そんな話をしている間に熱海駅に着いた
神山はみどりの窓口に行き新幹線の乗車券を購入した
こだまが直ぐにあるというのでグリーン車にした
「由香里 こだまが直ぐに来る 急ごう」
「はい 分りました」
改札を入ると小走りで新幹線の改札に向かい
階段を上りきった時に入線してきた
丁度グリーン車のドアに近いところだったので
今度はゆっくりと乗車する事が出来た
普通席は昨日同様7割がた埋まっていたが
グリーン車は空いていた
席に落ち着いて座って暫くすると三島に着いた
ここで東海道線に乗り換え沼津駅で更に御殿場線に乗り換えた
熱海駅を出てから約1時間で着いた
もっとも連絡が悪いともっと時間がかかりそうで
やはり不便さは隠せなかった
「さあ 御殿場駅ですよ ここから写真を撮りましょうか」
「はい わかりました」
神山は由香里に指示すると駅売店で使い捨てカメラを購入した
「僕も参加するよ」
「わぁ 驚いた あなたも写真撮るの」
「うん なんだか由香里だけだと可哀相だから」
「嬉しいわ そのカメラも良く撮れるのよ 馬鹿に出来ないわよ」
「へぇー このおもちゃが へぇー」
二人は御殿場駅周辺を撮影し終えると 客待ちのタクシーに乗車し
アウトレットの現場に向かった
運転手が
「お帰りは どうされますか?」
「えっ なんですか」
「ええ まだ何も無い所で バスも無いんですよ」
「凄い所に来ちゃったな」
「そうしたら タクシーも呼ばないと来ないよね」
「ええ 工事関係者の方はそうされています」
「分った では帰りに呼ばせて頂きますよ」
「では この番号に電話をしてください」
「はい それで呼んでからどの位で来て頂けるのかな」
「そうですね 車があれば2分くらいで来ますよ」
「早いですね」
「営業所を傍に作ったもんですから 早いです」
アウトレット現場までは15分くらいで着いた
会場は申し訳なさそうな小さな柵で仕切られていたが
所々に本格的な背の高い工事柵が設けられている
これから重作業機が入ってくるのか小さな柵から
本格的な作業柵に取り替え作業が行われていた
正面の工事関係者出入り口にガードマンが配置されていて
入場者のチェックをしているので
神山はアルタの会社名を名乗って入場した
全体を見渡していると由香里が
「ここから写真撮影していきますね」
「うん お願いします」
由香里と話をしていると携帯がなった
「アルタの高橋です おはようございます」
「神山です おはようさん どうしました」
「急で申し訳ないのですが 現場の仕事が増えました」
「えっ 良かったじゃない」
「そこでお願いがあるのですが いいですか」
「うん 何?」
「実はサイン関係の仕事が急に入ったので
撮影場所を増やして欲しいのですが」
「うん いいよ」
「今 どちらですか」
「アウトレットの現場ですが」
「あの~ 御殿場の駅周辺のスナップ写真と
ホテル グランド インの内外を追加して欲しいのですが」
「ああ 御殿場駅周辺は撮影したよ」
「さあすが~山ちゃん ではホテルには椿オーナーが
いらっしゃいますので聞いて頂けますか」
「ええ 分りましたよ」
「チェックインはいつでもOKだと言う事です」
「分りました ありがとさん」
「では 写真撮影 お願いしますね
それから 追加分は又 後日お渡しします」
「いいよ そんな 彼女も充分満足している」
「では いい写真をお願いしますね」
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