「さあ 翔 仕事だしごと 昨夜のFAXを持ってきて」
神山は杉田翔に センターテーブルで仕事のポイントを説明し
分からないところは 徹底的に分かりやすく例を話しながら
理解 納得してもらうよう勤めた
「ざっとこんなもんだけどさ 大体把握できただろ」
「ええ 僕の知らないポイントばかりです ありがとうございます」
「うん 一回失敗すると覚えるだろ 渉外の時には特に
気をつけなければ その場で悪いイメージを持たれてしまう
だから こうやって事前に勉強すればいいんだ」
「そうですね 後は場数を踏まないと、、、」
「うん 場数を踏むにも知らないのと知っているのでは
雲泥の差があるからね 勉強をして損は無いよ」
「はい 分かりました」
「おう 翔 いいバイブルを手にしたな 頑張れよ」
「はい ありがとうございます」
神山は席に戻り 一息ついて時計を見ると12時になっていた
「わぉ もう12時だよ 参ったなぁー」
独り言をいい 書類に目を通すと 隣の翔に
「翔 これから僕の机に来たものは どんどん処理してくれ
ただし 什器などは絡みがあるから確認してからな
でないと リース代が増えてしまうからさ 使い回しが
出来るようなら 使い回しをすること お願いするね」
「はい それでも分からなかったら 電話をします」
「うん うるさい売場リストはあげただろ そこから申請が
きたら 僕に一言連絡をくれ 頼んだよ」
「はい このABランクですね」
「うん ABランクは売場というより その人物だ 融通が利かない
煮ても焼いてもどうにもならない人物だ いいね」
「おう 山ちゃん xxx君は入っているか」
「ええ AAランクに入っています」
「うん 彼は店長にも楯突くから 要注意人物だな」
「なっ 分かっただろ しかし一回失敗すると覚えるけどな
そうすると こんなリストは要らなくなるよ ははは」
「またぁー 失敗しないようにのバイブルでしょ もう」
「そうそう 機転が利けば 簡単さ 勉強だよ」
「じゃ 上原に行きます あとは頼んだよ」
「おう 山ちゃん 夜は来るんだろ」
「ええ 来ますよ 大丈夫ですよ」
「うん じゃ 頑張ってな」
神山は催事課の部屋を出るとタクシーで上原の現場に向かった
「やあ 考ちゃん 少し早かったかな」
「そんな事無いよ それで久保さんも来るんでしょ」
「うん 連絡が無いから 来るはずですよ 大丈夫」
「そうしたら 駅前寿司で見ることにしようか?」
「うん いいよ」
高橋と神山が現場で話をしていると祥子が駅から歩いてきた
神山を見るとニコニコしながら手を振った
「お疲れ様 早く来られたみたいですね」
「ええ お仕事が早く終わって 良かったわ」
高橋は二人を駅前寿司に案内すると 田中幸三が先に来ていて
席を確保していた
「やあ 幸三ちゃん ありがとう」
「いえいえ ここの方がゆっくりと見てもらえると思いまして」
神山は見やすいモデルの傍に座ってもらい 自分は祥子の
隣に座り 高橋と向かい合う格好になった
「それでは オープン」
田中幸三はスケールモデルを覆っていた布を取ると 現場を
忠実に再現されたモデルが現れた
「わぁー 凄く大きい へぇーこうなるんですか」
「考ちゃん 良く出来ているじゃない 凄いね」
「うん 山ちゃんの仕事だから ばっちしさ」
祥子は上から眺めたり 角度を変えてみたりした
田中幸三がバックヤードから 人形を5個出して 店内に飾ると
「わぁー こうなるんだぁー へぇー この人形も
スケールダウンですか?」
「ええ そうですよ どうですか?」
「ええ これだと図面で分からない事が 良く見えてきますね」
祥子は入り口のところに目を当てて 店内を見ていると
感心し 一人頷き見入っていた
「考ちゃん これって1/20でしょ ただ天井の所はあの赤い線」
「そうです 壁は天井ラインで切らないで 赤線で表示です」
「いかがですか?久保さん どこか不明なところはありかすか」
.