2010年9月14日火曜日

Vol.66 芽吹き -2-6

「ははは その通り」
4人が噂をしていると祥子が現れた
神山は直ぐに気が付いて 手を挙げて合図をした
祥子はニコニコして近づくとみんなに
「ニーナ・ニーナの久保です よろしくお願いします」
「さあ 久保さん どうぞ上がってください」
祥子は靴を脱ぐと 座敷に上がり 神山の横に座った
「本当にすみません 色々と変更して」
祥子がアルタや神山に誤ると 高橋が
「いいですよ 筒井さんも考えられていると思います」
「そう言って下さると助かります 
そうそう 神山さん 部長昇進 おめでとうございます」
神山は一瞬あれっと思ったが 直ぐに
「いやぁ ありがとうございます でもこの現場が終われば
元の課長に戻りますから はい」
アルタの3人が聞いていた
「そうだ 久保さん アルタの方を紹介しますね
こちらが今回の責任者 高橋課長 こちらが内野係長 それで
こちらが田中係長です それでいつも3人一緒で
いち・にい・さんコンビって呼ばれているんです」
祥子はきょとんとしているので 高橋が
「ははは 僕が孝一で 内野君が誠二 田中君が幸三で
それで ワン・ツー・スリーコンビなんですよ」
ようやく意味が分かった祥子は 可笑しくてケタケタ笑った
「私 一生懸命考えたけれど 分からなかったわ ふふふ」
神山は昨日 筒井副社長と佐藤部長のやり取りや 考え方など
ポイントを掴んで 祥子に説明し 
「オープンは一応6月初旬までと言われてますが 僕は無理なく
早くできればそれに越した事は無いと思います
それで今回 僕がここの責任者と言う形で応援をします」
「はい お願いします 私 何も分からないので ご迷惑を
おかけする事があると思います よろしくお願いしますね」
祥子が笑顔でお辞儀をすると高橋が
「さあ久保さん 顔合わせの行事です」
高橋が祥子のグラスにビールを注ぐと
「では これからお願いしまーす 乾杯」
「かんぱーい」
グラスをカチンと合わせると祥子は ビールを一息で呑んだ
「わぁおー さあどうぞ」
高橋がビールを注ぐと 笑顔で答え今度は少し呑んで置いた
神山が
「実際問題として久保さんの商品展開は進んでいると思います
そこで 問題になるのが 今までのような百貨店と違い 顧客を
外から導入すると言うところが 違います
何かと言うと 欲しい顧客しか店には入って来ないと言う事です」
「そうだよね そこが難しいよね」
「僕はまだ現場に入っていないので なんとも言えませんが
図面を見る限り 成功すると信じていますよ」
「おぅ 山ちゃんから お墨付きを貰った 大丈夫だね」
「でも あくまでも机上の計算ですよ」
祥子を交えて 今後の進め方などを話していると
神山の携帯電話がけたたましく鳴った

「はい 神山ですよ」
「神山さん 凄いわよ やったわね」
「神山ですが 由香里さん?」
「聞いてくれた 大変よ」
「だから なにが大変なんだよ」
「神山さん 正真正銘の部長よ」
「えっ だって8級課長がそんな、、、」
「そう普通は9級課長に進級して肩書きは部長ってなるでしょ」
「そうだよね」
「あなた 忘れてきたでしょ 昇級の命課」
「えっ そんな事ないよ」
「昼過ぎに秘書課から電話があって 忘れ物があるから来なさいって
それで行ったら 命課は部長職になっているでしょ 皆びっくりよ」
「えっ なにそれ」
「奥村課長や倉さんも 間違いじゃないかって 言っていたわ」
「そしたら 本当の部長だ
しかし どうしたんだ いきなり飛び越しちゃって」
「課長なんてひっくり返りそうだったわよ」
「そうするとさ 残業とか定休日出勤とか無くなるわけ」
「そうね 無くなるわね その代わりタイムカードが無くなるわよ」
「今の僕はタイムカードが有った方が助かるな」





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