「うん モデルが早く欲しいな」
「ええ 頑張ります それでは」
「じゃ」
高橋は駅構内に消えてゆき 神山はマンションに歩いていった
神山はマンションに帰ると シャワーを浴びて体をすっきりさせ
30分ほど寝る事にした
タイマーを19時に合わせ ベッドに横になった
目覚ましのけたたましい音で目が覚めると 部屋着に着替え
缶ビールを呑みながら 催事課の仕事を精力的にこなした
20時少し前に 携帯電話がなり出てみると
「祥子です ごめんなさい 遅くなって」
「うん 大丈夫だよ」
「今 会社を出ました」
「わかった 注文するのはピザだけでいいのかな?」
「任せるわ お願いします」
電話を切るとピザ屋に電話をして 住所を告げると30分かかると
いわれ 承諾して持ってきて貰うことにした
「こんばんわ」
「やあ お帰りなさい まだピザが来ていないんだ」
「はーい 来たら教えて 取りにくるわ 私の部屋でいいでしょ」
「うん じゃ準備しておいて」
祥子は部屋に帰ってくると 大急ぎで着替え神山の部屋で話した
「しかし ほんと事務所ね」
「ああ 大きなテーブルにパソコンに大きなFAX 事務所だよ」
「そうしたら お願いね 教えて」
祥子は神山に軽くキスをして 自分の部屋に戻っていった
神山は仕事に集中したので 催事課の仕事が結構進んだ
ピザが配達されると 祥子の部屋に運び 予め用意された
お皿に盛り付けを済ませると 冷蔵庫から缶ビールを取り出し
二人のグラスに注ぎ
「お待たせしました かんぱーい」
「うん 乾杯」
祥子はフォークとナイフでピザを切り分けると
神山の取り皿に乗せた
「はい どうぞ」
「ありがとう」
さらに祥子はサラダも取り皿に盛り付けると
「はい サラダも食べてね」
「うん ありがとう さあ 食べようよ」
祥子は自分の分を取ると一口食べて
「あー 美味しい お腹ぺこぺこよ」
「お昼から何も食べなかったの」
「ええ ほらバックヤードの容量を計算したりで おやつも
食べる時間が無かったの でも大体計算できたわ」
「凄いね で 図面に書いてある通りで 大丈夫なのかな」
「ええ 大丈夫だった でも 結果論でしょ
私 計算して 良かったと思う」
「良かった そうすると基本的なところは OKだね
どうしてかというと あの場所で5cmとか10cm動かすのは
什器の寸法まで影響して来るんだよ」
「へぇー それで大体の奥行きを決めて 後は微調整なの」
「そうなんだ 最初から5cm単位のレイアウトをしていると
二度手間 三度手間になってしまい なかなか前に進まないんだ」
「うんうん 分かるわ」
「そうか ちょっと失礼 アルタがモデルを作っているから
今のうちに教えてあげれば 固定できるでしょ
連絡してくるよ ちょっと待っていてね」
神山は自分の部屋に戻るとアルタの高橋に電話をした
「考ちゃん ごめんね 大丈夫かな」
「ええ 大丈夫ですよ」
「今ね ニーナ・ニーナの久保さんから連絡があって
バックヤードの奥行きだけど 図面どおりでOKだって」
「ほんと よかった 助かったよ これで固定できます」
「それでさ どうだろう あと5cm売場側にふかせるかな」
「ええ 一応10cmは見ていますよ」
「うん 彼女 バックヤードの容積を計算したんだって
大したもんだよ そこから割り出して OKだって」
「へぇー 凄いですね」
「じゃあ お願いします」
「明日持って行く事ができます」
「喜ぶぞ お願いね」
神山は電話を切ると 祥子の部屋に入るなり
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