した
「倉さんには遠慮しても良いが 翔 君は容赦なく潰す
かかって来たら正々堂々と受けて立とう だけどお手柔らかにな
こっちも翔より年取っているんだから」
又笑った もう笑いが止まらない 店長も田所も





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2011年3月26日土曜日

Vol.259 青葉 -6-20


本社人事から秘書のところへ50万円活動費として来るんです
その50万円は何に使ってもお咎めなしです しかし神山さんの場合
理事2級で査定すると言っていました ですからお給料は
120万円勿論税込みですよ確か それで活動費も理事2級ですと
70万円ですが アルタさんのこともあって80万か90万に
設定しようと言っていました ですから活動費を自由に使えるので
先ほどのご心配はいりませんよ」
「そうか だけど実際に頂いていないから実感が湧かないね」
「そうですよ 私だっていきなり部長職級1級ですもの」
「えっ9等級課長さんじゃなかったんですか?」
「7等級係長です 神山さんが特進したんで 私も特進です
ありがとうございます 助かります」
「そうなんだ いや挨拶に来られる前 奥村課長から本社での
報告がありまして 田所さん 部長 と来たもんだから
えっ 大変な女性が付いてくれる事になったんだ と思っていたんです
ちょっと思ったんですが 女性の部長職級は少ないんじゃないですか?」
「ええ 私をいれて 東京地区で3人です 名古屋地区は5名
いらっしゃいます」
「へぇ そうか上野の田中部長さんですよね 婦人服担当の あとは?」
「ご存知ないですよきっと 副社長の第三秘書の山口さんです」
「う~ん 見た事ないな」
「ええ これは秘密ですが ある所に居られます 秘密ですよ」
「そうすると 2名でいい訳か 僕は」
「そうですね」
また笑みを浮かべた 神山は時計を見ると6時20分を指していた
「では 出ましょうか 20分になったし ここでの話しは秘密
先に出てください 会計をして出ます」
「は~い 先に行っています」
洋子は笑顔で手を振って出て行った

神山が部屋に戻るとみんなからブーイングがでた
会計して直ぐだとまずいと思い 又建物を一回りして戻った
「すみません」
おじぎをすると 
「さあ 時期次長さんは田所さんの隣りだ」
奥山課長が指示をしたので席に座った 洋子は神山の顔を笑みで迎えた
「さあ 揃った所で いきましょうか 倉さんお願いします」
「おう オレを置いてきぼりにした 山ちゃん べっぴんさんが
この部屋の傍に来て嬉しいと言う事で かんぱーい」
倉元の音頭で乾杯が行われた
「え~それでは自己紹介をお願いします まず田所さん」
「はい」
と言って立ち上がろうとしたので 座ってでいいですよ と奥村に言われ 
「はい ありがとうございます 
私はここにいらっしゃいます 斉藤由香里さんと同期生です
入社はまるまる年で鈴や銀座店総務部に配属されました
6年程前銀座店から東京本社人事部に配属され 入社以来
人事のお仕事しかしておりませんだけに 皆様のご支援をお願いします」
「はいありがとうございます 続きまして神山部長 お願いします」
いよ おとこまえ いよ 出世頭 などと野次が飛んだ
「ご紹介に預かりました 神山です え~ なにを話せばいいですか」
「ほら入社とか 田所さんのように」
「だって 田所さん全部僕の事調べていますよ ねぇ あっ」

神山は秘密をしゃべっちゃたと 少し赤くなり田所を見ると
口を手で抑えて笑っていた
それを見ていた皆も大爆笑した 笑いが収まって
「実は先ほど店内から戻るときにそこの角であったので レイに行き
レクチャーをしました」
なんのレクチャーしたんだ 早いぞ また笑いと野次が飛んだ
「え~ この仕事は回転すると24時間フル稼動するが大丈夫かとかです」
そんなのあたりまえだろ ちがうこと話していたんだろ
また野次と大爆笑が起きた
そこへ 店長が来たので 奥村が神山の横に案内した 奥村が
「店長がお見えになられましたので神山部長自己紹介をお願いします」
「えっ 最初から?」
「そう 全部最初からお願いします」
神山はこのさいもうどうでも良いやの気持ちで
「只今 ご紹介に預かりました 神山です え~ なにを話せばいいですか」
「ほら入社とか 田所さんのように」
「だって 田所さん全部僕の事調べていますよ ねぇ あっ」
今度は2回目なのでわざとらしさが入ったが 店長に受けた
「そうだよ 全部調べたさ 田所君は喜んでいたぞ なぁ あっ」





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2011年3月25日金曜日

Vol.258 青葉 -6-20


4月19日 日曜日 夕刻
「奥ちゃん 話しがあるんだ」
「おっかないですね なんですか 倉さん?」
田所の挨拶が終わり いつもの催事課に戻ったころを見て話をした 
先ほど神山と杉田そして倉元が出した提案を伝えた
どうしても造花はこのお中元に欠かせない装飾品で 現状の造花では
出来ない事 誤魔化すとそれをカバーするのにまた予算が追加してしまう
中元予算は現在 対予算イーブンなのでどこから捻出するか
「ええ 私も考えていたんですよ どからか出れば使おうと」
奥村も困っていた どこからも余ったという話しを聞かないし
斉藤も難しいと言っていた 店長に話そうか迷っている所だった
「おう 奥ちゃんさ さっき赤坂センターの見積もりを見たんだけど
看板類を減らせば 造花なんとか買えるかなという感じなんだけど」
「あっ それ行きましょう いいですね そうしましょ」
「おう 奥ちゃん簡単に言うけど 店外催事だから枠が違うんだよ」
「ええ 分っていますよ 何とかします ねぇ由香里姫」
「えっ 知らないっ また 知りませんよ 帳尻併せで残業は嫌ですよ」
「わかった わかった 残業しないから ねぇ よし倉さん買おう」
話しはすんなり済んだ
「おう 山ちゃん OKでたぞ しかし間に合うか 翔の分で」
「僕は10万持っていますよ」
「おう そうか それだけあれば大丈夫だな」
「ええ 鈴や装飾ですがね 一応彼の所に預かって貰いましょうか?」
「おう そうだな そうしよう しかし良く貯めたな」
「まあ 何かの時にと思いまして 内緒ですよ」
「おう 分った オレも10万位あるが使わないでおこう」
二人は見合わせ笑った
神山は仕事に集中をしていると6時になった
祥子に連絡を入れないとまずいと思い外へ出て携帯を使った
「はい久保です」
「神山です ごめん忙しい所 今夜だけど?」
「ごめんなさい ここのスタッフと食事があるの
帰ったらお話しします」
「分った 僕も催事課で呑み会が出来た」
「遅くなっても待っています」
「了解です」
「呑み過ぎないようにね」
電話を切って 店舗の1階周りを色々と見て廻っていると
ニーナ・ニーナの外側に来た
たまたま祥子が外側を見ていたので手を振ると 笑みで返してきた
一通り見回ったので部屋に帰ろうとした時 後ろから声を掛けられた

振り向くと田所洋子であった
「やあ 早いですね 大丈夫ですか そうか6時で終わりですよね」
「ええ 大丈夫です」
神山は時計を見てみると 6時過ぎだったので
「田所さん 少しお茶を飲みませんか」
「はい 分りました」
洋子は何も聞かず 笑みを浮かべて付いてきた
事務所の向かい側にある 喫茶レイに入った
「すみません しかしちょっと話しておきたい事があるので」
「いえ 構いませんよ」
「実はご存知だと思いますが この手の仕事は24時間
フル稼動しなければいけない時が有ります 大丈夫ですか」
「はい 覚悟をしてお受けしました 人事や秘書からも言われました」
神山はほっとして
「な~んだ 知っていたのか 良かった いや男性でもきついです
だから女性だったら余計にきついだろうと思って」
「ええ そうですよね だけど神山部長がいえ次長が
徹夜をされているのに お先に失礼しますは言えませんよ」
「まあ そうだね それと部長や次長は辞めて欲しいな
第三者がいる時でいいよ その他の時は好きに呼んでくれれば」
笑みを浮かべながら
「分りました 神山さんって とても優しいんですね」
「いや そんな事ないよ」
「ちゃんと 調べてありますよ 神山さんのことは上野の時から」
「えっ それはないよなぁ まいったな」
神山は全然困った様子ではなく言葉だけだった
「あと あとあと必要になってくる事だから話すけど
何かあったとき 例えばこちらで会計をしなければいけない時とか
出てくると思うんだ 絶対に その時の為に 田所さんに
僕のお金を預かってもらおうと思っているんだけど どうかな?」
洋子はまた笑みを浮かべ
「大丈夫ですよ 理事の1級になられると お給料とは別に





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2011年3月24日木曜日

Vol.257 青葉 -5-19


奥村はメモをきちんと取っているが今回は長い時間だったのでメモも
一杯になり 探した

「え~ 田所さんについては 明日名刺が出来ますが 引継ぎなどで
あと神山部長のご都合や次長室の関係で 28日から席を移します
田所さんの挨拶は28日から行いますが次長の辞令が30日に
決まっていますので アルタさんニーナ・ニーナさんに限らせて頂きます
以上ですが 何か質問は? それから空き部屋にはいっている
装飾保管品は 早急に隣りにの部屋に移動してください
え~ 長期保管をしていて 使わないのもはこの際破棄するなど
見直しをしてください 後はペントハウスに保管してください」
みな質問はなかったが 神山が
「次長室に作業スペースを設けて頂く事は大変ありがたい話しですが
この部屋にある 私の席はどうなるんですか?」
「全て移動してもらいます」
「へぇ~ 引越しですか」
「ええ お願いします」
「参ったな~」
「こちらに置ける書類はそのままでいいですよ
次長室は現在上原で使用している設備がきます PCからモニターまで」
「おう 山ちゃんいいじゃないか 奥ちゃん冷蔵庫は?」
「はい 準備します でも山ちゃん扉開けたらビールばっかりは勘弁な」
ここでみんな大笑いした
「先輩 そうなんですか」
「うん まあな だってそれしか入れるものがないだろ」
それを聞いていた店長が
「早く いい人見つけろよ」
そう言ったとき又 大爆笑だったが由香里だけは笑えなかった

皆が笑いざわついている時 催事課の扉が開き 田所が入ってきた
「おお ようやく来たな さあこっちへ」
店長に言われ センターテーブルに来て
「本社の 田所洋子です 今 人事でお話しを聞き秘書室で細かい事を
伺ってきました あす辞令を頂きますが こちらには28日から勤務
いたします 分からない事がありますので よろしくお願いします」
お辞儀をして挨拶が終るとみんなが拍手をした 店長が
「こちらが 神山部長だ これから君のご主人様だ さあ握手して」
店長に言われ神山に歩み寄ると 手を差し出してきた
神山も手を出し握手し
「神山です 不束者ですが宜しくお願いしますね」
「いえ こちらこそご迷惑に成らない様頑張りますのでお願いします」
二人はがっちり握手をしていると
「おいおい いつまで手を握っているんだ まったく」
また店長の一言で大爆笑だった

手を離した田所に奥村が
「出来れば今夜 少しの時間でいいのですが空いてませんか
ここで 神山部長の昇進と田所さんの昇進前祝をします」
「ええ ありがとうございます 何時に伺えばよろしいですか?」
「6時過ぎでいいですよ 本社は6時ですから終ったら来て下さい」
「はい 分りました 伺わせて頂きます」
挨拶が終ると由香里のところへ寄って 手を握った
「良かったわね いい所に来て」
「そうね こんなに近いところに来れるなんて久しぶりね」
「抜けるとみんな寂しがるでしょ」
「どうかしら 私の下だけでしょ ふふふ」
「でも 良く本社が手放したわね」
「そうね おばさんのお仕事はお終いね ふふふ」
「まあ そんな事無いでしょ だって今だって人事のエースじゃない
こうみえても ちゃんと知っているんだから」
「ふふふ ありがとう ところでお母様はお元気?」
「ええ 相変わらず元気すぎて困っているわ」
「そうなのね うちの母も元気よ ほんとよく出かけるし 昨日も
泊りがけで 町内会の方とお出かけしているわ」
「へぇー うちの母もよくお泊りをしているわね
もっともその方がこちらも助かるけれどね」
田所洋子は斉藤由香里と同期生で 入社してからずーっと比べられ
才色兼備の二人は銀座の代表といっても過言ではない
以前銀座店に居た時は 総務部人事課だった 経理の由香里か人事の洋子か
以前から言われていて 境遇も似ている
父親を早くに無くし彼女と母親二人で暮らしている
由香里も洋子も家庭環境などお互い知っているので 仲が良かった





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2011年3月23日水曜日

Vol.256 青葉 -5-19


「おう 由香里姫 そこまで言わなくても 翔が泣いてるよ 翔 泣けよ」
「グズン グスン ごめんなさい 以後申しませんから許してください」
「分ったわ しっかりしてよ ほんと 頼りないんだから もう」
翔と神山が席に戻ると翔が
「どうしたんですかね やけにキツイですよ」 
倉元は
「おう 分らんか 山ちゃんが遠くなるのさ」
「あっ そうか 今までお世話してきたけど 出来ないし」
「おう まぁそんなとこかな」

倉元が2人に中元の打ち合わせをしようといって真中のテーブルに来た
神山と杉田もデザイン資料を持ち寄った
項目ごとチェックしてゆき 殆どOKがでた
倉元が杉田に 良く出来た事で誉めると
「すみません 殆ど先輩が原案を作ってくれたんです」
「おうそうか、、、でもフィニッシュは翔だろ 頑張ったじゃないか」
「倉さん 造花はどうしますか」
「おう そうだな 翔 赤坂センターの見積もりをもってこいや」
「はい 準備できています」
「おう 早いな」
そう言い見積もりを項目ごとつき合わせてみた所 漏れがないので
「翔 もうこれでいいな 追加は出来ないぞ」
「はい けさ先輩から言われ 何回も見ましたが 漏れは有りません」
「翔さ スポーツの什器だけど 流通センター納めだろ
什器屋は なんにも言って来ないのか 後で運搬費下さいは無しだよ」
「はい それも確認をとってあります 大丈夫です」
「おう そうか そうすると単純に10万円浮くな」
「ええ 看板を再利用するので 鈴や装飾がその分減っていますね」
「おう で翔 この概算見積もりはこの数字で課長に行ってるのか?」
「喜んでください ちゃんと看板代を入れて出しています」
「おう たまにはいい事するな そうしたらここで買いたいが枠がな~」
「ええ 僕も倉さんに相談しようと思っていたんです 翔の数字がOKなら
ここで購入できるしと思っていたんです
あの色の造花はほんと難しくて 普通のリーフを混ぜる事出来ないし
単独で使わないと いい色気が出てこないんですよ」
「おう そうだな 今までのが多少でも使いまわし出来ればな、、、
そうしたら オレが課長に話す 今日中だったら納品は大丈夫?」
「ええ大丈夫です 昨日確認をしました ここ1週間って言ってましたが
輸入品なので 早く抑えたほうがいいでしょうね」
「おう わかった 今日中に結論を出すよ」

3人が話し終わった時に 店長と奥村課長が戻ってきた
「おう おかえり どうだった」
「ええ 今副社長と決定した事をご報告します みんな集まって」
そう言われ センターテーブルに集まった
「副社長と本社秘書課並び人事課を交えて話をしてきました
確認事項と決定事項がありますので ダブりますがご了承ねがいます」
奥村課長が丁寧な進行のときは特に大切な内容の話なのでみなメモをとった
「神山部長 人事発令4月30日 朝9時30分
職種 理事  役職 東京本社次長  
秘書 田所 洋子 人事発令 4月20日 朝9時30分 
職種 部長  役職 東京本社次長 神山 龍巳 専属秘書 以上」
みんなこのことを聞いてざわざわした
特に専属秘書の部分だった
皆が疑問に思っているので 奥村が
「え~ 専属秘書も今回新しく設けました 説明します
田所さんは鈴やの仕事だけではなく アルタの仕事もします
要は次長秘書になると鈴やの中だけの秘書になってしまいます
そこでオールマイティーに管理したほうが鈴ややアルタなど
全てを見てもらう事が出来ます 主にスケジュール管理や
各取引先との連絡です え~ もう直ぐ田所さんが来ますので
拍手で迎えてください
尚 それに伴った決定事項です
次長室は ここの奥に設けます 間仕切り工事が明日から入り
出来上がりは 4月27日月曜日 施工 アルタ 費用アルタ
これには事情がありまして アルタさんの会社では神山次長の席を
設けません したがって次長席は鈴やだけになります
次長室は本社のように秘書室との仕切りを設けません
理由は部屋が狭くなり テーブルが入らない事と次長の作業スペースが
無くなってしまう事由です 
尚 それに伴い 催事課の会議室が 現在 180平米有りますが 
110平米に縮小します
それから次長室の家具 備品類の準備はアルタが担当します
えっと それから」





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2011年3月22日火曜日

Vol.255 青葉 -5-19


「おう 辞めさせられたな おう そっから出るか」
「ええ 勿論 催事課ではと言うより 銀座店では出せませんからね」
「ははは 奥ちゃん良く調べているね」
「はい これも組合の仕事ですから そこで東京本社でだす訳です」
「うん そうしよう よし僕は副社長に伝えておく
人事関係は本社から持ってくるんだな」
「ええ 銀座の人材を使いません」
「分った 銀座がお金 人 と関らなければワシはOKじゃ」
「ありがとうございます それで次長室なんですが まさか今のままでは
仕事が出来ないので この会議室の後ろが開いているので
そこで仕事をしてもらえば こちらも助かるんですが 如何でしょうか」
「そうだな 奥ちゃんがそれでいいとなれば OKだ」
「倉さんはどうですか?」
「おう いいね その方がある部分仕事しやすいだろう」
「勿論 会議なんかは この部屋を使ってもいいし 
この上の会議室もあるし 山ちゃんも会議室があれば 困らないと思う
店長 よろしいでしょうか?」
「わかった 早速 準備をしてくれ 待遇が悪いとアルタに行かれるぞ
アルタはこの至宝を狙っているからな 奥ちゃん頼んだぞ」
「はい 山ちゃんは鈴やで守ります 手放しません
そう言う事だ 山ちゃん この後ろに山ちゃんの部屋が出来る事
専属の秘書がつく事 最後に待遇を良くするから 離れないでね」
奥村の最後の言葉で店長 倉元 神山 奥村自身笑った
店長が
「奥ちゃん もう良いかね 開放してくれるかね」
「どうもありがとうございます お忙しい所 すみませんでした」
「では 山ちゃん 頑張ってな 頼んだよ」
店長は手を振って部屋を出て行った みなお辞儀をして見送った

部屋に残った3人は今後の仕事の進め方を協議した
神山は今まで通りと言ったが これからは重要催事だけ手伝う
勿論 余裕がある時には手伝ってもらう
「山ちゃん これは肝心な事だけど いままで銀座店の中で行動する場合
店長の判を貰っていたけど これからは本社秘書課で貰う事になる
もっとも書類を出せば殆ど判はもらえる なにしろ次長だからね
秘書課も嫌といえないんだよ
それから人事考課は副社長になる もっとも理事の場合 部長と違って
そんなに厳しくないし大丈夫だよ それから出勤簿はなくなる
ただ 秘書には伝え連絡取れるようにする 勤怠関係は本社人事になる
以上 何か質問はあるかな もちろん倉さんも」
「おう オレはない ただ催事の出勤簿から消えるのが寂しいな」
「ええ しかし次長が催事課では可笑しいでしょ」
「おう そうだな」
「僕も有りませんが しかし、、、」
「うん しかし、、、とは?」
「随分と手回しが良いなと感じていたんですよ」
「うん 前から考えていたのさ 勤務にしてもイレギュラーな時間が多いし
本人と連絡をとっても こちらの仕事が出来ないとか 
今後 絶対にそのような時が来ると思い 情報を探しておいたさ
それが今回こんなに早く役に立ったわけさ
山ちゃんと同じだよ 情報を先取りすれば優位に話が出来るし
懸案を纏める事が出来るんだよ」
「ありがとうございます 勉強になりました」
「さあ それでは仕事をしよう」

奥村は部屋を出て席に戻ると店長から電話が来た 何度も頷いていた
「由香里姫 店長と副社長の本社に行ってくる」
「はい 行ってらっしゃい」
神山と倉元が席に戻るとき 市川が
「山ちゃん じゃない部長 凄いじゃないか この若さで理事なんて」
「たまたまだよ 市ちゃんもがんばれよ」
今度は由香里が
「凄いわ やっぱり私が見込んだ通りね 凄いわ」
「先輩 凄いですよ 僕にとっても嬉しいですよ 胸張れますよ」
「うん だけど余計な事はしゃべるなよ 昨日みたいになっても
もう助けられないからな いいね ねぇ倉さん」
神山はウインクをして 倉元に振った
「おう そうだぞ これからは助けてくれる人がいないぞ
オレも忙しいからな 翔のことに付き合えないぞ」
「そんな 誉めたのに そこに行く訳ですね すみません」
「そうよ だって奥村さんだって 返す事出来なかったでしょ
たまたま神山さんが知っていたから笑い話で済んだんじゃない
もっとしっかりしてよ ほんと神山さんの爪の垢でも飲んだら」





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2011年3月21日月曜日

Vol.254 青葉 -5-19


そのように臨機応変 柔軟な思考 迅速な決断 を評価されたし
勿論デザインは最高級の評価を頂いた
そこでだ アルタとしてはこの際 神山君を引き抜くと言うわけだ
しかし鈴やにとっても至宝なので手放せない
そこで妥協案が出されお互いの関係を上手に利用するには
鈴や在席が一番で しかもこれから色々と仕事を考えると
部長では如何なものか
そこで 考えついたのが 東京本社次長と言う前代見門の
役職が誕生したわけさ この話は東京本社に副社長がいらっしゃったので
相談して 結論を出した」
店長の話を聞いていたみんなは あっけに取られていた
そこに翔が戻ってきて
「お待たせしました お客様が一杯並んでいて すぐに
買えなかったんです すみません それと先輩 おつりです」
それを聞いた由香里は
「先輩じゃなくて 神山部長でしょ」
杉田は訳がわからずきょとんとしていると 神山はおつりを受け取り
「ははは いいよ先輩で ねぇ店長」
「ははは まあいいじゃないか 由香里姫」

由香里はお辞儀をして コーヒーを入れに行った 店長は
「ここは本当に 安らぐところだ 何時来ても飾った所ないし
サムライが揃っているし 頭の切れる女性はいるし」
「店長 頭が切れるだけではなく美貌も備わっていますよ」
「そうだな 奥ちゃんの言う通りじゃな なぁ倉さん 17日に受賞の
祝賀会を開いたばかりだろう」
「おう そうですね どうしましょうか」
「そこで 26日のニーナ・ニーナオープンの後はどうかな?」
「そうですね 翔 出勤簿持って来てくれ」
神山は黙っていた 翔は出勤簿を倉元に渡すと
「全員出勤ですが あっ 主役が居ません 店長」
「どうした 山ちゃん」
店長から聞かれ
「ええ 実は26日は御殿場のホテルの仕事なんです
例の車の件もあって 自分も手伝いに行くんです
なにしろアルタも横浜を抱え人手が足りないそうです」
「そうか 凄い仕事だな ほんと催事課の器をはみ出るな
わかった 主役が居なければむりだな」
奥村課長が 
「店長 祝賀会ですが 本社は呼んだほうが良いですね」
「うん 副社長がご存知なので秘書室長 店では店次長と秘書課かな」
「はい では招待状の原案を作り後でお届けに伺います」
「うん 日付だけ抜いてな ワシのほうから副社長に電話をして
何時あいているか聞いてみようか」
「はい ありがとうございます お任せします
うちのほうで都合が悪いのは 赤坂センターホテル準備の
5月1日 撤収作業がある3日です」
「そうか そうしたら2日には副社長もホテルに行くと言っていたので
2日土曜日にしようか なぁ 倉さん」
「ええ 皆さん 顔揃っていますからね」
「奥ちゃん そのように作ってよ」
「はい 主催はどうしますかね 困っています」
「うん いいじゃないか ここで」
「はい ではそうさせて頂きます」
会議室の中では まだ興奮が冷めなかった その時神山が
「店長 お伺いしたいんですが 御殿場が終ったらどうなるんですか」
「う~ん ワシも考えていたんじゃが、、、う~ん
いっそうの事 役員になるかだな あとは現状移行だな
なにしろ業績がある人間を下げる訳にはいかないしな」
「僕は今のままで仕事したいですけどね」
「まあ そうだな しかし今度は手広くなるからな」
奥村がそろそろお開きにしようと
「山ちゃんと倉さんを除いて 席に戻って仕事だ」
みな奥村の掛け声で 席に戻った 奥村が
「山ちゃん 店長も仰られて居るわけだから 
今後は幅広く仕事をし活躍して欲しいんだ 
という事はここだけに拘らなくても良い事になるので
店長 彼に専属の秘書を付けては 如何でしょうか」
「う~ん そうだな 本社じゃ秘書いるしワシも秘書がいるしな」
「倉さんどう思いますか」
「おう そうだな いちいち山ちゃんじゃ可哀相だろ
肝心な所は今まで通りにすればいいし アルタの常務だろ 付けよう
しかし お金はどうする」
「ええ 実は東京本社で一人辞められたでしょ」





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2011年3月20日日曜日

Vol.253 青葉 -5-19


電話に出ると
「やあ 山ちゃんおめでとうございます 素晴らしいね
今 内藤社長から聞きましたよ これで思う存分
御殿場アウトレットの仕事が出来ますね いや本当におめでとう」
神山は会議室に戻ると
「筒井さんから 頑張ってくださいとお褒めの言葉を頂きました」
神山は杉田に
「なあ 翔 これで地下でケーキ買ってきて」
神山は杉田に小銭入れを渡し頼んだ 杉田は小銭入れを覗いたが
「先輩 足りませんよ 実は昨日も足りなかったんで自腹切ったんです」
「ごめんごめん そうか」
そう言うと札入れを出し 1万円を渡し
「昨日の分 そっから引いといてちょうだい」
「はい 行ってきます」
そう言い部屋を出ると又 戻ってきた
「奥村課長 店長が来られました」

奥村以下全員立ち上がり 店長を迎えた
「いや 大した用じゃないんだ 今 山ちゃんが部屋に居るので来た」 
「おう 翔 店長の分も買ってこいや」
倉元から言われ地下へ買いに行った
「改めて 神山君 おめでとうございます 素晴らしい働きだ
アルタの社長がべたほれで 私はどうする事も出来なかった
鈴やさんで理事扱いしなければ私の会社に引き抜きます
と そこまで言われ 考えた結果なんだ だから理事でも
店次長ではなく 東京本社次長になる 勿論仕事はここも手伝ってもらうが
メインは御殿場アウトレットになってくる
アルタさんのアレックスグループやうちの食堂 ニーナ・ニーナの仕事と
この一年 大変な事になる いち催事課員だと動きが制限されるので
東京本社付けになった その方が自由に動けるしな
しかし はじめてだぞ 東京本社次長は」
奥村は組合の執行役員をしていることもあり
「そうですよね 本社社長はいませんからね 東京本社と言う
名称は普通の会社の本社と違って 各店を統括する人の集まりですからね
だから 東京本社社長は居ないだろ」
「したがって 神山君は30日の人事発令後は私の部下ではなく
同格になる ちょっと変な話だけどな ははは」
奥村が
「そうすると役員になるわけですか?」
「うん まあそう言う事になるなかな」 
「えぇ~ そうか 鈴や社長 副社長 専務 常務 その次ですか」
「うん そうだ わしもほんとビックリしている」
「そうか 株主総会で承認が必要なのは常務までだから 次長理事だと
本社サイドで人事が発令できるわけですね」
「うん そうだな」
黙っていた神山が
「そうすると 30日は本社秘書課に伺う事になるのでしょうか?」
「うん そうだね」
由香里がきょとんとして
「神山さん 店長と同じ位偉くなるんだ」
奥村が
「店長は常務だから山ちゃんはその下さ だけど銀座店を統括して
みる事が出来るし 店長にも同等の立場で発言できるのさ」
「おう 山ちゃん 凄いな ワシはびっくりだよ まだ信じられない
銀座だけじゃなく 全国でも初めてだぞ ははは」
奥山が
「店長 アルタは何をそんなに山ちゃんを買ったんですか」
「うん みんな居るがいいのか?」
「ええ 構いません それに勉強になります」
「そうだな 御殿場アウトレットのオープンが早まる事は関係者は
皆知っていたが動けない状態が続いているわけだ
勿論 構築物などはある程度原案は出来ているがね
しかし 本格的に稼動しようにも 道路設備 土地買収など
特に駐車場関連など色々な要素があって 動けなかった
ところが山ちゃんの情報で一気に稼動できるわけだ
コレは単に構築物をデザインするとかではなく 総合的に
権利を取得出来るチャンスでもある訳さ
例えばオープン時のアレックスグループのTVCM権利や現場の
イベント関係の権利など 全てが優位に話を進める事が出来るんだよ
なぜかと言うと オープンまで時間がないから スムースに進まなければ
今度は発注した側が困る訳だ そこでもアルタは優位に立てる
そこで山ちゃんがなぜ必要かに成って来るのだが
今までの仕事の内容や態度 上原の仕事の進め方
絶賛していたのは24日の配車の件 26日の配車の件 今朝の件





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2011年3月19日土曜日

Vol.252 青葉 -5-19


「やったわね あな、、、神山さん」
「やあ 山ちゃん 凄いじゃないか」
部屋の皆が声を掛けてきた
神山は訳が分らないのできょとんとしていると
「おう 山ちゃん 凄いな大スクープを よく発見した」
「そんな その件ですか たまたまですよ」
「おう しかしなそれを直ぐにアルタに知らせるとは大したものだ」
「ええ まあ 自分も大変になるので それでアルタに伝えたんですよ」
奥村が近寄ってきて
「先ほどアルタの内藤社長が来られて大変喜んでおられた」
「来たんですか ここに」
「うん 佐藤部長と一緒に来られた」
「へぇ~ なんでそんなに、、、」
「店長に会われる為に来たんだ」
「へぇ~」
「そうだ みんな居るから ちょっと会議室へ来てくれ 由香里さんも」
催事課全員が会議室に入ると 奥村が
「コレはまだ正式ではないが 決定するのでそのつもりで 極秘です」
神山は今後アルタの出向社員扱いと成る事 待遇は常務
鈴や銀座店にも 席を置く待遇は理事と成る 
アルタの仕事内容は御殿場アウトレットの全般デザインを含めた
統括アドバイザーになることを話した
催事課皆はびっくりした 倉元は知っていたので驚かないが
「おう 山ちゃん オレを抜いたな 凄いぞ こんなの初めてだ
店長も驚いてさ 大喜びだったぞ おい 凄いよ」
倉元の発言を受けて奥村が
「鈴や始まって依頼の出来事です この若さで 理事になり
さらに先方の待遇が常務とは聞いた事がありません
山ちゃんは今後御殿場アウトレットを中心に動いて貰います
実は御殿場アウトレットに鈴やも食堂関係で出店予定が
ありましたが 先ほど出店が正式に決まりました
我社の出店は一部には知られていましたが 公には成っていません
しかし 本日から正式に稼動します
統括責任者 神山理事 施工管理アルタです
以上 ご報告いたします
山ちゃん いや神山部長 おめでとうございます」
奥村課長の話が終るとみんなから拍手された
神山自身実感が湧かないが 要は今までよりアルタの仕事をして
業績をあげていく事がねらいだと思っていた

報告終った奥村が 
「いや 山ちゃんじゃない神山部長 凄い 店長を動かすなんて」
「そんな 何もしていないですよ 向こうで常務と言われても
結局は今までの仕事プラス アルタの仕事が増える事でしょ」
「まあ そうだが 比重を今までよりアルタに置く事が条件に成っている」
「そんなの 難しいですよ」
「そうだな しかしアルタが考えられない事を山ちゃんじゃない
神山部長が提案していって 進めていく事なんだよ
具体的には24日の配車の件26日の配車の件 今日の午前中の件
全て内藤社長に報告されている
そのように臨機応変 柔軟な思考 迅速な決断 を評価された
勿論デザインは最上級評価だよ
一番は顔の広さだろう 人脈を大切にしているので
そこが最大のポイントじゃないかな」
「へぇ~ そんなもんですかね」
「そこが一番大切さ 山ちゃんじゃない神山部長」
「いいですよ 山ちゃんで 皆さんも山ちゃんで良いからね」
鈴やの理事は店長 店次長 部長職が理事で
部長職は 理事と部長と別れている
今 倉元や神山 その他店内の部長は職級は部長で理事は一人も居ない
「尚 皆に一言 絶対に漏らさないで欲しい この人事はアルタを含め
色々と手続きがあり 4月30日 木曜日朝発令 アルタも午後発令
よって 30日は大変な一日になるが 皆さん協力してください
それから 今の上原の電話番号は必要以上絶対に教えないように
アルタの仕事が絡んできますから 住所もいいですね
それで 山ちゃん この時ばかりはスーツにしないか?」
「おう 奥ちゃん いいじゃないか そのままで
銀座はそれで通してきたんだし 服が辞令貰うんじゃないぞ」
「そうですね 分りました」
「倉さん ありがとうございます」
賑わっている時 部屋の電話がずーっと鳴っていた 直通だった
由香里が急いで部屋を出て受話器を上げると 筒井からだった
「山ちゃん 筒井さんからですが」
「分りました」





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2011年3月18日金曜日

Vol.251 青葉 -5-19


暫く記事を読んでいるとアルタの高橋から電話が入った
「山ちゃん お昼ですよ~」
「了解です 今行きます」
神山はそのまま銀座に行くつもりで出かけた

「お待たせしました」
「さっきの照明と床だけどOKです 床やは3時でOK
さあ今日は、、、駅前にする?」
「うん 美味しいし」
「でも良く飽きないよね」
「孝ちゃんだって飽きないでしょ」
「うん まあ」
高橋はシャッターを閉めて待っていたので直ぐに寿司屋に向かった
「だけどあのシャッターいいよね 閉まっていても中見えるし」
「そうですね ただ高いのがねー」
「うん そうだね そこがネックだよね もう少し安くなれば
ブティックはみな利用するよね」
「そうそう 利用すると思うよ 綺麗で上品だもの」
神山と高橋がそんな話をしていると寿司屋に着いた
いつものように奥を案内され ビールが出された
女将がビールを置くと
「昨日は済みませんでした なんかお騒がせして」
ぺこりとお辞儀をしてカウンターに戻った
「どうしたの 孝ちゃん」
「新宿の件 あれ僕が動けないから 最終的に田中君にお願いしたんだ
それで 親戚のオーナーさんに会って 話を聞いたら 
予算が全然 合わなくて じ えんど でした」
「そうなんだ」
「どう安く見ても 7百万はいくんです それが半分以下だとねぇ」
「そうすると 他でもっと安く出来た話を聞いているんだ」
「そうだね 2,3百万で出来る話を 困るねぇ 安かろう悪かろう」
「そうだよねぇ それで女将が謝っていたのか」
「うん 多分」
ビールが美味くお代わりを頼むと
つまみの鮮魚の盛り合わせとビールを持って来て
「今日はご馳走させて頂きますから どんどん頼んでください」
女将は笑みを浮かべ言って お辞儀した
「しかし どんどん食べてと言ってもねぇ」
「そうそう食べられる訳じゃないし」
二人は顔を見合わせ笑った

神山は忘れかけていた 御殿場アウトレットの記事を高橋に見せた
高橋は 驚いて
「山ちゃん 凄いね よく発見したじゃん」
「うん たまたまですよ」
高橋はごめんなさいと言い 内藤に電話をし神山が発見した記事を伝えた
話が進むと高橋は真剣な顔つきに変り話しに頷いていた 終ると
「社長 喜んでいたよ 明日 例のアレックスグループの統括責任者と
会う事になっているんだって 情報時代だから先に集めたほうが勝ちです」
「良かったね 役に立って」
「うん 社長 これから会社に出るって そしてデザイナーも呼ぶってさ」
「凄いじゃない でもそんなに違うの アルタで決定したでしょ」
「ところがこうゆう情報を生かし戦略を進めるわけですよ
こちらが主導権とるか否かで全然違うからね 優位になると
色々な事柄がアルタ主導で話が進められるわけなんです」
「よく分らないけど 社長が喜べばいいよね」
神山と高橋が話していると高橋の携帯が鳴った
内藤社長からで 裏が取れ オープンは記事どおりだと言った
神山に替わって欲しいとの事で神山が出ると
「やあ 山ちゃん やったね ありがとう 
実はオープンの時期が早まる事は皆知っていたんだが
はっきりした時期が特定できなかったんだよ 今 裏を取れたから
明日の話し合いはこちらが有利 優位に話を進める事が出来ます
本当にありがとう」
電話を切ると高橋が
「社長 余程嬉しいんだよ あんな声 滅多に聞かないよ」 
「良かったじゃない これで本格的に稼動だね」
「あとは 人材の確保だけだ それも大変だよ」
神山と高橋は御殿場アウトレットの話が弾み時間がすぎた
一通り食べると2時30分になっていた
今日の高橋は3時まで戻ればいいのでゆっくりしていた
神山は3時に銀座に行くので寿司屋を出た

催事課の部屋に入ると 由香里が神山に近づき





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2011年3月17日木曜日

Vol.250 青葉 -5-19


「ええ POPやINFなど色関係は大丈夫です 垂れ幕の発色も
翔が工場で確認をしてきてます」
「おう 懸垂幕はいい色を出していると言っていた わかった 3時に」
「はい お願いします」
「何言っているんだ こちらこそお願いしますだよ 聞いたぞ
みやま運送の件 やったな アルタにひとつ貸しが出来た」
「まあ 困っている時は 何とかって言うでしょ」
「まあな それと上原はどうだ」
「ええ 先ほどまだ間に合う追加工事がありまして 筒井さんに
承諾頂きました」
「ほお なんだ?」
「ええ バックヤードの照明と床です だから器具代と材料費だけ
考えてくださいと伝えたら 大変喜んでいました」
「おう 良かったじゃないか まあ では来てから聞くな」
「はい 造花屋は確認します」
神山は電話を切ると 造花屋 大正堂へ電話をした
「私 鈴やの神山と申しますが 須藤専務さんはいらっしゃいますか」
暫くして
「神山ですが 昨日はありがとうございます サンプルは何時ごろ着ますか」
「宅配に頼んで朝一だよ もう付いていると思うよ 催事課に送ったから」
「ありがとうございます 金額は入っていますか」
「見積もりを付けてあるよ ただ早くしないとなくなっちゃうんだよ」
「いつまでに返事すればいいの」
「う~ん ここ1週間くらいかな」
「分りました」
神山は電話を切ると催事課の直通に電話した
「はい 催事課です」
「神山です」 
「なあに みんな居るわよ 日曜日なのに」
「うん 造花屋さんから サンプル届いていない?」
「うん まだよ」
「そしたら 倉さんに替わって」
「おう どうした」
「ええ サンプルの件で電話しました所 朝一で届くように手配をして
催事課宛に送ってくれたそうです それと見積もりも付いてます
多分 午前中には部屋に届くと思いますよ」
「おお なんか来たぞ 宅配だよな」
「ええ そうです」
「会社は 大正堂か?」
「ええ そうです」
「きたぞ 見ておく」
「ありがとうございます では」

神山は電話連絡を終えると一安心しビールを呑んだ
時計を見るとまだ11時だったので 中元の資料作りを集中的にした
出来上がったので倉元宛てにFAXした 今回は予算が有るので
予算関係だけは パソコンを使って課長にメールを出した
暫くすると電話が鳴ったので出てみると奥村課長だった
「やあ しかしよく計算されて分りやすいよ」
「いえいえ 計算はパソコンですから」  
「そうだな こんど皆にもこのフォーマットで記入してもらおうかな」
「ねぇ 分りやすいでしょ プラマイの事由も」
「うん このフォーマットだけ送れるか?」
「ええ しかし 市川が居れば簡単に作りますよ 彼も得意だし」
「そうか 市川君は出勤しているから作ってもらうよ」
「では 3時過ぎに行きます」
「うん それと造花綺麗で ぴったしだよ 今回の中元に」
「良かったです 楽しみです」
「うん 倉さんも気にっていたよ あとはお金だな」
「ええ それも行ってから」
「了解」

神山はゆっくりとビールを呑んだ
滅多にPCを見ないが Web新聞を開いた
日経Webに[御殿場アウトレット来年平成11年4月4日(日)オープンか]と
出ていた 記事を読むと
【アウトレットのオープンは当初10月になっていたが 道路の
整備事業の前倒しを行う事が決定した コレは周辺の土地買収
が予想外に早く進んだ事がいい結果となった 懸念されていた
駐車場の土地買収も早く終わり工事着工が早まる可能性が
出てきた  4月19日 11時】
神山はすぐに取り掛からないと間に合わないと感じた
この記事をプリントアウトして 会社やアルタに見せてやろうと思った
神山はインターネットはこんなに早く情報が掴めるのかと改めて感心し





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2011年3月16日水曜日

Vol.249 青葉 -5-19


「そうですね それにバックヤードが明るいし そうしましょう」
「蛍光灯は店内と同じ品番を使えば違和感がないよね」
「了解 器具と管はこれから指示しておきます」
「ちなみに 照明と床で10万も見ておけば大丈夫かな?」
「大丈夫ですよ 半分で」
高橋は神山にウインクして OKサインをだした
「そうしたら 筒井さんに連絡するから待っていてください」
「了解」
神山は筒井の自宅に電話をした
「はい 筒井でございますが」
「何時もお世話になっています 鈴やの神山です」
「まあ ご昇進おめでとう それと受賞もおめでとうございます
凄いわね 聞いたわよ 主人も鼻が高いって」
「そんな事ないですよ お元気ですか」
「ええ ちょっと待って 主人を呼ぶから あなた神山さんよ」
「筒井です ご苦労さん どうされました」
「お寛ぎの所 すみません」
神山は今朝現場を見て 今判断すれば間に合う追加工事を伝え
金額は5万円程度ですむ事も話した
「どうもありがとう スタッフも喜ぶよ 5万円は安いよ
照明で明るくなり それで仕事に集中できるからありがたいよ 頼むよ」
「はい ではアルタに発注します すみませんでしたお寛ぎの所」
「ははいいですよ そうゆう前向きな話だったら 楽しみにしています」

神山は電話を切ると高橋に
「筒井さん OKだ 頼みますよ」
「はい これから指示を出します」
神山は祥子に電話をして筒井に話した事 承諾を貰った事を話した
「ふぁ~嬉しいわ ますます頑張らないと筒井に怒られるわね」
「うん 怒られるな あんなに喜んでいたから」
「ええ ありがとうございます」
「では又 銀座に行ったら電話します」
神山は祥子との電話を切ると高橋に
「彼女 凄く喜んでいたよ 宜しくって」
「良かったですね 喜んでもらって」
「この工事が30万円とか掛かると いらないと言われるだろうけどね」
「そうですね 難しい所ですね」
「そうしたら 孝ちゃん 一旦家に戻るよ」
「ここの?」
「ええ 上原の作業場ですね 何かあったら 電話ください」
「了解です」

神山は部屋に戻った 中元装飾はほぼ出来たし 2日の店外催事が
どう進んでいるか確認する為 会社に電話した
「はい 催事課です」
「神山です おはようございます」
「あっ先輩 おはようございます」
「翔 昨日の造花の件だけど伝えてくれた?」
「まだ出勤していないんですよ 倉さん」
「分った あと2日の赤坂センターだけど 進んでいる?」
「ええ 先輩が昨年作った看板類を使いますから予算余ります」
「そうか わかった どの位うく?」
「ええ 約10万です」
「うん わかった この話誰かに言った?」
「いえ 先輩が初めてです」
「おりこうさん 黙っていてくれ 今日3時頃に行った時話しをするよ」
「は~い了解です」
「本当にもれはないね」
「ええ 3時までもう一度調べます」
「うん 昨年の資料を見て つき合わせてみてね 頼んだよ」
「あっ 先輩 倉さん着ましたが どうしますか?」
「うん替わってくれ」
「おう おはようさん どうした」
「おはようございます 実は今 翔と話したんですが、、、、、、」
神山はホテル催事の予算が余る事 中元で使う造花が 七変化で
準備できず上野で使っていた造花屋 浅草大正堂のサンプルが来る事
イメージどおりであれば そこから購入する事 などを説明した
「おう いいじゃない サンプルは今日中に届くんだろ」
「ええ もう一度確認をしますが」
「あとは枠だな 店外催事で入らないだろう」
「ええ 3時すぎに行きます その時 翔の予算もチェックします」
「おう もれて蓋を開けたらマイナスじゃ 笑いもんだ」
「ええ それと中元ですが 翔と私の分は机に置かせて頂きました」
「おう いっぱいあるな で準備はどうだ」





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2011年3月15日火曜日

Vol.248 青葉 -5-19


「大丈夫 間に合うかな?」
「ええ まだ電気は入りますから」
「わかった 久保さんにレイアウトを聞いておきます 効果的な場所に
つけてあげましょう それと この床だけど どう」
神山は売場からバックヤードに入るところの床を指した
売場から見るとバックヤード入り口の間口幅で奥までフローリングが
敷かれているが 斜めから見るとフローリングの脇が既存床になっている
「そうですね、、、同色に近いパンチカーペットでも敷きこみましょうか」
「うん レベルには気をつけてもらって、、、」
「今 在庫とか聴いて見ますね」
高橋は何箇所か電話をしたが OKサインをだした
「大丈夫ですよ 山ちゃん 在庫もあるし今日施工する
だけど ほら 複雑な切り込みは勘弁してくれる?」
「それはそうさ でも消防法の件があるから 材料費は精算に入れてよ
そんな高くないでしょ」
「ええ 店舗で使った1800ロールの残りなんですよ」
「だったら ありがたいが、、、」
「ええ 寸法を伝えそれを持ってくるので 大丈夫ですよ」
「何時頃来るの」
「ええ 帰りに寄ってくれると言う事ですので 3時頃だと思います」
「そうすると 徹夜明けなんだ」
「ええ」
「よかった では照明の件 聞いてみますね」
「ええ お願いします」
神山は祥子にバックヤードの照明をどうするか聞くと
祥子も気になっていたが 後から付けようと考えていたと言った
電気屋が入るので大丈夫だと伝えると
バックヤードのレイアウトが出来ているのでFAXするといった
「孝ちゃん レイアウトが出来ているって よかったよ」
「そうですね さすが久保さん それで」
「うん僕のところにFAXするそうだ だから戻って取って来ます」
「了解です」

神山は自分に部屋に入ると祥子からFAXが送られていた
よく計画されたものだった 
スチールのストック棚 H2100とか作業テーブル H750とか
高さまできちんと記入されていた
最終確認をする為に祥子に電話した
「ありがとう 届いています そこで確認ですが
このストック棚は不動?それと服を掛けておくハンガーバーも不動?」
「ええ ストック棚は不動ね 作業テーブルも不動
だから そう考えていくと ハンガーバーもそんなに動かせないわ」
「そうだよね 動かすとすれば 大胆に替えていかなければいけないしね」
「ええ そうしたら ストック棚から壁の間につければ効果的だし
あと 作業テーブルの上につければ良いね そうそう
作業テーブルの所は天井じゃなく 壁に付けよう」
「ええ そうしてもらうと助かるわ」
「では 高橋さんにつけてもらうよ」
「はい お願いします でも、、、工事代って高くなるの?」
「うん 器具代だけだから 大丈夫だよ」
「は~い 分りました 助かったわ」

神山は電話を切ると 現場にもどり高橋に祥子の図面をみせた
「すごいね Hが入っているよ 山ちゃんが教えたの」
「いいや 教えていないよ 僕も驚いた」
神山と高橋はFAXを見ながら取り付け位置を確認した
作業場は動かさないので排煙ルーバーの下にカバー付きをつける
照明は 基本的に排煙ルーバーの下で設定 上下可能で考える
「そうしたら 天井照明は可動式の金物にする?」
「どうしようか 多分バックヤードの光は店舗側にもれないと思うけど
そうだ孝ちゃん 懐中電灯持っている」
「ええ 持っていますよ」
高橋はバックヤードに脚立つを持っていき昇り 懐中電灯を点けた
ルーバーの所とか高さを変えたりして 神山に確認を取っていた
「ありがとう 大丈夫だよ 孝ちゃん」
高橋は出てきて
「大丈夫でしたか」
「うん 今度は僕が蛍光灯をやってみるよ」
そう言い脚立つに昇り 懐中電灯を色々動かし高橋の感想を聞いた
「壁に近づくと気になりますが 離れれば問題ないですね」
「うん 僕もそう思った そうしたら天井から吊るしましょう」
「電気屋は明日きます その時に吊るして貰います」
「うん 出来ればWを使ってもらいたいな そうすれば遠めで見た時
ルーバーが綺麗に光を出して目立つんじゃない どうだろう?」





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2011年3月14日月曜日

Vol.247 青葉 -5-19


普段見かけないサラーリマンが駅に急いでいた
祥子を駅まで見送ると 現場に入り高橋と挨拶をした
「やあ おはようございます」
「山ちゃん おはようございます 早いですね」
「うん まあ ところでさ 悪いけど照明を点けてもらえる
この曇り空で どのように見えるか ちょっとね」
「ええ ちょと待ってください」
高橋はバックヤードの脇にあるスイッチを入れた
「おお 良いじゃないですか この曇り空だと期待以上ですね
しかし柔らかい光で 雰囲気造りにも最高だね うん いいよ」
「ええ 先ほど確認したんですけど 山ちゃんが喜ぶと思っていました」
「うん いい」
「よかったですね 効果が出ていますよ」
「ところで 孝ちゃん 24日のバックヤードだけど 勿論忙しいのは
分っているけど ニーナ・ニーナ 何時に入れられるかな?」
「そうですね、、、第二貨物さんは早くて3時と言っているんですよ」
「そうか 第二貨物次第か 何時に空きますか?」
「ええ 一応お昼前には全て綺麗にしようと思っています
10時過ぎに床の掃除やワックスが入ります 乾くのは13時だったら
大丈夫だし 10時までには荷物を出しますよ 
別に大きな物はないですけど 残材が13時しか来ないんです
だから それまで動けないと思っていたんですが
残材は 少し早く来て 外に纏めましょう そうすれば使えますね」
「うん そうしたらニーナ・ニーナからオーナーさんに断ってもらおう」
「そうですね まあ通行の邪魔にはなりませんが その方が安心です」
「了解です では後でニーナ・ニーナに連絡します ありがとう
やっぱり工程表どおりにはいかないね 外が絡むと」
「ええ 自分の所だと 調整つくんですが 難しいですね 外部が絡むと」
「今のところは そのくらいかな 孝ちゃん何かある?」
「壁面のスリットの棚受け金物が品番違いが来て 合わなくて
困っているんですが 什器の方が別のスリットを使っていないか
今 小田原工場の返事待ちなんですよ 什器はもう変更きかないし
こちらの壁面スリットを替えなければいけないし 金物もその後
取り寄せになります 大きいのはその位ですね」
「わぁ大変だ 図面はどうなっているの」
「ええ ここに使っているスリットが正解です」
「小田原が間違わなければ良いね」
「ええ 実は横浜と一緒なんです 同じ部屋で同じ様な什器を作っていて
今 寸法を測り割り出しをしています」
「そうか 横浜も同じような什器か」
「そうですね 固定棚より移動棚のほうが 使い勝手良いですからね」
「そうだね 金物も丈夫なつくりになったしね」
そんな話をしていると高橋に電話が入った
スリットの品番を確認したところここで使っている品番と同じと言ってきた
棚受け金物も聞いてみた 小田原は図面どおりだと言ってきた
「山ちゃん 大丈夫だよ 小田原は 図面どおりだって」
「良かったね 助かったよ だって什器が合っても もしかして
間に合わないかもしれないしね」
「うん ぎりぎりだと踏んでいた 良かった~」
高橋は不安が払拭されたのか 安堵した

神山は時計を見ると9時になっていたので祥子に電話した
「神山ですが」
「は~い わたし」
「うん バックヤードの件ですが 13時から使えます
だけど その前に空いているけど 床はワックスをかけるから
やはり 乾いてからの13時からがいいと思う」
「ふぁ~ ありがとうございます 手配しますね」
「うん それと残材を13時まで出しておくので オーナーさんに
一言断ってもらうとありがたい」
「ええ 24日は搬入搬出がありますって事で 一応話はしてあるけど
今一度 残材の事を伝えておきますね ありがとうございます」
神山は高橋に祥子との事を伝えた
「24日夕方までいないけど 何かあったら携帯電話までね」
「大丈夫ですよ 大きいミスはその位で 今は順調です」
神山は段々と出来てくる現場を隅々まで見て廻った
昨日も同じ様に廻ったが 時間が有れば廻る事にしている
バックヤードに来た時 少し考えた
「孝ちゃん 2つあるけどいい? 空いてる」
「ええ」
高橋は神山に呼ばれバックヤードに行った
「まず 照明だけど 天井にないし 暗くならないかな
排煙ルーバーからの採光だけでは暗いな 特に今日みたいな時」
「そうですね 天井に付けましょうか」





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2011年3月13日日曜日

Vol.246 青葉 -5-19


「う~ん 今のところ気になるところは無いけど
ただ ニーナ・ニーナの久保さんにも話したけど
26日のオープンをする事が大事で 細かい所はあとあと直せると
伝えてはあるんですけどね そこですね
結局 細かい手直し コレは希望を含めてだけどね それを一つずつ
こなす時間は絶対にないんだよだから24日に行ったら
まず自分なりにどうか判断し25日26日と通って聞きます」
「そう山ちゃんの言う通り 例え設計図通り出来上がっても
手直しが出てきた場合 オープンに間に合わない事が発生しますし
まあ私も25日は現場もありますから お聞きしますよ」
「そうだね だけど25日は殆ど無いでしょ あれだけきちんと出来てるし
什器も良く出来上がっているし 問題ないと思いますよ」
「ええ細かい所の微調整だけです なにしろ24日夜引渡しですから」
「了解です では後2日頑張って」
「はい山ちゃんも ゆっくり静養してください」
神山は携帯電話を切ると 静かに部屋に入りベッドに横になった
隣りの亜矢子はすうすうと寝息をたてていた
母親のガンや治療費の事で 精神的に疲れたのだろう
特にホテル業は ストレスが溜まりやすいしそれに輪を掛け
リーダーだ うっぷんを晴らしたくとも 持って行くところが無い
又 ストレスが溜まる悪循環を 繰り返していたのではと思った
自分だったら どうしているだろう
ストレスに潰されてしまうかもしれない
亜矢子は 唯一神山を頼れると思っている
そんな事を考えると 亜矢子と一緒にいる時は他の事を考えずに
限られた時間を 楽しく過ごそうと思った
ある程度自分なりに答えが出たので目を閉じると 睡魔が襲ってきた


4月19日 日曜日 曇り
神山は携帯電話のアラームで起きた
昨日は祥子とカラオケに行き その後自宅で工事の話をしながら呑んだ
60インチのモニターを使って説明したが モニターの大きさに驚いていた
今朝はあいにくの曇り空で 昨日の朝のようにテラスに出て
ゆっくりする気分にはなれなかった
FAXをみてみると何も入っていなかったので 会社の仕事に集中した
7時30分頃 祥子から朝ご飯の連絡があったので 部屋に行った
「おはよう」
祥子は口を突き出しキスを求めてきたので合わせた
「あはよう」
「昨夜は 遅くまで ありがとう 助かるわ」
「何時もそばにいるのに 聞いてよ」
「でもね 何を聞いていいか 分らない時があるの 
だから糸口が見つかった時に きちんと聞かないと理解できないのよ」
「そうだよね 畑違いだし 焦れば焦るほど 闇の中だよね」
「そうそう なにか掴めないの そうすると言われても なに話しているの
もう少し分りやすく説明してよって なる訳 です
だから 昨夜のように糸口が見つかった時は 自分が理解しているから
納得も出来る訳 そうすると誰かに伝える時も 失敗はないわ」
「そうだね 理解して納得をしないと伝える事って出来ないね」
「だから さっきのキスはお礼のキッスよ 分った祥子ちゃん特別よ」
「はい ご馳走様でした」
「では 朝ご飯にしましょ」
「うんそうしよう お腹がすいた」
そう言い冷蔵庫からビールを取り出しコップも用意した
今朝は昨日と同じベーコンエッグの洋食だった
サラダが日替わりで出てきて美味しそうだった
祥子のコップにビールを注ぎ 乾杯をした
昨夜の出来事などを話しながら 食事を進め食べ終わると
「ご馳走様でした」
「どういたしまして 簡単なのでごめんなさい」
「いや 仕方ないよ こうやって食べられるだけ幸せさ者さ」
「今朝は現場に行かれるの?」
「うん 祥子は?」
「私は 直接銀座に行くわ 手配した商品の確認とか
24日に届かないと アウトだもん ねぇ 夕方って6時ごろだったら
バックヤードに入れられる?」
「う~ん 丁度什器が入ってくる時間だな 予定では
逆に3時ごろとかのほうがいいと思う そうすれば荷物をよけながら
置く事は大丈夫だけど アルタがね あちらも撤収でどたばたしているし
そうだな アルタの高橋さんに話すわ 午前中に電話するけど大丈夫?」
「ええ 大丈夫よ」

神山と祥子はマンションを少し早めに出ると





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2011年3月12日土曜日

Vol.245 青葉 -5-19


2階は先ほどの屋天風呂と同じフロアだった
ここに そんな施設があるとは思わなかった
指定された カラオケBOXを通り過ぎると 扉が開いている部屋が
いくつか有ったので覗いてみた
マージャンや卓球 一番端はタタミ敷きの大広間があった
ここは屋天風呂を 日帰りで利用した人の休憩室になっていて
売店も用意されていた
カラオケBOXは 5部屋あるが使われているのは2部屋だけだった
夏休みや週末などは 結構順番待ちで大変だろうと思った
「ごめんなさい」
亜矢子はお化粧をしてきたのか輝いていた
「あまり時間は無いけど 亜矢子の歌を聞かせてよ」
「そんなに上手ではないわ 私 でも楽しいわ」
ちょこんとキスをした
神山はキスの感触で分った リップを塗っているので綺麗になったと
亜矢子は先ほどのワインを持って来ていたが 美味しいと言って
独り占めしていた
最初は景気付けに神山から歌った ジュリーの勝手にしやがれだった
亜矢子も途中から 雰囲気に乗って立ち上がり 手拍子をとっていた
歌い終わり座ると
「すごい かっこよかったわ すてきよ」
亜矢子は またキスをしてきた
「ありがとう 古い歌でこのくらいしか 自信なかったんだ」
「ううん 歌詞に気持ちがこもっていたわ 素敵よ」
亜矢子が 選んだのはユーミンの歌だった 2曲連続で歌った
神山は手拍子をとっていたが つい先日祥子が歌った曲だったので
ちょっとばかり複雑な思いをした
「ごめんなさいね 最初から静かな曲を歌って」
「ううん 綺麗な声に聞きほれていた 上手だよ高い声も無理なく
伸びていたしさ 低い声も綺麗だったし ほんと」
亜矢子は 素直に喜びワインをちょこっと口にした
神山はビールの自販機が この部屋の外にあったので買い求めた
「さあ次はあなたよ」
「古い曲ばかりで悪いから 英語の歌でも良いかな下手だよ」
神山はリストから 英語の曲を2曲選び歌った
そこでも亜矢子は笑みを浮かべながら 真剣に神山を見ていた
歌い終わり ビールを呑むと亜矢子に 次は何を歌うか聞くと
「そうね ドリカムにしようかしら」
そういって リストが開かれているところから選曲し
「ねぇ 3曲でもいい?」
「うんOK その間探せるし」
亜矢子は リモコンのスイッチを押すとメロディーが流れ
字幕がでると 殆ど見ないで歌っていった
神山は選曲しようと思ったが 亜矢子の姿に見とれてしまった
二人は交互に歌っていると 楽しく時間を忘れた
神山が歌い終わると スクリーンに25時終了の案内が出てきて
「わぁ 折角盛り上がったのに あなたフロントに言ってきて」
「なんて?」
「うん 朝まで歌わせろって」
「それは幾らなんでも 無理でしょ」
「では帰りましょ なぁーんだ もう つまらないなぁー」
亜矢子は立ち上がる時 神山の大事な所をポンと叩き立ち上がったが
ちょっとよろけた
「大丈夫? 相当呑んだもんな」
「大丈夫よ では帰りましょう」
亜矢子の顔が赤く染まり色っぽさが増した
気持ちいいのか 自分の歌った曲を鼻歌で歌っていた

「あなた ほんと上手よ大好き」 
部屋に戻ると そう言い寝てしまった
唇を合わせても反応が無く 乳房を触っても反応が無かった
神山は秘所を触って 起こしても機嫌を損ねるだけだとして止めた
テラスに出てタバコを吹かしビールを呑んだ
ビールが美味しく直ぐに1本を開けてしまった
カラダを動かしたので 汗が気になり亜矢子を起こさないよう
静かにシャワーで 汗を流し再びテラスに出た
夜空に輝く星を見ていて 上原はどうしているか気になり電話した
「神山ですがこんばんわ」
「こんばんわ 高橋ですどうされました?」
「うん今 夜空を見ているんだけど気になって現場はどうですか?」
「大丈夫ですよ もうすぐ上がりますよ それより山ちゃんは」
「うん大丈夫ですよ 小田原の件は筒井さんと会社に連絡しました
喜んでいたよ 筒井さん」
「分りました あと何かありますか?」





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2011年3月11日金曜日

Vol.244 青葉 -5-19


息苦しいのか唇を離すと息遣いが荒く上体を反らせたので
片手で背中を支えながら乳首を柔らかく噛み転がした
亜矢子はすっと腰をあげ手で肉棒を掴み秘所の中へ導いた
ぬめりとしていて スムースに挿入出来たが上下運動は
水の抵抗があり 普段のスピードで動かす事が出来なかった
亜矢子は立ち上がり 神山に湯船の縁に座るよう言って自分は
湯船の中と同じ格好で導いた
「いいわぁー あなたー あぁー あぁー」
水の抵抗が無いので 亜矢子の好きなスピードで運動する事が出来た
段々と膣が窮屈になってきたので 神山はそのまま後ろへ寝た
亜矢子は完全に上に乗ることが出来 上下だけではなく左右に
動かしたりして
「ねぇ気持ちいい?」
「うん もうすぐだよ我慢できない」
「だめよ そしたらこれは」
今度は クリトリスを押し付ける格好で前後に動いた
「うん効くよ」
神山は揺れている乳房を 鷲づかみし乳首をいじると亜矢子は
「だめ い、く、わ い、く」
先ほどまで 無言だった荒い息遣いだった亜矢子が
腰の動きを上下運動に戻し スピードを速めてきた
膣がますます窮屈になり
「だめ いくわあなた い、く あ、あ き、て ああ、、、」
亜矢子は がくんと首を折 そのまま神山の上に乗ってきた
神山はまだ昇天していなかったので そのまましたから突き上げると
「だめねぇ休ませてお願い」
神山は亜矢子の申し出を無視して 下から突き上げると
「あぁ またいきそう」
下からの攻撃で亜矢子は第二波の快楽が押し寄せていた
神山はスピードを上げると 亜矢子は
「だめ いく いくわあなた」
膣をきゅんを窄めてくると 神山も我慢が出来ず果ててしまった
「あぁ きたぁー あっ、、、」
亜矢子は果てると 完全に力をなくし 神山の上に被さった
少し落ち着いたのか亜矢子は 薄目を開け
神山に抱きつき耳元で
「おちんちん 本当に元気ね嬉しいわ 大好き」
キスをしたが
「どっちが? 僕? おちんちん?」
「ば~か 両方に決まっているでしょ もう」
向き合っていると 時間を忘れるくらい幸せだった
亜矢子は このまま時間が止まって神山を 独占したかった
夜空から星が零れ ファンタジックな世界に酔い浸っていた
暫くすると神山が
「そろそろ時間だと思うよ さっと入って出ようか」

脱衣室で小さくなったおちんちんを
「ほんと 普段は可愛らしいのに大きくなると 凶器だわあぁ怖いわ」
そう言いながら 手で持ち上げ軽くキスをした
亜矢子は 下着を着けていなので 神山が裾を割って手を入れると
「だめよもう 出ないと早く仕度をして」
神山は下着をはかないで 浴衣を着て丹前を羽織った
時間はぎりぎりセーフだったが 果たして次の入浴客がいるか
扉を開けてみると誰もいなかった
ただ隣 の女湯でがさがさ音がしたので 
顔を見合わせ静かに戸をしめた 階段を降りて自分のフロアに来ると
「ねぇ あなた このままフロントに行くの」
「うん そのつもりだよ」
亜矢子は おちんちんを叩いて
「ねぇ ここ出っ張っているわよ それでもいいのすこしHよ」
「そうかな」
「そうよ」
神山は 誰もいない事を確認してパンツを穿いた
「うんでも出っ張っているわ でもはいたもんね」
亜矢子は 笑みを浮かべ安心した様子だった
神山は そのままエレベーターを待ち 亜矢子は部屋に戻った
神山はかぎを返し エレベーターのほうに行くと ほんの僅かだが
歌声が聞こえた 先ほどは気が付かなかったが気になるので
フロントで聞くと カラオケBOXがあり25時まで営業していると
教えて貰い フロントから部屋に電話し亜矢子に聞いた
「ええ いいわよ」
フロントに何階にあるか聞いてみると2階との事
「そしたら 2階に行っているよ」
「ええ 直ぐに行くわ」





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2011年3月10日木曜日

Vol.243 青葉 -5-19


「うん では24日現場で」
「は~い待っています 休養してくださいね」

携帯電話を切ると10時10分だった
神山はさてどうしたものか考え 冷蔵庫を開けるとビールが無いので
階段を使って6階の 自販機まで買いに行った
部屋に戻ってみると 亜矢子が戻っていたのでびっくりした
「早いね亜矢子」
「ええお風呂ひとりぼっちなの 夜空を見ていたら寂しくなって
少し早めに出てきちゃった ふふふ」
「僕も綺麗な星空をみたよ ただ見ていて連絡する所を思い出した
それで早めに出て連絡をとったよ」
「大変ねこんな遅い時間に でもあなたのお仕事 時間関係ないわね」
「うん 工事している時は24時間お仕事ですね
しかし亜矢子だって同じじゃないか ホテルは24時間生きているし
夜勤は大変だって 前報道していたよ」
「ええ そう言われればね」
「さあ今 冷たいビールを買ってきたから 呑もうよ」
「ええ 頂きます待っていてね」
亜矢子は 髪の毛がまだ乾いていないので タオルをちょこんと巻き
「さあ頂きます」
「ねぇ今日遅れた 理由って出来れば聞きたいな」
「そうね 話してなかったもんね」
亜矢子によると病院の支払いの為 当った宝くじを換金しようと
三島の銀行に行ったが 取り扱いできず静岡の銀行まで
行く事になり それで遅くなってしまった
「ごめんなさい 事前に調べておけば こんな事にならなかったのに」
「いいよ 僕も熱海の街並みを見ながら ぼんやり出来たし」
神山は病名を聞くと 辛くなるだろうと思ってあえて聞かなかった
亜矢子は 下を向いてしまい 暗い表情になったが自分から
「母は 肺がんなのだから心配なの」
そう言うと 泣き崩れた
神山は 亜矢子を抱き寄せ
「だけど医者は大丈夫って言ってくれたんだろ」
「しかし 心配よ」
「だけど大きい病院だから 手当ては万全だし
任せておけばいいよ 亜矢子がくよくよするとお母さんも辛いよ」
「そうね、、、」
亜矢子は 少し気を取り直したのか元気になった
「よし露天風呂を聞いてみる」
神山はフロントに確認すると 直ぐに利用できると言った
「ねぇ直ぐ利用できるって 行こうよ」
「ええ貴方と 一緒なら寂しくないわ 行きましょう」
二人はビールを持って 部屋を出た
屋上の露天風呂は2回目だが 夜はファンタジックに演出されていた
埋め込みにあるライトアップ 浴槽のライトアップなど
二人を夢の世界に導くのに 時間はかからなかった
神山はビールをちょっこと 口につけ亜矢子に
「ちょうど美味しくなっているよ」
亜矢子は 差し出されたビールを呑んだ
「ふぁ 冷たいでも美味しいわ 正解ね」
神山は食事から戻ると ワインを空いたビールの缶に注ぎ
冷凍庫で冷やした
亜矢子が何をしているの まずくならないのと聞いてきたが
大丈夫 美味しいよと言って冷凍庫に入れた それを持って来ていた
「こう 冷たいとジュースみたいで呑めるわ」
すこしシャーベットになっているので 呑みやすかった
亜矢子は その缶を離さずちろりちろりと味わっていると
「亜矢子そんなに呑むと後で効くよ」
「は~いあなた」
ワインは日本酒と同じアルコール度数14度なので ぐいぐい呑むと
冷酒と同じで後から効いてくる
神山はワインの缶を受け取るり 少し含み唇を亜矢子の唇に合わせた
亜矢子は 美味しそうに神山から送られる ワインを呑んだ
「あなたから貰うワインは味が 美味しいわ」
亜矢子は唇を合わせた

ライトアップの演出 自然な夜空の演出とワインで酔ったみたいだ
亜矢子は神山の上に乗り向き合う格好になった
湯の中で元気の無い坊やをみて亜矢子は触ってきた
神山は何も出来ないでいると 唇を合わせたまま手を上下に
動かし始めた 硬さが充分になると 肉棒にまたぐ格好になり
自分の秘所を当て 前後に動き始めた
「あぁー いいわぁー すてきよぉー あぁー」





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2011年3月9日水曜日

Vol.242 青葉 -5-19


二人が立ち上がると
ウエイトレス達は皆深々とお辞儀をし見送った
「ありがとうございました」

「ごちそうさま あなた」
「いえいえ久しぶりですよ あんなに食べたのは」
神山と亜矢子は ソファーに沈んで寛いでいた
帰って来る時レストランの時計が21時20分を指していたので
2時間強 ゆっくり食べていた事になる
亜矢子は 先ほどのホテル案内を見ていたが 何かを見つけたのか
「あなた大きいお風呂に行きましょうよ 屋天風呂ですって」
「うん 僕もさっき気にしていたんだ行こう」
「では45分くらいかな?」
「そうね髪を流したいから では10時15分くらいね」
「うんでも待っていなくていいよ
多分りっぱな待合は無いと思うし」
「そうね 椅子があったら少し待っているわね 5分くらい」
「うんそうしよう 風呂場には大抵時計があるからね お願いします」
神山がTシャツを脱ぎ ベッドに置くと亜矢子が丁寧にたたんだ
浴衣に丹前を羽織って 部屋を出ると腕を組ん歩いた
エレベーター前に着き ボタンを押すとすぐ箱が来て乗ると
亜矢子が唇を突き出してきたので 神山は軽く合わせた
箱が2階に着くと 目の前が露天風呂の出入り口になっていて
ガラス戸を開け入った
男湯と女湯の紺地に白抜きの暖簾が掛かっていた
入り口間に椅子が無いので出た時 居なかったら部屋に戻る事にした
「じゃあね」
「うん」
亜矢子はニコニコと手を振り暖簾をくぐり消えた

神山は入ると直ぐに 貴重品預かりのロッカーが有ったので
部屋のキーカードとロレックスを預け 暗証番号を入力した
脱衣籠に脱ぎ捨て 風呂場に入った
入浴客は少なくゆっくりする事が出来ると感じた
自慢の屋天風呂に行ってみた
部屋のテラスで見たように 海を眼下に見ることが出来る
真っ黒な海に 月の光が反射していて 安らいだ気分にしてくれる
国道134号線を走る車のヘッドライトが
ミニュチュアを見ているようだった
ここだけ世界が止まったように 静寂な空間だった
心地よいさざ波の音 海風が防風林にささやく音 聞こえてくる音は
それだけだったが 静かな音楽を聞いているようだった
先ほど入浴していた人が出たのか 男湯全部が静かになった
打たせ湯の音ジャグジーの泡の音 こちらも水の音楽を奏でている
外の暗さに慣れてくると 小波が月の光を動かして
水平線の向こうは 少し明るく感じた
夜空には 星が零れんばかり輝いていた
東京で見るのと違い こちらの方が比較にならないほど星が多く
輝きも比較にならなかった
こんな素敵な空間を独り占めしていると 思うと幸せだった
(そうだ祥子は新幹線かな一応連絡してみよう)
神山は夜空を見ていたら 祥子を思い出してしまった
急いで髪の毛を洗い 簡単に体を洗うと脱衣所の時計は10時だった
部屋に戻ると テラスにでて携帯電話で祥子に電話した
携帯電話は直ぐにつながり祥子が
「わたしよ こんばんわ どうですか温泉は」
「うん 気持ち良いよ 久しぶりの温泉だし疲れが取れるよ」
「それはよかったわ」
「ところで 今どこですか」
「ええ東京駅ですよ 丁度新幹線の改札を出たところよ」
「ああ それで直ぐ繋がったんだ」
「ええ切符をバッグに戻した瞬間ですもの びっくりしたわ」
「わるかったびっくりさせて それで小田原工場だけど」
「うん どうでした」
「順調です 仕上がりも思っていた以上で 大丈夫です
特に棚什器は見るとびっくりするくらい綺麗に仕上がっているよ」
「それはよかったわ ありがとうございます」
「一応筒井さんにも 報告しておきました」
「どうもありがとう 明日連絡があるわね きっと」
「うん そうだと思うよ」
「私は明日から大変だわ 勿論あなたも大変だけど」
「うん 先日も言ったけど 陳列してオープンに間に合わせる
それが一番大切だよ 細かい所は夜、夜でも補修は出来るからね」
「ええありがとうございます 心強いわあなたが居て」





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2011年3月8日火曜日

Vol.241 青葉 -5-19


亜矢子も朴葉をめくり香りを楽しんだ
「美味しそうね 香りも凄くいわ」
神山はワインボトルを見てみると空になっていた
ウエイトレスを呼びメニューを見てみると分らないので
「ねぇ亜矢子はどれにする どれが美味しい?」
「そうね 今のが美味しいけど高いわよいい」
「うん大丈夫 でいくら?」
「15000円」
神山は同じワインを頼んだ
「あなた だけどここのホテル良心的よ
普通このワインいくらだと思う?」
「さあ見当がつかないよ」
「うちでも2万円で出しているわ 安いほうよ
普通2万5千円を割らないと思うの こんど調べて」
「へぇ そんなに違うんだワインって
でも亜矢子が言うように良心的だね よかったよ」
「そうね絶対ここのホテル人気あるわよ 私もファンになったもん」
「おいおい料理が美味しくてワインが安くて まあ僕もファンだ」
二人は顔を見合わせ笑った

今まで気が付かなかったが 廻りの客はスタンダードなのか
魚の盛り合わせも無ければ朴葉焼きも テーブルに並んでいない
そのことを亜矢子に言うと
「そうね 仕方ないわよね私たちが恵まれているのよ
そう考えたほうが色々と 価値が分るんじゃないの」
神山は 朴葉焼きを食べたり焼き魚を食べたり 忙しかった
しっかりと味わい プロの亜矢子が居るので楽しく食べたれた
照り焼きがあったが
「こうゆうの食べると熱いご飯が 欲しくなっちゃうね」
「ええ私もよく食べたわ 熱いご飯と一緒に」
「照り焼きって なぜこんなに美味しいんだろ 
つまみでOKだし ご飯でもOKだし ねえ」
「そうね醤油などに漬けることが 出来て味が出るからじゃない」
「そうか そのままじゃなくて漬けるから 保存が利くんだ」
「そう余りお勧めは出来ませんけどね 大抵2日か3日でしょ」
「西京漬けも同じだね 真空パックは1週間とか大丈夫だけど」
「新鮮さは無くなって来るでしょ だからおだしで勝負じゃない」
揚げ物が来て説明されると 神山は頷いた
次に酢の物がテーブルに来た
やはり出したいが テーブルが一杯で片付けたいけど言えないし
そんなところだろうと 亜矢子に聞いてみると
「そうね 片付けだけで来るホテルではないと思うわ
お客様のことを考えてい るホテルだと思うわ 
教育もしっかりしているし ねぇ厨房カウンターで女の子達
私語が一つも無いでしょ 私ねぇ注意していたのよ笑い声は
たまに有るけど許容範囲内でしょ
辛い職場の事考えたら 私語が無しは素晴らしいわ」
「そう言われればそうだね 私語がないね」
楽しく話をして食べていると 自然と入っていく
揚げ物を食べると 今度はご飯などセットで出てきた
亜矢子も残さずに食べ白いご飯も全部食べ終わると
「ふぁ よく食べた」
「私も久しぶりよ 普段食べられる量じゃないもん」

二人が食べ終わったのを見ると 果物が出てきた
このフルーツが また亜矢子の気を引いた
小さ過ぎず 綺麗に形を作り芸術品だった
この手は喫茶店でも見ないし コンビニなどでも買った事が無い
しかし綺麗に可愛らしく作られた フルーツ達を食べたくなった
亜矢子は笑みを浮かべながら フォークを口に運んでいた
神山も一口食べたがさらりとした 甘さで充分いけた
二人とも時間を掛けて 味を堪能した
「おなかいっぱいよ わたし」
「うん僕も一杯だ ご馳走様でしたしかしワインが
半分位残っちゃった」
「そうしたらここでキープしてくれないかしら 聞いてみるわね」
亜矢子はウエイトレスを呼んでワインの ボトルキープを聞いてみた
「ええ出来ない事は無いですが お味が変わる事を了承して頂ければ」
「そうどうされますかあなた?」
「そうしたら部屋に持っていこう 直ぐに呑んじゃうよ」
「そうねごめんなさい忙しい所 部屋に持っていきますね」
ウエイトレスは 笑みを浮かべお辞儀をした
「さあ お部屋にかえりましょ あなた」
「うんそうしよう」





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2011年3月7日月曜日

Vol.240 青葉 -5-19


何回も言いながら箸を動かした
ゆっくりと食べているつもりだったが器が空いてしまい
次が来るまで間があいた
お品書きを見てみると
一、先付け 二、前菜 三、吸い物 四、刺身 五、煮物 六、焼き物
七、揚げ物 八、酢物 九、ご飯 十、留椀 十一、香物 十二、果物
と書いてあり バランスよく出されると思った
「そうよねこうやってみると バランスいいわよね」
二人で眺めていると吸い物が出てきた 説明があり今回は分った
「わかったよ今回は」
「誰だって湯葉くらい分るわよ ふふふ」
直ぐに刺身が出てきた 今度は別々に盛られ丸い器と2種類が来た
ウエイトレスが丸い器が 特別料理だと言い説明され
ビールが空いたのでワイン注文した
ウエイトレスは分りましたと言いさがった
「なるほどコレが特別料理か、、、美味しそうだね」
「ええここの板前さん結構腕いいと思いますよ
食材が綺麗に切られているし 盛付けも綺麗だし」
「そうか叔母さんは鮮魚店だものね 分るかやっぱり」
「ええ 今はそんな事聞かないけど 昔教えられたわ」
「あとは新鮮かどうかだね」
「ええ だけどホテルだから 滅多な物は出せないでしょ」
亜矢子はそう言い まず自分の所にある切り身から口に入れた
「美味しいわ叔母の所と同じ さすが良い魚を使っているわ
食べてみて美味しいから」
神山も自分の器から箸を進め
「うん うまいほんと美味しいよ」
「ねぇ この中トロを頂いてみて 私分るわ絶対あなた 
うまいって言うわ」
神山は亜矢子が自信をもって言うので中トロを口にした
「ほんとだ うまい」
「でしょ 私ここの板さんすきよ 包丁さばき上手よ」
「なんで分るの?」
「うん ほら魚ってすぐに油が廻る魚と 少し時間がかかるのと
あるの 例えば鯛は切って直ぐに頂いても 美味しいけど少し
時間が経つと 油が廻る前だけどその時が充分に美味しいわ
だから鯛から頂いたの」
「そうか おなじ鯛でもそうすると 美味しさが違うのか」
神山はそう言って 今度は鯛を食べた
確かに亜矢子の言う通り美味しかった
「そうすると 鮮魚じゃないと美味しさが 分らないわけだ」
「そう だからおじさんも鮮魚には 拘っているわ」
話していると ワインが用意され
神山は氷入りのチェイサーを頼んだ
下駄の器はすぐに食べてしまった
「そうすると 活き造りはみなでつつくから時間が経っても
良いように 刺身にしてすぐに盛付けをするんだ」
「ええ あと切る魚の順番ね それも影響すると言っていたわ」
「さすがよく知っているね 勉強になるよ僕なんかそこまで考えて
食べていないから こんどそうゆう食べ方をしてみるよ」
ワインに口をつけながら聞いていた亜矢子は
「そうよ貴方はお魚が好きだから 食べ歩きをしてみたらいいわよ」
「そうだねそうしよう」

神山は上原の寿司屋のことを話した
いつも新鮮で毎日食べても飽きない
「今 現場の直ぐ近くに寿司屋が在ってね 2日に一回或いは
3日続けて食べているけど 美味しくてそれに安いんだ」
「羨ましいわね 美味しいお店が直ぐ近くなんて」
「何言っているんだよ 自分だって叔母さんの所あるじゃない」
「うん でも親戚のところは そうちょくちょくねぇ」
「そうだね 高校生くらいまでなら毎日通っても 今わね」
そう言っていると 活き造りも美味しく食べ 残り少なくなった時
次の焼き物が運ばれてきた 焼き魚に牛肉の朴葉焼きだった
「こちらはさげて よろしいでしょうか?」
「うん~ いやまだ残っているから悪いけど このまま残して」
亜矢子はくすっと笑いながら
「わたし 貴方のように正直に言っている人 大好きよ」
「ありがとうしかし 笑っていたじゃん」
「ごめんごめん」
「この朴葉焼きが特別料理だって よく出てくるね特別料理」
「そうね プラスのところで特別なんじゃない」
神山は刺身が残ったのを食べたり ワインを呑んだりした
朴葉の味噌がぐつぐつといってくるといい香りがした





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2011年3月6日日曜日

Vol.239 青葉 -5-19


「ねえそうしたら時間だし そろそろ食事に行こうよ」
「そうね行きましょ」
「今度はカード持ってきてね」
「は~い ねぇこのままで大丈夫?」
「なにが?」
「だってお化粧もしていないし VIPのお連れ様に相応しい?」
「全然平気だよ 僕はすっぴんの方が好きだなどちらかと言えば」
「またお上手ね よし貴方がOKならばこのまま出ましょ」
亜矢子は腕を組んで エレベーターホールにいった
エレベーターが来て扉が開くと 何組か出たので乗り込み
3階のボタンを押したが 上の8階に行ってしまった
神山と亜矢子は顔を見合わせ笑ってしまった
行き先階のボタンを押しなおすと 扉が閉まりゆっくりと下降した
途中止まらないで3階に着いた
探す事なくレストランがすぐわかり入ると
カウンターで受付嬢がニコニコして出迎えた
「お名前様とお部屋番号をお願いします」
神山はキーカードを見せて神山と名乗った
「神山様ですね はい ただいまお席までご案内いたします」
受付嬢はカウンターから出て奥の窓際の席に案内し
亜矢子の椅子を引き着席を促し神山にも同じ事をした
「お飲みもは何になされますか?」
「うんビールを下さい」
「はいかしこまりました 少々お待ちくださいませ」
そう言うと 厨房に伝え戻ってくると
「只今準備をさせて頂いていますので 少々お待ちくださいませ」
そう言うとお辞儀をして カウンターに戻っていった
亜矢子と外の夜景を見ていると
若いウエイトレスがビールを持ってきて
「お待たせしました こちらが今夜のお品書きです」
そう言って先付けを置くと 二人のグラスにビールを注いで
「あとのお料理は直ぐに お持ちいたしますのでお待ちください」
お辞儀をして厨房カウンターに戻り 各テーブルを見渡していた
亜矢子がビールグラスを持ち 神山もグラスを持った
「では VIP様お疲れ様でした 乾杯」
「うん乾杯でもVIPは やめてよねぇ お願いします」
「だめ だって電車の中でなんと言ったか 覚えていますか?」
「えっ」
「赤パンを何回も言ったでしょ お返ししたからすっきりした」
亜矢子は よっぽど楽しいのか楽しくしようと振舞っているのか
普段になく明るく そして輝いていた
亜矢子の顔を見ていると
「ねぇやっぱり可笑しいお化粧してこようかしら」
「誤解だよ綺麗で輝いていて 見とれていたのさ」
「ほんと大丈夫?」
「うん ほんとうだよ 綺麗だよ」
亜矢子はようやく納得したのか ビールを美味しそうに呑むと
神山も同じ様にグラスを空けビールを注いだ
ビール瓶が空いたので 手を挙げると先ほどの
ウエイトレスがやってきて
「はい どうされましたか?」
「うん ビールをもう一本お願いします」
「はい かしこまりました 少々お待ちくださいませ」
ウエイトレスは厨房脇に在る冷蔵ケースから
ビールを取り出し持ってきた
「お待たせいたしました」
「うん ありがとう」
彼女が立ち去ると 入れ変りに前菜が運ばれてきた
先ほどの女の子の先輩か 前菜の説明をされたが
神山は分らずに頷いていたが 説明が終わり帰った後亜矢子に
「分った今の説明?」
「ええ わかったわ」
「全然分らなかったよ ちんぷんかんぷんさ」
「まあいやだ 彼女かわいそうよ 分らなかったら
聞いてあげないと」
「そうなんだ でもちょっと恥ずかしいじゃん」
「私はあなたが頷いているので 判らない事は後であなたに
聞いてみようと 口を挟まなかったのに もう」
亜矢子はそう言いながらも
「美味しそうね いただきましょ」
「うん いただきます」
「いただきます」

亜矢子は 口にすると素晴らしいお味よ凄く美味しいと





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2011年3月5日土曜日

Vol.238 青葉 -4-18


「お食事も一般の方と違い特別料理をご準備させて頂きます」
「はあ 食事も、、、 だけどあのチケットはなに?」
「ええ ホテル協会の許可を頂き 一流企業様にご購入して
頂いているチケットでございます」
「そうか」
「ええ チケットに番号が入っていたと思いますが その番号で
ランクづけが分ります ホテルではスタンダードのお部屋
ご提供のみで あとご購入金額でスイートになるか
特別料理になるかなどランク分けされます
お食事はチケットのお客様は特別料理ですが
さらに上のランクがございます そのような部分を各企業様に
ご購入して頂いています」
「ちなみに 私のプラン普通にお支払いすると
おいくら位でしょうか?あっ大体でいいですよ」
「ええ 大体ですが」
そう言うと電卓をはじき
「大体ですが お一人様 約6万円ですが このホテルの会員様に
なられますと僅かな金額を追加されるだけで 本日のプランに
ご変更できます こちらがパンフレットでございます」
「はい 分りました ありがとう パンフは頂きます」
神山はエレベーターを待つ間パンフを開いて金額をみて 驚いた
(会員権が500万円 凄いな)
何回かよったら元が取れるんだろうと 計算したら二人で
利用するだけだったら166泊出来る 
しかし じじ ばば まごまご と大家族で 1週間利用となると
10シーズンで元が取れる計算になった
神山は高いものか 安い物か判断できなかった

部屋の前でベルを鳴らすと 直ぐに亜矢子が出てきて
「お帰りなさい 遅かったわね」
「うん 食事の時ワインを頼めるか聞いていたんだ」
「当然 あるでしょ それで?」
「神山様のプランは1本無料で付いていますって」
「へぇ 凄いわね 赤字にならないのかしら」
「からくりがあったよ これ」
神山はパンフを見せながらフロントで聞いたことを伝えると
亜矢子が
「そうすると あなたはそのお金を一杯出してチケットを買った
業者さんから貰った訳なんだ 凄いわねそこの業者さんどこ?」
「うん アルタの内藤社長さ」
「へぇ 凄い アルタさんも 会員制ホテル業界から
認められているんだ そして そのチケットを貰ったあなたは
アルタから認められている」
「うん まあ そこでこの会員権を買った場合に10年くらい
利用すれば元が取れる計算なんだよ」
「ええ 大体そのように設定されているわね 実はうちもあるの
リゾート部分が ただプールとかテニス場はこれからですけど」
「へぇー知らなかった と言うより聞く機会なかったし
それで金額?」
「うちは高いわよ 1200万円で販売しているけど
権売業者では 今1500万円で取引されているわ」
「えっ 1500万円 高いと言うか分らないな」
「しかし あなたも会員よ だってカード受け取ったでしょ」
「うん」
神山は免許書入れからカードを取り出し
「これが1200万円 へぇー
そうすると売ると最低でも1000万か」
「うん普通はね だけどあなたのは譲渡や売買できない会員なの」 
「なんだ でも凄いね それだけの価値があるんだ このカード」
「ええ アルタさんでは 社長が一般の会員権で
奥様 おばあちゃんや 家族の方は あなたと一緒よ」
「へぇ~ 凄いね」
「結局 正会員様に対し5枚までかな 非売のカードを作れるのは」
「まあ 一緒に居れば問題ないし フロントで告げれば問題ないけど
カードがあれば いちいち正会員に断らなくても利用できるしね」
「ええ そうゆうメリットは有るわ
だから 貴方は選ばれたエリートなの 自由に使えるわよホテルを」
「そうか いつ行ってもいつもの最上階?」
「ええ 貴方の場合は最上階よ」
「そうすると アルタはアウトレットの仕事が有るけど
どうするのかな 人数が大変でしょ」
「基本的にはスタンダードを利用して頂いくし
ベッドも増やすと思うわ」
「そうか それで僕が行くと 最上階で、、、ちょっと可哀相だね」
「仕方ないでしょ慈善事業じゃないから
アルタさんも分ってくださるわ」  
「そうすると 僕はどう言う事になるんだろう?」
「いいの あなたは 椿が認定したんだから だから同じ
VIPカード会員でも 貴方のほうが上にランクされているの
だから 最高級のVIPなの わかる?」
「いや全然」
「ほら 椿オーナー自ら認定したから上なのよ
もっと分りやすく言うとね 正会員さんはゴールドカードなの
その下がシルバーカードなの 貴方はプラチナカードでしょ
だから上なの」
「でも 譲渡が出来ない限定会員な訳だ」
「そう だから威張っていていいのよ 好きなこと出来るわ」
「もういいよ 君をゲットしたから」
「まあ だから内藤さまのお仕事でも 椿が絡んでいない時は
普通のシルバー会員の扱いになるわ この間のように
椿が絡んでいれば プラチナ会員と同じよ
まあゴールドも一緒だけど」
「うん分った これからも亜矢子の顔を見に時々行こう」
「うん 待っているわ」
亜矢子は神山に抱きつき 唇を合わせた
神山はさっきから大きな音が気になっているので
「ねぇ やけに音が響かないか まあ寝るのに気にならないけど」
「ごめんなさい わたしが使っているの お化粧室で乾かしているの
多分乾いたと思うから ちょっと待っていて」
亜矢子は立ち上がって 化粧室に入り洗濯物を持ってきた
ショーツを丁寧にたたむとクローゼットのバッグにしまった
化粧室の乾燥ボタンをOFFにすると静かな部屋に戻った
「さっき露天風呂から帰ってから洗ったの 
貴方がよごしたパ、ン、ツを」
「ごめんごめん 乾燥機の音だったんだ 乾いた?」 
「ええ ちゃんと乾いていたわ」





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2011年3月4日金曜日

Vol.237 青葉 -4-18


「うん」
「わかって」
「そうか それで顔だけでなく パンツもぐちゃぐちゃ?」
「そうなの だから早く脱ぎたかったの」
「だけど 着替えはあるんでしょ」
「ええ 余分に持ってきているわ だけどあなたと居ると、、、」
「えっ」
「何枚あっても足りないわきっと だから脱いじゃったの」
亜矢子は神山に唇を向けてきたので 合わせた
せがむように亜矢子の唇は動いた
神山も空いている手で乳首を触ると
唇から喘ぐ声が漏れ始め 首をがくんと後ろにそらし
「嬉しいわ あなた 待っていたのよ 今日を」 
神山はもう片方の手で背中を支え 乳首にキスをした
亜矢子はそれだけで気持ちいいのか 喘いでいた
今度は軽く噛み唇で転がすと 背中が伊勢エビのように
ぴょんとそった
「う~ん だめ 気持ちいいわ あなた だめ」
神山は空いてる手を 亜矢子の秘所に触ると 
ぬめった状態に成っていて彼女は腰を動かし始めた
「ねぇ お願い だめよ」
そう言って亜矢子は神山を制すると 
今度は亜矢子が神山の肉棒を掴んだ
「大きいわ 素敵よ ちゃんとおりこうさんにしていた」
そう言いながら 湯船の中で動かし始めた
神山は湯船の縁に座り 肉棒を亜矢子の前に突き出すと
亜矢子は咥え 教えられたとおり動かし始めた
神山も 気持ちが良くなってきたので フェラチオを止めて
亜矢子を西の太陽に向け 後ろから入った
「こんな、、、はじめて、、、すごくいいわ、、、」
亜矢子は自分で腰を動かしてきて
神山とリズムが合うようになった
「ねぇ、、、もう、いっぱい、、、だ、め、よ わたし、、、」
腰の動きが少し速くなったので 神山も我慢できなくなった
「亜矢子 オレもだめだ」
「一緒に いきましょ、、、き、て、、、、きて」 
神山は うん と力を入れると亜矢子の中に発射した
「あぁ、、、き、た、、、いくわ、、、、あ、っ、っ」
亜矢子の声は最後は聞き取れないくらいほど
小さくなったが一緒に昇天した

亜矢子は神山の肩に顔をあずけ 神山のおちんちんを触っていた
「ねぇ ほんとにおりこうさんにしていた?」
「うん」
「でも うそでもいいや 私の前では私のおちんちんだもの」
亜矢子は神山が例え浮気をしていても 或いは他に女がいても
自分と一緒の時は 自分の事だけを考えてくれていれば
それはそれで良いと思った
まだ 全てを独占できないと思うし
一緒の時間を楽しく過ごせれば そのほうが良いと感じた
例え遊びであっても 私にとって最高の男性だから 自分の行動に
悔いを残さないよう二人の時間を大切にしようと考えていた
暫く浸かっていると 躰が温まり汗が出てきたので
「そろそろ出ようか 次も待っているかも」
「そうね 出ましょ」
亜矢子は神山のおちんちんを掴んだまま立ち上がるリ
引っ張ると抜けて
「いゃ~ 抜けちゃった やだ~ こんなに可愛くなっている」
亜矢子は手のひらでお手玉をしながらクスクス笑った 
脱衣所で仕度をし時計を見ると 約束の30分だった
「次が来ているね きっと」
鍵を開けそっと扉を開けると 誰もいなかった
顔を見合わせ 笑みがこぼれた
「じゃあ 先に部屋に戻っていて フロントに行ってくる」
「でもカード 置いて来ちゃった」
神山は亜矢子にカードを渡すと別れ鍵をフロントへ返した
フロントで夕食事にワインを用意できるか尋ねると
「はい 神山様の場合 ホテル自慢のワイン1本無料で
ご準備出来ますよ」
「へぇ 凄いね あのチケットは」
「ええ 滅多にいらっしゃいませんよ ビールは呑み放題です」
「えっ 呑み放題 それも凄いけど
しかし何処かの居酒屋ではないし そんなにビールばかりはねぇ」
フロント嬢は笑みを浮かべながら 答えていた





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2011年3月3日木曜日

Vol.236 青葉 -4-18


神山はカードを受け取り部屋に入りカーテンを開くと 
海がすぐそばまで迫っていて景観は最高だった 亜矢子を呼び
二人でテラスに出て 海を暫く見ていた
「私のホテルからも 駿河湾が見えるけど こんなに近くないわ
凄いわ 気にいちゃった」
亜矢子が下を見てみると 10M位有る崖の上に建てられていた
「ねぇ あなた下を見て 道路の向こうは直ぐ海よ」
神山も一緒になって下を覗いて見た
「凄いね こんな所に建てるなんて」
部屋に戻り浴室を覗いて見ると
シンプルに造られ思ったより広かった
テーブルに置いてあるホテル案内を見ていると『貸切露天風呂』が
載っていた 亜矢子を呼ぶと冷蔵庫からビールとコップを取り出し
神山の所へ来た コップにビールを注ぎ終ると
「さあ ようやく二人きりになれたわ 乾杯」
神山はビールを呑みながら『貸切露天風呂』の事を指した
「いいわね 行きましょうか まだご飯まで時間有るでしょ」
「うん 有るよ」
フロントに電話をすると 今利用中なので6時からの利用に
なることとフロントに鍵を取りに着て欲しい事を告げられた
「ねぇ あなた 利用時間が30分って書いてあるわ」
「まあ 30分も浸かっていたら のびちゃうよ」
神山はそう言うと 亜矢子にキスをすると亜矢子は
唇を薄く開け答えた 亜矢子が立ち上がり
ジャケットをクローゼットにしまった
「ねぇ あなたもジャケットを 脱いで着替えましょう」
神山はジャケットを脱ぎながら Gパンも脱いで亜矢子に渡すと
「そのTシャツ 明日も着る?」
「ううん 着替えは持ってきているから」
神山は亜矢子の手を自分の元気になった所へ導くと
「だめでしょ これからお風呂に行くんだから
私だって我慢しているのに ほんと元気なんだから」
そう言って神山の大事なところをポンとたたき 
「ねえ 海を見ていて」
神山は用意してある浴衣を着て テラスのほうに向かった
海の向こうには まだ日が沈みそうもないが 
確実に時間を刻んでいた
テラスに出ていると 亜矢子も出てきて 一緒にながめた
フェンスに寄りかかった神山に亜矢子も同じ格好をして
「ねぇ ほんとに私でいいの?
それにこんなに素晴らしいところを?」
神山は亜矢子が何を考えているのか分ったが 正直な気持ちは
「うん きみがいい だからこうやってきたんだよ」
と しか言えなかった
亜矢子は説明不足を非難しなかった けど今を大切にしようと
いつも考えているので それだけで充分だった
逆に『大好きです 結婚しましょう』と言われる方が
もっと辛くなるだろうと 考えた
亜矢子は気を取り直して
「ねぇ 時間大丈夫ですか?」
時計を見るとあと5分ほどで6時になる
「よし フロントに行こう」
神山と亜矢子は部屋を見渡し出た

フロントで鍵を受け取ると 丁度先客が出てくる時で
軽くお辞儀をし 貸切露天風呂に入った
普段は男女別々の露天風呂としてあるが 
夕方5時から深夜24時まで貸切露天風呂として開放されていた
朝6時からは 男女別々の露天風呂となる
神山は浴衣を脱ぎ簡単にたたむと亜矢子が慣れた
手つきでたたみ直し乱れ籠に入れてくれた 
亜矢子も浴衣を脱いだが下には何も着けていなかった
神山は自分が下着を付けているのを恥じ 急いで丸めて籠に入れた
ガラス戸を開けると簡単な洗い場があり その向こうには
タタミ12畳ほどの広い露天風呂があった
神山と亜矢子は広い湯船の端で抱き合った
「いいわ~ こんな経験初めてよ ほんとよ」
「僕も初めてが多くびっくりしているよ」
神山は疑問だった浴衣の下に何もつけていないのを聞いてみた  
「だって 電車の中であなたに助けられたら それだけで、、、」
「なにかしたかな?」
「まだ素性も知らない 私に大金をくれたでしょ」
「うん まあ元々亜矢子のもんだし」
「そんなあなたに ジーンと来て、、、それとキスしたでしょ」





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2011年3月2日水曜日

Vol.235 青葉 -4-18


「ええ だけどそんな事したら ねたまれるから言わないわ」
「あっそうか そんな事で関係が壊れると嫌だよね そうだね」

話が一通り済むと車窓に海が見えてきた
車内を見渡すと 二人だけで女性の車掌は扉の向こう側にいた
時々こちらを観ているみたいだが 席には来なかった
ビールを呑み終わると なんだか物足りなくなったので
車掌を呼んでみると
「はい こちらにメニューがございます」
そう言われ 神山は恥ずかしくなった
アルコールメニューが目の前にあって
『ご注文は赤いボタンを押してお待ちください』と書いてあった
神山はウイスキーの水割りセットを頼み亜矢子も同じ物を頼んだ
「ふぁ~ ここにメニューが有ったなんて 知りませんでした」
「そうね 私か気が付けばよかったわね ごめんなさい」
亜矢子は自分のせいで神山の精神状態を混乱したと思い謝った
「そんなこと無いよ 僕が気が付かなかっただけさ」
神山は亜矢子のほほに口を近づけようとした時 女性の車掌が
「お待ちどうさまでした」
と 水割りセットを持ってきた
小さいサイズのミネラルウォーター 紙コップに氷 
ミニュチュアサイズのウイスキー コレがワンセット
神山も亜矢子もびっくりして 
「もう少し 大きいかと思ったわ しかしホテルに置いているのも
このサイズだから しかたないでしょ ねぇ あなた」
亜矢子はそう言いながら 神山のセットを作り 
「はい 出来ました ウイスキーの水加減わからないので 
ごめんなさい」
亜矢子は自分のを作ると さあ呑みましょと誘った
「ねぇ 話し変るけど 教えて」
「なにを?」
「うん 今夜の赤沢ホテルだけど スタンダードが満室で
スイートに泊まるんだけど」
「えっ スイート 凄いわ すごすぎる」
「うん そこで この券だともしかして追加料金が
発生するかもしれないんだって 資金は大丈夫だけど
実際 あのクラスだとスタンダードの倍見ておけば大丈夫かな?」
「そうね そんなとこだと思います だけどそこまでしていいの?」
「うん それは大丈夫だけど ほら何も知らないと
価値が分らないから」
「そうだけど すごいわ ほんとよ 部屋が取れないので有名よ」
「へぇー じゃあ凄いとこに行くんだ~ やったね 亜矢子」
「嬉しいわ 夢見ているみたい」
「夢じゃないよ ほら」
そう言って 亜矢子のほほに軽くキスをした
亜矢子は真っ赤な顔になって
「収まりましたので 今夜は可愛がってください」
神山に顔を向けず俯いたまま 小さい声で伝えてきた
「わかった 分ったからこっち向いてごらん」
亜矢子はまた泣いているのか 何も言わずに顔を胸に付けてきた
優しく髪をなでてあげると リンスの甘い香りが漂った
ほほを両手で優しくはさみ 顔を上げると目が潤んでいた
亜矢子は目をつぶり口を少し出し神山と唇を合わせた
僅かな時間だったが 昨日のように1週間前の情事が思い出された
目を開けてみると こちらを向いていた女性車掌と目が合い
彼女は気まずさそうに 目をそらした
神山は女性車掌にウインクをし 亜矢子の髪をなでた
亜矢子は目を開き 嬉しいと言った

神山はウイスキーを呑むと亜矢子も呑み 明日の観光を話し始めた
「どこに行きたい? 時間はたっぷり有るしどこでも行けるよ」
「そうね 迷うわ 会社では休みになったら どこどこに
行きたいって思う事が あるんだけど、、、」
「う~ん 天気が良さそうだし 近場で遊ぼうか?」
「ええ あなたに任せます お願いします」
神山と亜矢子が話していると伊豆高原駅に着いた
駅前からタクシーを利用しホテルに着くと
チェックインの手続きをした
「先ほど 予約した神山ですが、、、」
受付にそう言ってチケットを渡すと
「神山様 このチケットはどこのお部屋にお泊り頂いても 
追加料金は発生しません ご安心下さい」
受付嬢は笑みを浮かべ答えた
「そうしたら 一番よいお部屋をお願いします」
「はい このチケットのご利用は当ホテルの最上クラスを
ご用意させて頂いてます お部屋をお調べいたしますので
少々お待ちください」
受付嬢が空き部屋 それも最上級クラスを探しあて 神山に
「お部屋をご案内しますので ここにご記入をお願いします」
連絡先などが書き込む用紙に 神山の連絡先を記入し
亜矢子のところで迷っていると
「お名前さまだけで 結構です」
神山は同伴者のところに亜矢子と記入し 用紙を返した
部屋まで案内という事で その受付嬢がカウンターから出てきて
「お荷物を お持ちいたします」
亜矢子の荷物を持ち 神山も勧められたが 
断り自分で持つ事を伝えた
受付嬢は歩きながら 
「そのチケットは 最高級のVIPチケットです
ですから チケット1枚で5名様までOKで何泊でもできます」
「そうすると 夏休みなんか利用できますね」
「はい しかしシーズンインは最大で2週間のご利用なんです」
「それでも2週間はいいね ねぇ亜矢子」
「そうね 素晴らしいわ」
話をしているとエレベーターで7階に行った
一番奥まで進み
「こちらのお部屋でございます 別館スイートルームでございます
尚 このカードがお部屋の鍵になっておりますので
大切にお取り扱いを お願いします
紛失のさいはフロントまでご連絡下さい
あと ご宿泊は本日と明日の2泊3日でよろしいですか」
「ええ お願いします」
「ご宿泊延期の場合 お部屋が変わることもございます
ご容赦ください」
「食事は部屋で頂けるの?」 
「申し訳ございませんが 3階のレストランをご利用となります
おタバコは お吸いになられますか?」
「はい 吸います」
「では ご夕食は7時からご用意させて頂きますのでお願いします」
「はい わかりました どうもありがとうございます」





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2011年3月1日火曜日

Vol.234 青葉 -4-18


麻のジャケットは 神山が淡いモスグリーンで
亜矢子はホワイトベージュだった
襟の格好からポケット縫製までそっくりだった
「多分 貴方はこんな格好だろうなと
想像してジャケットは買ったの 似合っているかしら 大丈夫?」
「うん 気がつくのが遅かった ごめんね 似合っているよ」
神山はいじらしい一面を発見した
伊豆高原にある赤沢ホテルに電話をすると 満室になっているが
スイートだとまだ空きがあるけれども 宿泊券の種類で追加料金が
発生する事があります それでも宜しいようでしたらご予約を
お願いしますと言われ 予約を入れこれから熱海を出ますと伝えた
「よし 行こう 伊豆高原へ」

亜矢子はけらけら笑いながら 着いて来た
乗車券を買って改札口直ぐ左の階段を上って待っていると
伊豆急下田行きが直ぐに入線する タイミングが良かった
乗車し席に着くと 発車が4時5分なので
急いでビールとおつまみを買った
神山が後ろの車両を見るとロイヤルボックスと書かれた車両が
連結されているので 車掌に聞いてみると 800円追加すれば 
利用できると教えてくれた
席に戻った神山は亜矢子にロイヤルボックスに移る事を伝え
移動した この車両は座席数が極端に少なく
JRのグリーン車よりゆったり出来た
窓際 特に海側に座席が向いていて 車窓からの風景は横に流れる
山側は 4人掛けのボックスシートになっている
海側に座った二人は 同じ格好なので目立った
ホームを歩いている人が車内を見れば この席は目が合う
でも亜矢子は気にしないで 神山に寄りかかってきた
神山はビールのプルトップを開け 亜矢子に手渡した
「ほんと 丁度1週間ぶりだね 再会にかんぱあ~い」
亜矢子もビールを一緒に呑んで一息つくと
「私ね この1週間いろんな事があったの 疲れたわ
だけど 今日あなたに会えたら疲れが何処かに行っちゃったわ」
神山は 自分も忙しかったけど 亜矢子の話を聞くことにしたが
電車が動き始め 最初はトンネルだが 網代を過ぎると海が
見え隠れするようになる
亜矢子の話は 宝くじ2等1千万円が当って 驚いた事と
母親の病状が良くならないので大きい病院に移したらもう少し
こちらに来るのが遅かったら だめになっていたなど
夜勤をしている亜矢子にとっては 辛い事が重なったと思った
「それでね 当選金なんだけど 半分あります ごめんなさい」
亜矢子は500万円の小切手を出した 驚いた神山は
「いいよ 亜矢子が使えば 僕はいいよ」
「でも 買ったのはあなたでしょ だから半分 
ごめんなさい 全額お渡しするつもりだったの 
だけど母に使ったの 本当に ごめんなさい」
亜矢子は俯き涙を流しごめんなさいを何回も言った 神山は明るく
「でも 赤パンは亜矢子の赤パンじゃないか だから亜矢子のだよ」
少し声が大きかったのか 亜矢子は顔を真っ赤にして
「恥ずかしいでしょ いわないで いじわる」
今度は 笑うのをこらえて 涙を流した
「ねぇ 受け取らないんだったら 赤パンの話 止めないからね」
「やめて もう いじわる」
ますます赤くなり 可愛らしかった
「わったわ だけど本当にいいの? 私は助かるけど、、、」
「うん さっきから言っているように 大丈夫
あれば 車を買うけど 亜矢子と一緒だと美味しい地ビール
呑む事出来ないジャン お母さんに使って 赤パンの魔力だよ」
「もう ばか 言わないって約束でしょ」
亜矢子は 嬉しくなったのか 顔を涙でぐしゃぐしゃにして
神山の胸を 叩いてきた
「ほら こっちを向いてごらん」
亜矢子は最初はいやいやしたが 神山に顔を向けた
「ほら マスカラがとれて パンダだぞ」
亜矢子は鏡を見て ティッシュで綺麗にふき取った
「ねぇ 可笑しくない 平気?」
亜矢子のすっぴんは初めてではないが さらに綺麗に見えた
「大丈夫だよ 化粧無くても充分 いや充分以上さ」
「だめよ 誤魔化したって そうしたらこの小切手頂きます」
「うん しかし あの あ・か・パ・ンの魔力は凄いな」
「ねぇ そう赤パン 赤パンって言わないで お願いだから
あのショーツは 友人が話していたの それで買ってみたの」
「そうなんだ そうするとその友人にお礼を言わないとねぇ」





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