「ええ それではいい写真が撮れますように 乾杯」
「そうだね 乾杯」
二人が成功祈願の乾杯をした時 こだまはゆっくりと動き出した
改めて由香里を眺めてみると
今夜の由香里はジーンズの共生地で出来た
パンツとベストそしてジャッケットというファッションだった
ベストの下は白い長袖のTシャツを着ていた
少し着こなしているのか からだにぴったりとして
形のいいバストがベストを盛り上げていた
神山はジャッケットを脱いでいるそのバストにちょんと触ったら
由香里は母親が子供の悪さをしかる目で神山を見た
「何しているの そんな事したら お預けよ」
「だって バストが悪いんだよ」
「何を言っているのですか」
「僕に 触って下さいって さっきから伝わってくるよ」
ここが と又触ると ぴしゃっと手を打たれた
「そんな事ばかりしていると ここを切り取りますよ」
由香里は神山のズボンの上から大事な処をぽんと叩かれた
これで二人の女から切り取られる事を告げられた
一昨日は祥子に言われ 今由香里に言われ
女はどうしてここを切り取る事に執着するのだろうと
しかし昔は切り取られて亡くなった人もいたので
冗談は程ほどにしなと 大変な事になると感じた
「もうしないから 機嫌を直しておくれ」
「いや 嫌い す・け・べ」
「だって 魅力的なものは本能が優先だよ」
「うそばっかり 皆に言っているのでしょ」
「そんな事は無いよ そんな事したら由香里の耳に入るだろ」
由香里はそう言われて 神山の浮いた話が入ってこない事を思った
「そうね」
由香里は自分から色々と情報を流すいわゆる『放送局』ではなく
情報が色々な所から入ってくる『アンテナ』だった
「だからさ 口より手が先に動いてしまうのさ」
「わかったわ だけど皆が見ている所ではやめて」
「見ていないよ 皆前を向いているじゃないか」
「分らないもん 後ろを向く人だっているでしょ」
「分るわけ無いよ 誰も気にしていないよ」
「そんな事無いわ いやよ」
由香里はビールを窓際に置きながら外の景色を眺めた
神山は由香里の機嫌を取り戻そうと手を握った時に後ろから
「ご乗車の皆様 乗車券を拝見させて頂きます」
車掌の声が聞こえてきた
由香里が手をすっと引きそ知らぬ顔で外を見ていた
神山が車掌に乗車券を見せ検札を終えると
「分ったから 機嫌を直してね」
「ほ~ら 誰かに見られるでしょ 分った」
「ごめんね」
「まあ 分ったら許してあげる」
由香里は先ほどの顔とは違い笑顔で神山のほほにキスをした
突然の変貌に戸惑う神山に
「キスは挨拶でしょ あなたのはHよ」
「わかったよ いじめるな」
「だって 分っていないでしょ 女心を」
「なんで 一応分っているつもりだよ」
「うそばっかり だったらHしないでしょ」
「触って下さいって言っているバストがいけないのだ」
「またそんな言い訳をして」
しかし 由香里は形のいいバストを誉められ許す気にした
「だけど 今度Hする時は二人だけの時にしてね」
「分りました ごめんね」
「では ご褒美になでなでしてあげる」
由香里はさきほど叩いた大事な処を軟らかく触った
「だめだよ 元気になってしまうよ」
「いいじゃない 元気なほうが 私元気が好きよ」
「ごめん 勘弁してくれよ 本当に」
由香里は神山が言うのも聞かず更に動きを早くしていると
神山の下半身に変化が生じてきた
こだまは小田原駅を出発した時 車内には二人だけになった
神山は熱海まで車掌が来ない事を知っていたので由香里を反撃した
由香里のバストをTシャツの上から愛撫を始めると
「また 何しているの いや」
由香里の『いや』は先ほどと違い感じている『いや』だった
下半身を触っている手の動きが 尋常でない事が物語っていた
神山の手もバストを柔らかく 時々きつく愛撫をしていると
.
この小説は フィクションとノンフィクションの真ん中、マデゥフィクションです。
(Moderate Fiction)
恋愛やサクセス、官能や社会構造、色々と楽しんで頂けると思います。
長くなりますが、どうぞ最後まで応援をお願いします。

2010年10月31日日曜日
2010年10月30日土曜日
Vol.112 若葉 -2-9
「あっ もうこんな時間か では明日お願いしますね」
「はい 東京駅でお待ちしています」
「うん 頼みますよ」
神山は杉田との打ち合わせを早めに切り上げる事にした
「一応 これで大丈夫だ また月曜日にでも連絡をくれ 今夜は
これから別件で打ち合わせが入っているから これで打ち切り」
「はい 大丈夫ですよ 明日いい写真をお願いしますね」
「しかし カメラマンは由香里姫だからな」
「安心ですよ 神山さんが付いているから」
「じゃあ 頼んだぞ 倉さん御殿場に行ってきます」
「おう 頼んだぞ」
「はい」
神山は倉元と奥村課長 そして市川に挨拶をして出て行った
ビルを出てすぐ傍にあるコインロッカーで
昼間預けた小さな旅行鞄を出していると
「早かったのね あなた」
後ろから由香里が声を掛けてきた
「まあね 大体は分っている事が多いから 翔でも大丈夫」
時計を見てみると6時10分を少し過ぎた時間だった
「10分丁度にタイムカードを押したの」
「どうりで そうしたら そこから車で行こう」
「はい」
神山は傍に駐車しているタクシーに乗り込み
「東京駅の新幹線口にお願いします」
運転手はバックミラーでこちらを確認しながら返事をした
「今夜はどこに泊まるの?」
「熱海の先にある 網代だよ」
「御殿場と随分とはなれているでしょ」
「そんな事は無いさ まあ心配しないで ついて来なさい」
「は~い わ・か・り・ま・し・た」
「しかし 由香里を誤解していた ごめん」
「な~あに 突然」
「いや あとで」
神山は由香里が市川と男女の関係になっていると思って
少し距離をおいて付き合っていた事を反省していた
今回の出張はその穴埋めをする考えもあり
一日でも早く謝りたく計画した
たまたまアルタでも写真が必要という事が神山に拍車を掛けた
タクシーは東京駅の八重洲口に着き新幹線みどりの窓口に向かった
「一番早い熱海で大人2名 グリーン車でお願いします」
「18時37分のこだまが有りますが いいですか」
「ええ お願いします」
神山はお金を払うと すぐに新幹線発車ホームに向かった
急いでいる神山に由香里は
「何を急いでいるの?」
「だって もうホームに入っているのだろう」
「だけど まだ充分に間に合うわよ」
「ゆっくりできるじゃないか 乗ってしまえば」
「それもそうね しかしグリーン車は驚いたわ」
「いいの あとで」
「ビールでも呑みましょうか?」
「うん 僕が買ってくるよ」
「いいの? そんなに」
「だけど 呑みすぎると後が美味しくなくなるから ほどほどだよ」
「えぇ 分りました」
神山は売店でビールと適当に乾き物を買って由香里と車内に入った
自由席と指定席は七割がた埋まっていたがグリーン車には
他に10名程度の乗客しか居なかった
神山たちは進行方向後ろから2列目の席で
周りには誰も乗車してくる気配が無かった
手荷物を棚に載せ由香里を窓がわに座らせた
神山は由香里のジーンズファッションを見ていると
由香里が神山の目を見つめながら
「何見ているの あなた」
「だって 見た事が無いファッションだから 驚いている」
「そうね 初めてでしょ いつもと違うでしょ」
「うん ジーンズも似合うよ」
「ほんと 嬉しいわ 誉められると」
「いつもスーツ姿だったから 逆に新鮮だよ」
「私 今日は普段着よ」
「へぇ しかし似合っているよ ほんと」
「そんなに誉められても何も出ませんよ」
「まあ そんなに苛めるな ビールを呑もう」
.
「はい 東京駅でお待ちしています」
「うん 頼みますよ」
神山は杉田との打ち合わせを早めに切り上げる事にした
「一応 これで大丈夫だ また月曜日にでも連絡をくれ 今夜は
これから別件で打ち合わせが入っているから これで打ち切り」
「はい 大丈夫ですよ 明日いい写真をお願いしますね」
「しかし カメラマンは由香里姫だからな」
「安心ですよ 神山さんが付いているから」
「じゃあ 頼んだぞ 倉さん御殿場に行ってきます」
「おう 頼んだぞ」
「はい」
神山は倉元と奥村課長 そして市川に挨拶をして出て行った
ビルを出てすぐ傍にあるコインロッカーで
昼間預けた小さな旅行鞄を出していると
「早かったのね あなた」
後ろから由香里が声を掛けてきた
「まあね 大体は分っている事が多いから 翔でも大丈夫」
時計を見てみると6時10分を少し過ぎた時間だった
「10分丁度にタイムカードを押したの」
「どうりで そうしたら そこから車で行こう」
「はい」
神山は傍に駐車しているタクシーに乗り込み
「東京駅の新幹線口にお願いします」
運転手はバックミラーでこちらを確認しながら返事をした
「今夜はどこに泊まるの?」
「熱海の先にある 網代だよ」
「御殿場と随分とはなれているでしょ」
「そんな事は無いさ まあ心配しないで ついて来なさい」
「は~い わ・か・り・ま・し・た」
「しかし 由香里を誤解していた ごめん」
「な~あに 突然」
「いや あとで」
神山は由香里が市川と男女の関係になっていると思って
少し距離をおいて付き合っていた事を反省していた
今回の出張はその穴埋めをする考えもあり
一日でも早く謝りたく計画した
たまたまアルタでも写真が必要という事が神山に拍車を掛けた
タクシーは東京駅の八重洲口に着き新幹線みどりの窓口に向かった
「一番早い熱海で大人2名 グリーン車でお願いします」
「18時37分のこだまが有りますが いいですか」
「ええ お願いします」
神山はお金を払うと すぐに新幹線発車ホームに向かった
急いでいる神山に由香里は
「何を急いでいるの?」
「だって もうホームに入っているのだろう」
「だけど まだ充分に間に合うわよ」
「ゆっくりできるじゃないか 乗ってしまえば」
「それもそうね しかしグリーン車は驚いたわ」
「いいの あとで」
「ビールでも呑みましょうか?」
「うん 僕が買ってくるよ」
「いいの? そんなに」
「だけど 呑みすぎると後が美味しくなくなるから ほどほどだよ」
「えぇ 分りました」
神山は売店でビールと適当に乾き物を買って由香里と車内に入った
自由席と指定席は七割がた埋まっていたがグリーン車には
他に10名程度の乗客しか居なかった
神山たちは進行方向後ろから2列目の席で
周りには誰も乗車してくる気配が無かった
手荷物を棚に載せ由香里を窓がわに座らせた
神山は由香里のジーンズファッションを見ていると
由香里が神山の目を見つめながら
「何見ているの あなた」
「だって 見た事が無いファッションだから 驚いている」
「そうね 初めてでしょ いつもと違うでしょ」
「うん ジーンズも似合うよ」
「ほんと 嬉しいわ 誉められると」
「いつもスーツ姿だったから 逆に新鮮だよ」
「私 今日は普段着よ」
「へぇ しかし似合っているよ ほんと」
「そんなに誉められても何も出ませんよ」
「まあ そんなに苛めるな ビールを呑もう」
.
2010年10月29日金曜日
Vol.111 若葉 -2-9
「えぇ まだ産むと言っていますが 彼女のお兄さんと二人で
出産を止まるよう話をして説得しています」
「そうね お兄さんから言われれば少しは考えるかもね」
「今夜も行って説得する事になっているんです」
「えっ まだ逢っているの?」
「いえ 今夜が最後です 皆に誓いましたから」
「その方がいいわ 早く楽にさせてあげないとだめよ」
「今夜はお兄さんと一緒で 説得をしてお別れです」
「その方がいいわね しかしお兄さんよく許してくれたね」
「はぃ 最終的にはお金で別れます」
「どうするの そのお金?」
「恥ずかしいのですが
奥さんのお父さんが出してくれる事になりました」
「でも 一段落だけど さやかさんが可哀相ね」
「ご心配掛けました すみません」
「だけど これから奥様を大切にしないとバチが当るわよ」
斉藤由香里は市川と小松さやかの事を事細かく聞いていた時に
マスターが
「市川さん 課長から電話で
すぐに戻ってきて下さいと言っていました」
「はい 分りました」
「では出ましょうか」
由香里と市川が出ようとすると
入り口付近に 杉田と神山が座っていた
4人はその時にお互いが何の為にここに居るのか分った
「やあ由香里姫 大輔 大変だったな」
「うん だけど解決したよ 詳しい話は 後で又」
「うん 分った大切にしろよ かあちゃん」
「わかった じゃあ先に失礼するよ」
「私も 部屋に戻ります」
「うん 僕らももう少ししたら戻る」
「はい 分りました」
斉藤由香里と市川は神山らを残しレイを出た
「どうしたんですか 先輩」
「例の市川の件だけど決着がついたと言う事さ」
「そうなんですか」
「そうだ だから口にチャックだ 分ったか」
「はい 分りました」
「そうしたら この店外催事は大丈夫だな」
「ええ ここまで教えて頂いたのですから 大丈夫です」
「うん 安心するよ では出ようか」
「そうですね 残りも打ち合わせをしないといけないし」
「そうだな」
神山は席を立ちカウンターで会計する時に時計を見たら
ちょうど5時30分をさしていた
扉を開けるとまだ薄く日が差していて
これからご出勤のクラブの女性達が目立ってきた
この時間のご出勤はまだまだ下っ端の女の子達で
売れている綺麗どころはまだまだ先の時間にご出勤だった
神山が女の子達を見ていると携帯がなった
杉田に
「先に戻っていてくれ 電話が終ったら戻る」
「はい わかりました」
「はい神山ですが」
「私 久保です 今大丈夫ですか」
「うん 大丈夫です」
「今夜の新幹線ですが 7時がとれました」
「よかったね 早い時間で」
「神山さんは お仕事ですか?」
「うん 打ち合わせが在るのでいかれない ごめんなさい」
「いいの では気をつけてくださいね」
「うん そちらこそ」
携帯電話を切ってすぐに由香里の携帯に電話した
「はい 斉藤です」
「神山ですが」
「はい どうされましたか」
「一緒に出るとまずいだろ だから東京駅でどうですか」
「はい わかりました ではご連絡をお待ちしています」
「了解」
神山は部屋に戻ると何事も無かったように自分の席についた
隣に座っている杉田と来週の打ち合わせをしていると
「では お先に失礼します 神山さん明日お願いします」
由香里が挨拶をしに神山に近づき言った
.
出産を止まるよう話をして説得しています」
「そうね お兄さんから言われれば少しは考えるかもね」
「今夜も行って説得する事になっているんです」
「えっ まだ逢っているの?」
「いえ 今夜が最後です 皆に誓いましたから」
「その方がいいわ 早く楽にさせてあげないとだめよ」
「今夜はお兄さんと一緒で 説得をしてお別れです」
「その方がいいわね しかしお兄さんよく許してくれたね」
「はぃ 最終的にはお金で別れます」
「どうするの そのお金?」
「恥ずかしいのですが
奥さんのお父さんが出してくれる事になりました」
「でも 一段落だけど さやかさんが可哀相ね」
「ご心配掛けました すみません」
「だけど これから奥様を大切にしないとバチが当るわよ」
斉藤由香里は市川と小松さやかの事を事細かく聞いていた時に
マスターが
「市川さん 課長から電話で
すぐに戻ってきて下さいと言っていました」
「はい 分りました」
「では出ましょうか」
由香里と市川が出ようとすると
入り口付近に 杉田と神山が座っていた
4人はその時にお互いが何の為にここに居るのか分った
「やあ由香里姫 大輔 大変だったな」
「うん だけど解決したよ 詳しい話は 後で又」
「うん 分った大切にしろよ かあちゃん」
「わかった じゃあ先に失礼するよ」
「私も 部屋に戻ります」
「うん 僕らももう少ししたら戻る」
「はい 分りました」
斉藤由香里と市川は神山らを残しレイを出た
「どうしたんですか 先輩」
「例の市川の件だけど決着がついたと言う事さ」
「そうなんですか」
「そうだ だから口にチャックだ 分ったか」
「はい 分りました」
「そうしたら この店外催事は大丈夫だな」
「ええ ここまで教えて頂いたのですから 大丈夫です」
「うん 安心するよ では出ようか」
「そうですね 残りも打ち合わせをしないといけないし」
「そうだな」
神山は席を立ちカウンターで会計する時に時計を見たら
ちょうど5時30分をさしていた
扉を開けるとまだ薄く日が差していて
これからご出勤のクラブの女性達が目立ってきた
この時間のご出勤はまだまだ下っ端の女の子達で
売れている綺麗どころはまだまだ先の時間にご出勤だった
神山が女の子達を見ていると携帯がなった
杉田に
「先に戻っていてくれ 電話が終ったら戻る」
「はい わかりました」
「はい神山ですが」
「私 久保です 今大丈夫ですか」
「うん 大丈夫です」
「今夜の新幹線ですが 7時がとれました」
「よかったね 早い時間で」
「神山さんは お仕事ですか?」
「うん 打ち合わせが在るのでいかれない ごめんなさい」
「いいの では気をつけてくださいね」
「うん そちらこそ」
携帯電話を切ってすぐに由香里の携帯に電話した
「はい 斉藤です」
「神山ですが」
「はい どうされましたか」
「一緒に出るとまずいだろ だから東京駅でどうですか」
「はい わかりました ではご連絡をお待ちしています」
「了解」
神山は部屋に戻ると何事も無かったように自分の席についた
隣に座っている杉田と来週の打ち合わせをしていると
「では お先に失礼します 神山さん明日お願いします」
由香里が挨拶をしに神山に近づき言った
.
2010年10月28日木曜日
Vol.110 若葉 -2-9
店外催事の1週間前に流通センターに什器を運ばせます
そこにメーカーから来た商品を検査検品しながら掛けていけば
殆ど問題は無いと思いますが 如何ですか」
「そうですね しかし1週間の間保管はどうしますか?」
「それは 空き部屋に保管しておけば問題ないでしょう」
「そうですね センターさん お願いできますか」
「ええ 一つくらいは開いていますから大丈夫ですよ」
販促課長が
「では 同じように当日陳列時間が無い売場はないですね」
各担当が大丈夫と言うのを見て
「では催事課さん スポーツ用品売場のハンガー什器は
流通センター納品でお願いします」
杉田が 神山を見て
「はい 分りました」
販促課長が
「今回催事担当は 神山部長でしたが
今後 横にいる杉田係長が担当します
従いまして これからは杉田係長まで ご連絡ください
それと お手元に配りました会場図面の訂正は無いでしょうか」
会場図面の中には什器備品の配置やレジスターの位置
コーナー看板など準備するもの殆どが網羅されていた
各売場担当者が図面を見て質問がないようなので 杉田が
「什器など変更は1週間とさせて頂きます」
そう言ったあと神山を見ると頷いてくれた
「では これで店外催事の会議を終了します」
杉田が
「先輩 ありがとうございます 助かりました」
「何言っているんだ 当たり前だよ」
それを聞いていた販促課長も
「いや 神山部長にはいつも助けられて ありがとうございます」
「さあ 翔 部屋に戻って来週の打ち合わせをするか」
「はい お願いします」
会議室の棟と催事課の入っているビルとは多少離れているため
外を歩かなければいけなかった
「翔 良かったぞ 今日の説明 大したもんだ」
「先輩が傍に居てくれたから 安心していました」
「おだててもだめだ 今度は一人で行きなさい」
「ありがとうございます がんばります」
「そうしたら そこのレイでも寄って行くか」
「大丈夫ですか」
「大丈夫さ 何かあったらこの携帯が鳴るから」
「では ご馳走様です」
杉田と神山は喫茶レイで今 終った会議の今後を打ち合わせした
催事課のメンバーは会議室の帰りには殆どこのレイを利用していた
だから緊急の用事のときでも店内放送で呼び出しをするより
レイに電話をしたほうが探し出せた
「ねえ 別れる事を課長から聞いたけど 本当なの?」
「はい ご心配を掛けました 別れます」
「しかし分らないわね あんなに一緒になると言っていたでしょ」
「ええ しかし家内に分ってからは、、、」
「当たり前でしょ 奥さんの事 可哀相だと思わないの?」
「はぃ」
「なんで別れる気になったの?」
「家内の親が出てきて たっぷりと絞られたんですよ」
「それだけ?」
「あと、、、別れるとなったら慰謝料を請求すると言われたんです」
「それだけなの?」
「あと 子供が成人するまでの養育費などもろもろです」
「だって 市川さんはそこは 覚悟をしていたわけでしょ」
「えぇ しかし父親から言われ反省をしてしまいました」
「へぇーそんな簡単な愛情だったんだ」
「違います と言ってもどうにもならないですよね」
「当たり前じゃない 浮気して子供作ったら大変でしょ」
「だけど 愛しているんです」
「あなたの愛は 純粋じゃないのよ」
「なんでですか」
「当たり前じゃない 奥さんが居るのに」
「だけど、、、さやかを愛しています」
「その覚悟があったら さやかさんを選べばいいでしょ」
「しかし 僕にはそんな大金を払えることが出来ないし」
「だったら 最初から付き合わなければいいでしょ」
「えぇ、、、」
「それで さやかさんはどうするの」
.
そこにメーカーから来た商品を検査検品しながら掛けていけば
殆ど問題は無いと思いますが 如何ですか」
「そうですね しかし1週間の間保管はどうしますか?」
「それは 空き部屋に保管しておけば問題ないでしょう」
「そうですね センターさん お願いできますか」
「ええ 一つくらいは開いていますから大丈夫ですよ」
販促課長が
「では 同じように当日陳列時間が無い売場はないですね」
各担当が大丈夫と言うのを見て
「では催事課さん スポーツ用品売場のハンガー什器は
流通センター納品でお願いします」
杉田が 神山を見て
「はい 分りました」
販促課長が
「今回催事担当は 神山部長でしたが
今後 横にいる杉田係長が担当します
従いまして これからは杉田係長まで ご連絡ください
それと お手元に配りました会場図面の訂正は無いでしょうか」
会場図面の中には什器備品の配置やレジスターの位置
コーナー看板など準備するもの殆どが網羅されていた
各売場担当者が図面を見て質問がないようなので 杉田が
「什器など変更は1週間とさせて頂きます」
そう言ったあと神山を見ると頷いてくれた
「では これで店外催事の会議を終了します」
杉田が
「先輩 ありがとうございます 助かりました」
「何言っているんだ 当たり前だよ」
それを聞いていた販促課長も
「いや 神山部長にはいつも助けられて ありがとうございます」
「さあ 翔 部屋に戻って来週の打ち合わせをするか」
「はい お願いします」
会議室の棟と催事課の入っているビルとは多少離れているため
外を歩かなければいけなかった
「翔 良かったぞ 今日の説明 大したもんだ」
「先輩が傍に居てくれたから 安心していました」
「おだててもだめだ 今度は一人で行きなさい」
「ありがとうございます がんばります」
「そうしたら そこのレイでも寄って行くか」
「大丈夫ですか」
「大丈夫さ 何かあったらこの携帯が鳴るから」
「では ご馳走様です」
杉田と神山は喫茶レイで今 終った会議の今後を打ち合わせした
催事課のメンバーは会議室の帰りには殆どこのレイを利用していた
だから緊急の用事のときでも店内放送で呼び出しをするより
レイに電話をしたほうが探し出せた
「ねえ 別れる事を課長から聞いたけど 本当なの?」
「はい ご心配を掛けました 別れます」
「しかし分らないわね あんなに一緒になると言っていたでしょ」
「ええ しかし家内に分ってからは、、、」
「当たり前でしょ 奥さんの事 可哀相だと思わないの?」
「はぃ」
「なんで別れる気になったの?」
「家内の親が出てきて たっぷりと絞られたんですよ」
「それだけ?」
「あと、、、別れるとなったら慰謝料を請求すると言われたんです」
「それだけなの?」
「あと 子供が成人するまでの養育費などもろもろです」
「だって 市川さんはそこは 覚悟をしていたわけでしょ」
「えぇ しかし父親から言われ反省をしてしまいました」
「へぇーそんな簡単な愛情だったんだ」
「違います と言ってもどうにもならないですよね」
「当たり前じゃない 浮気して子供作ったら大変でしょ」
「だけど 愛しているんです」
「あなたの愛は 純粋じゃないのよ」
「なんでですか」
「当たり前じゃない 奥さんが居るのに」
「だけど、、、さやかを愛しています」
「その覚悟があったら さやかさんを選べばいいでしょ」
「しかし 僕にはそんな大金を払えることが出来ないし」
「だったら 最初から付き合わなければいいでしょ」
「えぇ、、、」
「それで さやかさんはどうするの」
.
2010年10月27日水曜日
Vol.109 若葉 -2-9
「どうしたんだ なんかよそよそしいよ」
「だって 部長になったら存在が遠いもん」
「そんな事無いよ 今までと一緒だよ」
「そうだといいけど 心配で」
「そんなに心配か?」
「ええ だってこれから行動範囲が広がるでしょ」
「それはそうだけど 銀座が中心だよ」
「あなたの仕事が成功すればするほど
私からどんどん離れていく気がしているの」
「思い過ごしだよ さあ気分を治して食べようよ」
「そうね 折角のお刺身がまずくなってしまいますからね」
「そうそう 今度ゆっくり来よう」
丁度ビールを呑み終わった頃に新しいビールと
活き造りの盛り合わせとえびのてんぷらが届いた
脇には丼にシャリが盛られ 丼でも食べられるようになっていた
新鮮な具はシャリに乗せても美味しく
たれをヌルると一層箸がすすんだ
神山は箸を置きビールを呑もうとした時に由香里を見たが
今まで見た事が無い上品さで口に運ぶ仕草を見とれた
着物姿を注文しこの場所で会食をしたいと想像していたら
「ねえ あなた なにを見ているの さっきから」
「いや 着物姿の由香里を想像していてさ それで」
「いやだわ 恥ずかしいですよ」
由香里はほほを薄桜色に染め恥ずかしそうに俯いた
少しの沈黙の後に襖が開き
「食後のデザートです」
店員はメロンなどのフルーツ盛り合わせを座卓に並べお辞儀をした
襖を閉める前に竹の短冊を神山の脇に置いて出て行った
この時 神山が『あとで』と言えばその日の清算ではなく
次回来店した時に支払う事ができたが
今日は会計を済ませる事にしていたので竹の短冊を受けとった
デザートを食べ終え腕時計を覗くと2時30分を少し廻っていた
座敷を出た通路の真中にある会計で竹の短冊を渡し清算をすると
2時30分を少し廻っていた
催事課の事務所に着いたのは3時にはまだ余裕があったが
神山の到着を心配していた杉田が
「こんにちわ 心配していました」
「いや ごめんごめん 美味しい寿司を食べていたから」
「そんな 僕が一人で会議に出るのかと心配していました」
「大丈夫だよ 翔が一人でも」
「おう 翔 一人で行ってこいや」
「そんな 倉さんまで 苛めないで下さいよ」
「しかし 山ちゃん 頑張っているな」
「まあ 大変ですけど 倉さんにご迷惑をおかけして」
「おう だけど翔は少しは大人になったぞ」
「そうですか よかった」
「また 二人で苛めないで下さいよ」
「そうよ この頃随分と男になってきたわよ」
「斉藤さんまで でもいいや 由香里姫に誉められて」
「そうがんばんなさい 神山さんのように」
由香里は多少のお酒では顔には出ないが今日は神山に
誉められた事が合ったせいかほんのりとほほに出ていた
「おう 由香里姫に誉められたら 頑張らないといかんぞ」
「翔 そろそろ行こう」
神山は会議の時間が迫ってきたので杉田を連れ出した
会議室に入ると催事担当の課長や係長が半数近く出席をしていた
神山たちの席はコの字型になっている議長の横に座る事になっていて
杉田は議長の横に神山を座らそうとしたが
神山は議長の横に杉田を座らせた
あくまでも催事の中心人物を杉田になってもらいたかった
3時になり全員が揃うと販促課長の説明が始まり
売場担当の確認作業が一通り終った
催事課の会場装飾 什器搬入などの説明が終ると
売場から質問が寄せられたが杉田は補足説明をしながら
なんなくこなしたが 商品陳列が当日間に合わない売場から
「現場でハンガーの掛け替えや商品の置き換えは時間的に難しい」
これには杉田も少し考え 神山を見てみたが
自分で考えて答えを出しなさいと 目で合図をした
少し戸惑っている杉田を見て 販促課長も
「催事課さん どうしますか」
杉田はいよいよ余裕を無くし考えあぐんだ時 神山が
「うちとしては この会場に什器の事前搬入は出来ませんが
こうしたら如何でしょうか
.
「だって 部長になったら存在が遠いもん」
「そんな事無いよ 今までと一緒だよ」
「そうだといいけど 心配で」
「そんなに心配か?」
「ええ だってこれから行動範囲が広がるでしょ」
「それはそうだけど 銀座が中心だよ」
「あなたの仕事が成功すればするほど
私からどんどん離れていく気がしているの」
「思い過ごしだよ さあ気分を治して食べようよ」
「そうね 折角のお刺身がまずくなってしまいますからね」
「そうそう 今度ゆっくり来よう」
丁度ビールを呑み終わった頃に新しいビールと
活き造りの盛り合わせとえびのてんぷらが届いた
脇には丼にシャリが盛られ 丼でも食べられるようになっていた
新鮮な具はシャリに乗せても美味しく
たれをヌルると一層箸がすすんだ
神山は箸を置きビールを呑もうとした時に由香里を見たが
今まで見た事が無い上品さで口に運ぶ仕草を見とれた
着物姿を注文しこの場所で会食をしたいと想像していたら
「ねえ あなた なにを見ているの さっきから」
「いや 着物姿の由香里を想像していてさ それで」
「いやだわ 恥ずかしいですよ」
由香里はほほを薄桜色に染め恥ずかしそうに俯いた
少しの沈黙の後に襖が開き
「食後のデザートです」
店員はメロンなどのフルーツ盛り合わせを座卓に並べお辞儀をした
襖を閉める前に竹の短冊を神山の脇に置いて出て行った
この時 神山が『あとで』と言えばその日の清算ではなく
次回来店した時に支払う事ができたが
今日は会計を済ませる事にしていたので竹の短冊を受けとった
デザートを食べ終え腕時計を覗くと2時30分を少し廻っていた
座敷を出た通路の真中にある会計で竹の短冊を渡し清算をすると
2時30分を少し廻っていた
催事課の事務所に着いたのは3時にはまだ余裕があったが
神山の到着を心配していた杉田が
「こんにちわ 心配していました」
「いや ごめんごめん 美味しい寿司を食べていたから」
「そんな 僕が一人で会議に出るのかと心配していました」
「大丈夫だよ 翔が一人でも」
「おう 翔 一人で行ってこいや」
「そんな 倉さんまで 苛めないで下さいよ」
「しかし 山ちゃん 頑張っているな」
「まあ 大変ですけど 倉さんにご迷惑をおかけして」
「おう だけど翔は少しは大人になったぞ」
「そうですか よかった」
「また 二人で苛めないで下さいよ」
「そうよ この頃随分と男になってきたわよ」
「斉藤さんまで でもいいや 由香里姫に誉められて」
「そうがんばんなさい 神山さんのように」
由香里は多少のお酒では顔には出ないが今日は神山に
誉められた事が合ったせいかほんのりとほほに出ていた
「おう 由香里姫に誉められたら 頑張らないといかんぞ」
「翔 そろそろ行こう」
神山は会議の時間が迫ってきたので杉田を連れ出した
会議室に入ると催事担当の課長や係長が半数近く出席をしていた
神山たちの席はコの字型になっている議長の横に座る事になっていて
杉田は議長の横に神山を座らそうとしたが
神山は議長の横に杉田を座らせた
あくまでも催事の中心人物を杉田になってもらいたかった
3時になり全員が揃うと販促課長の説明が始まり
売場担当の確認作業が一通り終った
催事課の会場装飾 什器搬入などの説明が終ると
売場から質問が寄せられたが杉田は補足説明をしながら
なんなくこなしたが 商品陳列が当日間に合わない売場から
「現場でハンガーの掛け替えや商品の置き換えは時間的に難しい」
これには杉田も少し考え 神山を見てみたが
自分で考えて答えを出しなさいと 目で合図をした
少し戸惑っている杉田を見て 販促課長も
「催事課さん どうしますか」
杉田はいよいよ余裕を無くし考えあぐんだ時 神山が
「うちとしては この会場に什器の事前搬入は出来ませんが
こうしたら如何でしょうか
.
2010年10月26日火曜日
Vol.108 若葉 -2-9
「今 課長と出て行ったわ 例の話しでしょ」
「よかったな 後はお金か」
「そうね ところで今日はこちらに来られるのでしょ」
「うん 3時に会議だから昼過ぎに行く」
「お昼はどうされますか」
「そうしたら 銀座築地の寿司屋いせ丸に1時でどう?」
「うれしいわ だけどどうしたの?」
「別になんでもないよ」
「わかりました 1時に待っています」
「込んでいる時間帯だから予約を入れて奥を頼みます」
「分りました 座敷の予約を入れておきます」
「では お願いします」
神山は電話を切るとアルタの佐藤部長へ電話した
「鈴やの神山ですが」
「よう おはよう どうされました」
「佐藤さん たくさん資金を頂きましてありがとうございます」
「いや山ちゃんの仕事だから それに写真の提供も一緒だから」
「ありがとうございます」
「いい写真をいっぱい撮って来て下さいね」
「はい 分りました」
神山はお礼の電話を切って茶封筒の中を改め驚いた
現金50万円と手紙が同封されていて
【御殿場の撮影お願いします このお金は 写真の版権料も
含まれています 少し安いですがお願いします 内藤】
現金の多さにもびっくりだが御殿場にあるホテルの
スイートルーム宿泊券まで入っていた
昨日貰った無料宿泊券よりも更にワンランク上のホテルだった
神山はどうしたものか考えたが 今夜からの旅仕度を始めた
仕度を終え仕事に掛かろうとした時 携帯がなった
「もしもし 祥子です」
「神山です どうかした」
「ううん 今 筒井に今朝の事話したの」
「うん どうなった」
「凄く誉められたわ ありがとう」
「よかったね 本当に」
「神山さんがいるからよ ありがとうございます」
「どうしまして」
「では 気をつけて行って来て下さいね」
「はい 祥子も気をつけて」
「は~い では」
祥子の嬉しそうな声を聞き終え仕事に集中した
今日の会議で必要な書類を揃えると杉田にFAXし
杉田の携帯に電話をした
「神山ですが」
「はい 杉田です」
「今 今日使う資料をFAXした 後で目を通しておいてください」
「ありがとうございます」
「では 頼んだよ」
神山は電話を切ると 今夜の宿に予約を入れ
他の仕事に集中し何とか出かけられるようになった
小さ目の旅行鞄と仕事の封筒をもって部屋を
出たときは12時30分を廻っていた
これから地下鉄を利用すると間に合わないので車を使う事にした
金曜日の昼間とあって道路は空いていて
13時前に築地のいせ丸に着いた
扉を開けると 思っていた通り歌舞伎座帰りの女性客で
賑わっていたが店員が神山を見つけると奥の座敷に案内した
「ごめん 遅くなった」
「私も今来た所です」
「今夜から出かけることになってごめんね」
「いいえ 嬉しいわ」
そんな会話をしていると襖が開き座卓にビールとお通しが運ばれた
「今日はどうされますか」
「うん 余りゆっくり出来ないから 適当にお願いします」
神山は店員に食事を中心に作ってもらう事を指示した
「では お酒は控えめでいいですか?」
「うん そうだね その代わりビールを2本お願いします」
そう言うと店員はお辞儀をし襖を閉め出て行った
「どうしたの 今日は すこし豪勢ですね」
「まあ その話は後で ねっ 明日の成功を祈って乾杯」
神山はアルタからの件は後で報告すればいと思って
「由香里と二人きりで来るのは初めてだよな」
「ええ ありがとうございます」
.
「よかったな 後はお金か」
「そうね ところで今日はこちらに来られるのでしょ」
「うん 3時に会議だから昼過ぎに行く」
「お昼はどうされますか」
「そうしたら 銀座築地の寿司屋いせ丸に1時でどう?」
「うれしいわ だけどどうしたの?」
「別になんでもないよ」
「わかりました 1時に待っています」
「込んでいる時間帯だから予約を入れて奥を頼みます」
「分りました 座敷の予約を入れておきます」
「では お願いします」
神山は電話を切るとアルタの佐藤部長へ電話した
「鈴やの神山ですが」
「よう おはよう どうされました」
「佐藤さん たくさん資金を頂きましてありがとうございます」
「いや山ちゃんの仕事だから それに写真の提供も一緒だから」
「ありがとうございます」
「いい写真をいっぱい撮って来て下さいね」
「はい 分りました」
神山はお礼の電話を切って茶封筒の中を改め驚いた
現金50万円と手紙が同封されていて
【御殿場の撮影お願いします このお金は 写真の版権料も
含まれています 少し安いですがお願いします 内藤】
現金の多さにもびっくりだが御殿場にあるホテルの
スイートルーム宿泊券まで入っていた
昨日貰った無料宿泊券よりも更にワンランク上のホテルだった
神山はどうしたものか考えたが 今夜からの旅仕度を始めた
仕度を終え仕事に掛かろうとした時 携帯がなった
「もしもし 祥子です」
「神山です どうかした」
「ううん 今 筒井に今朝の事話したの」
「うん どうなった」
「凄く誉められたわ ありがとう」
「よかったね 本当に」
「神山さんがいるからよ ありがとうございます」
「どうしまして」
「では 気をつけて行って来て下さいね」
「はい 祥子も気をつけて」
「は~い では」
祥子の嬉しそうな声を聞き終え仕事に集中した
今日の会議で必要な書類を揃えると杉田にFAXし
杉田の携帯に電話をした
「神山ですが」
「はい 杉田です」
「今 今日使う資料をFAXした 後で目を通しておいてください」
「ありがとうございます」
「では 頼んだよ」
神山は電話を切ると 今夜の宿に予約を入れ
他の仕事に集中し何とか出かけられるようになった
小さ目の旅行鞄と仕事の封筒をもって部屋を
出たときは12時30分を廻っていた
これから地下鉄を利用すると間に合わないので車を使う事にした
金曜日の昼間とあって道路は空いていて
13時前に築地のいせ丸に着いた
扉を開けると 思っていた通り歌舞伎座帰りの女性客で
賑わっていたが店員が神山を見つけると奥の座敷に案内した
「ごめん 遅くなった」
「私も今来た所です」
「今夜から出かけることになってごめんね」
「いいえ 嬉しいわ」
そんな会話をしていると襖が開き座卓にビールとお通しが運ばれた
「今日はどうされますか」
「うん 余りゆっくり出来ないから 適当にお願いします」
神山は店員に食事を中心に作ってもらう事を指示した
「では お酒は控えめでいいですか?」
「うん そうだね その代わりビールを2本お願いします」
そう言うと店員はお辞儀をし襖を閉め出て行った
「どうしたの 今日は すこし豪勢ですね」
「まあ その話は後で ねっ 明日の成功を祈って乾杯」
神山はアルタからの件は後で報告すればいと思って
「由香里と二人きりで来るのは初めてだよな」
「ええ ありがとうございます」
.
2010年10月25日月曜日
Vol.107 若葉 -2-9
「大きなサンプルで助かります ありがとうございます」
祥子は壁に置いてあるサンプルを見ながら高橋に言った
今まで見た事が無い大きさのサンプルだったが
自然光が入ってくるこのブティックでは助かった
「そうしたら幸ちゃん 床材のサンプルを置いてください」
「はい そうしたら日が入ってくるこの場所でいいですか」
「うん そうだね そこにお願いします」
床材を置くと壁に立て掛けてあるサンプルの色が変化した
「やはり 百貨店の中と違うのね」
「そうでしょ 外からの光を受けるので違ってきますよ」
祥子は神山に勧められて壁紙の選定にはいった
神山のアドバイスもあり仕様の決定は早く進んだ
床材に付いても従来百貨店仕様のものと
新たに神山が選んだサンプルを選ぶ事になった
祥子が選んだのは従来仕様より一段明るめの色だった
勿論 そこには神山のアドバイスがあった
「今までのだと 光が入って来ない時間帯になると
少し濃すぎて コントラストが強くなってしまう」
「そうね このサンプルでよく分るわ」
「そうしたら 床材はこれでいいね」
「ええそうします 全体が明るくて素敵です」
「従来の百貨店より少し明るくなったと思うよ」
仕様材料が決定した事でアルタの高橋が
「山ちゃん ありがとう 完成が早まるよ」
「よかったね その分丁寧にね」
「任せておいて 後で修正日程をFAXします」
「そうしたら ニーナ・ニーナの筒井さんにもお願いします」
「了解ですよ 筒井さんとは明日お会いしますからその時にでも」
「筒井さんも大変だな 工事ばっかりで」
「違いますよ 久しぶりのゴルフですよ」
「そうか 筒井さんもゴルフをするんだよな」
「そう ほんと久しぶりだそうですよ」
神山と高橋は今後の段取りを決めて祥子に話した
「私のほうは早く完成すればありがたいですわ」
「そうだね 判断が早いから仕事がしやすいよ」
祥子は嬉しそうに神山に小声で
「あなた ありがとう」
祥子は時計を見てもうすぐ10時になるので
「では 私は一足先に失礼します ありがとうございます」
「とんでもないです 朝早くからありがとうございます」
「では 失礼します それと神山さん ちょっと」
「えっ?」
「日曜日の連絡はちゃんと下さいね」
祥子はそう言い残すと皆にお辞儀をして改札口に向かった
神山も一緒について行き改札口で祥子が
「ほんと 気をつけてくださいね」
「うん わかった ありがとう」
神山は祥子を見送り現場に戻るとサンプルを片付けていた
「悪いけど そのまま置いといてくれないか」
「うん いいけど どうして?」
「例えば 関係者が来た時に話をしやすいから」
「全然構わないよ もう材料は決まったしOKですよ」
高橋は神山に少し厚手の茶封筒を手渡した
「ありがとう」
神山は茶封筒の中を覗いたが5万円どころではなかった
「どうしたの こんなにいっぱい?」
「佐藤部長が社長に話をしたらその金額になった」
「しかし まいったなー」
「まあ お金は有り過ぎて困る事無いでしょ」
「それはそうだけど」
「実際にその写真を使わせてもらうし 安いでしょ」
「そうしたら カメラマンにお手当てをあげるよ」
「その代わり 写真はいっぱい撮って来てね」
「うん 天気も良さそうだし」
「では 気をつけて行って来てください」
「うん 何かあったら携帯に連絡をください」
「そんな野暮はしませんよ ごゆっくり英気を養ってください」
そんな話をしながらシャッターを降ろし別れた
神山は部屋に戻ると 早速銀座の事務所に電話を入れた
「おはようございます 鈴や催事課です」
「おはよう 由香里どの」
「おはようございます あなた」
「なんだ 市川君はどうした」
.
祥子は壁に置いてあるサンプルを見ながら高橋に言った
今まで見た事が無い大きさのサンプルだったが
自然光が入ってくるこのブティックでは助かった
「そうしたら幸ちゃん 床材のサンプルを置いてください」
「はい そうしたら日が入ってくるこの場所でいいですか」
「うん そうだね そこにお願いします」
床材を置くと壁に立て掛けてあるサンプルの色が変化した
「やはり 百貨店の中と違うのね」
「そうでしょ 外からの光を受けるので違ってきますよ」
祥子は神山に勧められて壁紙の選定にはいった
神山のアドバイスもあり仕様の決定は早く進んだ
床材に付いても従来百貨店仕様のものと
新たに神山が選んだサンプルを選ぶ事になった
祥子が選んだのは従来仕様より一段明るめの色だった
勿論 そこには神山のアドバイスがあった
「今までのだと 光が入って来ない時間帯になると
少し濃すぎて コントラストが強くなってしまう」
「そうね このサンプルでよく分るわ」
「そうしたら 床材はこれでいいね」
「ええそうします 全体が明るくて素敵です」
「従来の百貨店より少し明るくなったと思うよ」
仕様材料が決定した事でアルタの高橋が
「山ちゃん ありがとう 完成が早まるよ」
「よかったね その分丁寧にね」
「任せておいて 後で修正日程をFAXします」
「そうしたら ニーナ・ニーナの筒井さんにもお願いします」
「了解ですよ 筒井さんとは明日お会いしますからその時にでも」
「筒井さんも大変だな 工事ばっかりで」
「違いますよ 久しぶりのゴルフですよ」
「そうか 筒井さんもゴルフをするんだよな」
「そう ほんと久しぶりだそうですよ」
神山と高橋は今後の段取りを決めて祥子に話した
「私のほうは早く完成すればありがたいですわ」
「そうだね 判断が早いから仕事がしやすいよ」
祥子は嬉しそうに神山に小声で
「あなた ありがとう」
祥子は時計を見てもうすぐ10時になるので
「では 私は一足先に失礼します ありがとうございます」
「とんでもないです 朝早くからありがとうございます」
「では 失礼します それと神山さん ちょっと」
「えっ?」
「日曜日の連絡はちゃんと下さいね」
祥子はそう言い残すと皆にお辞儀をして改札口に向かった
神山も一緒について行き改札口で祥子が
「ほんと 気をつけてくださいね」
「うん わかった ありがとう」
神山は祥子を見送り現場に戻るとサンプルを片付けていた
「悪いけど そのまま置いといてくれないか」
「うん いいけど どうして?」
「例えば 関係者が来た時に話をしやすいから」
「全然構わないよ もう材料は決まったしOKですよ」
高橋は神山に少し厚手の茶封筒を手渡した
「ありがとう」
神山は茶封筒の中を覗いたが5万円どころではなかった
「どうしたの こんなにいっぱい?」
「佐藤部長が社長に話をしたらその金額になった」
「しかし まいったなー」
「まあ お金は有り過ぎて困る事無いでしょ」
「それはそうだけど」
「実際にその写真を使わせてもらうし 安いでしょ」
「そうしたら カメラマンにお手当てをあげるよ」
「その代わり 写真はいっぱい撮って来てね」
「うん 天気も良さそうだし」
「では 気をつけて行って来てください」
「うん 何かあったら携帯に連絡をください」
「そんな野暮はしませんよ ごゆっくり英気を養ってください」
そんな話をしながらシャッターを降ろし別れた
神山は部屋に戻ると 早速銀座の事務所に電話を入れた
「おはようございます 鈴や催事課です」
「おはよう 由香里どの」
「おはようございます あなた」
「なんだ 市川君はどうした」
.
2010年10月24日日曜日
Vol.106 若葉 -2-9
「いつもながら 感心するよ」
「ありがとう 誉めていただくと嬉しいわ」
「ビールをいただこうか?」
祥子はビールを注ぎながら
「そうね 日曜の夜まで逢えないもんね」
「そんな たった2日だよ」
「分っていても 辛いものよ」
「日曜日は何時ごろ帰宅する予定なの」
「まだ分らないわ 向こうで夕飯を食べてくると思うの」
「そうすると最終になるね」
「ええ また時間がはっきりしたら電話します」
「うんお願い 僕のほうが早く帰宅すると思うよ」
「今夜は一人で寂しいでしょ」
「そんな事は無いよ アルタと呑み会かも」
「呑みすぎないでね お願いします」
「ありがとう そんなに心配するなよ」
「ところで 今夜は何時の新幹線?」
「まだ取れていないの 会社で取ってもらうわ」
「僕が見送りに行けたらいいのだが ごめんね」
「いいわよ お仕事ですから」
普段と違い会話が盛り上がらない朝食だった
食べ終わった後片付けを神山が行い 祥子は仕度に専念した
「祥子 片付けが終ったから 一回戻るよ」
「は~い この部屋に忘れ物しないで下さいね」
「そうだね 出かける前に点検するよ」
「それと 慌てなくていいからね 9時丁度でOKだから」
「ありがとうございます もうすぐよ」
神山は図面を持って部屋に戻った
仕事用の電話に留守電は何も入っていなかったが
杉田翔から昨夜遅い時間のFAXが何枚かきていた
【杉田です 5月の店外催事の件ですが、、、、、
、、、従いまして売場との打ち合わせが 明日15時になりました
出切れば神山さんにご出席を お願いしたいのですが
お時間の都合は 如何でしょうか】
神山はバーゲン催事なので任せても良いかなと思ったが
【神山です おはようさん 連絡をどうもありがとう
今日の全体会議には出席をさせて頂くよ
販売促進にも伝えておいてください】
FAXで返事を出した
現場打ち合わせが終れば一旦部屋に戻る事ができるので
カジュアルな仕度をして 祥子の部屋に行った
「早いのね もう少しだから待っていてね」
「うん 慌てなくていいよ 忘れ物ないようにね」
「あなたはそんな格好でいいの?」
「うん 現場打ち合わせが終ったら戻ってくるから」
「一緒に行かれないの?」
「祥子の後 詳細を詰めなければいけないから 無理だよ」
「そうね、、、 さあ仕度は終ったわ」
祥子は手押し式のキャリーとショルダーバッグを持って
「仕度出来ました あなたの忘れ物ない?」
「うん 点検するよ」
祥子が出た後 この部屋の戻ることが出来ないので
この3日間必要なものを探したが 特に必要なものは無かった
「大丈夫だよ 何も無いよ」
「では 少し早いけど現場に行きましょうか あなた」
「そうしようか」
祥子は両腕を神山の首に巻き軽くキスをし
「御殿場 気をつけてくださいね」
「わかった ありがとう 友子ちゃに甘えてきなさい」
二人は4月の爽やかな風を受けながら上原の駅に向かった
「おはようございます 今サンプルを運んでいます」
高橋はサンプルが間に合った事を神山と祥子に話した
アルタの社員はサンプルを迅速に並べ終え
「神山さん おはようございます どうぞ見てください」
「幸ちゃんおはよう 朝早くからありがとう」
「とんでもないですよ これでいいですか」
幸三は壁のサンプルを指して聞いた
大体サンプルをこんなに大きく作る事は無かったが
この様に外光を取り入れる所では 出来上がりに近い状態で
判断するほうが間違いが無かった
蛍光灯の下で見る色と自然光で見る色は違ってくる
神山は何度もこの色の違いを経験しているので
祥子に分ってもらう為に大きなサンプルを用意した
.
「ありがとう 誉めていただくと嬉しいわ」
「ビールをいただこうか?」
祥子はビールを注ぎながら
「そうね 日曜の夜まで逢えないもんね」
「そんな たった2日だよ」
「分っていても 辛いものよ」
「日曜日は何時ごろ帰宅する予定なの」
「まだ分らないわ 向こうで夕飯を食べてくると思うの」
「そうすると最終になるね」
「ええ また時間がはっきりしたら電話します」
「うんお願い 僕のほうが早く帰宅すると思うよ」
「今夜は一人で寂しいでしょ」
「そんな事は無いよ アルタと呑み会かも」
「呑みすぎないでね お願いします」
「ありがとう そんなに心配するなよ」
「ところで 今夜は何時の新幹線?」
「まだ取れていないの 会社で取ってもらうわ」
「僕が見送りに行けたらいいのだが ごめんね」
「いいわよ お仕事ですから」
普段と違い会話が盛り上がらない朝食だった
食べ終わった後片付けを神山が行い 祥子は仕度に専念した
「祥子 片付けが終ったから 一回戻るよ」
「は~い この部屋に忘れ物しないで下さいね」
「そうだね 出かける前に点検するよ」
「それと 慌てなくていいからね 9時丁度でOKだから」
「ありがとうございます もうすぐよ」
神山は図面を持って部屋に戻った
仕事用の電話に留守電は何も入っていなかったが
杉田翔から昨夜遅い時間のFAXが何枚かきていた
【杉田です 5月の店外催事の件ですが、、、、、
、、、従いまして売場との打ち合わせが 明日15時になりました
出切れば神山さんにご出席を お願いしたいのですが
お時間の都合は 如何でしょうか】
神山はバーゲン催事なので任せても良いかなと思ったが
【神山です おはようさん 連絡をどうもありがとう
今日の全体会議には出席をさせて頂くよ
販売促進にも伝えておいてください】
FAXで返事を出した
現場打ち合わせが終れば一旦部屋に戻る事ができるので
カジュアルな仕度をして 祥子の部屋に行った
「早いのね もう少しだから待っていてね」
「うん 慌てなくていいよ 忘れ物ないようにね」
「あなたはそんな格好でいいの?」
「うん 現場打ち合わせが終ったら戻ってくるから」
「一緒に行かれないの?」
「祥子の後 詳細を詰めなければいけないから 無理だよ」
「そうね、、、 さあ仕度は終ったわ」
祥子は手押し式のキャリーとショルダーバッグを持って
「仕度出来ました あなたの忘れ物ない?」
「うん 点検するよ」
祥子が出た後 この部屋の戻ることが出来ないので
この3日間必要なものを探したが 特に必要なものは無かった
「大丈夫だよ 何も無いよ」
「では 少し早いけど現場に行きましょうか あなた」
「そうしようか」
祥子は両腕を神山の首に巻き軽くキスをし
「御殿場 気をつけてくださいね」
「わかった ありがとう 友子ちゃに甘えてきなさい」
二人は4月の爽やかな風を受けながら上原の駅に向かった
「おはようございます 今サンプルを運んでいます」
高橋はサンプルが間に合った事を神山と祥子に話した
アルタの社員はサンプルを迅速に並べ終え
「神山さん おはようございます どうぞ見てください」
「幸ちゃんおはよう 朝早くからありがとう」
「とんでもないですよ これでいいですか」
幸三は壁のサンプルを指して聞いた
大体サンプルをこんなに大きく作る事は無かったが
この様に外光を取り入れる所では 出来上がりに近い状態で
判断するほうが間違いが無かった
蛍光灯の下で見る色と自然光で見る色は違ってくる
神山は何度もこの色の違いを経験しているので
祥子に分ってもらう為に大きなサンプルを用意した
.
2010年10月23日土曜日
Vol.105 若葉 -2-9
「ええ 色々と考えた結果だって」
「良かったじゃないか」
「だけど 彼女産むみたいなの」
「分らないな、、、」
由香里と話をしていると玄関を叩く音がしたので
「由香里ごめん まだ電話が来るので明日にしてくれ」
「ごめんなさい では明日連絡を待っていますね」
神山は電話を切ると玄関を開けた
「どうしたの 心配だから来ちゃった」
「ごめんごめん 仕事の電話が入っていたから手配していた」
「もう済んだ? だったら早く私の部屋に行きましょう」
「ごめんね」
ナポレオンを持って祥子の部屋に戻った
祥子はブランデーグラスを用意して ナポレオンを注いだ
「ねえ 私やっぱり名古屋に帰るのよそうかな」
「どうして あんなに楽しみにしていたのに」
「だって あなたと離れるの辛いもの」
「何言っているのだ こちらも出張で居ないのだよ」
(なにか気が付いたのかな?)
「だけど 寂しいものは寂しいわよ」
「分るけど 自分だって友子ちゃんが待っているだろ」
「ええ そうね」
「明日は9時に現場だから早く寝ようか」
「そうね 何時もより少し早く仕度しないといけないし」
「名古屋での2泊3日を満喫してきてください」
「そんな」
「だって 2週間ぶりだろ 友子ちゃんとゆっくり逢うのも」
神山は祥子と一緒の時間を寂しいと思いながらも
由香里との御殿場の視察旅行も楽しみにしていた
「呑みすぎると明日に響くから そろそろシャワーにしようか」
「そうね 私 用意してくるわね」
「うん ここを片付けておく」
祥子はバスルームに入り バスタブに湯を張った
神山も広げられている図面に疑問点をメモをし片付けながら
この調子で進めば早い時期に完成すると思っていた
アルタの引渡し時期設定はもともと神山のような
人材が仲介しない予定表だったのでニーナ・ニーナとの
打ち合わせがこのように順調に進めば引渡しが早まる事になる
通常引き渡し時期を設定するときには
相手のスケジュールなどを考慮するものだが今回は神山が
途中から参加した為 アルタにとっては嬉しい誤算になった
この事については祥子自身は感じていないが
ニーナ・ニーナの筒井は準備が早まる事について喜んでいた
神山自身も気が付いていたがこれほど
両者のパイプ役が上手に進められている事に誇りを感じていた
どのような業務についていても自分の職を間違わずに
行っていれば ほとんど混乱無く業務を遂行する事ができる
「仕度が出来ましたよ はいろ」
「うん はいろ」
二人はバスルームに入り 戯れた
今夜の祥子は今まで以上に積極的で
何かに呪われたように 快楽を満喫していた
4月10日 金曜日 快晴
神山は朝日の眩しさで目を覚ました
昨夜はバスルームで戯れた後 ベッドでも祥子が
何時にも無く求めてきたので 躰が鉛のように重たかった
けだるい躰を半身お越し キッチンにいる祥子に
「おはよう 何時もながら早いね」
「おはよう あなた」
「今朝は どうしたの 早いよね」
神山はベッドサイドの時計を見ながら言った
「だって 名古屋の仕度もしなければいけないでしょ」
「そうか」
「分ったら 協力をしてくださいね」
神山は全裸のまま祥子に近づき 抱き寄せ軽くキスをし
服の上から豊かなバストを愛撫し始めたが
「何やっているの 早くシャワーを浴びてきなさい」
「だって こんなに元気だぞ」
「ば~か 空元気でしょ 時間が無いのよ 早くして」
「分ったよ シャワーに行ってきます」
普段より早い時間から動いている祥子に敬服した
神山は熱いシャワーを浴び躰をシャキとさせ
バスルームを出るといつもの純和風朝食が待っていた
.
「良かったじゃないか」
「だけど 彼女産むみたいなの」
「分らないな、、、」
由香里と話をしていると玄関を叩く音がしたので
「由香里ごめん まだ電話が来るので明日にしてくれ」
「ごめんなさい では明日連絡を待っていますね」
神山は電話を切ると玄関を開けた
「どうしたの 心配だから来ちゃった」
「ごめんごめん 仕事の電話が入っていたから手配していた」
「もう済んだ? だったら早く私の部屋に行きましょう」
「ごめんね」
ナポレオンを持って祥子の部屋に戻った
祥子はブランデーグラスを用意して ナポレオンを注いだ
「ねえ 私やっぱり名古屋に帰るのよそうかな」
「どうして あんなに楽しみにしていたのに」
「だって あなたと離れるの辛いもの」
「何言っているのだ こちらも出張で居ないのだよ」
(なにか気が付いたのかな?)
「だけど 寂しいものは寂しいわよ」
「分るけど 自分だって友子ちゃんが待っているだろ」
「ええ そうね」
「明日は9時に現場だから早く寝ようか」
「そうね 何時もより少し早く仕度しないといけないし」
「名古屋での2泊3日を満喫してきてください」
「そんな」
「だって 2週間ぶりだろ 友子ちゃんとゆっくり逢うのも」
神山は祥子と一緒の時間を寂しいと思いながらも
由香里との御殿場の視察旅行も楽しみにしていた
「呑みすぎると明日に響くから そろそろシャワーにしようか」
「そうね 私 用意してくるわね」
「うん ここを片付けておく」
祥子はバスルームに入り バスタブに湯を張った
神山も広げられている図面に疑問点をメモをし片付けながら
この調子で進めば早い時期に完成すると思っていた
アルタの引渡し時期設定はもともと神山のような
人材が仲介しない予定表だったのでニーナ・ニーナとの
打ち合わせがこのように順調に進めば引渡しが早まる事になる
通常引き渡し時期を設定するときには
相手のスケジュールなどを考慮するものだが今回は神山が
途中から参加した為 アルタにとっては嬉しい誤算になった
この事については祥子自身は感じていないが
ニーナ・ニーナの筒井は準備が早まる事について喜んでいた
神山自身も気が付いていたがこれほど
両者のパイプ役が上手に進められている事に誇りを感じていた
どのような業務についていても自分の職を間違わずに
行っていれば ほとんど混乱無く業務を遂行する事ができる
「仕度が出来ましたよ はいろ」
「うん はいろ」
二人はバスルームに入り 戯れた
今夜の祥子は今まで以上に積極的で
何かに呪われたように 快楽を満喫していた
4月10日 金曜日 快晴
神山は朝日の眩しさで目を覚ました
昨夜はバスルームで戯れた後 ベッドでも祥子が
何時にも無く求めてきたので 躰が鉛のように重たかった
けだるい躰を半身お越し キッチンにいる祥子に
「おはよう 何時もながら早いね」
「おはよう あなた」
「今朝は どうしたの 早いよね」
神山はベッドサイドの時計を見ながら言った
「だって 名古屋の仕度もしなければいけないでしょ」
「そうか」
「分ったら 協力をしてくださいね」
神山は全裸のまま祥子に近づき 抱き寄せ軽くキスをし
服の上から豊かなバストを愛撫し始めたが
「何やっているの 早くシャワーを浴びてきなさい」
「だって こんなに元気だぞ」
「ば~か 空元気でしょ 時間が無いのよ 早くして」
「分ったよ シャワーに行ってきます」
普段より早い時間から動いている祥子に敬服した
神山は熱いシャワーを浴び躰をシャキとさせ
バスルームを出るといつもの純和風朝食が待っていた
.
2010年10月22日金曜日
Vol.104 若葉 -2-9
二人はまだ何も出来ていない御殿場の話で盛り上がり
鮮魚のにぎりや巻物を美味しく食べ 幸せな気分だった
祥子は何時ものように腕を硬く絡ませ歩いていた
「もう 御殿場の図面が来ているかしら」
「分らないな」
「来ていると良いわね 楽しみだわ」
二人は御殿場の図面を気にしながらエレベーターから降りた
「そうしたら 仕事の連絡を確認するから自分の部屋にもどる」
「ええ 分ったわ 早く済ませてね」
「はい 了解しました」
神山は祥子と別れ自分の部屋に入り
FAXを見てみると御殿場の図面が届いていた
ダイニングテーブルに広げてみると
思ったとおり確定していない部分が多かった
神山は土日の御殿場出張を早める為に由香里に電話した
「神山ですが、、、」
「はい 由香里です」
「こんばんわ 今 大丈夫?」
「ええ こんばんわ」
「由香里どの 明日の夜から出られるか?」
「えっ どうしたの?」
「別に理由は無いけど」
「ええ 私は大丈夫だけど あなたは?」
「大丈夫だ 明日で一段落さ」
「そうしたら どうすれば良いですか」
「何時に東京駅に来られる?」
「遅くても7時には行くことができます」
「分った 明日又連絡します」
「宿泊先はどうされますか」
「うん 明日こちらから予約を入れる」
「はい分りました 楽しみにしています」
「うん フィルムの購入を忘れずに」
「ええ 分っています あなたのお仕事ですものね」
「そんな いじめるな」
「では おやすみなさい」
「うん おやすみ」
神山は電話を切ると部屋着に着替え
FAXで送られてきた図面を持って祥子の部屋に行った
「わぁ大きな図面」
祥子は今まで見た事の無い大きさの図面に驚いた
「まあ 普通の人は余り見た事が無いと思うよ」
祥子のダイニングテーブルも大きかったが図面を広げると
紙がはみ出してしまった
「だけど もうここまで決まっているの?」
「そうだね もう場所は決まっている様子だね」
祥子は図面を隅から隅まで見たが よく分からなかった
しかし神山は詳細を事細かに説明するのは
分らない事を余計に分らなくすると思い説明を控えた
どのような場面にでも当てはまるが話をする相手が
内容の下地が無いときに いくら分かるように説明しても
本質が伝わらない事が多く 間違って伝わった時には
大変な事態を招く事になる
神山はこの様な事態のとき伝える側 伝えられる側で
失敗している時が有ったので慎重だった
「だったら いつ行きましょうか?」
「やはり 祥子が言っていたように夏にでもどうかな?」
「いいわね 嬉しいわ」
祥子は今一度図面を見た後
「ねぇ なにか呑む?」
「うん ナポレンンが有るから呑もうか」
「わぁ 久しぶりよ」
「分った 僕の部屋から持ってくるから待っていて」
神山はナポレオンを取りに部屋に戻った
本来は自身及びアルタ関係者と呑む物だったが今夜の話は
仕事が中心だったので自分でも許す気分になった
部屋を出ようとした時に電話が鳴った
「はい 神山ですが」
「私 由香里です」
「うん どうした?」
「先ほど市川さんから電話があって 別れたって」
「へぇ ほんとかよ?」
.
鮮魚のにぎりや巻物を美味しく食べ 幸せな気分だった
祥子は何時ものように腕を硬く絡ませ歩いていた
「もう 御殿場の図面が来ているかしら」
「分らないな」
「来ていると良いわね 楽しみだわ」
二人は御殿場の図面を気にしながらエレベーターから降りた
「そうしたら 仕事の連絡を確認するから自分の部屋にもどる」
「ええ 分ったわ 早く済ませてね」
「はい 了解しました」
神山は祥子と別れ自分の部屋に入り
FAXを見てみると御殿場の図面が届いていた
ダイニングテーブルに広げてみると
思ったとおり確定していない部分が多かった
神山は土日の御殿場出張を早める為に由香里に電話した
「神山ですが、、、」
「はい 由香里です」
「こんばんわ 今 大丈夫?」
「ええ こんばんわ」
「由香里どの 明日の夜から出られるか?」
「えっ どうしたの?」
「別に理由は無いけど」
「ええ 私は大丈夫だけど あなたは?」
「大丈夫だ 明日で一段落さ」
「そうしたら どうすれば良いですか」
「何時に東京駅に来られる?」
「遅くても7時には行くことができます」
「分った 明日又連絡します」
「宿泊先はどうされますか」
「うん 明日こちらから予約を入れる」
「はい分りました 楽しみにしています」
「うん フィルムの購入を忘れずに」
「ええ 分っています あなたのお仕事ですものね」
「そんな いじめるな」
「では おやすみなさい」
「うん おやすみ」
神山は電話を切ると部屋着に着替え
FAXで送られてきた図面を持って祥子の部屋に行った
「わぁ大きな図面」
祥子は今まで見た事の無い大きさの図面に驚いた
「まあ 普通の人は余り見た事が無いと思うよ」
祥子のダイニングテーブルも大きかったが図面を広げると
紙がはみ出してしまった
「だけど もうここまで決まっているの?」
「そうだね もう場所は決まっている様子だね」
祥子は図面を隅から隅まで見たが よく分からなかった
しかし神山は詳細を事細かに説明するのは
分らない事を余計に分らなくすると思い説明を控えた
どのような場面にでも当てはまるが話をする相手が
内容の下地が無いときに いくら分かるように説明しても
本質が伝わらない事が多く 間違って伝わった時には
大変な事態を招く事になる
神山はこの様な事態のとき伝える側 伝えられる側で
失敗している時が有ったので慎重だった
「だったら いつ行きましょうか?」
「やはり 祥子が言っていたように夏にでもどうかな?」
「いいわね 嬉しいわ」
祥子は今一度図面を見た後
「ねぇ なにか呑む?」
「うん ナポレンンが有るから呑もうか」
「わぁ 久しぶりよ」
「分った 僕の部屋から持ってくるから待っていて」
神山はナポレオンを取りに部屋に戻った
本来は自身及びアルタ関係者と呑む物だったが今夜の話は
仕事が中心だったので自分でも許す気分になった
部屋を出ようとした時に電話が鳴った
「はい 神山ですが」
「私 由香里です」
「うん どうした?」
「先ほど市川さんから電話があって 別れたって」
「へぇ ほんとかよ?」
.
2010年10月21日木曜日
Vol.103 若葉 -2-9
4月9日木曜日
上原駅前寿司19時
「お待たせしました ごめんなさい遅くなって」
「そんな事ないよ」
神山は時計を見て
「まだ 7時を少し廻ったところだよ」
「しかし 待ったでしょ」
「僕も 今さっき着いたばかりで ビールだけだよ」
「何か注文はされていますか」
「うん もう直ぐ鮮魚のおつまみと照り焼きが来るよ」
「私もビールを頂きますねっ」
祥子にビールが届き二人で乾杯をし呑み始め
休みの事を会社と話した事を伝えた
「全て自由 但し今だけは」
「今だけって?」
「結局 長期の現場監督だから人事には自己申告になるんだって」
「なんか 大変」
神山は今日仕入れてきたばかりの情報を祥子に教えた
「そうしたら 休みでも働いて 働く日でも休めるの?」
「まあ簡単に言ったら そうなるね」
「だけど縛り付けられない仕事もいいわね」
「まあね しかし 現場は良く出来て当たり前だから 大変だよ」
女将がビールとおつまみを運んできてくれた
「ねえ 昨日現場で言っていた床材の事だけど聞いていい?」
祥子は内装仕様のサンプルは全然見てはいなかったが
今までと違う色が出てくる事を懸念していた
神山はここでは話をしても分らないから現場で説明すると言った
机上ではどんなデザインでも良く見えてしまうが
実際の現場だと微妙に色、形など見る角度や感性で違ってくる
時にはデザイナーが思いもよらない効果が出たりして
デザインが一人歩きする時もある
「そうすると 明朝の現場で教えてくれるのね」
「うん きちんと説明するから心配するな」
「は~い 分りました 安心だものね」
二人は照り焼きが美味しいので 女将に追加注文した
祥子が
「実はね 今夜遅くなったのは 明日の金曜日に
名古屋の実家に帰ることになったの」
「うん その方が良いよ まだ先は長いし」
「寂しくないの?」
「それは寂しいけど 僕は出張になった」
「いつ?」
「土曜日に 御殿場の現場だ」
「だけど まだ何もないところでしょ」
「そう 何も無い所から記録写真を撮るのさ」
「大変ね」
「アルタでも写真を欲しがっていたし ちょうど良かったのさ」
「日帰りなの?」
「いや 休みを兼ねているから泊りがけですよ」
「ひとり?」
「うん なんで」
「あやしいな?」
「仕事だよ し・ご・と ニーナ・ニーナの仕事」
「はいはい 分りました」
神山は御殿場の図面をまだ見ていないが 今夜モールの概要図と
出店予定位置が書かれた図面がFAXされる事を告げた
まだ更地なのではっきりとした場所は分らないものの
周りの情景とかを撮影し その写真を利用して
パソコンで合成写真を製作し プレゼンする事を言った
「そうしたらプレゼンの写真はアルタの写真ではなく
あなたの写真が使われる訳なんだ 凄いわね」
「まあ そうだけど、、、」
「私も御殿場行きたいな」
「もう少し 形が出来てから行こうよ」
「そうね 私ひとりだとさっぱり分らないもの」
アルタでは他の内装工事を専門にする会社より一足早く
コンピューターグラフィックスを導入し他社より抜きん出ていた
プレゼンにCGを導入する事によって 目線での訴求力が違って
例えば床を赤にするか黒くするかユーザーが迷った場合でも
モニターに映し出されている色を瞬時に換える事が出来
仕事を早める上では大変重宝された
「ねぇ そうしたら 7月頃は行けるかしら」
「多分大丈夫だよ 皆お中元で大変なときに行きましょう」
「そうね うれしいわ」
.
上原駅前寿司19時
「お待たせしました ごめんなさい遅くなって」
「そんな事ないよ」
神山は時計を見て
「まだ 7時を少し廻ったところだよ」
「しかし 待ったでしょ」
「僕も 今さっき着いたばかりで ビールだけだよ」
「何か注文はされていますか」
「うん もう直ぐ鮮魚のおつまみと照り焼きが来るよ」
「私もビールを頂きますねっ」
祥子にビールが届き二人で乾杯をし呑み始め
休みの事を会社と話した事を伝えた
「全て自由 但し今だけは」
「今だけって?」
「結局 長期の現場監督だから人事には自己申告になるんだって」
「なんか 大変」
神山は今日仕入れてきたばかりの情報を祥子に教えた
「そうしたら 休みでも働いて 働く日でも休めるの?」
「まあ簡単に言ったら そうなるね」
「だけど縛り付けられない仕事もいいわね」
「まあね しかし 現場は良く出来て当たり前だから 大変だよ」
女将がビールとおつまみを運んできてくれた
「ねえ 昨日現場で言っていた床材の事だけど聞いていい?」
祥子は内装仕様のサンプルは全然見てはいなかったが
今までと違う色が出てくる事を懸念していた
神山はここでは話をしても分らないから現場で説明すると言った
机上ではどんなデザインでも良く見えてしまうが
実際の現場だと微妙に色、形など見る角度や感性で違ってくる
時にはデザイナーが思いもよらない効果が出たりして
デザインが一人歩きする時もある
「そうすると 明朝の現場で教えてくれるのね」
「うん きちんと説明するから心配するな」
「は~い 分りました 安心だものね」
二人は照り焼きが美味しいので 女将に追加注文した
祥子が
「実はね 今夜遅くなったのは 明日の金曜日に
名古屋の実家に帰ることになったの」
「うん その方が良いよ まだ先は長いし」
「寂しくないの?」
「それは寂しいけど 僕は出張になった」
「いつ?」
「土曜日に 御殿場の現場だ」
「だけど まだ何もないところでしょ」
「そう 何も無い所から記録写真を撮るのさ」
「大変ね」
「アルタでも写真を欲しがっていたし ちょうど良かったのさ」
「日帰りなの?」
「いや 休みを兼ねているから泊りがけですよ」
「ひとり?」
「うん なんで」
「あやしいな?」
「仕事だよ し・ご・と ニーナ・ニーナの仕事」
「はいはい 分りました」
神山は御殿場の図面をまだ見ていないが 今夜モールの概要図と
出店予定位置が書かれた図面がFAXされる事を告げた
まだ更地なのではっきりとした場所は分らないものの
周りの情景とかを撮影し その写真を利用して
パソコンで合成写真を製作し プレゼンする事を言った
「そうしたらプレゼンの写真はアルタの写真ではなく
あなたの写真が使われる訳なんだ 凄いわね」
「まあ そうだけど、、、」
「私も御殿場行きたいな」
「もう少し 形が出来てから行こうよ」
「そうね 私ひとりだとさっぱり分らないもの」
アルタでは他の内装工事を専門にする会社より一足早く
コンピューターグラフィックスを導入し他社より抜きん出ていた
プレゼンにCGを導入する事によって 目線での訴求力が違って
例えば床を赤にするか黒くするかユーザーが迷った場合でも
モニターに映し出されている色を瞬時に換える事が出来
仕事を早める上では大変重宝された
「ねぇ そうしたら 7月頃は行けるかしら」
「多分大丈夫だよ 皆お中元で大変なときに行きましょう」
「そうね うれしいわ」
.
2010年10月20日水曜日
Vol.102 若葉 -1-8
「はい 高橋ですが 山ちゃん どうしたの」
「うん お願いがあってさ」
「なんでしょ」
「実は今度の土日に御殿場に行ってくる」
「えっ はい」
「そこで 記録写真を撮影するんだけど もう一人行きます」
「わかりました 2人分用意すればいいの」
「いや 僕は内藤さんから頂いたから 1人分用意出来ますか」
「そしたら 明日持ってゆきます 片手で足りる?」
「充分だよ ありがとう」
「しかし急だね どうしたの」
「ほら 頂いた宿泊券を見ていたら行きたくなった」
「えっ ほんと 凄いじゃないですか」
「会社に休みの件なんかを聞いていたら生き抜き出来なくてさ」
「なるほど 休めないもんね」
「うん それで御殿場を思いついたのさ」
「だけど 山ちゃん 現場の写真は僕らも欲しくて
来週かその次の週に行こうかと 話が出ていたんですよ」
「じゃあ 撮影をしてくるよ 一杯」
「助かります おねがいします」
「では 明朝9時に」
「了解です」
アルタの電話を切ったその時に又 電話が鳴った
「斉藤です」
「はい どうでした」
「今 全て了承して頂きました」
「うん ありがとう」
「秘書課長の所でお認めを頂くときに出張届と前借金届けを
店長が覗き込み しかし神山君は迅速ですばらしい
部長にして良かったって言われました」
「えっ 店長に見られたか 参ったな」
「しかし あなた 私そんなにお金ないわよ」
「大丈夫だ アルタに出してもらう」
「そんな 何か嫌だわ」
「まあ聞きなさい アルタも御殿場の写真が欲しいのだ
だからこちらが先行して撮影するので問題はない
それに 今までの事を見ていても 隠して動けないから
この様に堂々と行動をしたほうが得策だよ」
「はい 分りました」
「だから撮影にはフィルムを余分に頼む」
「はい それから 新幹線は自分で購入出来るように前借で
お金を預かってきました」
「うん 明日時間などを連絡する」
「はい 連絡忘れないでね 待っています」
「うん 出来たら午前中にします」
「はい それでは 頑張ってください」
神山は土日の由香里との旅行が楽しみだが 仕事も大事なので
ニーナ・ニーナの祥子に電話をした
「はい 久保です」
「神山です 今日はありがとうございました」
「どういたしまして よろしくお願いしますね」
「それで 今夜だけれど 何処かで食べようよ」
「そうしたら7時に駅前寿司でお願いできるかしら」
「はい では7時に待っています」
駅前寿司は先ほど行ったばかりだが 安くて美味しくて近いので
都合が良く 19時まで仕事に集中出来ると思った
電話連絡から開放された神山は杉田の仕事に集中した
懸案事項があったり 杉田が打ち合わせをしてから発生した
事項もあり一つ一つを解決していくうちに時間を忘れていた
全てが解決し杉田のところにFAXを送ったのは6時を過ぎていた
もう少し早く解決できると思ったが
物産催事は予算が絡んでいたので遅くなってしまった
もう一度FAXした書類を調べながら缶ビールを呑んでいると
電話がかかってきた
「もしもし 神山ですが」
「はい 杉田です 今頂きました ありがとうございます」
「今 FAXした内容で 詰めてくれ」
「しかしどこからこんな良い考えが 生まれるのですか敬服します」
「そんな事より 頼んだぞ 俺はへとへとだよ」
「そんな 頑張ってくださいよ」
「うん 分った では」
神山は催事課の仕事を終わると 上原の仕事に取り掛かり
祥子が疑問に思うところや 分かり易く説明できるよう図面をみた
.
「うん お願いがあってさ」
「なんでしょ」
「実は今度の土日に御殿場に行ってくる」
「えっ はい」
「そこで 記録写真を撮影するんだけど もう一人行きます」
「わかりました 2人分用意すればいいの」
「いや 僕は内藤さんから頂いたから 1人分用意出来ますか」
「そしたら 明日持ってゆきます 片手で足りる?」
「充分だよ ありがとう」
「しかし急だね どうしたの」
「ほら 頂いた宿泊券を見ていたら行きたくなった」
「えっ ほんと 凄いじゃないですか」
「会社に休みの件なんかを聞いていたら生き抜き出来なくてさ」
「なるほど 休めないもんね」
「うん それで御殿場を思いついたのさ」
「だけど 山ちゃん 現場の写真は僕らも欲しくて
来週かその次の週に行こうかと 話が出ていたんですよ」
「じゃあ 撮影をしてくるよ 一杯」
「助かります おねがいします」
「では 明朝9時に」
「了解です」
アルタの電話を切ったその時に又 電話が鳴った
「斉藤です」
「はい どうでした」
「今 全て了承して頂きました」
「うん ありがとう」
「秘書課長の所でお認めを頂くときに出張届と前借金届けを
店長が覗き込み しかし神山君は迅速ですばらしい
部長にして良かったって言われました」
「えっ 店長に見られたか 参ったな」
「しかし あなた 私そんなにお金ないわよ」
「大丈夫だ アルタに出してもらう」
「そんな 何か嫌だわ」
「まあ聞きなさい アルタも御殿場の写真が欲しいのだ
だからこちらが先行して撮影するので問題はない
それに 今までの事を見ていても 隠して動けないから
この様に堂々と行動をしたほうが得策だよ」
「はい 分りました」
「だから撮影にはフィルムを余分に頼む」
「はい それから 新幹線は自分で購入出来るように前借で
お金を預かってきました」
「うん 明日時間などを連絡する」
「はい 連絡忘れないでね 待っています」
「うん 出来たら午前中にします」
「はい それでは 頑張ってください」
神山は土日の由香里との旅行が楽しみだが 仕事も大事なので
ニーナ・ニーナの祥子に電話をした
「はい 久保です」
「神山です 今日はありがとうございました」
「どういたしまして よろしくお願いしますね」
「それで 今夜だけれど 何処かで食べようよ」
「そうしたら7時に駅前寿司でお願いできるかしら」
「はい では7時に待っています」
駅前寿司は先ほど行ったばかりだが 安くて美味しくて近いので
都合が良く 19時まで仕事に集中出来ると思った
電話連絡から開放された神山は杉田の仕事に集中した
懸案事項があったり 杉田が打ち合わせをしてから発生した
事項もあり一つ一つを解決していくうちに時間を忘れていた
全てが解決し杉田のところにFAXを送ったのは6時を過ぎていた
もう少し早く解決できると思ったが
物産催事は予算が絡んでいたので遅くなってしまった
もう一度FAXした書類を調べながら缶ビールを呑んでいると
電話がかかってきた
「もしもし 神山ですが」
「はい 杉田です 今頂きました ありがとうございます」
「今 FAXした内容で 詰めてくれ」
「しかしどこからこんな良い考えが 生まれるのですか敬服します」
「そんな事より 頼んだぞ 俺はへとへとだよ」
「そんな 頑張ってくださいよ」
「うん 分った では」
神山は催事課の仕事を終わると 上原の仕事に取り掛かり
祥子が疑問に思うところや 分かり易く説明できるよう図面をみた
.
2010年10月19日火曜日
Vol.101 若葉 -1-8
3人はビールだけにして おつまみを少々頂きお店を出た
「じゃ 明日は9時ごろでいいのかな?」
「ええ 現場でお待ちしています」
神山は佐藤や高橋と別れると 自分の部屋に戻った
まずシャワーで体をすっきりさせると
内藤から貰った封筒を開けてみた
現金が10万円と無料宿泊券が3枚入っていた
神山は無料宿泊券をインターネットで調べると
結構大きなホテルで 設備や部屋の中もワンランク上の感じがした
冷蔵庫から缶ビールを取り出し呑みながら休みの事を考えていた
「はい神山ですが」
「斉藤です お疲れ様です」
「うん どうでした休みの件」
「その件ですが 今課長に聞いたの」
「そしたら」
「原則は1週間に2回休む事が出来ますって
しかし現状休めないと思うが 1回は休んで欲しいって」
「そうか 参ったな」
「だけど言っていたわ」
「なんて」
「一区切りついたら 長期で休めって」
「そんな、、、」
「まあ仕方ないでしょ 新部長」
神山と由香里の経緯を知ってか否か 周りで笑いが起こっていた
「なに 今の笑い声 聞いているの」
「まあ そんな所ね」
「参ったよな」
「ちょっと待っていてね 課長に替わるわね」
「奥村ですが 青山の会議 お疲れ様 今 筒井さんから
連絡が入って 大変喜んでいたよ そうそう
休みの件は 山ちゃん 仕方ないよ がんばってください」
「あっ はい分りました しかし出勤についてはどうしますか」
「本来ならば 部長席にある出勤簿に出勤印を押印するのだが
現場仕事という事で 自己申告になる
そこで 週に2回休んだ事に申告をしてくれればいいですよ」
「そうすると実際の休みは どこかに消えてしまうのですか」
「まあ その時はこちらで調整するよ
一区切りついたら 一杯休んで良いからさ
しかし 最低週に1回は休んでくれよ」
「はい 分りました 一杯休めるよう昼夜励みます」
「おいおい ちゃんと寝てくれよ」
今回もみなが聞いていたのか笑いが起こった
「しかし 山ちゃん 少しでも仕事をしたら
一日は一日だからね 後は何をしても構わないよ
もうタイムカードが無いから そこは時間を上手に使ってよ
どこに行ったって 構わないよ それにその時掛かった
経費は会社から出るようになっているから心配しなくて良いよ」
「はい わかりました ところで課長
今度の土日に御殿場を見て来たいのですが いいですか?」
「うん 銀座が何も無ければ」
「ええ 翔にきちんと伝えておきます」
「こちらは別に何もないからいいよ 上原の現場は?」
「アルタは休みです ニーナ・ニーナも休みだと思います」
「うん 支障がなければいいよ」
「そしたら 斉藤さんも良いですか」
「いいけど 出張扱いにはならないな」
「では公休と有給だったら大丈夫ですよね」
「うん 大丈夫だ でもどうして斉藤さんなんだね」
「だって セミプロカメラマンでしょ 現場撮影と記録です」
「うん分った 気をつけてな 今 替わる」
「斉藤ですが なに今の話」
「課長に頼んで 御殿場出張だ 君は連休で来るのさ」
「えっ そんな話 聞いていませんよ」
「そうだよ 今決まった事だから」
「分りましたけど 何をするの 私」
「うん御殿場の現場はもう更地になっているので
君のカメラで記録写真をお願いしたいのさ」
「わかりました 出張届を出しておきます」
「うん 新幹線と宿の手配を頼む」
神山は新幹線の行き先と大体の時刻
宿泊先は後ほど連絡することで電話を切った
すぐにアルタの高橋に電話した
「神山ですが 高橋さんは居ますか」
.
「じゃ 明日は9時ごろでいいのかな?」
「ええ 現場でお待ちしています」
神山は佐藤や高橋と別れると 自分の部屋に戻った
まずシャワーで体をすっきりさせると
内藤から貰った封筒を開けてみた
現金が10万円と無料宿泊券が3枚入っていた
神山は無料宿泊券をインターネットで調べると
結構大きなホテルで 設備や部屋の中もワンランク上の感じがした
冷蔵庫から缶ビールを取り出し呑みながら休みの事を考えていた
「はい神山ですが」
「斉藤です お疲れ様です」
「うん どうでした休みの件」
「その件ですが 今課長に聞いたの」
「そしたら」
「原則は1週間に2回休む事が出来ますって
しかし現状休めないと思うが 1回は休んで欲しいって」
「そうか 参ったな」
「だけど言っていたわ」
「なんて」
「一区切りついたら 長期で休めって」
「そんな、、、」
「まあ仕方ないでしょ 新部長」
神山と由香里の経緯を知ってか否か 周りで笑いが起こっていた
「なに 今の笑い声 聞いているの」
「まあ そんな所ね」
「参ったよな」
「ちょっと待っていてね 課長に替わるわね」
「奥村ですが 青山の会議 お疲れ様 今 筒井さんから
連絡が入って 大変喜んでいたよ そうそう
休みの件は 山ちゃん 仕方ないよ がんばってください」
「あっ はい分りました しかし出勤についてはどうしますか」
「本来ならば 部長席にある出勤簿に出勤印を押印するのだが
現場仕事という事で 自己申告になる
そこで 週に2回休んだ事に申告をしてくれればいいですよ」
「そうすると実際の休みは どこかに消えてしまうのですか」
「まあ その時はこちらで調整するよ
一区切りついたら 一杯休んで良いからさ
しかし 最低週に1回は休んでくれよ」
「はい 分りました 一杯休めるよう昼夜励みます」
「おいおい ちゃんと寝てくれよ」
今回もみなが聞いていたのか笑いが起こった
「しかし 山ちゃん 少しでも仕事をしたら
一日は一日だからね 後は何をしても構わないよ
もうタイムカードが無いから そこは時間を上手に使ってよ
どこに行ったって 構わないよ それにその時掛かった
経費は会社から出るようになっているから心配しなくて良いよ」
「はい わかりました ところで課長
今度の土日に御殿場を見て来たいのですが いいですか?」
「うん 銀座が何も無ければ」
「ええ 翔にきちんと伝えておきます」
「こちらは別に何もないからいいよ 上原の現場は?」
「アルタは休みです ニーナ・ニーナも休みだと思います」
「うん 支障がなければいいよ」
「そしたら 斉藤さんも良いですか」
「いいけど 出張扱いにはならないな」
「では公休と有給だったら大丈夫ですよね」
「うん 大丈夫だ でもどうして斉藤さんなんだね」
「だって セミプロカメラマンでしょ 現場撮影と記録です」
「うん分った 気をつけてな 今 替わる」
「斉藤ですが なに今の話」
「課長に頼んで 御殿場出張だ 君は連休で来るのさ」
「えっ そんな話 聞いていませんよ」
「そうだよ 今決まった事だから」
「分りましたけど 何をするの 私」
「うん御殿場の現場はもう更地になっているので
君のカメラで記録写真をお願いしたいのさ」
「わかりました 出張届を出しておきます」
「うん 新幹線と宿の手配を頼む」
神山は新幹線の行き先と大体の時刻
宿泊先は後ほど連絡することで電話を切った
すぐにアルタの高橋に電話した
「神山ですが 高橋さんは居ますか」
.
2010年10月18日月曜日
Vol.100 若葉 -1-8
「では 解散 ご苦労様でした」
神山と佐藤が筒井と話しながら会議室を出ると 一足早く出た
林と祥子やニーナ・ニーナの美女軍団が 整列して待っていた
神山はエレベーターに乗るとき祥子に向かって 頷くと祥子も頷いた
NNビルを出た佐藤と神山は一緒に上原の現場にいった
現場に着くと高橋が佐藤を見て
「部長 どうされたんですか」
「ははは たまには見に来ないとな だいぶ進んだな」
「ええ 天井が解体されれば 後は墨だけですから」
「うん いや今日はね ニーナ・ニーナさんで会議があって
神山部長が御殿場の監修と正式に決まったよ」
「えっ それは良かったですね 動きやすくなるし 山ちゃんおめでとう」
「って 言われても 自身の力じゃないからね 程ほどに」
「まあまあ ご謙遜」
「どうだね高橋君 オープンは」
「ええ 明朝久保さんが確認をしてくれて 正式にGOがかかれば
早いですよ 小田原の工場も空いているそうです」
「そうか 来週の初めくらいだと 5月に入るか?」
「うーん 難しいですね 横浜が8箇所でしょ 大きいのばっかりですし」
「そうだな うーん 急かしてあとから言われるのも嫌だしな」
「でも山ちゃん 結構 理解して進んでいるよね」
「うん なので 大枠で決定すれば 細かいところは微調整できるからね」
「うん そうだね 明日にも聞いてみようかな」
「それで 筒井さんを交えて 最終判断をして貰えばいいと思うよ」
「うん そうする そうそう サンプルが来ていますよ」
神山は壁面サンプルを立てかけ 床材サンプルを手前に置くと
「ねえ 考ちゃん ここの電気はどこ」
高橋は壁面の照明スイッチを入れると神山が
「やっぱりな 多少写りこむね」
「うん これだけの色だから 仕方ないかなって思っているんだけど」
「まあ 什器が来るし あまり気にならないけれどね」
「兎に角 明日ですね」
「うん そうしよう」
二人の話を聞いて佐藤が
「山ちゃん 少し時間空いているかな」
「ええ 今日はもう銀座には戻りませんよ なにか」
「高橋君 ここを閉めて 寿司屋で軽く呑もう」
「はい 分かりました」
高橋は店舗の中を片付けると 神山と一緒に駅前寿司屋に行った
「さあ 来て貰ったのは 特別な話じゃないんだ」
佐藤はビールが来るのを待っていた
女将がすぐにビールと枝豆を持ってくると
「なあ 高橋君 神山部長をどう思う」
「えっ 突然どうしたんですか って言われても スーパーマンですよ」
「そうだろ ところで山ちゃん どうだね うちにこないか」
神山はハットしたが ヘッドハンティングとわかり
「お気持ちだけ頂きます 僕の力を買被りされているんですよ
僕なんて 大した事無いですよ 本当に」
神山は正直 鈴やの社風や職場環境が好きで特に銀座は楽しかった
お金をいくら積まれても 再就職するつもりは無かったが
「それに お給料だって 充分すぎるくらい頂いています」
「うーん 無理か」
その話を聞いた高橋が
「山ちゃん どうだろう ここで結論出さないでさ 考えて ねっ」
神山は高橋をみて頷いた
佐藤が茶封筒をだし神山に手渡すと
「山ちゃん これは内藤から預かってきたんです どうぞ」
神山が中を見ると現金と手紙が入っていた
【山ちゃん お疲れ様 この頃の仕事振りは部下から聞いています
そこで このお金を使って少し休んで英気を養ってきてください
これから現場が本格的に動き出すと休む事が出来ないと思います
それと宿泊券も入れておきました どうぞ使ってください 内藤】
「わぁ 現金と宿泊券ですよ いいのかなぁー」
「山ちゃん なんて書いてあるの」
神山は内藤のメモを高橋に渡した
「さすが 社長ですね 山ちゃん今度の土日は休みだから
ゆっくりと羽を伸ばして英気を養ってきたら」
「そうしようかな もう4月に入ってゆっくりと休んでいないんだ」
「休んだ方がいいよ」
佐藤が神山にビールを注ぎながら
「私の話と 社長の件は一切関係ありませんから ご心配なく」
「はい わかりました」
.
神山と佐藤が筒井と話しながら会議室を出ると 一足早く出た
林と祥子やニーナ・ニーナの美女軍団が 整列して待っていた
神山はエレベーターに乗るとき祥子に向かって 頷くと祥子も頷いた
NNビルを出た佐藤と神山は一緒に上原の現場にいった
現場に着くと高橋が佐藤を見て
「部長 どうされたんですか」
「ははは たまには見に来ないとな だいぶ進んだな」
「ええ 天井が解体されれば 後は墨だけですから」
「うん いや今日はね ニーナ・ニーナさんで会議があって
神山部長が御殿場の監修と正式に決まったよ」
「えっ それは良かったですね 動きやすくなるし 山ちゃんおめでとう」
「って 言われても 自身の力じゃないからね 程ほどに」
「まあまあ ご謙遜」
「どうだね高橋君 オープンは」
「ええ 明朝久保さんが確認をしてくれて 正式にGOがかかれば
早いですよ 小田原の工場も空いているそうです」
「そうか 来週の初めくらいだと 5月に入るか?」
「うーん 難しいですね 横浜が8箇所でしょ 大きいのばっかりですし」
「そうだな うーん 急かしてあとから言われるのも嫌だしな」
「でも山ちゃん 結構 理解して進んでいるよね」
「うん なので 大枠で決定すれば 細かいところは微調整できるからね」
「うん そうだね 明日にも聞いてみようかな」
「それで 筒井さんを交えて 最終判断をして貰えばいいと思うよ」
「うん そうする そうそう サンプルが来ていますよ」
神山は壁面サンプルを立てかけ 床材サンプルを手前に置くと
「ねえ 考ちゃん ここの電気はどこ」
高橋は壁面の照明スイッチを入れると神山が
「やっぱりな 多少写りこむね」
「うん これだけの色だから 仕方ないかなって思っているんだけど」
「まあ 什器が来るし あまり気にならないけれどね」
「兎に角 明日ですね」
「うん そうしよう」
二人の話を聞いて佐藤が
「山ちゃん 少し時間空いているかな」
「ええ 今日はもう銀座には戻りませんよ なにか」
「高橋君 ここを閉めて 寿司屋で軽く呑もう」
「はい 分かりました」
高橋は店舗の中を片付けると 神山と一緒に駅前寿司屋に行った
「さあ 来て貰ったのは 特別な話じゃないんだ」
佐藤はビールが来るのを待っていた
女将がすぐにビールと枝豆を持ってくると
「なあ 高橋君 神山部長をどう思う」
「えっ 突然どうしたんですか って言われても スーパーマンですよ」
「そうだろ ところで山ちゃん どうだね うちにこないか」
神山はハットしたが ヘッドハンティングとわかり
「お気持ちだけ頂きます 僕の力を買被りされているんですよ
僕なんて 大した事無いですよ 本当に」
神山は正直 鈴やの社風や職場環境が好きで特に銀座は楽しかった
お金をいくら積まれても 再就職するつもりは無かったが
「それに お給料だって 充分すぎるくらい頂いています」
「うーん 無理か」
その話を聞いた高橋が
「山ちゃん どうだろう ここで結論出さないでさ 考えて ねっ」
神山は高橋をみて頷いた
佐藤が茶封筒をだし神山に手渡すと
「山ちゃん これは内藤から預かってきたんです どうぞ」
神山が中を見ると現金と手紙が入っていた
【山ちゃん お疲れ様 この頃の仕事振りは部下から聞いています
そこで このお金を使って少し休んで英気を養ってきてください
これから現場が本格的に動き出すと休む事が出来ないと思います
それと宿泊券も入れておきました どうぞ使ってください 内藤】
「わぁ 現金と宿泊券ですよ いいのかなぁー」
「山ちゃん なんて書いてあるの」
神山は内藤のメモを高橋に渡した
「さすが 社長ですね 山ちゃん今度の土日は休みだから
ゆっくりと羽を伸ばして英気を養ってきたら」
「そうしようかな もう4月に入ってゆっくりと休んでいないんだ」
「休んだ方がいいよ」
佐藤が神山にビールを注ぎながら
「私の話と 社長の件は一切関係ありませんから ご心配なく」
「はい わかりました」
.
2010年10月17日日曜日
Vol.99 若葉 -1-8
「はあ 凄いですね こちらこそお手やわらかく」
(何とも 二人だけだったら もっと喜んだ表現が出来たのに、、、)
「神山さん 私は来週から地方へいって来ます」
「えっ どうして」
「地方の情報収集をしながら 準備室に必要な物を集めます」
「そんなに早く、、、」
(おかしいな 筒井さん
林さんは銀座で後継者を育成って言っていたのに)
神山は筒井がなぜ作戦変更をしたのか分らなかったが
よその人事なので 余り気にしなかった
「そうなんです しかし筒井からの命令は絶対なので従います」
「今まで ありがとうございました」
「待ってよ そんな又 お会いする事も出来るのだし
御殿場の後は決まっていませんから 分りませんわ」
「そうですよね ニーナ・ニーナのために頑張りましょう」
「はい 頑張りましょう」
林を観察していた神山は会社の為とはいえ少し同情をした
注文した料理を皆で分け合いながら
会話が進むほどお皿の上は無くなって行った
最後の杏仁デザートを食べ終わったところで筒井が
「では 食後の会議には 林君と久保君は出席の事」
「はい」
「はい」
両名は起立をして聞いた
神山は祥子と最後まで口を利くことは無かったが
目でお互いの気持ちを通じ合わせていたので気にならなかった
列をなして本社ビルに向かう途中で浜野が
「神山さん これから色々とご指導を宜しくお願いしますね」
「ええっ こちらこそ」
神山は浜野の横顔を伺うようにしながら
すばらしいプロポーションの持ち主だとを確認した
「神山さん 私のほうも色々とご指導くださいね」
どきっとした 直ぐ後ろに祥子がいて話を聞いていたのだ
「はい 分りました」
祥子はくすっと笑い 二人を追い越し前に歩く筒井の側にいった
(なんだよ 脅かすなよ)
(でれでれしないでね 格好悪いわよ)
筒井とアルタの佐藤は7階の副社長室に入った
先ほど筒井に呼ばれた林と久保は先に6階の会議室に向かい
神山は会議室の予備室で筒井と佐藤を待つ事になった
筒井と佐藤は神山の経費確認をしたり 出店予算の確認をした
二人は会議室予備室で神山と一緒になり 会議室に入っていった
筒井は御殿場アウトレット出店の概要を説明した
施工業者はアルタ 設計、デザイン関係の監修を神山と発表した
更に祥子が関東地区統括マネジャーになることも発表した
祥子は自分が関東地区統括マネジャーになることは
予想をしていなかったし 聞いたとき不安と期待がこみ上げてきた
肩書きは筒井と肩を並べる副社長ではないが職制表で横に並び
あくまでも筒井が社長直轄だが関東地域では肩を並べるようになった
「さて 林君 3日後から御殿場の事務所と住居を
事務の津田靖男君と探してくれ」
「えっ 3日後からですか」
「うん 3日後からだ」
「そんな 銀座の事も何も引継ぎしていないし」
「うん 時間が無いのだ」
「すでに 津田君がめぼしいところを抑えてあるので
状況を把握し吟味して選んで欲しい いいね」
「はい 分りました」
「すまんが 明日午前中は銀座で引継ぎをしてくれたまえ
そして 久保君」
「はい」
「君は明日 銀座で林君から業務を引き継いで欲しい いいね」
「はい 分りましたけれど、、、」
きょとんとしている祥子に
「実際に上原の店舗が動き始めるのは2週間ぐらい掛かる
それまで 銀座できっちりと体制を固める事
それから 神山さん アルタの高橋さんと上原をお願いしますね」
「はい 分りました」
「それから 神山さん御殿場の件もお願いしましたよ」
「はい ニーナ・ニーナのご期待に添えるよう頑張ります」
(とは言ったものの そんなに奇抜な事は出来ないし、、、)
「さあ 御殿場の会議はこれにて終了するが 質問は?」
筒井は時計を見ながら皆に聞いたが誰からも質問はなかった
.
(何とも 二人だけだったら もっと喜んだ表現が出来たのに、、、)
「神山さん 私は来週から地方へいって来ます」
「えっ どうして」
「地方の情報収集をしながら 準備室に必要な物を集めます」
「そんなに早く、、、」
(おかしいな 筒井さん
林さんは銀座で後継者を育成って言っていたのに)
神山は筒井がなぜ作戦変更をしたのか分らなかったが
よその人事なので 余り気にしなかった
「そうなんです しかし筒井からの命令は絶対なので従います」
「今まで ありがとうございました」
「待ってよ そんな又 お会いする事も出来るのだし
御殿場の後は決まっていませんから 分りませんわ」
「そうですよね ニーナ・ニーナのために頑張りましょう」
「はい 頑張りましょう」
林を観察していた神山は会社の為とはいえ少し同情をした
注文した料理を皆で分け合いながら
会話が進むほどお皿の上は無くなって行った
最後の杏仁デザートを食べ終わったところで筒井が
「では 食後の会議には 林君と久保君は出席の事」
「はい」
「はい」
両名は起立をして聞いた
神山は祥子と最後まで口を利くことは無かったが
目でお互いの気持ちを通じ合わせていたので気にならなかった
列をなして本社ビルに向かう途中で浜野が
「神山さん これから色々とご指導を宜しくお願いしますね」
「ええっ こちらこそ」
神山は浜野の横顔を伺うようにしながら
すばらしいプロポーションの持ち主だとを確認した
「神山さん 私のほうも色々とご指導くださいね」
どきっとした 直ぐ後ろに祥子がいて話を聞いていたのだ
「はい 分りました」
祥子はくすっと笑い 二人を追い越し前に歩く筒井の側にいった
(なんだよ 脅かすなよ)
(でれでれしないでね 格好悪いわよ)
筒井とアルタの佐藤は7階の副社長室に入った
先ほど筒井に呼ばれた林と久保は先に6階の会議室に向かい
神山は会議室の予備室で筒井と佐藤を待つ事になった
筒井と佐藤は神山の経費確認をしたり 出店予算の確認をした
二人は会議室予備室で神山と一緒になり 会議室に入っていった
筒井は御殿場アウトレット出店の概要を説明した
施工業者はアルタ 設計、デザイン関係の監修を神山と発表した
更に祥子が関東地区統括マネジャーになることも発表した
祥子は自分が関東地区統括マネジャーになることは
予想をしていなかったし 聞いたとき不安と期待がこみ上げてきた
肩書きは筒井と肩を並べる副社長ではないが職制表で横に並び
あくまでも筒井が社長直轄だが関東地域では肩を並べるようになった
「さて 林君 3日後から御殿場の事務所と住居を
事務の津田靖男君と探してくれ」
「えっ 3日後からですか」
「うん 3日後からだ」
「そんな 銀座の事も何も引継ぎしていないし」
「うん 時間が無いのだ」
「すでに 津田君がめぼしいところを抑えてあるので
状況を把握し吟味して選んで欲しい いいね」
「はい 分りました」
「すまんが 明日午前中は銀座で引継ぎをしてくれたまえ
そして 久保君」
「はい」
「君は明日 銀座で林君から業務を引き継いで欲しい いいね」
「はい 分りましたけれど、、、」
きょとんとしている祥子に
「実際に上原の店舗が動き始めるのは2週間ぐらい掛かる
それまで 銀座できっちりと体制を固める事
それから 神山さん アルタの高橋さんと上原をお願いしますね」
「はい 分りました」
「それから 神山さん御殿場の件もお願いしましたよ」
「はい ニーナ・ニーナのご期待に添えるよう頑張ります」
(とは言ったものの そんなに奇抜な事は出来ないし、、、)
「さあ 御殿場の会議はこれにて終了するが 質問は?」
筒井は時計を見ながら皆に聞いたが誰からも質問はなかった
.
2010年10月16日土曜日
Vol.98 若葉 -1-8
「その前に 自己紹介をしよう
これから色々な場面で合う事になるからな」
「まず久保君から」
「はい 私は久保祥子です 上原出店のマネージャーをしています」
次に林 浜野とニーナ・ニーナの自己紹介が終った
筒井が
「まあ皆さんよくご存知だと思いますが 神山さんお願いします」
「はい 私は銀座鈴や催事課の神山と申します
この度 重大なプロジェクトの一員にお招き下さいまして
ありがたく思っています」
神山が終るとアルタの佐藤部長から自己紹介がされ
上原の工事計画の日程などの詳細説明があった
神山は日程を聞いて余裕を感じたが黙っていた
筒井が神山に対して
「神山さん 何かございますか」
随分と改まって言われたので 笑いを堪えながら答えた
「現在 上原店の工事は着々と進行しています
目標の5月半ばにはオープンできるよう 頑張っていますが
勿論 最終的には久保さんに確認をさせてもらいます」
祥子の方を観ながら言ったが彼女はくすっと笑い手で口を隠していた
「神山さん 私のほうにも連絡を下さいね」
筒井が笑いながら催促をしたのでその場の硬い空気はほぐれた
「はい勿論 筒井社長にもご連絡をさせて頂きます ご心配なく」
筒井が催促することなくニーナ・ニーナの林や浜野から質問が出た
上原出店についての質疑応答がなされ大よそのところで皆納得をした
「それでは上原出店についてはこれにて終了
午後から御殿場出店についての会議です これから昼食にしますが
場所をご用意してありますので案内いたします」
筒井は6階の女性スタッフに目配せをして1階で待つよう指示した
エレベーターには全員が乗れない為3回に分かれておりた
浜野やニーナ・ニーナの女性社員が先を歩き 中華料理屋に入った
2階にある中型回転テーブルを2台使う大人数だった
ちょうど6名6名に分かれた
アルタの佐藤と神山 筒井とニーナ・ニーナの女性3名
もう一つのテーブルにはニーナ・ニーナの女性軍が6名となった
「さあ 好きな物を頼んでくれ」
筒井は女性軍のテーブルに向かって注文を促した
「社長 ビールはどうでしょうか?」
年長の林が女性郡を代表して筒井に聞いてきた
「うん 食前酒程度ならOKだ 頼んでいいぞ」
女性軍から呑める事に対してではなく意見が通った事に対して
歓声が上がった
「もう一つ お願いがあるのですが」
「うん なんだ」
「あの~ 神山さんがこちらに来て下さると
食事がいっそう美味しくなると思うのですが 如何でしょうか」
筒井は指名された神山に目で聞いたが OKのサインを出したので
「よし それでは渋谷君はこちらのテーブルに来るように」
筒井は林をわざと残し彼女の動向を探る事にした
神山と渋谷のトレードが終った
各テーブルにビールが置かれたのを見届けて筒井が
「まずはご苦労さん まだ御殿場が残っているが
上原はなんとしても成功させる 乾杯」
みな隣同士でグラスを合わせていた
神山は祥子と同じテーブルについたものの
隣は浜野と林で祥子は正面にいた
「先日はご馳走様でした」
浜野が言った
「いえ こちらこそ 慌しかったですね
そのうち時間を作ってゆっくりご馳走しますよ」
今度は林が
「先日は お忙しいところ
お時間を割いて頂きましてありがとうございました」
「しかし急でしたね」
神山は今回の件をはじめて聞いたように振舞っていた
浜野が神山の忙しさを感じ
「だけど神山さんなら 何でも出来るから大丈夫ですよね」
神山はなんと答えて良いものか考えながら祥子を見てみると
きつい顔で睨み返された
(そんなに だらだらしないで 浜野なんかにでれでれしないでよ)
神山はわざと浜野の話から逃れようとしたが
「私 上原のマネージャーを勤める事が決定しました
今後ともご指導宜しくお願いしますね」
.
これから色々な場面で合う事になるからな」
「まず久保君から」
「はい 私は久保祥子です 上原出店のマネージャーをしています」
次に林 浜野とニーナ・ニーナの自己紹介が終った
筒井が
「まあ皆さんよくご存知だと思いますが 神山さんお願いします」
「はい 私は銀座鈴や催事課の神山と申します
この度 重大なプロジェクトの一員にお招き下さいまして
ありがたく思っています」
神山が終るとアルタの佐藤部長から自己紹介がされ
上原の工事計画の日程などの詳細説明があった
神山は日程を聞いて余裕を感じたが黙っていた
筒井が神山に対して
「神山さん 何かございますか」
随分と改まって言われたので 笑いを堪えながら答えた
「現在 上原店の工事は着々と進行しています
目標の5月半ばにはオープンできるよう 頑張っていますが
勿論 最終的には久保さんに確認をさせてもらいます」
祥子の方を観ながら言ったが彼女はくすっと笑い手で口を隠していた
「神山さん 私のほうにも連絡を下さいね」
筒井が笑いながら催促をしたのでその場の硬い空気はほぐれた
「はい勿論 筒井社長にもご連絡をさせて頂きます ご心配なく」
筒井が催促することなくニーナ・ニーナの林や浜野から質問が出た
上原出店についての質疑応答がなされ大よそのところで皆納得をした
「それでは上原出店についてはこれにて終了
午後から御殿場出店についての会議です これから昼食にしますが
場所をご用意してありますので案内いたします」
筒井は6階の女性スタッフに目配せをして1階で待つよう指示した
エレベーターには全員が乗れない為3回に分かれておりた
浜野やニーナ・ニーナの女性社員が先を歩き 中華料理屋に入った
2階にある中型回転テーブルを2台使う大人数だった
ちょうど6名6名に分かれた
アルタの佐藤と神山 筒井とニーナ・ニーナの女性3名
もう一つのテーブルにはニーナ・ニーナの女性軍が6名となった
「さあ 好きな物を頼んでくれ」
筒井は女性軍のテーブルに向かって注文を促した
「社長 ビールはどうでしょうか?」
年長の林が女性郡を代表して筒井に聞いてきた
「うん 食前酒程度ならOKだ 頼んでいいぞ」
女性軍から呑める事に対してではなく意見が通った事に対して
歓声が上がった
「もう一つ お願いがあるのですが」
「うん なんだ」
「あの~ 神山さんがこちらに来て下さると
食事がいっそう美味しくなると思うのですが 如何でしょうか」
筒井は指名された神山に目で聞いたが OKのサインを出したので
「よし それでは渋谷君はこちらのテーブルに来るように」
筒井は林をわざと残し彼女の動向を探る事にした
神山と渋谷のトレードが終った
各テーブルにビールが置かれたのを見届けて筒井が
「まずはご苦労さん まだ御殿場が残っているが
上原はなんとしても成功させる 乾杯」
みな隣同士でグラスを合わせていた
神山は祥子と同じテーブルについたものの
隣は浜野と林で祥子は正面にいた
「先日はご馳走様でした」
浜野が言った
「いえ こちらこそ 慌しかったですね
そのうち時間を作ってゆっくりご馳走しますよ」
今度は林が
「先日は お忙しいところ
お時間を割いて頂きましてありがとうございました」
「しかし急でしたね」
神山は今回の件をはじめて聞いたように振舞っていた
浜野が神山の忙しさを感じ
「だけど神山さんなら 何でも出来るから大丈夫ですよね」
神山はなんと答えて良いものか考えながら祥子を見てみると
きつい顔で睨み返された
(そんなに だらだらしないで 浜野なんかにでれでれしないでよ)
神山はわざと浜野の話から逃れようとしたが
「私 上原のマネージャーを勤める事が決定しました
今後ともご指導宜しくお願いしますね」
.
2010年10月15日金曜日
Vol.97 若葉 -1-8
横に座っている筒井を見てみると こちらを向き大丈夫とうなずいた
「浜野君は上原店長を任せるつもりでいる
安田君は当分の間 浜野君と上原勤務 いいね
上野かおり君は 銀座店店長を任せるつもいでいる
ただし 銀座店店長も期限付きだ いいね」
上野かおり 39歳 現在本社ビルで営業のサポートをしているが
以前は日本橋 横浜など百貨店に入っているブティック店長を
経験してきた人物だった
2年程前から体調を崩し本社勤務になっているが
応援があれば直ぐに現場復帰できる貴重な存在だった
「尚 この6月に中途採用をし人材確保をしながら
近い将来の三重アウトレットを開店します」
「以上 何か質問は」
筒井は説明を終えたのでスタッフからの質問に答える事にした
「はい」
手を挙げたのは林だった
「私の場合 全国の顧客整理と情報収集という事ですが
具体的にはどうなんですか?」
「うん 林君の場合 業務内容などについては
ここでは発言できない部分が有るので後でいいかね」
「はい 分りました」
「はい」
今度は林と行動を共にする高野から手が挙がった
「僕たち二人が交互に林さんのサポートをする事に
異議はありませんが その分 売上が落ちてくる懸念もあります
そこはどのようにお考えですか?」
「はっきり言って 売上は落として欲しくない
それを見込んで お二人に絞りこんだのだが 難しいか」
「選ばれた事については光栄ですが
売上をキープするのは果たして分りません」
「そんな情けない事言うな
出来なければこのプロジェクトから外れてもいいぞ」
筒井はこのプロジェクトをサポートし
成功を収めたならばボーナスを出す事を約束していた
「はい分りました 精一杯頑張ります」
「次 何もないか?」
「はい」
浜野由貴が控えめながら挙手した
「私の上原勤務の時期と安田さんの件で伺いたいのですが?」
「うん どうぞ」
「私の上原勤務はいつからでしょうか?」
「その件は 後日連絡する ただ1ヶ月をめどに考えてくれ」
「はい分りました それと安田さんはいつまで上原勤務なのですか?」
「大体3ヶ月くらいを目安だ」
「以上 何もないか」
スタッフ同士が隣の顔を見合わせながら
首を横に振ったり下を見たりと皆元気が無かった
そんな光景を筒井は見逃さなかった
「さあ 以上で終わりにするが この計画はもう後戻りできないのだ
全員の力が必要とされる大プロジェクトだ
持っている力の120%以上 力を出すよう期待している
尚 10時から再び会議を行う」
筒井は時計を見て
「10分間の休憩」
神山は青山のニーナ・ニーナ本社ビルに着くと
アルタの佐藤も丁度タクシーから降りて 目と目が合った
「佐藤さんも会議に出席ですってね 改まってなんでしょうか?」
「ええ 御殿場の話は決まっているので 何かと思っているんです」
二人は本社ビルに入ると受付が尋ねるので
「鈴やの神山とアルタの佐藤部長です」
受付嬢は予め連絡があったので
「あちらのエレベーターで6階へお越しください」
2人はエレベーターで6階の会議室に向かった
止まったエレベーターの扉が開いた向こうに筒井が待っていた
「やあ 山ちゃん 待っていたぞ」
「どうも 遅くなりました」
佐藤も筒井と握手を交わした
筒井が先導をして会議室を案内した
会議室に入るとやはり祥子は仲間と一緒にいた
ちょうどニーナ・ニーナの祥子と向き合うところに着席した
筒井は皆が席に着いた事を確認してから
「それではこれから 上原出店 御殿場出店の詳細に入る」
.
「浜野君は上原店長を任せるつもりでいる
安田君は当分の間 浜野君と上原勤務 いいね
上野かおり君は 銀座店店長を任せるつもいでいる
ただし 銀座店店長も期限付きだ いいね」
上野かおり 39歳 現在本社ビルで営業のサポートをしているが
以前は日本橋 横浜など百貨店に入っているブティック店長を
経験してきた人物だった
2年程前から体調を崩し本社勤務になっているが
応援があれば直ぐに現場復帰できる貴重な存在だった
「尚 この6月に中途採用をし人材確保をしながら
近い将来の三重アウトレットを開店します」
「以上 何か質問は」
筒井は説明を終えたのでスタッフからの質問に答える事にした
「はい」
手を挙げたのは林だった
「私の場合 全国の顧客整理と情報収集という事ですが
具体的にはどうなんですか?」
「うん 林君の場合 業務内容などについては
ここでは発言できない部分が有るので後でいいかね」
「はい 分りました」
「はい」
今度は林と行動を共にする高野から手が挙がった
「僕たち二人が交互に林さんのサポートをする事に
異議はありませんが その分 売上が落ちてくる懸念もあります
そこはどのようにお考えですか?」
「はっきり言って 売上は落として欲しくない
それを見込んで お二人に絞りこんだのだが 難しいか」
「選ばれた事については光栄ですが
売上をキープするのは果たして分りません」
「そんな情けない事言うな
出来なければこのプロジェクトから外れてもいいぞ」
筒井はこのプロジェクトをサポートし
成功を収めたならばボーナスを出す事を約束していた
「はい分りました 精一杯頑張ります」
「次 何もないか?」
「はい」
浜野由貴が控えめながら挙手した
「私の上原勤務の時期と安田さんの件で伺いたいのですが?」
「うん どうぞ」
「私の上原勤務はいつからでしょうか?」
「その件は 後日連絡する ただ1ヶ月をめどに考えてくれ」
「はい分りました それと安田さんはいつまで上原勤務なのですか?」
「大体3ヶ月くらいを目安だ」
「以上 何もないか」
スタッフ同士が隣の顔を見合わせながら
首を横に振ったり下を見たりと皆元気が無かった
そんな光景を筒井は見逃さなかった
「さあ 以上で終わりにするが この計画はもう後戻りできないのだ
全員の力が必要とされる大プロジェクトだ
持っている力の120%以上 力を出すよう期待している
尚 10時から再び会議を行う」
筒井は時計を見て
「10分間の休憩」
神山は青山のニーナ・ニーナ本社ビルに着くと
アルタの佐藤も丁度タクシーから降りて 目と目が合った
「佐藤さんも会議に出席ですってね 改まってなんでしょうか?」
「ええ 御殿場の話は決まっているので 何かと思っているんです」
二人は本社ビルに入ると受付が尋ねるので
「鈴やの神山とアルタの佐藤部長です」
受付嬢は予め連絡があったので
「あちらのエレベーターで6階へお越しください」
2人はエレベーターで6階の会議室に向かった
止まったエレベーターの扉が開いた向こうに筒井が待っていた
「やあ 山ちゃん 待っていたぞ」
「どうも 遅くなりました」
佐藤も筒井と握手を交わした
筒井が先導をして会議室を案内した
会議室に入るとやはり祥子は仲間と一緒にいた
ちょうどニーナ・ニーナの祥子と向き合うところに着席した
筒井は皆が席に着いた事を確認してから
「それではこれから 上原出店 御殿場出店の詳細に入る」
.
2010年10月14日木曜日
Vol.96 若葉 -1-8
「うん 倉さんから聞いた 大丈夫だ 何とかするよ」
そこへ店長の池上が来て 神山を見つけるとニコニコして
「おう 山ちゃん おはよう また素晴らしいステージだな」
「ええ 春から初夏へのシルクです 素材感を充分出せています」
「うん なかなか出来ない事だ 素晴らしい さすが受賞者だ」
「店長 予算オーバーしました」
ニコニコしていた店長がちょっときつくなり
「うん 理由は」
「はい シルクの素材感を出すのに 時間がかかるんです
これは 私の想定外の出来事です 実際今朝もこのように
入っています なのでオーバーしました」
「そうか シルクってそんなに 難しいのか」
「ええ 他の素材と比べ ピンを打つ事が出来ないんです
穴をあけたら商品価値がなくなりますし かと言って
美しいシルエットは表現したいし そこでデコレーターを増やし
この形に完成しました」
「うん 分かった 10万だな おう奥村君 この分のオーバーは
わしが認めたと会計課長に話をしておきなさい いいね」
「はいっ ありがとうございます」
奥村は深々と丁寧にお辞儀をしていると
「山ちゃん これからオーバーする時は 事前に話してくれ
わしが何とかするから いいね」
池上店長はニコニコしながら神山の肩を叩いて そこを離れた
驚いた奥村は神山に
「こんな事 初めてだよ 凄いな山ちゃん」
「ははは もうドキドキしながらの 演技ですよ」
「そうか ありがとう しかし倉さんから 話が出なければいいな」
「別に出ても いいじゃないですか 事実だし」
「まあな そうしたら倉さんを探して 口止めだ」
奥村はその場を離れると 倉元を探しに行った
「課長 課長 倉さん そこに居ますよ」
奥村は神山の指先を確認するとウインドーに居た
「分かった」
奥村は駆け足で 外に回って倉元に事情を話した
倉元は頷き聞き終わると ガラス扉のところに来て
「おう 山ちゃん おはよさん よくやった わかったぞ」
倉元はニコニコして神山に話すと 店長がきて話し始めた
その出来事を一部始終見ていた細川は
「山ちゃん 間一髪セーフね でも素晴らしい主張だったわ
私もシルクは大変だと いつも感じているの
なんかデコレーターの意見を 話して頂いたようで 嬉しかった」
「ありがとうございます」
神山は時計を見るともう直ぐ9時30分になるので
「それでは失礼します」
「まぁ お茶をしようと思っていたのよ 残念」
「ええ 他のところで用事があるんですよ ごめんなさい」
「では 月曜日を楽しみにしているわ」
神山はお辞儀をすると 二人に手を振り外に出た
ウインドーに行くと 店長が倉元や奥村と話していたが
「店長すみません 課長 では10時の会議に行ってきます」
「うん 筒井さんによろしく伝えてください お願いします」
店長は笑顔で神山に
「鈴やを代表して しっかりやってきてな 頼んだぞ」
「はい わかりました」
神山は店長にお辞儀をすると タクシーを拾い青山に向かった
青山NNビル
「と言う事で ニーナ・ニーナジャパンを発展させるには
この方法が一番の政策と考えています」
筒井の会議内容概略説明が終った
東京上原出店 静岡御殿場アウトレット出店は皆知っていたが
三重県のアウトレット出店までは誰も知らなかった
と言うよりホットニュースであった
「そこで 人事だが 久保君には上原をオープンまで見てもらう
林君は当分の間 各地の顧客整理を兼ね 情報収集をしてもらう
勿論 御殿場の準備室長兼任だ いいね
高野君と太田君は現在の仕事のほかに林君のサポートをしてもらう
久保君には悪いけど当分の間は
銀座店の仕事と上原の仕事があるが大丈夫かね」
「はい 大丈夫ですけど、、、」
祥子は神山から話を聞いていたので あまり驚きは無かったものの
実際問題 どのように二箇所の現場をこなして行くのか不安が残った
そんな祥子を見て筒井は
「頼もしい助っ人が居るから心配するな」
.
そこへ店長の池上が来て 神山を見つけるとニコニコして
「おう 山ちゃん おはよう また素晴らしいステージだな」
「ええ 春から初夏へのシルクです 素材感を充分出せています」
「うん なかなか出来ない事だ 素晴らしい さすが受賞者だ」
「店長 予算オーバーしました」
ニコニコしていた店長がちょっときつくなり
「うん 理由は」
「はい シルクの素材感を出すのに 時間がかかるんです
これは 私の想定外の出来事です 実際今朝もこのように
入っています なのでオーバーしました」
「そうか シルクってそんなに 難しいのか」
「ええ 他の素材と比べ ピンを打つ事が出来ないんです
穴をあけたら商品価値がなくなりますし かと言って
美しいシルエットは表現したいし そこでデコレーターを増やし
この形に完成しました」
「うん 分かった 10万だな おう奥村君 この分のオーバーは
わしが認めたと会計課長に話をしておきなさい いいね」
「はいっ ありがとうございます」
奥村は深々と丁寧にお辞儀をしていると
「山ちゃん これからオーバーする時は 事前に話してくれ
わしが何とかするから いいね」
池上店長はニコニコしながら神山の肩を叩いて そこを離れた
驚いた奥村は神山に
「こんな事 初めてだよ 凄いな山ちゃん」
「ははは もうドキドキしながらの 演技ですよ」
「そうか ありがとう しかし倉さんから 話が出なければいいな」
「別に出ても いいじゃないですか 事実だし」
「まあな そうしたら倉さんを探して 口止めだ」
奥村はその場を離れると 倉元を探しに行った
「課長 課長 倉さん そこに居ますよ」
奥村は神山の指先を確認するとウインドーに居た
「分かった」
奥村は駆け足で 外に回って倉元に事情を話した
倉元は頷き聞き終わると ガラス扉のところに来て
「おう 山ちゃん おはよさん よくやった わかったぞ」
倉元はニコニコして神山に話すと 店長がきて話し始めた
その出来事を一部始終見ていた細川は
「山ちゃん 間一髪セーフね でも素晴らしい主張だったわ
私もシルクは大変だと いつも感じているの
なんかデコレーターの意見を 話して頂いたようで 嬉しかった」
「ありがとうございます」
神山は時計を見るともう直ぐ9時30分になるので
「それでは失礼します」
「まぁ お茶をしようと思っていたのよ 残念」
「ええ 他のところで用事があるんですよ ごめんなさい」
「では 月曜日を楽しみにしているわ」
神山はお辞儀をすると 二人に手を振り外に出た
ウインドーに行くと 店長が倉元や奥村と話していたが
「店長すみません 課長 では10時の会議に行ってきます」
「うん 筒井さんによろしく伝えてください お願いします」
店長は笑顔で神山に
「鈴やを代表して しっかりやってきてな 頼んだぞ」
「はい わかりました」
神山は店長にお辞儀をすると タクシーを拾い青山に向かった
青山NNビル
「と言う事で ニーナ・ニーナジャパンを発展させるには
この方法が一番の政策と考えています」
筒井の会議内容概略説明が終った
東京上原出店 静岡御殿場アウトレット出店は皆知っていたが
三重県のアウトレット出店までは誰も知らなかった
と言うよりホットニュースであった
「そこで 人事だが 久保君には上原をオープンまで見てもらう
林君は当分の間 各地の顧客整理を兼ね 情報収集をしてもらう
勿論 御殿場の準備室長兼任だ いいね
高野君と太田君は現在の仕事のほかに林君のサポートをしてもらう
久保君には悪いけど当分の間は
銀座店の仕事と上原の仕事があるが大丈夫かね」
「はい 大丈夫ですけど、、、」
祥子は神山から話を聞いていたので あまり驚きは無かったものの
実際問題 どのように二箇所の現場をこなして行くのか不安が残った
そんな祥子を見て筒井は
「頼もしい助っ人が居るから心配するな」
.
2010年10月13日水曜日
Vol.95 若葉 -1-8
皆より遅く来た事に対し反省していた
「よお おはよう 元気か」
高野は大田に近寄り声を掛けていた
「ええ おはようございます 高野さんめちゃくちゃ凄いですね
現在ダントツのトップですよ」
「うん 周りが良くやってくれるから 僕なんて何もしていないよ」
「そんな事無いですよ 高野さんと一緒だと僕なんて影薄いですよ」
「ご謙遜 ごけんそん、、、」
高野は大田の耳に近づき小さい声で
「しかし どうしたの このメンバーは 何かあるの?」
「いやぁー 全然分らないのですよ
僕も昨日 携帯で筒井さんから呼ばれたんですよ」
「そうか 実は僕の場合は一昨日筒井さんから
福岡の店に電話が入ってきて呼ばれた」
フロアに集まったスタッフが思い思いの人と話をしている時だった
「やあ ようやく皆揃ったな 忙しいところすまんな」
筒井はスタッフを見渡しながら労い 会議室に入るよう指示した
祥子はこの会議に召集が掛かっていなかったので躊躇していた所
「おう 久保君おはよう 主人公が居ないと話が進まんよ
上原の書類関係一式を持って来なさい」
筒井は祥子を会議室に入るよう指示した
(なに言っているの 私が主人公? なんなの?)
「久保君 それから上原の図面も一緒にな 忘れずに頼むよ」
「はい分りました」
祥子は言われるまま上原の書類一式と図面を持って
会議室に入っていった
「久保君 君は僕の隣に座ってくれ」
「えっ はい 分りました」
他のスタッフは思い思いの場所に座っていたが
祥子だけ座る場所を指示された
「では 9時に会議を開くので それまで待っていてください」
鈴や銀座店
神山は7階催事場へいくと 飾り付けの看板やPOPなど点検し
什器類の員数も什器屋と一緒にチェックをした
「うん 大丈夫だね ありがとう」
「はい いつも ありがとうございます」
「もう暫くすると 売場の準備も落ち着くから 待っていて」
「ええ」
神山は催事担当者にここを離れることを伝え 什器や備品類の
過不足は業者に話して欲しい旨伝え 1階のステージに向かった
ニーナ・ニーナのステージを見ると 神山がデザインしたとおり
コンセプトがしっかり伝わるようデコレーションされていた
「あっ神山さん おはようございます」
「やあ 細川社長 おはようございます いいですね これ」
「ありがとうございます 時間が無かったので 逆に集中して
お仕事をさせて頂いたからかしら 必死でしたよ」
「ほんと ごめんなさい」
「あれだけの時間で 良くコレだけできたと 私も驚いています」
「人を増やしたんですか」
「ええ 2名増やしました」
「本当に ありがとうございます 助かりました」
細川と神山が話しているステージでは山崎愛と佐々木艶子が
最終手直しをしている
「あら 山ちゃん おはようございまーす」
「よぉ 愛ちゃん ありがとう 助かったよ」
「ふふふ 高いですよぉー ねぇ社長」
「まあまあ 神山さん 倉元さんに話してあります」
「はい 会うのが辛いなぁー」
「山ちゃーん 大丈夫よ 昨夜遅くまで呑んで 機嫌はいいから」
「そうか 助かった 愛ちゃん それで充分だよ」
「はーい 艶子 もう止めようよ シルエットはこれ以上でないよ」
「ええ シルクだしピンが打てないから 仕方ないですかね」
「綺麗に 出ているよ シルクの感じが素晴らしいよ 大丈夫」
「はいはい お二人さん 山ちゃんからお墨付きよ さあ片付け」
「はーい」
ステージで話をしていると 奥村がきて
「山ちゃん おはようさん 社長 おはようございます
聞きました ありがとうございます」
「済みませんでした」
「うん 山ちゃんの失敗じゃない事も 筒井さんから連絡があった
しかし 素敵なステージに仕上がったね 良かった」
「ええ 2名追加です すみません」
.
「よお おはよう 元気か」
高野は大田に近寄り声を掛けていた
「ええ おはようございます 高野さんめちゃくちゃ凄いですね
現在ダントツのトップですよ」
「うん 周りが良くやってくれるから 僕なんて何もしていないよ」
「そんな事無いですよ 高野さんと一緒だと僕なんて影薄いですよ」
「ご謙遜 ごけんそん、、、」
高野は大田の耳に近づき小さい声で
「しかし どうしたの このメンバーは 何かあるの?」
「いやぁー 全然分らないのですよ
僕も昨日 携帯で筒井さんから呼ばれたんですよ」
「そうか 実は僕の場合は一昨日筒井さんから
福岡の店に電話が入ってきて呼ばれた」
フロアに集まったスタッフが思い思いの人と話をしている時だった
「やあ ようやく皆揃ったな 忙しいところすまんな」
筒井はスタッフを見渡しながら労い 会議室に入るよう指示した
祥子はこの会議に召集が掛かっていなかったので躊躇していた所
「おう 久保君おはよう 主人公が居ないと話が進まんよ
上原の書類関係一式を持って来なさい」
筒井は祥子を会議室に入るよう指示した
(なに言っているの 私が主人公? なんなの?)
「久保君 それから上原の図面も一緒にな 忘れずに頼むよ」
「はい分りました」
祥子は言われるまま上原の書類一式と図面を持って
会議室に入っていった
「久保君 君は僕の隣に座ってくれ」
「えっ はい 分りました」
他のスタッフは思い思いの場所に座っていたが
祥子だけ座る場所を指示された
「では 9時に会議を開くので それまで待っていてください」
鈴や銀座店
神山は7階催事場へいくと 飾り付けの看板やPOPなど点検し
什器類の員数も什器屋と一緒にチェックをした
「うん 大丈夫だね ありがとう」
「はい いつも ありがとうございます」
「もう暫くすると 売場の準備も落ち着くから 待っていて」
「ええ」
神山は催事担当者にここを離れることを伝え 什器や備品類の
過不足は業者に話して欲しい旨伝え 1階のステージに向かった
ニーナ・ニーナのステージを見ると 神山がデザインしたとおり
コンセプトがしっかり伝わるようデコレーションされていた
「あっ神山さん おはようございます」
「やあ 細川社長 おはようございます いいですね これ」
「ありがとうございます 時間が無かったので 逆に集中して
お仕事をさせて頂いたからかしら 必死でしたよ」
「ほんと ごめんなさい」
「あれだけの時間で 良くコレだけできたと 私も驚いています」
「人を増やしたんですか」
「ええ 2名増やしました」
「本当に ありがとうございます 助かりました」
細川と神山が話しているステージでは山崎愛と佐々木艶子が
最終手直しをしている
「あら 山ちゃん おはようございまーす」
「よぉ 愛ちゃん ありがとう 助かったよ」
「ふふふ 高いですよぉー ねぇ社長」
「まあまあ 神山さん 倉元さんに話してあります」
「はい 会うのが辛いなぁー」
「山ちゃーん 大丈夫よ 昨夜遅くまで呑んで 機嫌はいいから」
「そうか 助かった 愛ちゃん それで充分だよ」
「はーい 艶子 もう止めようよ シルエットはこれ以上でないよ」
「ええ シルクだしピンが打てないから 仕方ないですかね」
「綺麗に 出ているよ シルクの感じが素晴らしいよ 大丈夫」
「はいはい お二人さん 山ちゃんからお墨付きよ さあ片付け」
「はーい」
ステージで話をしていると 奥村がきて
「山ちゃん おはようさん 社長 おはようございます
聞きました ありがとうございます」
「済みませんでした」
「うん 山ちゃんの失敗じゃない事も 筒井さんから連絡があった
しかし 素敵なステージに仕上がったね 良かった」
「ええ 2名追加です すみません」
.
2010年10月12日火曜日
Vol.94 若葉 -1-8
押し出される格好になり祥子を抱きしめた
「まぁ 早くほどいてくださいな」
「ごめんごめん では10時に伺います」
「はい お待ちしています」
神山は扉が閉まる寸前に飛び乗り 祥子に手を振った
「久保チーフ おはようございます」
と安田桃子が声を掛けてきた
「おはよう」
「どうしたんですか 元気ないですよ いつもの先輩と違いますよ」
「そぉ 何時もと変わらないわよ それよりどうしたの?
普段と違って 決まっているわよ 分った 今夜デート?」
「いいぇ 違いますよ 昨日筒井さんから電話があったんです」
「えっ 筒井さんから電話? あなたにもあったの」
「ええ 私も休日にゼネラルマネージャーから電話なんて
何事かと思い びっくりです」
「うん それでなんて言って来たの?」
「はい 今日少し話があるのでそのつもりで来てくれ」
「なにそれ 全然分らないわね」
「先輩 何かご存知ではないのですか?」
祥子は昨日の筒井から聞いた話と関係があるのかと考えていたが
「私は何も知らないわよ 上原が開店できる事しか」
「そうなんですか」
ニーナ・ニーナの二人は狐に包まれたような話をしながら
本社ビルに向かっていた
祥子も安田も自分の胸に隠している部分があるが
それは今 話せなかった
安田桃子25歳入社2年生 浜野由貴の青山学院時代の後輩に当たる
大学を卒業後暫くは両親の財力で世界中を飛び回っていたが
テニス同好会が開かれたとき 浜野由貴が
「ニーナ・ニーナは楽しいわよ 先輩の久保さんもいい人だし
どう少し来てみない 仕事をすればするだけ
恩恵があるの おもしろい会社よ」
安田桃子はお金には魅力を感じなかったが 自分の仕事が
そのように評価されるのであれば面白いシステムだと思った
昨年の春に入社し頑張りやの性格がいい方向で展開し
会社での評価もよく この頃はめきめきと力をつけてきた
仕事をすればするだけ評価が良くなる会社のシステムにも慣れた
昨年12月に 会社のクリスマスパーティーがあった
その会場でひときわ目立つ大田に恋心を抱くようになっていた
大田一郎はニーナ・ニーナジャパンの営業をしていたが
殆ど会社には居なかった 固定されている女性社員と違い
週ごとに全国のブティックを回っている営業である
その端正なマスクと優しい語り口から女性客からも人気があった
大田のもてもてぶりを外野の男性達から羨ましがられたが
私生活では皆無と言っていいほど女性の話が無かった
その大田が今日本社ビルに来るのだと筒井から聞かされた
桃子は私と太田さんが引き離されるのだろうか不安になっていた
祥子と安田は1階にショールームがある本社ビルの6階に上がった
6階に着くと祥子はびっくりした
銀座鈴やの林恵美がいて 普段滅多に居ない大田一郎まで来ていた
祥子は林に近づき
「どうしたの 今日は」
「昨日筒井さんから電話があり 今日本社に来るように言われました」
「銀座は大丈夫?」
「ええ 日本橋からパートさんを回してもらったから大丈夫です」
「なにかしらね」
祥子は筒井から林の御殿場移動についての件は知っていたが
(何が起こるのかしら 私は蚊帳の外? 嫌だわ)
「よお みんな集まったかな あれ高野君はまだ?」
「はい まだ見えていません」
高野哲也38歳 高野も大田同様日本各地を回っている営業マンだ
高野は大田に磨きを掛けた人物であり殆どの女性は虜になってしまう
現在 日本各地を廻っているが売上はトップだった
祥子は高野と殆ど会った事は無いが
売り上げ数字はいつもパソコンで確認していた
(その高野さんまで呼ばれているなんて なんなの)
「おはようございます」
高野がジーンズの上下で現れた
事務所にいた女性達が一斉に高野を見た
「遅くなってすみません 車が込んでいて遅刻ですね」
実際はまだ会議まで充分に時間があったが
.
「まぁ 早くほどいてくださいな」
「ごめんごめん では10時に伺います」
「はい お待ちしています」
神山は扉が閉まる寸前に飛び乗り 祥子に手を振った
「久保チーフ おはようございます」
と安田桃子が声を掛けてきた
「おはよう」
「どうしたんですか 元気ないですよ いつもの先輩と違いますよ」
「そぉ 何時もと変わらないわよ それよりどうしたの?
普段と違って 決まっているわよ 分った 今夜デート?」
「いいぇ 違いますよ 昨日筒井さんから電話があったんです」
「えっ 筒井さんから電話? あなたにもあったの」
「ええ 私も休日にゼネラルマネージャーから電話なんて
何事かと思い びっくりです」
「うん それでなんて言って来たの?」
「はい 今日少し話があるのでそのつもりで来てくれ」
「なにそれ 全然分らないわね」
「先輩 何かご存知ではないのですか?」
祥子は昨日の筒井から聞いた話と関係があるのかと考えていたが
「私は何も知らないわよ 上原が開店できる事しか」
「そうなんですか」
ニーナ・ニーナの二人は狐に包まれたような話をしながら
本社ビルに向かっていた
祥子も安田も自分の胸に隠している部分があるが
それは今 話せなかった
安田桃子25歳入社2年生 浜野由貴の青山学院時代の後輩に当たる
大学を卒業後暫くは両親の財力で世界中を飛び回っていたが
テニス同好会が開かれたとき 浜野由貴が
「ニーナ・ニーナは楽しいわよ 先輩の久保さんもいい人だし
どう少し来てみない 仕事をすればするだけ
恩恵があるの おもしろい会社よ」
安田桃子はお金には魅力を感じなかったが 自分の仕事が
そのように評価されるのであれば面白いシステムだと思った
昨年の春に入社し頑張りやの性格がいい方向で展開し
会社での評価もよく この頃はめきめきと力をつけてきた
仕事をすればするだけ評価が良くなる会社のシステムにも慣れた
昨年12月に 会社のクリスマスパーティーがあった
その会場でひときわ目立つ大田に恋心を抱くようになっていた
大田一郎はニーナ・ニーナジャパンの営業をしていたが
殆ど会社には居なかった 固定されている女性社員と違い
週ごとに全国のブティックを回っている営業である
その端正なマスクと優しい語り口から女性客からも人気があった
大田のもてもてぶりを外野の男性達から羨ましがられたが
私生活では皆無と言っていいほど女性の話が無かった
その大田が今日本社ビルに来るのだと筒井から聞かされた
桃子は私と太田さんが引き離されるのだろうか不安になっていた
祥子と安田は1階にショールームがある本社ビルの6階に上がった
6階に着くと祥子はびっくりした
銀座鈴やの林恵美がいて 普段滅多に居ない大田一郎まで来ていた
祥子は林に近づき
「どうしたの 今日は」
「昨日筒井さんから電話があり 今日本社に来るように言われました」
「銀座は大丈夫?」
「ええ 日本橋からパートさんを回してもらったから大丈夫です」
「なにかしらね」
祥子は筒井から林の御殿場移動についての件は知っていたが
(何が起こるのかしら 私は蚊帳の外? 嫌だわ)
「よお みんな集まったかな あれ高野君はまだ?」
「はい まだ見えていません」
高野哲也38歳 高野も大田同様日本各地を回っている営業マンだ
高野は大田に磨きを掛けた人物であり殆どの女性は虜になってしまう
現在 日本各地を廻っているが売上はトップだった
祥子は高野と殆ど会った事は無いが
売り上げ数字はいつもパソコンで確認していた
(その高野さんまで呼ばれているなんて なんなの)
「おはようございます」
高野がジーンズの上下で現れた
事務所にいた女性達が一斉に高野を見た
「遅くなってすみません 車が込んでいて遅刻ですね」
実際はまだ会議まで充分に時間があったが
.
2010年10月11日月曜日
Vol.93 若葉 -1-8
4月9日 木曜日 快晴
「おはよう」
「早いのね おはようございます」
「うん 銀座をみて青山だと 時間が欲しいからね」
「ごめんなさい」
「うん 大丈夫だってば もういいよ ほら一応担当者だから
それで顔を出しておけば 円満解決さ 終わり良ければ全て良し」
「私は 9時までに本社なの だから ここを8時15分に出るわ」
「そうか そうしたら一緒にいこうか」
「大丈夫 早くない?」
「うん どうせ催事場で 細かい事言われるから 聞き役ですよ」
「だったらシャワーを浴びて 支度をしてくださいね」
「うん 祥子は」
「私はもう済んでいますよ」
祥子はキッチンで調理をしながら神山に話した
「うん わかった」
神山はシャワーを浴びる為に バスルームに入り
熱い湯を体にかけるとしゃきっとした
バスタオルを巻き部屋に戻ると 焼き魚のいい匂いがして
「祥子 お腹が空いてきた いい匂いだよ」
「ほんと お腹が空くわね もう直ぐよ ビールを呑んで待っていて」
神山は缶ビールを持ってテラスにいくと いつものように
タバコをふかしながら 景色を見ていた
「あなた 出来ましたよ どうぞ」
「ありがとう ねえ 昨日の洗濯物はどうしたの?」
「ちゃんとたたんで仕舞ってありますよ」
「うん ありがとう でも助かるな」
「もう 早く食べよ」
祥子はニコニコして席に着くと 缶ビールをちょこと呑んで
「はい 残りは味わって 呑んでね」
神山は受け取ると 少し口に含み
「うん 祥子の味がする なにか一味違います 美味しいよ」
祥子はクスクス笑い 箸を進めた
食事が終わると 祥子が支度をしている間に食器を洗い
「じゃ 部屋に戻って 支度をしてくるよ それから
昨夜の図面は忘れないようにね 出来ればコピーをして」
「はーい いってらっしゃい」
神山は自分の部屋に戻ると バッグに図面類をいれて
忘れ物が無いか 確認をした
祥子の部屋の前でインターフォンを押すと直ぐに出てきて
「では あなた行きましょうか」
久しぶりに朝早く出勤すると 気分がよく清々しい気持ちだった
祥子は濃紺のビジネススーツを着こなし 雑誌から出てきたような
美人キャリアウーマンを連想させた
二人で上原の住宅街を歩くのもこれでちょうど1週間になった
「ねえ 覚えている もう今日で1週間も一緒よ」
「もう1週間か 早いな」
祥子は何時ものように固く腕を組み豊かな胸を押し付けて歩いていた
神山もこの1週間は色々な意味で大変な思いをした
自身のニーナ・ニーナ応援 祥子の件 市川の件 由香里の件
思い出すと目が廻るくらい忙しい時間を過ごしていた
祥子もホテル住まいから上原の引越し 神山の件
上原店舗オープン 林の件 御殿場準備と目白押しの
スケジュールをこなしてきた
二人ともお互いがお互いを認め合い 信頼しなければ
この1週間が無事に過ごせたか否か考えていた
ゆっくりと歩いているのにすぐに代々木上原駅に着いた
ホームで並んで待っているとまもなく電車が滑り込んできた
二人は満員の中で 向き合う形で立っていた
電車がゆれるたびに神山の体が祥子のバストとぶつかっていた
祥子も苦笑いをしていたが 神山は下半身が元気になった
そんな異常を察知した祥子はきつい目付きで
「なに考えているの ば~か」
と周りに聞こえないように言って来た
「なにも考えなくても 自然の力だよ」
神山も反論した
表参道駅に着き銀座線に乗り換えをしたが こちらも満員だった
又 先ほどと同じように向き合う形になってしまった
「こんど元気にしたら 今夜はお預けですよ」
祥子から先制攻撃の一言があったので 神山は何も考えない事にした
直ぐに青山1丁目の駅で 地下鉄の扉が開くときに
.
「おはよう」
「早いのね おはようございます」
「うん 銀座をみて青山だと 時間が欲しいからね」
「ごめんなさい」
「うん 大丈夫だってば もういいよ ほら一応担当者だから
それで顔を出しておけば 円満解決さ 終わり良ければ全て良し」
「私は 9時までに本社なの だから ここを8時15分に出るわ」
「そうか そうしたら一緒にいこうか」
「大丈夫 早くない?」
「うん どうせ催事場で 細かい事言われるから 聞き役ですよ」
「だったらシャワーを浴びて 支度をしてくださいね」
「うん 祥子は」
「私はもう済んでいますよ」
祥子はキッチンで調理をしながら神山に話した
「うん わかった」
神山はシャワーを浴びる為に バスルームに入り
熱い湯を体にかけるとしゃきっとした
バスタオルを巻き部屋に戻ると 焼き魚のいい匂いがして
「祥子 お腹が空いてきた いい匂いだよ」
「ほんと お腹が空くわね もう直ぐよ ビールを呑んで待っていて」
神山は缶ビールを持ってテラスにいくと いつものように
タバコをふかしながら 景色を見ていた
「あなた 出来ましたよ どうぞ」
「ありがとう ねえ 昨日の洗濯物はどうしたの?」
「ちゃんとたたんで仕舞ってありますよ」
「うん ありがとう でも助かるな」
「もう 早く食べよ」
祥子はニコニコして席に着くと 缶ビールをちょこと呑んで
「はい 残りは味わって 呑んでね」
神山は受け取ると 少し口に含み
「うん 祥子の味がする なにか一味違います 美味しいよ」
祥子はクスクス笑い 箸を進めた
食事が終わると 祥子が支度をしている間に食器を洗い
「じゃ 部屋に戻って 支度をしてくるよ それから
昨夜の図面は忘れないようにね 出来ればコピーをして」
「はーい いってらっしゃい」
神山は自分の部屋に戻ると バッグに図面類をいれて
忘れ物が無いか 確認をした
祥子の部屋の前でインターフォンを押すと直ぐに出てきて
「では あなた行きましょうか」
久しぶりに朝早く出勤すると 気分がよく清々しい気持ちだった
祥子は濃紺のビジネススーツを着こなし 雑誌から出てきたような
美人キャリアウーマンを連想させた
二人で上原の住宅街を歩くのもこれでちょうど1週間になった
「ねえ 覚えている もう今日で1週間も一緒よ」
「もう1週間か 早いな」
祥子は何時ものように固く腕を組み豊かな胸を押し付けて歩いていた
神山もこの1週間は色々な意味で大変な思いをした
自身のニーナ・ニーナ応援 祥子の件 市川の件 由香里の件
思い出すと目が廻るくらい忙しい時間を過ごしていた
祥子もホテル住まいから上原の引越し 神山の件
上原店舗オープン 林の件 御殿場準備と目白押しの
スケジュールをこなしてきた
二人ともお互いがお互いを認め合い 信頼しなければ
この1週間が無事に過ごせたか否か考えていた
ゆっくりと歩いているのにすぐに代々木上原駅に着いた
ホームで並んで待っているとまもなく電車が滑り込んできた
二人は満員の中で 向き合う形で立っていた
電車がゆれるたびに神山の体が祥子のバストとぶつかっていた
祥子も苦笑いをしていたが 神山は下半身が元気になった
そんな異常を察知した祥子はきつい目付きで
「なに考えているの ば~か」
と周りに聞こえないように言って来た
「なにも考えなくても 自然の力だよ」
神山も反論した
表参道駅に着き銀座線に乗り換えをしたが こちらも満員だった
又 先ほどと同じように向き合う形になってしまった
「こんど元気にしたら 今夜はお預けですよ」
祥子から先制攻撃の一言があったので 神山は何も考えない事にした
直ぐに青山1丁目の駅で 地下鉄の扉が開くときに
.
2010年10月10日日曜日
Vol.92 芽吹き -3-7
落とさないように持って祥子の部屋に入ると
「はい これだけあるんだ」
「わかったわ 洗濯機に入れてください」
神山は洗濯機に入れるとスイッチを入れた
「ねえ お部屋に戻った時に何か着てくればよかったのに」
「あはぁー まあでも寒くないから 大丈夫さ」
「ねえ シャワーを浴びますか」
「うーん ビールを呑んで遅い昼寝がいいな」
「まあ」
祥子は冷蔵庫から缶ビールを取り出しグラスに注ぐと
「はい あなた ふふふ 今日はありがとうございました」
「もう直ぐすると ソファーが来て テーブルで呑めるんだ」
「それまで ゆっくり寝ましょうね」
二人は窓から入ってくる気持ちよい風に 酔いながらビールを呑んだ
ベッドに入ると どりらからともなく求め合い抱き合い戯れた
「ねえ あなた 私の体可笑しいのよ」
「どうしたの」
「ふふふ あなたがいけないんだから」
「なんで」
「休火山の目を覚ませたの」
「もう 変な事言わないで びっくりだよ
でも それである部分女性が取り戻せたんだから 良しとしてよ」
「まぁ お上手 ふふふ
ほら ホテルの時にはこうやって男性の人と過ごす時間が無いでしょ
だから 凄く嬉しいのよ」
「そうだね その部分では開放感があるよね」
「でしょ ふふふ」
「さあ 少し寝ましょう」
「うん だいてぇ」
神山は祥子を抱きながら 睡魔の誘いに乗った
けたたましく鳴る目覚ましで 祥子と神山は目を覚ました
「しかし いつも思うけど あの音大きいね」
「いいでしょ 寝坊が無くなるし」
「さあ 服を着よう このままじゃね」
二人は普段着を着ているところへ ドアフォンが鳴った
「はーい 久保です」
「電気屋ですが TVをお届けにあがりました」
祥子は1階の自動ドアを開けると 玄関のドアも開けた
暫くすると 大きなダンボールを抱えた 作業員が
「お待たせしました」
そういって 部屋の中に入り 開梱作業が終わると
「どこに置きますか」
祥子は来るだろうソファーの反対側において貰った
配線をしてリモコンを操作し 確認すると
「ご不明な点がございましたら お電話をください」
「はい ありがとうございます」
作業員はキャップを脱いで 丁寧にお辞儀をして帰っていった
祥子は早速TVをつけると 久しぶりのTVだと言い喜んでいた
暫くすると家具屋が来て ソファーとテーブルを設置してくれた
二人はビールを呑んで 7時のニュースを見た
「いいわね このソファー」
「うん この部屋にぴったりだよ いいなぁー」
「そうね 貴方のお部屋は広いけれど 事務所だもんね」
「うん でも仕方ないか その分ここでゆっくりするさ」
「ねえ お寿司食べようか?」
「いこうか」
二人は そのままの格好で 駅前寿司にはいると女将が
奥の座敷に案内してくれて ビールを持ってきてくれた
「ねえ 女将さん てんぷらが欲しいな 勿論鮮魚のつまみもね」
女将さんは 笑顔で答えると 大将に伝えた
「じゃ ソファーの搬入 おめでとうで乾杯」
「はーい かんぱい」
祥子と神山はビールを美味しそうに呑むと お互い見つめあい
笑顔がこぼれ 神山はそんな祥子にますます引かれた
「ねえ 帰ったら 図面で分からない所を教えてください」
「どうしたの 急に改まって いいですよ」
「うん だって早く仕上げる為に 貴方が来たんでしょ
だからのんびり出来ないじゃない 私もがんばる ねっ」
「うん わかった ありがとう それならポイントを教えてあげる」
「ほんと 嬉しいわ」
祥子は笑うと白い歯が綺麗で 吸い込まれそうだった
(うん 祥子と一緒なら 多分楽しい時間が作れるな)
神山はビールを呑むと日本酒を注文し楽しく呑んだ
「自分なりに直した図面を見てもらいたいの」
「うん いいよ」
祥子は神山にアドバイスをして貰った上原店舗の図面を持ってきた
「この壁にある棚なんだけど どうもしっくりしないのよ」
棚板を支えている支柱が露出しているのが気になっている様子で
詳細図面を見てみると祥子が示した部分の棚は造り付けの
棚には違いないが 棚受けアジャスターを上下する事によって
棚の高さを変えることが出来る構造だった
祥子が言いたいのは支柱が太く
棚板との間に隙間が出来る事を嫌がっていた
「経費の関係で出来るか分らないけど
壁を少し前にすればこの支柱と棚板の隙間は無くなるよ」
「そうなの」
「うん 壁に支柱を埋め込む形にすれば
支柱が壁から出てこないから見た目も綺麗になるよ」
「そうですね ありがとうございます」
神山は支柱の部分の簡単な断面図を書いてあげると祥子は頷いた
「施工業者に壁と棚の隙間を無くすように指示すれば
そのように直してくれるよ」
「どうもありがとう やっぱりあなたに話してよかったわ
それで 商品配置は決まっていたんですけど
隙間があるとこぼれてしまう恐れがあるものは置けないでしょ
だから 特に小物を置いたときは心配だわ」
「そうだね わざと隙間を空けて空間を演出する方法もあるけど
この場合の隙間は無いほうが使い勝手がいいと思いますよ」
祥子は心配事の一つが解決したので 顔が明るくなった
この後も神山のワンポイントアドバイスが続いた
.
「はい これだけあるんだ」
「わかったわ 洗濯機に入れてください」
神山は洗濯機に入れるとスイッチを入れた
「ねえ お部屋に戻った時に何か着てくればよかったのに」
「あはぁー まあでも寒くないから 大丈夫さ」
「ねえ シャワーを浴びますか」
「うーん ビールを呑んで遅い昼寝がいいな」
「まあ」
祥子は冷蔵庫から缶ビールを取り出しグラスに注ぐと
「はい あなた ふふふ 今日はありがとうございました」
「もう直ぐすると ソファーが来て テーブルで呑めるんだ」
「それまで ゆっくり寝ましょうね」
二人は窓から入ってくる気持ちよい風に 酔いながらビールを呑んだ
ベッドに入ると どりらからともなく求め合い抱き合い戯れた
「ねえ あなた 私の体可笑しいのよ」
「どうしたの」
「ふふふ あなたがいけないんだから」
「なんで」
「休火山の目を覚ませたの」
「もう 変な事言わないで びっくりだよ
でも それである部分女性が取り戻せたんだから 良しとしてよ」
「まぁ お上手 ふふふ
ほら ホテルの時にはこうやって男性の人と過ごす時間が無いでしょ
だから 凄く嬉しいのよ」
「そうだね その部分では開放感があるよね」
「でしょ ふふふ」
「さあ 少し寝ましょう」
「うん だいてぇ」
神山は祥子を抱きながら 睡魔の誘いに乗った
けたたましく鳴る目覚ましで 祥子と神山は目を覚ました
「しかし いつも思うけど あの音大きいね」
「いいでしょ 寝坊が無くなるし」
「さあ 服を着よう このままじゃね」
二人は普段着を着ているところへ ドアフォンが鳴った
「はーい 久保です」
「電気屋ですが TVをお届けにあがりました」
祥子は1階の自動ドアを開けると 玄関のドアも開けた
暫くすると 大きなダンボールを抱えた 作業員が
「お待たせしました」
そういって 部屋の中に入り 開梱作業が終わると
「どこに置きますか」
祥子は来るだろうソファーの反対側において貰った
配線をしてリモコンを操作し 確認すると
「ご不明な点がございましたら お電話をください」
「はい ありがとうございます」
作業員はキャップを脱いで 丁寧にお辞儀をして帰っていった
祥子は早速TVをつけると 久しぶりのTVだと言い喜んでいた
暫くすると家具屋が来て ソファーとテーブルを設置してくれた
二人はビールを呑んで 7時のニュースを見た
「いいわね このソファー」
「うん この部屋にぴったりだよ いいなぁー」
「そうね 貴方のお部屋は広いけれど 事務所だもんね」
「うん でも仕方ないか その分ここでゆっくりするさ」
「ねえ お寿司食べようか?」
「いこうか」
二人は そのままの格好で 駅前寿司にはいると女将が
奥の座敷に案内してくれて ビールを持ってきてくれた
「ねえ 女将さん てんぷらが欲しいな 勿論鮮魚のつまみもね」
女将さんは 笑顔で答えると 大将に伝えた
「じゃ ソファーの搬入 おめでとうで乾杯」
「はーい かんぱい」
祥子と神山はビールを美味しそうに呑むと お互い見つめあい
笑顔がこぼれ 神山はそんな祥子にますます引かれた
「ねえ 帰ったら 図面で分からない所を教えてください」
「どうしたの 急に改まって いいですよ」
「うん だって早く仕上げる為に 貴方が来たんでしょ
だからのんびり出来ないじゃない 私もがんばる ねっ」
「うん わかった ありがとう それならポイントを教えてあげる」
「ほんと 嬉しいわ」
祥子は笑うと白い歯が綺麗で 吸い込まれそうだった
(うん 祥子と一緒なら 多分楽しい時間が作れるな)
神山はビールを呑むと日本酒を注文し楽しく呑んだ
「自分なりに直した図面を見てもらいたいの」
「うん いいよ」
祥子は神山にアドバイスをして貰った上原店舗の図面を持ってきた
「この壁にある棚なんだけど どうもしっくりしないのよ」
棚板を支えている支柱が露出しているのが気になっている様子で
詳細図面を見てみると祥子が示した部分の棚は造り付けの
棚には違いないが 棚受けアジャスターを上下する事によって
棚の高さを変えることが出来る構造だった
祥子が言いたいのは支柱が太く
棚板との間に隙間が出来る事を嫌がっていた
「経費の関係で出来るか分らないけど
壁を少し前にすればこの支柱と棚板の隙間は無くなるよ」
「そうなの」
「うん 壁に支柱を埋め込む形にすれば
支柱が壁から出てこないから見た目も綺麗になるよ」
「そうですね ありがとうございます」
神山は支柱の部分の簡単な断面図を書いてあげると祥子は頷いた
「施工業者に壁と棚の隙間を無くすように指示すれば
そのように直してくれるよ」
「どうもありがとう やっぱりあなたに話してよかったわ
それで 商品配置は決まっていたんですけど
隙間があるとこぼれてしまう恐れがあるものは置けないでしょ
だから 特に小物を置いたときは心配だわ」
「そうだね わざと隙間を空けて空間を演出する方法もあるけど
この場合の隙間は無いほうが使い勝手がいいと思いますよ」
祥子は心配事の一つが解決したので 顔が明るくなった
この後も神山のワンポイントアドバイスが続いた
.
2010年10月9日土曜日
Vol.91 芽吹き -3-7
「はい わかりました でも壁などはどうですか?」
壁面の壁紙や塗装する色などで祥子が
「出来れば大きいサンプルがあると助かります」
神山も祥子を納得させるには大きなサンプルが必要と感じ
「高橋さん 原寸でここに置こうよ 3x6でいいでしょ」
「そうですね その方が分りやすいし 手配します」
百貨店のブティックでは各仕様共決まっていたが 上原に付いては
アンテナショップという事もあり多少のアレンジが許されていた
例えば壁面に付いていえば百貨店ではフラットな仕上げだったが
今回はエンボスのストライプ模様を取り入れるなど
イメージは変えないが細かい所で変化をつけて差別化をした
祥子も今まで自分が思っていた事が現実となるので真剣に
話を聞き 納得するまで妥協をしないスタンスだった
しかし初めての事が多すぎるので 一つ一つを神山に
確認をしながら理解し 判断をしていった
「では原寸大のサンプルは明日この現場にお持ちできますが」
祥子は神山を見て
「神山さんは お時間のご都合は」
「僕は 夕方なら銀座から戻れますよ」
「そうしたら 金曜日の朝でも構いませんか 明日は分からないし」
「ええ それでも構いませんよ 考ちゃん 明日中に準備して
それから照明の仮設だけど 壁面のところオープン時の明るさに
してもらうと 凄く助かるんだけど お願いできるかな」
「うん これから手配します そうすれば感じがつかめるものね
そうしたら 床材も一緒に持ってきますよ」
「うん お願いしますね」
3人が話していると 小型トラックが店に着いた
高橋は運転手に もっと店に寄せるよう指示をした
「考ちゃん それでは一回事務所に戻ります また連絡をください」
「了解です」
「それじゃあ」
祥子と神山はマンションに戻ると
「祥子 一旦部屋に戻ってから そちらに行きます」
「はーい 待っています」
神山は部屋に戻ると FAXや留守電を確認すると FAXが一通
【杉田です ニーナ・ニーナの件は間に合いました
ご安心ください ただ倉元部長が呆れていました】
(あーあ 参ったなぁー まったく もう)
留守電には杉田からで 同じ内容が録音されていた
(同じ内容なら わざわざFAXなんか使うな もう)
神山は少し気分を損ねたが 気を取り直して祥子の部屋に行った
「ねえ ごめんなさい」
神山が部屋に入るなり 祥子は泣き出しそうな顔で神山に話した
商品手配ミスがどこで行われたか分った
結局 林店長ではなく事務の津田がミスをしたみたい」
「えっ なんで事務なの」
「ええ 林が持ちまわる分と銀座に収める分を間違えたみたい」
「なんで そんな」
「林はもうすぐ持ち回りをしながら御殿場に行くの」
「えっ 御殿場の持ち回り?」
「ええ 今聞いたんです 明日の会議は人事発表と 出店計画に
関係する会議です 林の件は明日発表されます
それで 持ち回りの商品と勘違いして 事務が倉庫に手続きをしたの
本当にごめんなさい すみません」
「いいよ 誰だってある事だよ 気にするな
FAXが入っていて 無事済みましたって よかったね」
祥子はこらえ切れなくなり 神山の胸の中で泣いた
「さあ 元気出して ねっ ほら」
「うん 折角の貴方の記念になる日に馬鹿な事をしてくれたわ」
「わかったから ほら 顔を上げて」
祥子が顔を上げると 涙で化粧が崩れていて神山は笑ってしまった
「なぁに もう」
「鏡を見てご覧 笑えるよ もう」
祥子は大きな姿見に行って 自分を写してみると 笑ってしまった
「大変だわ Tシャツにも化粧が落ちているわ」
神山はTシャツを見ると 言われるように黒や緑の模様が出来ていた
「ははは 大丈夫さ この位」
「ねえ 脱いでください 直ぐに洗濯します」
神山は言われるとおり Tシャツを脱ぐと洗濯機を回し始めた
「ねえ 祥子 そうしたら 部屋から洗濯物を持ってくるよ
ちょっと待っていて ねっ」
「ふふふ もう わかったわ 早くしてね」
神山は上半身裸で 部屋に入るとTシャツや靴下など洗濯物を
.
壁面の壁紙や塗装する色などで祥子が
「出来れば大きいサンプルがあると助かります」
神山も祥子を納得させるには大きなサンプルが必要と感じ
「高橋さん 原寸でここに置こうよ 3x6でいいでしょ」
「そうですね その方が分りやすいし 手配します」
百貨店のブティックでは各仕様共決まっていたが 上原に付いては
アンテナショップという事もあり多少のアレンジが許されていた
例えば壁面に付いていえば百貨店ではフラットな仕上げだったが
今回はエンボスのストライプ模様を取り入れるなど
イメージは変えないが細かい所で変化をつけて差別化をした
祥子も今まで自分が思っていた事が現実となるので真剣に
話を聞き 納得するまで妥協をしないスタンスだった
しかし初めての事が多すぎるので 一つ一つを神山に
確認をしながら理解し 判断をしていった
「では原寸大のサンプルは明日この現場にお持ちできますが」
祥子は神山を見て
「神山さんは お時間のご都合は」
「僕は 夕方なら銀座から戻れますよ」
「そうしたら 金曜日の朝でも構いませんか 明日は分からないし」
「ええ それでも構いませんよ 考ちゃん 明日中に準備して
それから照明の仮設だけど 壁面のところオープン時の明るさに
してもらうと 凄く助かるんだけど お願いできるかな」
「うん これから手配します そうすれば感じがつかめるものね
そうしたら 床材も一緒に持ってきますよ」
「うん お願いしますね」
3人が話していると 小型トラックが店に着いた
高橋は運転手に もっと店に寄せるよう指示をした
「考ちゃん それでは一回事務所に戻ります また連絡をください」
「了解です」
「それじゃあ」
祥子と神山はマンションに戻ると
「祥子 一旦部屋に戻ってから そちらに行きます」
「はーい 待っています」
神山は部屋に戻ると FAXや留守電を確認すると FAXが一通
【杉田です ニーナ・ニーナの件は間に合いました
ご安心ください ただ倉元部長が呆れていました】
(あーあ 参ったなぁー まったく もう)
留守電には杉田からで 同じ内容が録音されていた
(同じ内容なら わざわざFAXなんか使うな もう)
神山は少し気分を損ねたが 気を取り直して祥子の部屋に行った
「ねえ ごめんなさい」
神山が部屋に入るなり 祥子は泣き出しそうな顔で神山に話した
商品手配ミスがどこで行われたか分った
結局 林店長ではなく事務の津田がミスをしたみたい」
「えっ なんで事務なの」
「ええ 林が持ちまわる分と銀座に収める分を間違えたみたい」
「なんで そんな」
「林はもうすぐ持ち回りをしながら御殿場に行くの」
「えっ 御殿場の持ち回り?」
「ええ 今聞いたんです 明日の会議は人事発表と 出店計画に
関係する会議です 林の件は明日発表されます
それで 持ち回りの商品と勘違いして 事務が倉庫に手続きをしたの
本当にごめんなさい すみません」
「いいよ 誰だってある事だよ 気にするな
FAXが入っていて 無事済みましたって よかったね」
祥子はこらえ切れなくなり 神山の胸の中で泣いた
「さあ 元気出して ねっ ほら」
「うん 折角の貴方の記念になる日に馬鹿な事をしてくれたわ」
「わかったから ほら 顔を上げて」
祥子が顔を上げると 涙で化粧が崩れていて神山は笑ってしまった
「なぁに もう」
「鏡を見てご覧 笑えるよ もう」
祥子は大きな姿見に行って 自分を写してみると 笑ってしまった
「大変だわ Tシャツにも化粧が落ちているわ」
神山はTシャツを見ると 言われるように黒や緑の模様が出来ていた
「ははは 大丈夫さ この位」
「ねえ 脱いでください 直ぐに洗濯します」
神山は言われるとおり Tシャツを脱ぐと洗濯機を回し始めた
「ねえ 祥子 そうしたら 部屋から洗濯物を持ってくるよ
ちょっと待っていて ねっ」
「ふふふ もう わかったわ 早くしてね」
神山は上半身裸で 部屋に入るとTシャツや靴下など洗濯物を
.
2010年10月8日金曜日
Vol.90 芽吹き -3-7
このさっぱり感が女性にも受けているんだと 感心した
祥子もスープが美味しいといい ラーメンを残さず食べた
お店を出ると祥子は美味しかったと何回もいって
「今度 会社で聞いてみますね 知っている人手を挙げてって」
祥子は幼子が宝物を探し当てたような喜び方をしていた
「ははは 全員が手を挙げたらどうするの 言われるよ
今頃 食べに行ったんですかって」
「そうか だったら秘密にしておこぉっと ふふふ」
神山は無邪気な祥子を見ていて 一緒に生活できたら楽しいだろう
そう思い始めてきた
毎日が明るくて 楽しくて笑いが絶えなければ きっと幸せな
二人の時間が過ごせると 思い描いた
「ねえ 家電量販店で ラジカセを買いたいんだけどいいかしら」
「うん いこう」
二人は手を繋いで先ほどの家電量販店でラジカセを購入すると
「祥子 帰りは上り坂だからタクシーで帰りましょう」
「そうしようか 早く帰って CDも聞きたいし」
神山は大通りに出て タクシーを拾い上原のマンションを指示した
マンション前で降りて部屋に戻ると神山の携帯がなった
「はい 神山です」
「山ちゃん こんにちは 高橋です」
「こんにちわ どうしたの?」
「うん 例の床サンプルが届いてね この時間で
サンプルを見るとどうかなと思って 電話をしたの」
「わかった そうだね これから行きます」
電話を切ると 祥子に床サンプルがきた事を伝え
一緒に現場で確認をして欲しいと 話した
「行くわ お邪魔じゃないかしら」
「ははは 大丈夫さ そうしたらこのまま行こうか」
祥子は頷き キスをして部屋を出た
「やあ 考ちゃん 久保さんにも確認してもらう為に来て貰った」
「いらっしゃい 凄いね そうすれば床だけでも進めば早いよ」
「ははは サンプルはどれですか」
田中が奥から相当数の床材を運んできて タイルの上に並べた
高橋と神山が手伝って 見やすくすると
「考ちゃん お勧めはこの色でしょ」
「うん そう よく判るね」
「まあね 経験ですよ」
神山はそういうと 入り口に近い日が当たるところに並べた
祥子を呼び外に出てもらい 床材の色を見てもらうことにして
同じ床材を4枚並べ 色加減を変えていった
神山はそういうと 祥子に外から床材の色加減を見てもらう事に
した 床材を4枚ずつ並べると 部屋の中で見るのと違い
薄く感じられる事が分かり 祥子自身も確認できた
「分かったわ だいぶ違うんですね 部屋の中と外とでは」
「ええ なので僕は多少 濃い目の感じでいいと思います
店内照明を明るくすれば このままの色でも充分いけます」
「そうね 最初は暗い感じだったけど 外光が当たると
ちょうどいい加減で いいと思います」
「考ちゃん この色を中心にして 少し明るいのと暗いのを
3種類を3x6パネルで2枚づつ大至急作ってくれないかな」
「うん 大丈夫だよ 在庫は充分あるから コンパネに張るよ」
「うん お願いします」
「それからね 天井の解体がこれから始まります」
「早いね」
「それでね 周りのお店には挨拶をしてきたよ」
「ありがとう 夜までかかるね」
「うん 仕方ないよ 電気は明日仮設が入ります」
「はい 了解 久保さん あとは什器や棚類を決定してもらえば
直ぐにでも 工事は進みますよ」
「わぁー そんなに早く出来るんですか」
「そう 久保さんがOKと言ってくれればすぐです」
「大変な事ですね」
「なので このモデルを家に持って帰りますか」
「いいえ大丈夫です 図面をみて考えます 遅くなってごめんなさい」
「大丈夫ですよ ゆっくりといい案を練ってください
こちらは 基礎にあたる部分を進めていますから」
祥子は笑顔に戻り 神山に
「でも 早ければオープンは早くなるんでしょ」
「ええ でも材料とかの問題もあるので 一概に
その分早くなると言えない所があるんですよ 分かってください」
.
祥子もスープが美味しいといい ラーメンを残さず食べた
お店を出ると祥子は美味しかったと何回もいって
「今度 会社で聞いてみますね 知っている人手を挙げてって」
祥子は幼子が宝物を探し当てたような喜び方をしていた
「ははは 全員が手を挙げたらどうするの 言われるよ
今頃 食べに行ったんですかって」
「そうか だったら秘密にしておこぉっと ふふふ」
神山は無邪気な祥子を見ていて 一緒に生活できたら楽しいだろう
そう思い始めてきた
毎日が明るくて 楽しくて笑いが絶えなければ きっと幸せな
二人の時間が過ごせると 思い描いた
「ねえ 家電量販店で ラジカセを買いたいんだけどいいかしら」
「うん いこう」
二人は手を繋いで先ほどの家電量販店でラジカセを購入すると
「祥子 帰りは上り坂だからタクシーで帰りましょう」
「そうしようか 早く帰って CDも聞きたいし」
神山は大通りに出て タクシーを拾い上原のマンションを指示した
マンション前で降りて部屋に戻ると神山の携帯がなった
「はい 神山です」
「山ちゃん こんにちは 高橋です」
「こんにちわ どうしたの?」
「うん 例の床サンプルが届いてね この時間で
サンプルを見るとどうかなと思って 電話をしたの」
「わかった そうだね これから行きます」
電話を切ると 祥子に床サンプルがきた事を伝え
一緒に現場で確認をして欲しいと 話した
「行くわ お邪魔じゃないかしら」
「ははは 大丈夫さ そうしたらこのまま行こうか」
祥子は頷き キスをして部屋を出た
「やあ 考ちゃん 久保さんにも確認してもらう為に来て貰った」
「いらっしゃい 凄いね そうすれば床だけでも進めば早いよ」
「ははは サンプルはどれですか」
田中が奥から相当数の床材を運んできて タイルの上に並べた
高橋と神山が手伝って 見やすくすると
「考ちゃん お勧めはこの色でしょ」
「うん そう よく判るね」
「まあね 経験ですよ」
神山はそういうと 入り口に近い日が当たるところに並べた
祥子を呼び外に出てもらい 床材の色を見てもらうことにして
同じ床材を4枚並べ 色加減を変えていった
神山はそういうと 祥子に外から床材の色加減を見てもらう事に
した 床材を4枚ずつ並べると 部屋の中で見るのと違い
薄く感じられる事が分かり 祥子自身も確認できた
「分かったわ だいぶ違うんですね 部屋の中と外とでは」
「ええ なので僕は多少 濃い目の感じでいいと思います
店内照明を明るくすれば このままの色でも充分いけます」
「そうね 最初は暗い感じだったけど 外光が当たると
ちょうどいい加減で いいと思います」
「考ちゃん この色を中心にして 少し明るいのと暗いのを
3種類を3x6パネルで2枚づつ大至急作ってくれないかな」
「うん 大丈夫だよ 在庫は充分あるから コンパネに張るよ」
「うん お願いします」
「それからね 天井の解体がこれから始まります」
「早いね」
「それでね 周りのお店には挨拶をしてきたよ」
「ありがとう 夜までかかるね」
「うん 仕方ないよ 電気は明日仮設が入ります」
「はい 了解 久保さん あとは什器や棚類を決定してもらえば
直ぐにでも 工事は進みますよ」
「わぁー そんなに早く出来るんですか」
「そう 久保さんがOKと言ってくれればすぐです」
「大変な事ですね」
「なので このモデルを家に持って帰りますか」
「いいえ大丈夫です 図面をみて考えます 遅くなってごめんなさい」
「大丈夫ですよ ゆっくりといい案を練ってください
こちらは 基礎にあたる部分を進めていますから」
祥子は笑顔に戻り 神山に
「でも 早ければオープンは早くなるんでしょ」
「ええ でも材料とかの問題もあるので 一概に
その分早くなると言えない所があるんですよ 分かってください」
.
2010年10月7日木曜日
Vol.89 芽吹き -3-7
神山は値段を見て驚いた 3万円はするだろうと思ったが
5千円で販売されていたので もう一度商品を細かくチェックした
「ねえ どうしたの?」
「うん これって普通最低でも3万円以上するんだ だからさ
もう一度調べたんだ でもどこにも不具合が見つからないからね」
神山と祥子が話していると 店員が笑顔で近づき
「ここの商品は 実は倒産された会社の商品でして お値段は
通常価格の1/10でご提供させて頂いています」
「なるほど そうだったんですね 分かりました」
「私 これに決めた」
祥子はその店員に配達を依頼し 手続きを行った
「出来れば 今夜がいいんだけど どうかしら 直ぐそこです」
「いいですよ 近くに配達がありますから 大丈夫です 7時頃です」
「わぁー 嬉しい よかった ではその時間に待っていますね」
祥子と神山はハンズを出ると 家電量販店にいった
TVコーナーに来ると祥子は
「そんな大きなTVは必要ないけれど 大きい方が迫力があるわ」
「うん そうだね でも大きすぎると疲れるよ」
「そうなの?」
「うん 疲れない大きさって言うのが 見る距離で 大体あるんだ
祥子の部屋だと ソファーの前でしょ 置くのは」
「ええ ダイニングからも見えるといいな」
「TVを見るときは ソファーと考えると 大きくても32型だよ」
祥子はTVを見ながら 予算と大きさを検討した
暫く探していると
「私 このTVでいいです お金を使いたくないし」
祥子が選んだのは26型のTVでまあまあの大きさだった
値段も買いやすく設定してあり 店員に聞くと昨年秋モデルといい
性能的にはこの春に 販売されたものと殆ど差はないといった
祥子は配送手続きの為 カウンターで伝票に住所など記入して
「出来れば 今夜お願いできますか?」
「ええ 大丈夫ですよ 7時ごろでも宜しいですか?」
「わぁー お願いします 待っています」
祥子は精算すると 神山に
「助かりました はいこれ」
祥子は1万円を出し神山に渡した
「いいの 僕は大丈夫だよ」
「平気よ ありがと ふふふ」
二人はハンズを出ると祥子が
「ねえ お腹が空いてきて 死にそうだぁー」
「ははは そうしたらラーメン餃子にしようか」
「あら 先ほどのホテルはどうするの?」
神山はニコニコしながら指を刺すところにラーメン屋があった
「あそこはね 餃子とラーメンがむちゃくちゃ美味しいって
TVで何回も取り上げられているところなんだ
ほら 横浜の時には こっちに来る機会がないでしょ
なので 一回は味わってみたいと思っていたところです」
「そうなの そんなに有名だったら 食べておかないとね」
「そうそう 折角上原に住んでいるんだもん 知らないとね」
祥子は頷いて神山の腕に両手を絡ませ楽しそうに歩いた
ラーメン屋はまだ12時になっていないのに 混み合っていた
神山は生ビールと餃子を3人前注文した
「あとはおつまみだと 野菜炒めでも食べようか?」
「ええ 美味しそうね 頂くわ ふふふ」
祥子はメニューから目を離すと神山を見ながら答えた
「お願いします」
「はーい なーに」
「野菜炒めを1人前ください」
「はいよぉー 野菜1 追加だよ 7番さんね」
「はーい やさい 7番 了解」
威勢のいい若い調理人4人が所狭しと動き調理を進めていた
まずは生ビールと野菜炒めが出てきて
「それでは 家具のセレクト終了ということで 乾杯」
「はーい かんぱーい」
祥子はこれから来る家具を楽しみに 笑顔が絶えなかった
神山も祥子は笑顔が最高に似合うと思っていた
「美味しいね 野菜炒め」
「ええ おうちでもこんなに美味しく出来たらいいのになぁー
そうしたら貴方に毎日つくってあげられるのに」
「ははは ありがとう 楽しみだね」
生ビールを御代りし餃子を食べると いよいよラーメンを食べた
スープはとんこつだがさっぱりしていて 神山はなるほど
.
5千円で販売されていたので もう一度商品を細かくチェックした
「ねえ どうしたの?」
「うん これって普通最低でも3万円以上するんだ だからさ
もう一度調べたんだ でもどこにも不具合が見つからないからね」
神山と祥子が話していると 店員が笑顔で近づき
「ここの商品は 実は倒産された会社の商品でして お値段は
通常価格の1/10でご提供させて頂いています」
「なるほど そうだったんですね 分かりました」
「私 これに決めた」
祥子はその店員に配達を依頼し 手続きを行った
「出来れば 今夜がいいんだけど どうかしら 直ぐそこです」
「いいですよ 近くに配達がありますから 大丈夫です 7時頃です」
「わぁー 嬉しい よかった ではその時間に待っていますね」
祥子と神山はハンズを出ると 家電量販店にいった
TVコーナーに来ると祥子は
「そんな大きなTVは必要ないけれど 大きい方が迫力があるわ」
「うん そうだね でも大きすぎると疲れるよ」
「そうなの?」
「うん 疲れない大きさって言うのが 見る距離で 大体あるんだ
祥子の部屋だと ソファーの前でしょ 置くのは」
「ええ ダイニングからも見えるといいな」
「TVを見るときは ソファーと考えると 大きくても32型だよ」
祥子はTVを見ながら 予算と大きさを検討した
暫く探していると
「私 このTVでいいです お金を使いたくないし」
祥子が選んだのは26型のTVでまあまあの大きさだった
値段も買いやすく設定してあり 店員に聞くと昨年秋モデルといい
性能的にはこの春に 販売されたものと殆ど差はないといった
祥子は配送手続きの為 カウンターで伝票に住所など記入して
「出来れば 今夜お願いできますか?」
「ええ 大丈夫ですよ 7時ごろでも宜しいですか?」
「わぁー お願いします 待っています」
祥子は精算すると 神山に
「助かりました はいこれ」
祥子は1万円を出し神山に渡した
「いいの 僕は大丈夫だよ」
「平気よ ありがと ふふふ」
二人はハンズを出ると祥子が
「ねえ お腹が空いてきて 死にそうだぁー」
「ははは そうしたらラーメン餃子にしようか」
「あら 先ほどのホテルはどうするの?」
神山はニコニコしながら指を刺すところにラーメン屋があった
「あそこはね 餃子とラーメンがむちゃくちゃ美味しいって
TVで何回も取り上げられているところなんだ
ほら 横浜の時には こっちに来る機会がないでしょ
なので 一回は味わってみたいと思っていたところです」
「そうなの そんなに有名だったら 食べておかないとね」
「そうそう 折角上原に住んでいるんだもん 知らないとね」
祥子は頷いて神山の腕に両手を絡ませ楽しそうに歩いた
ラーメン屋はまだ12時になっていないのに 混み合っていた
神山は生ビールと餃子を3人前注文した
「あとはおつまみだと 野菜炒めでも食べようか?」
「ええ 美味しそうね 頂くわ ふふふ」
祥子はメニューから目を離すと神山を見ながら答えた
「お願いします」
「はーい なーに」
「野菜炒めを1人前ください」
「はいよぉー 野菜1 追加だよ 7番さんね」
「はーい やさい 7番 了解」
威勢のいい若い調理人4人が所狭しと動き調理を進めていた
まずは生ビールと野菜炒めが出てきて
「それでは 家具のセレクト終了ということで 乾杯」
「はーい かんぱーい」
祥子はこれから来る家具を楽しみに 笑顔が絶えなかった
神山も祥子は笑顔が最高に似合うと思っていた
「美味しいね 野菜炒め」
「ええ おうちでもこんなに美味しく出来たらいいのになぁー
そうしたら貴方に毎日つくってあげられるのに」
「ははは ありがとう 楽しみだね」
生ビールを御代りし餃子を食べると いよいよラーメンを食べた
スープはとんこつだがさっぱりしていて 神山はなるほど
.
2010年10月6日水曜日
Vol.88 芽吹き -3-7
「ふふふ じゃ そうしましょう」
「そうしたら 部屋に行ってみるね」
神山はガウンのまま自分の部屋に戻ると FAXの受信をみたが
どこからも送信されていなかっら
電話も留守電を再生したが 何も入っていなかった
神山は出かける支度をして 祥子の部屋に戻った
祥子も支度をしている最中で 髪の毛をドライヤーで乾かし
「ねえ 向こうを向いていてよ 恥ずかしいでしょ もう」
神山は女性のうなじが魅力的で好きだった ドライヤーを使い
髪の毛を手で掬っていると 自分が手伝ってあげたくなり
ついつい見入ってしまった
神山は冷蔵庫から缶ビールを出して テラスでタバコをふかし
祥子の支度が出来るのを待った
「お待たせしました」
神山は振り返ると 初夏らしい淡い水色のジャケットに真っ白な
Tシャツ 体にフィットしたジーンズ姿の祥子に驚き
「わぁー ファッションモデルのようだよ うんばっちし」
「ほんと 嬉しいな」
神山は部屋に入ると 軽くキスをして
「では 出かけましょうか」
「はーい ふふふ」
祥子はカジュアルシューズを履くと 神山と腕を組んだ
マンションを出ると 祥子が
「ねえ 道順ってわかる?」
「うん さっき見てきたよ この坂を下って 右に行けば渋谷さ」
「へぇー 近いんだ」
「うん 2Km位だから 30分もあれば大丈夫だよ」
祥子は嬉しくて両腕で神山の腕をからめバストを押しながら歩いた
この時間になると 人通りは殆ど無く静寂な住宅街と改めて
感心させられた
それでも渋谷駅に近づくとだんだんと 人影が多くなり
東急ハンズの周りには 働いている姿が多くなってきた
「ここまで来ると 都会だね」
「そうね ほんとちょっとしか離れていないのにね」
「まずは 何を買うのかな」
「ええ ハンズでソファーとリビングテーブルを買うわ」
祥子と神山はハンズに入ると インテリア用品のフロアにいき
所狭しと並べられている ソファーを探した
「表面は皮素材 それともマンションのエントランスのような
キャンバス素材がいいのかな?」
「皮だと なにか硬いイメージで リラックスできないと思うの
だから キャンバスがいいな」
神山は祥子の部屋に合う色と形を探し
「ねえ こっちに来て これなんかどうかな」
祥子は目を輝かせ 頷くと値段が高くて困っていた
「予算はどのくらいなの?」
「うん 5万までなんだ 実は会社から出るの それが3万までで
不足分は私が出すんです」
神山は折角薦めたので 不足の3万円は自分が出す事でどうか聞くと
「だって そんなにしてもらって 悪いわ」
「いいよ お気に入りでしょ だったら僕が出すよ」
神山は財布から3万円を出すと祥子に渡し
「さあ これで買おうよ ねっ あとはテーブルだね」
「ありがと 嬉しいわ テーブルは ガラスがいいな」
「ははは エントランスと同じになったね でもあの組み合わせは
リラックスできる最高の組み合わせだよ」
「やっぱりそうなんだ 私ね 考えていたんです
皮はさっき話したとおりで キャンバスにしたとき なにが合うか
そうすると エントランスの組み合わせになるんですよ」
「そうだね そうしたらテーブルを見にいきましょう」
ガラステーブルのコーナーに行くとバーゲンセールをしていて
祥子はどれが似合うか探していた
神山も一緒に探していたが 帯に短し襷に長しで
なかなか希望に沿う商品が見つからなかった
そんな時 祥子が神山を呼び
「コレはどうかしら 結構いけると思うんだ」
神山はガラスの天板を触り 安定している事を確認した
「うん 大丈夫だよ デザインもソファーを合うし」
「じゃあ これにする 安いし ふふふ」
「そうだね でもしっかりした作りで 細かい所も安心できるよ
ガラスの厚さが充分あるから ちょっとやそこらで割れませんよ」
「そうなの よかった」
.
「そうしたら 部屋に行ってみるね」
神山はガウンのまま自分の部屋に戻ると FAXの受信をみたが
どこからも送信されていなかっら
電話も留守電を再生したが 何も入っていなかった
神山は出かける支度をして 祥子の部屋に戻った
祥子も支度をしている最中で 髪の毛をドライヤーで乾かし
「ねえ 向こうを向いていてよ 恥ずかしいでしょ もう」
神山は女性のうなじが魅力的で好きだった ドライヤーを使い
髪の毛を手で掬っていると 自分が手伝ってあげたくなり
ついつい見入ってしまった
神山は冷蔵庫から缶ビールを出して テラスでタバコをふかし
祥子の支度が出来るのを待った
「お待たせしました」
神山は振り返ると 初夏らしい淡い水色のジャケットに真っ白な
Tシャツ 体にフィットしたジーンズ姿の祥子に驚き
「わぁー ファッションモデルのようだよ うんばっちし」
「ほんと 嬉しいな」
神山は部屋に入ると 軽くキスをして
「では 出かけましょうか」
「はーい ふふふ」
祥子はカジュアルシューズを履くと 神山と腕を組んだ
マンションを出ると 祥子が
「ねえ 道順ってわかる?」
「うん さっき見てきたよ この坂を下って 右に行けば渋谷さ」
「へぇー 近いんだ」
「うん 2Km位だから 30分もあれば大丈夫だよ」
祥子は嬉しくて両腕で神山の腕をからめバストを押しながら歩いた
この時間になると 人通りは殆ど無く静寂な住宅街と改めて
感心させられた
それでも渋谷駅に近づくとだんだんと 人影が多くなり
東急ハンズの周りには 働いている姿が多くなってきた
「ここまで来ると 都会だね」
「そうね ほんとちょっとしか離れていないのにね」
「まずは 何を買うのかな」
「ええ ハンズでソファーとリビングテーブルを買うわ」
祥子と神山はハンズに入ると インテリア用品のフロアにいき
所狭しと並べられている ソファーを探した
「表面は皮素材 それともマンションのエントランスのような
キャンバス素材がいいのかな?」
「皮だと なにか硬いイメージで リラックスできないと思うの
だから キャンバスがいいな」
神山は祥子の部屋に合う色と形を探し
「ねえ こっちに来て これなんかどうかな」
祥子は目を輝かせ 頷くと値段が高くて困っていた
「予算はどのくらいなの?」
「うん 5万までなんだ 実は会社から出るの それが3万までで
不足分は私が出すんです」
神山は折角薦めたので 不足の3万円は自分が出す事でどうか聞くと
「だって そんなにしてもらって 悪いわ」
「いいよ お気に入りでしょ だったら僕が出すよ」
神山は財布から3万円を出すと祥子に渡し
「さあ これで買おうよ ねっ あとはテーブルだね」
「ありがと 嬉しいわ テーブルは ガラスがいいな」
「ははは エントランスと同じになったね でもあの組み合わせは
リラックスできる最高の組み合わせだよ」
「やっぱりそうなんだ 私ね 考えていたんです
皮はさっき話したとおりで キャンバスにしたとき なにが合うか
そうすると エントランスの組み合わせになるんですよ」
「そうだね そうしたらテーブルを見にいきましょう」
ガラステーブルのコーナーに行くとバーゲンセールをしていて
祥子はどれが似合うか探していた
神山も一緒に探していたが 帯に短し襷に長しで
なかなか希望に沿う商品が見つからなかった
そんな時 祥子が神山を呼び
「コレはどうかしら 結構いけると思うんだ」
神山はガラスの天板を触り 安定している事を確認した
「うん 大丈夫だよ デザインもソファーを合うし」
「じゃあ これにする 安いし ふふふ」
「そうだね でもしっかりした作りで 細かい所も安心できるよ
ガラスの厚さが充分あるから ちょっとやそこらで割れませんよ」
「そうなの よかった」
.
2010年10月5日火曜日
Vol.87 芽吹き -3-7
「すみません 間違って倉庫に行っちゃったんです それで今
明日9時前後に 倉さんか翔宛に届くよう手配してもらいました」
「おう 分かった 9時前後だな 了解 ご苦労さん」
「すみません デコレーターに誤ってください すみません」
「おう 仕方ないさ じゃ 明日期待しているよ」
神山が電話を切ると 祥子に
「なんとか間に合うよ よかったよ 直ぐに連絡とれて」
「本当にごめんなさい でもなんでだろう 可笑しいな」
「まあ 明日 そうか休みだよね 木曜日にでも調べてよ
明日来れば 問題ないさ いつもの事だから気にしないでね」
「まぁ 優しいのね ねえ カラオケいく?」
「いいよ いこうか ここら辺にあるのかな?」
「渋谷に出れば 一杯あるでしょ 渋谷に出ましょうよ」
「そうだね 帰りも楽だし」
祥子と神山は渋谷でカラオケを楽しむと 部屋に戻ったのが
26時を過ぎていた
神山は受賞の喜び 祥子は商品手配のミスという喜びと不安が
交錯する二人はお互いの体をむさぼり合っていた
「ねえ 本当にごめんなさい」
「祥子 もういいよ 終わった事さ」
神山は一度果てた祥子の体を優しく触っていた
祥子は神山の肉棒を握りながらいじっていると
「あらぁ 又元気になってきたわ ふふふ」
「うん 気持ちがいいよ」
祥子はそういうと 体をおこし肉棒を咥え 何回も味わっている
フェラチオをしてもらった
「祥子 ほら 顔をまたいで」
祥子は神山の指示に従って 顔を跨ぐと大事なところを見せた
神山は小さなクリトリスを 丁寧に舐めたりして愛撫を再開した
舌先の攻撃と指を使われ 祥子は興奮してきて 自ら腰を動かし
いよいよという時になり 自分が上になり交わった
腰を前後に動かし 神山のところに倒れると 肉棒に上下運動を
加えたり グラインドさせた
神山もしたから突き上げると 祥子は更に気持ちよくなり
上下運動のピッチが早くなってきた
「祥子 だめだ 出るよ」
「私も いきそう」
二人は一緒に果て 抱き合ったまま寝てしまった
4月8日 水曜日 快晴
神山は自分の携帯電話のなる音で起きた
「はい 神山です」
「あっ 先輩 おはようございます」
「やあ おやようさん どうした?」
「ええ ニーナ・ニーナの商品が届きましたよ」
「よかった 助かったな 倉さんに伝えた?」
「いえ 何処かに行って 居ないんですよ でも商品をステージや
ウインドーのところにおいて置きましたから 大丈夫だと思います」
「ありがとう リストどおりに割り振ってくれたんだ」
「ええ 先輩から頂いたリストを元に 割り振りをしました」
「ありがとう そうすると徹夜か?」
「ええ そうです 中途半端に帰るよりいいですからね
それに徹夜の理由もはっきりしているし」
「そうだな まあ当分は徹夜をして 稼げばいいよ」
「はい では」
「うん 頑張ってな」
電話を切ると目を覚ました祥子に
「ニーナ・ニーナの商品 無事に届きました ありがとう」
「よかったわ 穴を開けたら大変な事になるものね」
「うん よかったよ」
神山はそういって祥子にキスをすると
「あなた シャワーを浴びましょうよ」
祥子と神山はバスルームで戯れながら 互いの体を綺麗にした
浴室から出ると 祥子がバスタオルで神山の体を拭くと
おちんちんに軽くキスをして シルクのガウンを羽織った
「髪の毛を洗うと さっぱりするね」
「ええ 朝から気持ちがいいわ さあ ご飯の支度するわね」
「ねえ 部屋に戻って 何も無ければ渋谷で早いお昼にしないか」
祥子は時計を見ると9時になっていたので
「そうしましょうか 私はどちらでも構わないわ」
「ほら 駅前の新しいホテルで食事をしたいなぁーなんて」
.
明日9時前後に 倉さんか翔宛に届くよう手配してもらいました」
「おう 分かった 9時前後だな 了解 ご苦労さん」
「すみません デコレーターに誤ってください すみません」
「おう 仕方ないさ じゃ 明日期待しているよ」
神山が電話を切ると 祥子に
「なんとか間に合うよ よかったよ 直ぐに連絡とれて」
「本当にごめんなさい でもなんでだろう 可笑しいな」
「まあ 明日 そうか休みだよね 木曜日にでも調べてよ
明日来れば 問題ないさ いつもの事だから気にしないでね」
「まぁ 優しいのね ねえ カラオケいく?」
「いいよ いこうか ここら辺にあるのかな?」
「渋谷に出れば 一杯あるでしょ 渋谷に出ましょうよ」
「そうだね 帰りも楽だし」
祥子と神山は渋谷でカラオケを楽しむと 部屋に戻ったのが
26時を過ぎていた
神山は受賞の喜び 祥子は商品手配のミスという喜びと不安が
交錯する二人はお互いの体をむさぼり合っていた
「ねえ 本当にごめんなさい」
「祥子 もういいよ 終わった事さ」
神山は一度果てた祥子の体を優しく触っていた
祥子は神山の肉棒を握りながらいじっていると
「あらぁ 又元気になってきたわ ふふふ」
「うん 気持ちがいいよ」
祥子はそういうと 体をおこし肉棒を咥え 何回も味わっている
フェラチオをしてもらった
「祥子 ほら 顔をまたいで」
祥子は神山の指示に従って 顔を跨ぐと大事なところを見せた
神山は小さなクリトリスを 丁寧に舐めたりして愛撫を再開した
舌先の攻撃と指を使われ 祥子は興奮してきて 自ら腰を動かし
いよいよという時になり 自分が上になり交わった
腰を前後に動かし 神山のところに倒れると 肉棒に上下運動を
加えたり グラインドさせた
神山もしたから突き上げると 祥子は更に気持ちよくなり
上下運動のピッチが早くなってきた
「祥子 だめだ 出るよ」
「私も いきそう」
二人は一緒に果て 抱き合ったまま寝てしまった
4月8日 水曜日 快晴
神山は自分の携帯電話のなる音で起きた
「はい 神山です」
「あっ 先輩 おはようございます」
「やあ おやようさん どうした?」
「ええ ニーナ・ニーナの商品が届きましたよ」
「よかった 助かったな 倉さんに伝えた?」
「いえ 何処かに行って 居ないんですよ でも商品をステージや
ウインドーのところにおいて置きましたから 大丈夫だと思います」
「ありがとう リストどおりに割り振ってくれたんだ」
「ええ 先輩から頂いたリストを元に 割り振りをしました」
「ありがとう そうすると徹夜か?」
「ええ そうです 中途半端に帰るよりいいですからね
それに徹夜の理由もはっきりしているし」
「そうだな まあ当分は徹夜をして 稼げばいいよ」
「はい では」
「うん 頑張ってな」
電話を切ると目を覚ました祥子に
「ニーナ・ニーナの商品 無事に届きました ありがとう」
「よかったわ 穴を開けたら大変な事になるものね」
「うん よかったよ」
神山はそういって祥子にキスをすると
「あなた シャワーを浴びましょうよ」
祥子と神山はバスルームで戯れながら 互いの体を綺麗にした
浴室から出ると 祥子がバスタオルで神山の体を拭くと
おちんちんに軽くキスをして シルクのガウンを羽織った
「髪の毛を洗うと さっぱりするね」
「ええ 朝から気持ちがいいわ さあ ご飯の支度するわね」
「ねえ 部屋に戻って 何も無ければ渋谷で早いお昼にしないか」
祥子は時計を見ると9時になっていたので
「そうしましょうか 私はどちらでも構わないわ」
「ほら 駅前の新しいホテルで食事をしたいなぁーなんて」
.
2010年10月4日月曜日
Vol.86 芽吹き -3-7
青山3丁目の交差点でタクシーを降りると携帯電話をかけた
「神山です 遅くなってごめんね 今着いたよ」
「わかったわ 迎えに行きます 待っていてね」
携帯電話を切って 直ぐに祥子が現れ
「早いでしょ お疲れ様」
「うん 早いよ どこなの お店って」
「ここよ」
「ははは ここなら早いや」
祥子は交差点直ぐ傍のビル2階にあるイタリア料理店をさした
「このお店って 美味しいけれど あまり人が入っていないのよ」
「どうして」
「うん 多分高いんじゃないのかな」
「そうか 今はリーズナブルなお店が多いからね」
「さあ 入りましょ」
二人は腕を組んで階段を上がると シックな造りのお店だった
祥子が座っていたところに案内されると
「ねえ 今夜はステーキでも頂きませんか」
「おお いいね そうしよう なにかおつまみが欲しいな」
祥子はメニューを神山に渡し見てもらう事にした
「まずは 生ビールとピクルスとサラダがいいな」
「ええ そうしましょう」
神山はボーイを呼ぶと生ビールなどを注文した
「ねえ さっきの運送中の件だけれど こんなに遅い時間なんだ」
「ええ 一旦よそのお店から引き上げるでしょ それからだから」
「なるほど なら仕方ないね でも驚いたよ 無いんだもん」
「林さんから連絡は無かったの?」
「えっ 林さんから 連絡? 無かったよ
って言う事は倉さんには 伝わっているんだ まあいいか」
二人が話していると 生ビールなど運ばれてきた
「わぁー ボリュームが凄いね まずは乾杯」
「受賞 改めておめでとうございます」
祥子と神山はジョッキをカチンを合わせて美味しそうに呑んだ
「美味しいわ 私 呑まないで待っていたの」
「ごめんごめん 美味しいね」
祥子はニコニコしながらサラダを取り皿に盛り付けると
「はい あなた どうぞ」
「うん ありがとう」
神山は自慢話にならない程度に コンテストの事を話した
常連の倉元の事や 店長が喜んでいる事など話していると
祥子は一言も聞き漏らすまいと 真剣にでも笑顔で聞いてくれた
ビールが終わると赤ワインとステーキを注文した
先に赤ワインがワインクーラーに入れられて運ばれた
ボーイが上手にコルクを抜くと グラスにワインを注ぎ
「どうぞ 召し上がってください」
ボーイはそういうと クロスをワインボトルにちょんとかけ戻った
美味しいワインを呑み 柔らかいステーキを食べ 楽しい時間を
過ごせたと神山は心から喜んでいた
デザートを食べている時に 神山の携帯電話がなった
「ちょっと 失礼」
神山は電話に出ると杉田からだった
「やあ お疲れ様 どうした」
「先輩 ニーナ・ニーナの商品がまだ来ないんですよ
それで 倉さんがありそうな場所を探しているんですが無いんです」
「うん 分かった こちらから連絡するよ」
電話を切ると祥子に
「祥子 まだ商品が届いていないんだって」
「えっ いくらなんでも遅いわ もう10時でしょ 可笑しいわね」
そういうと祥子は携帯電話で運送会社に電話をした
「えっ 出ているの どこに向かっているの うん えっ倉庫
ちょっと待って ねえ 倉庫に入ってしまったの どうしよう」
「うん 明日朝一で届けてくれないかな 穴が空くよ」
祥子は頷き
「ねえ そうしたら そのコンテナは銀座の鈴やさんなの そう
うん だから明日朝一番で 鈴やさんに配送して 担当者は
倉元さんよ あとは 杉田さんよ そう催事課でいいわ お願いね
ねえ 何時ごろになるの えっ10時 もっと早くして お願い
うん いいわよ割高でも わかったわ9時ね はーいお願いします」
電話を切ると神山に
「ごめんなさい 明日朝一番で 9時前後に届くようにしました
本当にごめんなさい 折角の時なのに」
神山は直ぐに携帯で連絡を取ると杉田が
「今 倉元部長がいますから 変わります
おう 山ちゃん どこ探しても無いんだ」
.
「神山です 遅くなってごめんね 今着いたよ」
「わかったわ 迎えに行きます 待っていてね」
携帯電話を切って 直ぐに祥子が現れ
「早いでしょ お疲れ様」
「うん 早いよ どこなの お店って」
「ここよ」
「ははは ここなら早いや」
祥子は交差点直ぐ傍のビル2階にあるイタリア料理店をさした
「このお店って 美味しいけれど あまり人が入っていないのよ」
「どうして」
「うん 多分高いんじゃないのかな」
「そうか 今はリーズナブルなお店が多いからね」
「さあ 入りましょ」
二人は腕を組んで階段を上がると シックな造りのお店だった
祥子が座っていたところに案内されると
「ねえ 今夜はステーキでも頂きませんか」
「おお いいね そうしよう なにかおつまみが欲しいな」
祥子はメニューを神山に渡し見てもらう事にした
「まずは 生ビールとピクルスとサラダがいいな」
「ええ そうしましょう」
神山はボーイを呼ぶと生ビールなどを注文した
「ねえ さっきの運送中の件だけれど こんなに遅い時間なんだ」
「ええ 一旦よそのお店から引き上げるでしょ それからだから」
「なるほど なら仕方ないね でも驚いたよ 無いんだもん」
「林さんから連絡は無かったの?」
「えっ 林さんから 連絡? 無かったよ
って言う事は倉さんには 伝わっているんだ まあいいか」
二人が話していると 生ビールなど運ばれてきた
「わぁー ボリュームが凄いね まずは乾杯」
「受賞 改めておめでとうございます」
祥子と神山はジョッキをカチンを合わせて美味しそうに呑んだ
「美味しいわ 私 呑まないで待っていたの」
「ごめんごめん 美味しいね」
祥子はニコニコしながらサラダを取り皿に盛り付けると
「はい あなた どうぞ」
「うん ありがとう」
神山は自慢話にならない程度に コンテストの事を話した
常連の倉元の事や 店長が喜んでいる事など話していると
祥子は一言も聞き漏らすまいと 真剣にでも笑顔で聞いてくれた
ビールが終わると赤ワインとステーキを注文した
先に赤ワインがワインクーラーに入れられて運ばれた
ボーイが上手にコルクを抜くと グラスにワインを注ぎ
「どうぞ 召し上がってください」
ボーイはそういうと クロスをワインボトルにちょんとかけ戻った
美味しいワインを呑み 柔らかいステーキを食べ 楽しい時間を
過ごせたと神山は心から喜んでいた
デザートを食べている時に 神山の携帯電話がなった
「ちょっと 失礼」
神山は電話に出ると杉田からだった
「やあ お疲れ様 どうした」
「先輩 ニーナ・ニーナの商品がまだ来ないんですよ
それで 倉さんがありそうな場所を探しているんですが無いんです」
「うん 分かった こちらから連絡するよ」
電話を切ると祥子に
「祥子 まだ商品が届いていないんだって」
「えっ いくらなんでも遅いわ もう10時でしょ 可笑しいわね」
そういうと祥子は携帯電話で運送会社に電話をした
「えっ 出ているの どこに向かっているの うん えっ倉庫
ちょっと待って ねえ 倉庫に入ってしまったの どうしよう」
「うん 明日朝一で届けてくれないかな 穴が空くよ」
祥子は頷き
「ねえ そうしたら そのコンテナは銀座の鈴やさんなの そう
うん だから明日朝一番で 鈴やさんに配送して 担当者は
倉元さんよ あとは 杉田さんよ そう催事課でいいわ お願いね
ねえ 何時ごろになるの えっ10時 もっと早くして お願い
うん いいわよ割高でも わかったわ9時ね はーいお願いします」
電話を切ると神山に
「ごめんなさい 明日朝一番で 9時前後に届くようにしました
本当にごめんなさい 折角の時なのに」
神山は直ぐに携帯で連絡を取ると杉田が
「今 倉元部長がいますから 変わります
おう 山ちゃん どこ探しても無いんだ」
.
2010年10月3日日曜日
Vol.85 芽吹き -3-7
神山達は今週の什器を 来週も使えると計算していると
急に員数が足りなくなり 次の売場が不足していると騒ぐ
そのような経験を何回もしていると 催事課だけではなく
商品管理課や総務課などが 催事場から移動する什器については
目を光らせ 監視するようになった
それでも過不足が発生するので 什器屋は多少余分に持ってくる
神山は7階催事場は後で見ることにし 各階で展開している
ステージの入れ替えや 模様替えしている売場を見て周り
地下の食品催事場にきた
食品催事場は撤収だけで 売場は明日定休日出勤して
準備をすることになっていた
食品部長が神山を見つけ
「こんばんわ 神山さん」
「こんばんわ」
「いや 凄いですね 受賞おめでとうございます」
「ありがとうございます たまたまですよ」
「いや 大したものです そうそう 美味しいのがあるんですよ」
そういって 部長席に呼ばれると杉田がちゃっかりと食べていた
「あっ 先輩 よく判りましたね」
「うん いい匂いがしてさ」
「この焼酎は美味しいですよ 課長 神山さんに作って差し上げて」
食品課長がポリカップにアイスと焼酎をいれレモンをいれて
「どうぞ神山部長」
神山は一口呑んで
「美味しいですね へぇー」
「美味しいでしょ 先輩」
催事課は売場と仲良くしていると 貴重な情報を貰える事が多い
「先輩 実は初日に別な焼酎を買って 昨日はコレを買ったんですよ」
「へぇー 売り上げに協力してんだろうな」
「勿論ですよ サービスで貰ったりしていませんよ もう」
「ははは 冗談だよ それで今夜は終わりか」
「ええ 久しぶりに早く帰れそうです」
「おいおい 7階はどうするんだよ」
「えっ 先輩が見ていくんでしょ」
「駄目だよ 上原があるから 見てくれよな」
「わぁー そんなぁー」
食品部長がまだ封を切っていない おつまみを出し
「翔ちゃん これあげるから 7階をみてよ 課長 もう1杯」
課長は翔のコップにアイスと焼酎をいれ
「翔ちゃん 残業代増えていいじゃん がんばって はいこれ」
翔はしぶしぶ神山の用件をのみ 焼酎を呑むとニコニコした
「僕はもう一回7階にいって様子を見て帰る
1階のステージもあるし 見るところは一杯あるぞ」
「ステージは明日でしょ 明日は出勤しますよ」
「うん 場合によってはこちらに来るが 上原の現場にいる」
「はーい 分かりました」
「部長 ご馳走様でした」
「いえいえ 翔ちゃんには 大サービスしますよ」
「ははは 翔 それじゃ あと頼んだよ」
「はい 分かりました」
神山は地下催事場を後にすると 1階のニーナ・ニーナ
ブティックによったが 飾り付けの商品が来ていなかった
(可笑しいな 何処かに紛れ込んでいるのかな)
探そうにもブティックの中には入る事が出来ず 考えてしまった
神山は祥子に電話をした
「はい 私です」
「こんばんわ 神山です あのさ 1階のステージとウインドーの
飾り付けで使う商品だけど ブティックの前に置いてないんだ」
「うーん まだそちらに届いていないと思います 配送中です」
「そうか ならいいんだけどね」
「ねえ まだ終わらないの」
「うん もう直ぐ出るよ 待たせてごめんね」
「ううん じゃ頑張ってね」
「ありがとう」
神山は7階に行くと什器屋を捕まえ 過不足を聞いた
「大丈夫ですよ 今回は」
「じゃあ 今夜は別件で先に帰るから あとは頼むね
杉田君がここを見てくれる事になっているから なにかあったら
店内呼び出しをかけて 指示を受けてください」
「はい 了解です」
神山は受付で自分のバックを受け取ると タクシーで向かった
.
2010年10月2日土曜日
Vol.84 芽吹き -3-7
「ええ 綺麗ですよ 頭も切れるし」
「おう ワシが仲人するから 式を挙げろよ」
「ちょ ちょっと待ってくださいよ 店長 それは無理ですよ
会社の人事のように 自分の駒を動かすのと違いますから」
「そうか 俺が口説けば 間違いないぞ」
「ほら そうしたら僕じゃなくて 店長の奥さんになっちゃう」
「ははは 上手だな わかった 上原は絶対に失敗しないでな」
「はい 分かりました」
「そうそう 時田さんも喜んでいたよ 電話があった
さあ 元気な山ちゃんを見たから 帰るとするか」
池上店長が立ち上がったので 神山は部屋の扉を開けると
「うん」
頷いた後に 耳元で
「今度は二人きりで呑もう こちらから連絡する 頼むよ」
神山は笑顔で頷き 店長をエレベーターまで見送った
席に戻ると 課長が神山のところに来て
「山ちゃん よかったでしょ 店長があんなに喜んでいるって
おれ久しぶりに見たよ」
「おう あんなにご機嫌なのはひさしぶりだぞ 山ちゃん」
「そうなんですか」
「おう きっと時田さんから褒められたから余計に嬉しいんだ」
「しかし 山ちゃんを見習いなさいって 言われてしまった」
「ははは 見習ったらどうだ」
「もう 倉さんも 苛めないでくださいよ」
「でも由香里さん なぜビールって分かったの?」
「うん それはね 以前一回あったのよ 確か夏だったわ
暑い暑いというから アイスコーヒー出したの そしたら
今日は気分がいい といわれて 答えようが無かったの
そのうちに ビールが呑みたいって言い出したの
だから 偉い人にそこまで言わせないように 気を使うわけ」
「なるほど そういう事があったんですね」
「だって 言いたいけど なんとなくいえない時ってあるでしょ
特に偉くなると だからぴーんと来たわけ」
「翔 分かったか」
「はい ようく分かりました」
神山は店長から貰った封筒を開けると 現金10万円入っていた
由香里が見に来て
「凄い 私 初めての経験よ」
「おう 俺も初めてだな あの人がお金を出すって聞いたことない」
「わぁー これで又 プレッシャーがかかるな」
「おう いいじゃないか 励みになって」
「まあ そうですね」
「おう 帰りに耳打ちしたのはなんだ」
「それはまずいでしょ だって店長の耳に入ったら大変ですよ」
「ははは そうだな 悪かった ごめん」
暫くすると 入れ替え準備のために業者が 催事課の部屋に来て
催事担当者と什器など入れ替えの確認をする
神山も部長昇進の挨拶を受けながら 確認作業を進めた
7階の大催事場は閉店時間より早く閉めて 撤収作業に入る
神山は時間を見て 大催事場に行く時 倉元に
「倉さん 7階と地下を見て 大丈夫なら帰ります」
「おう 明日は出ないよな」
「ええ 倉さんはウインドーですよね」
「おう お決まりのウインドーだ」
「では 失礼します そうそう 木曜日はNNビルに行きます
多分 午前中だと思いますが 連絡は入れます」
「おう がんばってな」
神山は業者の人間と部屋を出ると 催事場に向かった
「しかし 山ちゃん凄いですね 部長と受賞」
「うん まあついていただけさ」
店内に入ると 若い女性がお辞儀をしてくるので
神山もお辞儀をして挨拶をした
催事場に行くと商品撤収の最中で什器屋も待っている状態だった
什器屋の担当者に
「いつもの事だけど 多少の余裕は持ってきているよね」
「ええ 大丈夫ですよ」
催事場の什器は必ずといって良いほど 過不足がでる
原因は商品撤収の時に メーカーや売場が催事場に返さないで
そのまま持って帰るのが大きな原因になっている
特に売場の場合 商品撤収を借りている什器で売場にもって行き
木曜日にその什器が空くと そのまま放置しておくという
什器屋泣かせの売場も 結構ある
.
2010年10月1日金曜日
Vol.83 芽吹き -3-7
催事課の部屋に入ると 奥村課長が神山に
「山ちゃん 大変だよ もう店長が大喜びでさ」
神山は何を言われているのか 全然検討がつかなかった
「もう 課長 大丈夫ですか 今朝だって 主語が抜けていたし
今だって 本人はなにも分からないんですよ」
「ごめんごめん そうだったな いや上原の現場が
余りにもスムーズに事が運んでいるので アルタの内藤社長や
ニーナ・ニーナの筒井社長から お礼の電話があって
それで 是非山ちゃんに会いたいんだと これで分かった」
「課長 当たり前の話でしょ そんな」
「おう でもな店長は 特別に嬉しいんだよ 分かってくれよ」
「で どうするんですか 僕は」
「うん 大至急 秘書課に行ってくれ 頼むよ 昼から電話で
まだかまだかって 何回も言われているんだよ」
「たはぁー そうすると今朝の再現ですかね ははは」
「まさか」
奥村と神山が笑うと 部屋に居るみんなも大笑いした
「でもな お酒が入っているしな、、、」
「おう 酒も仕事のうちだぞ」
「そうですね では行ってきます でもなんだろう?」
神山が催事課の部屋を出ると 奥村は秘書課に電話をした
「秘書課です」
「催事課の奥村です あのー 神山部長ですが
ただいま現場から戻り そちらに向かわせました」
「あら大変 店長も催事課さんに行ってくるって出ました」
「えっ 参ったなぁー それでしたら 部長がつきましたら
大至急 催事課へ戻るよう伝えてください お願いします」
「ふふふ 奥村さんも大変ね 分かりましたよ」
奥村が電話を切り
「あーあ 店長がこちらに向かっているんですって 参った」
「おう 電話すればよかったじゃないか 山ちゃん又 怒るぞ」
「うん どうしよう なんか今朝から山ちゃんに振り回されてるな」
「ははは しっかりしろよ 奥ちゃん」
みんなで大笑いしていると
「おや 催事課は元気で賑やかだな 山ちゃんは来たか」
「はっ いらっしゃいませ 実はもうすぐきます」
「おう そうか じゃ待たせて貰うよ」
催事課の部屋に突然現れたのは 池上店長だった
「はい店長 コーヒーです」
「おう いつもすまんね ありがとう」
斉藤由香里が入れたコーヒーを 池上店長は美味しそうに飲んだ
「店長 すみません 入れ違いになりまして」
店長はきょとんとしたが 事情を察し
「山ちゃん わざわざ悪かったな 何しろ嬉しくてな
こんなに嬉しくなったのは 久しぶりだよ」
神山は店長の傍に座ると
「何があったんですか?」
池上店長は 上原の現場が予想以上早く進み 業者や
ニーナ・ニーナから褒められた事が 嬉しいといった
「はい ありがとうございます もう寝る時間も割いて
がんばっています」
池上店長は笑顔で神山をみて
「そこでだ これ ワシからの気持ちじゃ 受け取ってくれ」
池上は胸ポケットから 茶封筒と取り出すと神山に差し出した
「そんな でも 頂きます ありがとうございます」
「うん 仕事が出来るといいな みんなから喜ばれる
おう 奥村君 少しは山ちゃんを見習いなさい」
「はっ 見習わせていただきます」
「なあ 倉さんもそう思うだろ」
「まあまあ 奥ちゃんも それなりにやってますよ」
「そうか でもみんなに喜ばれて無いぞ」
「ははは それは店長 組合の折衝の時でしょ」
「うん まあな ははは 今日は気分がいいな」
斉藤由香里はこの言葉が出たので 直ぐにビールを用意した
「はい店長 はい山ちゃん どうぞ」
「おう 倉さん こっちにこいよ ほら隅に隠れるな ははは」
倉元はしぶしぶ 店長の脇に座ると 由香里からビールを貰い
「おう では山ちゃんの発展を願って 乾杯」
「はい かんぱい」
3人はビールを呑み神山が上原の進捗を説明した
「そうすると そのチーフってのが綺麗なんだな」
.
「山ちゃん 大変だよ もう店長が大喜びでさ」
神山は何を言われているのか 全然検討がつかなかった
「もう 課長 大丈夫ですか 今朝だって 主語が抜けていたし
今だって 本人はなにも分からないんですよ」
「ごめんごめん そうだったな いや上原の現場が
余りにもスムーズに事が運んでいるので アルタの内藤社長や
ニーナ・ニーナの筒井社長から お礼の電話があって
それで 是非山ちゃんに会いたいんだと これで分かった」
「課長 当たり前の話でしょ そんな」
「おう でもな店長は 特別に嬉しいんだよ 分かってくれよ」
「で どうするんですか 僕は」
「うん 大至急 秘書課に行ってくれ 頼むよ 昼から電話で
まだかまだかって 何回も言われているんだよ」
「たはぁー そうすると今朝の再現ですかね ははは」
「まさか」
奥村と神山が笑うと 部屋に居るみんなも大笑いした
「でもな お酒が入っているしな、、、」
「おう 酒も仕事のうちだぞ」
「そうですね では行ってきます でもなんだろう?」
神山が催事課の部屋を出ると 奥村は秘書課に電話をした
「秘書課です」
「催事課の奥村です あのー 神山部長ですが
ただいま現場から戻り そちらに向かわせました」
「あら大変 店長も催事課さんに行ってくるって出ました」
「えっ 参ったなぁー それでしたら 部長がつきましたら
大至急 催事課へ戻るよう伝えてください お願いします」
「ふふふ 奥村さんも大変ね 分かりましたよ」
奥村が電話を切り
「あーあ 店長がこちらに向かっているんですって 参った」
「おう 電話すればよかったじゃないか 山ちゃん又 怒るぞ」
「うん どうしよう なんか今朝から山ちゃんに振り回されてるな」
「ははは しっかりしろよ 奥ちゃん」
みんなで大笑いしていると
「おや 催事課は元気で賑やかだな 山ちゃんは来たか」
「はっ いらっしゃいませ 実はもうすぐきます」
「おう そうか じゃ待たせて貰うよ」
催事課の部屋に突然現れたのは 池上店長だった
「はい店長 コーヒーです」
「おう いつもすまんね ありがとう」
斉藤由香里が入れたコーヒーを 池上店長は美味しそうに飲んだ
「店長 すみません 入れ違いになりまして」
店長はきょとんとしたが 事情を察し
「山ちゃん わざわざ悪かったな 何しろ嬉しくてな
こんなに嬉しくなったのは 久しぶりだよ」
神山は店長の傍に座ると
「何があったんですか?」
池上店長は 上原の現場が予想以上早く進み 業者や
ニーナ・ニーナから褒められた事が 嬉しいといった
「はい ありがとうございます もう寝る時間も割いて
がんばっています」
池上店長は笑顔で神山をみて
「そこでだ これ ワシからの気持ちじゃ 受け取ってくれ」
池上は胸ポケットから 茶封筒と取り出すと神山に差し出した
「そんな でも 頂きます ありがとうございます」
「うん 仕事が出来るといいな みんなから喜ばれる
おう 奥村君 少しは山ちゃんを見習いなさい」
「はっ 見習わせていただきます」
「なあ 倉さんもそう思うだろ」
「まあまあ 奥ちゃんも それなりにやってますよ」
「そうか でもみんなに喜ばれて無いぞ」
「ははは それは店長 組合の折衝の時でしょ」
「うん まあな ははは 今日は気分がいいな」
斉藤由香里はこの言葉が出たので 直ぐにビールを用意した
「はい店長 はい山ちゃん どうぞ」
「おう 倉さん こっちにこいよ ほら隅に隠れるな ははは」
倉元はしぶしぶ 店長の脇に座ると 由香里からビールを貰い
「おう では山ちゃんの発展を願って 乾杯」
「はい かんぱい」
3人はビールを呑み神山が上原の進捗を説明した
「そうすると そのチーフってのが綺麗なんだな」
.
登録:
投稿 (Atom)