神山が聞くが 多分見たばかりなので 何も見えてこないだろうと
思い 什器なども動く事を伝えると 自分なりに移動させた
「わぁー こうするとわかりやすいけれど パズルのようね」
「ははは パズルか そうですね」
神山は時間をかけなければ 納得する配置が決まらないと思った
「久保さん このモデルは現場に置きましょうか それとも
僕の事務所にでも置きましょうか?」
「現場でいいですよ 現場に置いてください」
「さあ それではお昼の時間にしましょう」
高橋は女将におつまみとビールを運んでくれるよう頼んだ
おつまみは事前に準備されていたので 直ぐに運ばれたが
祥子はおつまみが来ても モデルに興味があり時々見ていた
田中はビールをみんなのグラスに注ぐと高橋が
「それではモデルの完成で 乾杯」
みんなが乾杯をして 祥子もようやくみんなと話すようになった
「神山さん ウインドーコンテスト最優秀賞を受賞されたんでしょ
おめでとうございます 凄いですね」
「もう話が伝わっているんだ そうなんですよ」
「そうそう 山ちゃん おめでとうございます 凄いね」
「まあ たまたまですよ でも良かった
筒井さんも 大変喜んでくれたし」
「そうね 筒井も自分の事のように 喜んでいたわ」
「飾って頂いたドレスシャツは 全部売れてしまったわ
大変な反響だったですよ」
「そうなんですか へぇー あれって高いのに良く出ましたね」
「デザインや品質を考慮すれば安いって 分かってくれる女性が
少しだけ 財布の紐を緩めてくれたのね」
「そうか よかった 陳列して売れなかったら大変だからね」
4人はコンテスト受賞の話で盛り上がりながら食事を終えた
神山は先に店を出て祥子に
「これから 銀座に行くけれど 会社に戻る?」
「ええ 会社へ行きます」
「じゃ 送っていくよ」
「えっ ほんと」
二人が話していると 高橋と田中が店から出てきたので
「考ちゃん ご馳走様」
「ごちそうさまでした」
「いえいえ どういたしまして そうしたらコレを現場において
僕らは 会社に戻ります」
「うん お願いします 又 連絡しますね」
「はい じゃ」
高橋と田中はスケールモデルを持ち現場に歩いていった
神山は少し歩いて タクシーを拾い銀座にむかった
「凄いわね あのモデル」
「うん 良く作ってくれました ははは」
「ねえ 知っている 9日の事」
「うん うちは僕だけだよ 課長から筒井さんに話していたよ」
「なんなのかしら 分からないわ」
「うん 何だろうね アルタの佐藤部長も招待されているんだ」
「へぇー なにかしら?」
「今回は全然 読めないや って言っても自分の事分からなかったし」
「ねえ 今夜は何時頃になるの」
「うーん 8時には動けるよ もう少し早いかな」
「そうしたら イタリア料理でもいい?」
「うんいいよ」
「そうね8時に3丁目の交差点はどう お店は直ぐ近くなんだ
私 早く終わるから お店で待っています」
「了解 交差点に着いたら電話するよ」
「うん分かった 私ね 明日なんだけど お休みを貰ったの」
「へぇー 凄いね 土日じゃなくて 大丈夫なんだ」
「うん ほら先日名古屋に帰ったでしょ その荷物がくるの」
「それで休みを貰えたんだ いいね」
「うん それから ソファーとか家電製品を買わないといけないし
だから 時間が空いているようだったら 渋谷に一緒に行かない」
「うん 明日は多分急ぎは無いはずだから 大丈夫だよ」
「じゃ お願いね」
タクシーが青山3丁目の交差点で止まると
「すみません 一人降ります お願いします」
そういうと扉が開き 祥子が反対側の歩道を指をさし教えてくれた
「じゃ今夜」
「はーい 待っています」
祥子は手を振って見送ってくれた
.
この小説は フィクションとノンフィクションの真ん中、マデゥフィクションです。
(Moderate Fiction)
恋愛やサクセス、官能や社会構造、色々と楽しんで頂けると思います。
長くなりますが、どうぞ最後まで応援をお願いします。

2010年9月30日木曜日
2010年9月29日水曜日
Vol.81 芽吹き -3-7
「さあ 翔 仕事だしごと 昨夜のFAXを持ってきて」
神山は杉田翔に センターテーブルで仕事のポイントを説明し
分からないところは 徹底的に分かりやすく例を話しながら
理解 納得してもらうよう勤めた
「ざっとこんなもんだけどさ 大体把握できただろ」
「ええ 僕の知らないポイントばかりです ありがとうございます」
「うん 一回失敗すると覚えるだろ 渉外の時には特に
気をつけなければ その場で悪いイメージを持たれてしまう
だから こうやって事前に勉強すればいいんだ」
「そうですね 後は場数を踏まないと、、、」
「うん 場数を踏むにも知らないのと知っているのでは
雲泥の差があるからね 勉強をして損は無いよ」
「はい 分かりました」
「おう 翔 いいバイブルを手にしたな 頑張れよ」
「はい ありがとうございます」
神山は席に戻り 一息ついて時計を見ると12時になっていた
「わぉ もう12時だよ 参ったなぁー」
独り言をいい 書類に目を通すと 隣の翔に
「翔 これから僕の机に来たものは どんどん処理してくれ
ただし 什器などは絡みがあるから確認してからな
でないと リース代が増えてしまうからさ 使い回しが
出来るようなら 使い回しをすること お願いするね」
「はい それでも分からなかったら 電話をします」
「うん うるさい売場リストはあげただろ そこから申請が
きたら 僕に一言連絡をくれ 頼んだよ」
「はい このABランクですね」
「うん ABランクは売場というより その人物だ 融通が利かない
煮ても焼いてもどうにもならない人物だ いいね」
「おう 山ちゃん xxx君は入っているか」
「ええ AAランクに入っています」
「うん 彼は店長にも楯突くから 要注意人物だな」
「なっ 分かっただろ しかし一回失敗すると覚えるけどな
そうすると こんなリストは要らなくなるよ ははは」
「またぁー 失敗しないようにのバイブルでしょ もう」
「そうそう 機転が利けば 簡単さ 勉強だよ」
「じゃ 上原に行きます あとは頼んだよ」
「おう 山ちゃん 夜は来るんだろ」
「ええ 来ますよ 大丈夫ですよ」
「うん じゃ 頑張ってな」
神山は催事課の部屋を出るとタクシーで上原の現場に向かった
「やあ 考ちゃん 少し早かったかな」
「そんな事無いよ それで久保さんも来るんでしょ」
「うん 連絡が無いから 来るはずですよ 大丈夫」
「そうしたら 駅前寿司で見ることにしようか?」
「うん いいよ」
高橋と神山が現場で話をしていると祥子が駅から歩いてきた
神山を見るとニコニコしながら手を振った
「お疲れ様 早く来られたみたいですね」
「ええ お仕事が早く終わって 良かったわ」
高橋は二人を駅前寿司に案内すると 田中幸三が先に来ていて
席を確保していた
「やあ 幸三ちゃん ありがとう」
「いえいえ ここの方がゆっくりと見てもらえると思いまして」
神山は見やすいモデルの傍に座ってもらい 自分は祥子の
隣に座り 高橋と向かい合う格好になった
「それでは オープン」
田中幸三はスケールモデルを覆っていた布を取ると 現場を
忠実に再現されたモデルが現れた
「わぁー 凄く大きい へぇーこうなるんですか」
「考ちゃん 良く出来ているじゃない 凄いね」
「うん 山ちゃんの仕事だから ばっちしさ」
祥子は上から眺めたり 角度を変えてみたりした
田中幸三がバックヤードから 人形を5個出して 店内に飾ると
「わぁー こうなるんだぁー へぇー この人形も
スケールダウンですか?」
「ええ そうですよ どうですか?」
「ええ これだと図面で分からない事が 良く見えてきますね」
祥子は入り口のところに目を当てて 店内を見ていると
感心し 一人頷き見入っていた
「考ちゃん これって1/20でしょ ただ天井の所はあの赤い線」
「そうです 壁は天井ラインで切らないで 赤線で表示です」
「いかがですか?久保さん どこか不明なところはありかすか」
.
神山は杉田翔に センターテーブルで仕事のポイントを説明し
分からないところは 徹底的に分かりやすく例を話しながら
理解 納得してもらうよう勤めた
「ざっとこんなもんだけどさ 大体把握できただろ」
「ええ 僕の知らないポイントばかりです ありがとうございます」
「うん 一回失敗すると覚えるだろ 渉外の時には特に
気をつけなければ その場で悪いイメージを持たれてしまう
だから こうやって事前に勉強すればいいんだ」
「そうですね 後は場数を踏まないと、、、」
「うん 場数を踏むにも知らないのと知っているのでは
雲泥の差があるからね 勉強をして損は無いよ」
「はい 分かりました」
「おう 翔 いいバイブルを手にしたな 頑張れよ」
「はい ありがとうございます」
神山は席に戻り 一息ついて時計を見ると12時になっていた
「わぉ もう12時だよ 参ったなぁー」
独り言をいい 書類に目を通すと 隣の翔に
「翔 これから僕の机に来たものは どんどん処理してくれ
ただし 什器などは絡みがあるから確認してからな
でないと リース代が増えてしまうからさ 使い回しが
出来るようなら 使い回しをすること お願いするね」
「はい それでも分からなかったら 電話をします」
「うん うるさい売場リストはあげただろ そこから申請が
きたら 僕に一言連絡をくれ 頼んだよ」
「はい このABランクですね」
「うん ABランクは売場というより その人物だ 融通が利かない
煮ても焼いてもどうにもならない人物だ いいね」
「おう 山ちゃん xxx君は入っているか」
「ええ AAランクに入っています」
「うん 彼は店長にも楯突くから 要注意人物だな」
「なっ 分かっただろ しかし一回失敗すると覚えるけどな
そうすると こんなリストは要らなくなるよ ははは」
「またぁー 失敗しないようにのバイブルでしょ もう」
「そうそう 機転が利けば 簡単さ 勉強だよ」
「じゃ 上原に行きます あとは頼んだよ」
「おう 山ちゃん 夜は来るんだろ」
「ええ 来ますよ 大丈夫ですよ」
「うん じゃ 頑張ってな」
神山は催事課の部屋を出るとタクシーで上原の現場に向かった
「やあ 考ちゃん 少し早かったかな」
「そんな事無いよ それで久保さんも来るんでしょ」
「うん 連絡が無いから 来るはずですよ 大丈夫」
「そうしたら 駅前寿司で見ることにしようか?」
「うん いいよ」
高橋と神山が現場で話をしていると祥子が駅から歩いてきた
神山を見るとニコニコしながら手を振った
「お疲れ様 早く来られたみたいですね」
「ええ お仕事が早く終わって 良かったわ」
高橋は二人を駅前寿司に案内すると 田中幸三が先に来ていて
席を確保していた
「やあ 幸三ちゃん ありがとう」
「いえいえ ここの方がゆっくりと見てもらえると思いまして」
神山は見やすいモデルの傍に座ってもらい 自分は祥子の
隣に座り 高橋と向かい合う格好になった
「それでは オープン」
田中幸三はスケールモデルを覆っていた布を取ると 現場を
忠実に再現されたモデルが現れた
「わぁー 凄く大きい へぇーこうなるんですか」
「考ちゃん 良く出来ているじゃない 凄いね」
「うん 山ちゃんの仕事だから ばっちしさ」
祥子は上から眺めたり 角度を変えてみたりした
田中幸三がバックヤードから 人形を5個出して 店内に飾ると
「わぁー こうなるんだぁー へぇー この人形も
スケールダウンですか?」
「ええ そうですよ どうですか?」
「ええ これだと図面で分からない事が 良く見えてきますね」
祥子は入り口のところに目を当てて 店内を見ていると
感心し 一人頷き見入っていた
「考ちゃん これって1/20でしょ ただ天井の所はあの赤い線」
「そうです 壁は天井ラインで切らないで 赤線で表示です」
「いかがですか?久保さん どこか不明なところはありかすか」
.
2010年9月28日火曜日
Vol.80 芽吹き -3-7
再投票し下位3つのウインドーが消える
最後に3つのウインドーに対し85ポイントがどう動くか
いつも注目されている所だ
今回鈴やのウインドーコンテストには神山だけ参加するか否か
議論が有ったが最終的には倉元の参加も決定した
参加費用も1件に付き20万円なので
倉元と神山の6位の入賞は果たしたかった
昨日の午前中から事前に提出された規定の書類や写真を審査し
実行委員会の投票が行われた
市民参加分のポイントでは倉元が1位 神山は5位だった
そこから各委員の投票で倉元が1位 神山は3位になった
再投票で倉元が1位だが過半数97ポイントを獲得出来ず
僅差で2位になった神山と再投票で
神山が97ポイントを獲得して目出度く1位になった
「しかし 何が良かったのかなぁー」
「それは 山ちゃんの腕でしょ」
「おう ニーナ・ニーナの商品が輝いていたぞ それだな
デコレーターは多少感性の違いはあるが みな同じ腕だ
山ちゃんの最終ジャッジと商品構成がばっちりだったんだ」
「倉さんのメインウインドーが良く目立つので
これは商品構成で やるっきゃないと思いましたよ」
「おう 筒井ちゃんも大喜びだっただろ」
「ええ いつもよりトーンが上がっていました」
みんなが大笑いしていると 早速デコレーション会社
スーパーデコの細川社長から電話が入った 由香里がでて
「課長 スーパーデコの細川社長からです」
「ああ ふとかわさんね わかった」
みんなが一斉にしーっと合図した 奥村も頭をかいて
「はい 奥村です」
「細川です おめでとうございます」
「ありがとうございます いつも力になって頂き はい」
「それで今回は 倉さんではなくて 山ちゃんだそうですね」
「ええ 本人もそれなりに頑張った様子です」
「また 祝賀会するんでしょ」
「はい 案内状が出来たら直ぐに FAXします はい」
「ええ 楽しみにしているわ お願いね」
「はい ありがとうございます はい」
奥村は電話を置くと ほっとした様子で席に戻った
「課長 まずいですよ ふとかわって
普段思っているから 出てしまうんですよ 聞こえたかも」
「そうですよ 男性ならまだしも 女性ですよ 失礼な」
スーパーデコ社長 細川恵子は独身で50歳
そのグラマスさは有名で『ふとかわさん』で通っている
肌着のサイズは国産では間に合わないで 外国製を使っていると
言われているくらい 凄いサイズの持ち主だ
以前 祝賀会で逃げる奥村が強引にキスをされてからは
絶対に「細川」と呼ばず『ふとかわ』と呼んでいる
「分かったよ みんな白い目で見るなよ 考えてくれよ
あのボディーでキスをされたんだぞ 人の気持ちも考えないで
そうだ あの「ふとかわ」さんが いいと思うのは手を挙げて」
奥村以外 全員手を挙げて由香里は
「あんなに優しい女性は居ないわよ なによ大きいからって」
「そうか でもな俺は どうしても駄目なんだよ」
「はいはい じゃ今回は隣に座ってもらいましょうね」
「由香里さん なんで いいじゃない 店長の隣で」
「市川さん 聞いた 隣でOKだからね 上座の席次は決定よ」
「はい 分かりました そのようにFAXします
絶対に細川社長喜びますよ 課長の大ファンですからね」
「ふーん 分かった ってことで はい解散」
奥村が課長席に戻ると直通電話が鳴った
ニーナ・ニーナの筒井からの電話で 9日10時会議の
出席依頼と会議概要を伝えられたが
「山ちゃんだけでも よろしいですか 僕の方は店長対応が
あったり 立ち上がりの日ですから」
筒井は事情を考慮して 神山一人の出席を了承した
「山ちゃん 筒井さんから 正式に出席要請があって
僕は出られないので 山ちゃん一人という事で 了承して貰った」
「はい ありがとうございます では木曜日は向こうに
直接行きますので こちらはお願いします」
「うん 分かった」
.
最後に3つのウインドーに対し85ポイントがどう動くか
いつも注目されている所だ
今回鈴やのウインドーコンテストには神山だけ参加するか否か
議論が有ったが最終的には倉元の参加も決定した
参加費用も1件に付き20万円なので
倉元と神山の6位の入賞は果たしたかった
昨日の午前中から事前に提出された規定の書類や写真を審査し
実行委員会の投票が行われた
市民参加分のポイントでは倉元が1位 神山は5位だった
そこから各委員の投票で倉元が1位 神山は3位になった
再投票で倉元が1位だが過半数97ポイントを獲得出来ず
僅差で2位になった神山と再投票で
神山が97ポイントを獲得して目出度く1位になった
「しかし 何が良かったのかなぁー」
「それは 山ちゃんの腕でしょ」
「おう ニーナ・ニーナの商品が輝いていたぞ それだな
デコレーターは多少感性の違いはあるが みな同じ腕だ
山ちゃんの最終ジャッジと商品構成がばっちりだったんだ」
「倉さんのメインウインドーが良く目立つので
これは商品構成で やるっきゃないと思いましたよ」
「おう 筒井ちゃんも大喜びだっただろ」
「ええ いつもよりトーンが上がっていました」
みんなが大笑いしていると 早速デコレーション会社
スーパーデコの細川社長から電話が入った 由香里がでて
「課長 スーパーデコの細川社長からです」
「ああ ふとかわさんね わかった」
みんなが一斉にしーっと合図した 奥村も頭をかいて
「はい 奥村です」
「細川です おめでとうございます」
「ありがとうございます いつも力になって頂き はい」
「それで今回は 倉さんではなくて 山ちゃんだそうですね」
「ええ 本人もそれなりに頑張った様子です」
「また 祝賀会するんでしょ」
「はい 案内状が出来たら直ぐに FAXします はい」
「ええ 楽しみにしているわ お願いね」
「はい ありがとうございます はい」
奥村は電話を置くと ほっとした様子で席に戻った
「課長 まずいですよ ふとかわって
普段思っているから 出てしまうんですよ 聞こえたかも」
「そうですよ 男性ならまだしも 女性ですよ 失礼な」
スーパーデコ社長 細川恵子は独身で50歳
そのグラマスさは有名で『ふとかわさん』で通っている
肌着のサイズは国産では間に合わないで 外国製を使っていると
言われているくらい 凄いサイズの持ち主だ
以前 祝賀会で逃げる奥村が強引にキスをされてからは
絶対に「細川」と呼ばず『ふとかわ』と呼んでいる
「分かったよ みんな白い目で見るなよ 考えてくれよ
あのボディーでキスをされたんだぞ 人の気持ちも考えないで
そうだ あの「ふとかわ」さんが いいと思うのは手を挙げて」
奥村以外 全員手を挙げて由香里は
「あんなに優しい女性は居ないわよ なによ大きいからって」
「そうか でもな俺は どうしても駄目なんだよ」
「はいはい じゃ今回は隣に座ってもらいましょうね」
「由香里さん なんで いいじゃない 店長の隣で」
「市川さん 聞いた 隣でOKだからね 上座の席次は決定よ」
「はい 分かりました そのようにFAXします
絶対に細川社長喜びますよ 課長の大ファンですからね」
「ふーん 分かった ってことで はい解散」
奥村が課長席に戻ると直通電話が鳴った
ニーナ・ニーナの筒井からの電話で 9日10時会議の
出席依頼と会議概要を伝えられたが
「山ちゃんだけでも よろしいですか 僕の方は店長対応が
あったり 立ち上がりの日ですから」
筒井は事情を考慮して 神山一人の出席を了承した
「山ちゃん 筒井さんから 正式に出席要請があって
僕は出られないので 山ちゃん一人という事で 了承して貰った」
「はい ありがとうございます では木曜日は向こうに
直接行きますので こちらはお願いします」
「うん 分かった」
.
2010年9月27日月曜日
Vol.79 芽吹き -3-7
翔 市川君のサポートを頼んだぞ それから」
「はい 私でしょ 大丈夫よ 連絡先などは記録してあるから」
「ははは お願いします」
「課長 お願いですが 土日は外してくださいね」
「なんで」
「だって もうずっと休んでいないんですよ
それに夜遅くまで仕事をして 朝早くからFAXで起こされ
土日は休みますからね あっても来ません」
「おう 山ちゃんどうした そうかすっきりしたか」
「ははは すっきりしました もう 朝一番で 課長」
「分かったよ もう苛めるなよ 頼むよ
こっちこそ分かって欲しいよ 伝えたいのに
携帯電話は繋がらないし 何時に来るか って訳さ ごめん」
「まあ 課長 ありがとうございます でも土日はだめですよ」
「うん 分かった 業者さんで土日休みが半分くらいあるでしょ
そうすると 今度の月曜日がいいかな 何もないと思うよ」
奥村は自分の予定表を見てみると 店長や販促部長も
何も予定が入っていないので この日に決定とした
「市川君 早速地下に電話をして いつもの人数だから
大広間だ そこを押さえてくれ 頼んだよ」
「はい 分かりました」
市川は席を立つとホテル禅 日本料理 四季に電話をした
宴会担当と挨拶をして 本題を伝えると快く了承してくれた
「課長 OKです」
「うん ありがとう 翔 後は案内状など 市川君と進めてくれ」
「はい わかりました」
「杉田さん 昨年のが取ってあるわよ 後で持っていくわね」
「さすが ありがとうございます」
「課長 倉さんは」
「うん 2位だ しかしうちでワン・ツーなんて初めてですよね」
「おう 俺が1位の時 確か山ちゃんは僅差で3位だろ
あと 俺以外で 1位は居ないはずだけどな うーん 忘れた」
「僕も秘書課で確認したんですが 倉さん以外に居ないんですよ
そんな訳で 山ちゃん 本当におめでとう 店長も大喜びさ
それで 今日お昼はどう 一緒にいかない たまには」
「すみません お気持ちだけ頂ます お昼に現場で打ち合わせです」
「そうか 残念だな なんか寂しくなるな」
「おいおい 奥ちゃん 別に遠くに居るわけじゃないだろ
山ちゃんは今が一番大切な時期なんだよ 分かってあげろ」
「はい すんません がんばってな」
このコンテストは銀座1丁目から9丁目までの
ショーウインドーを持っている販売店なら業種関係なく参加できるが
ショーウインドーの床面積が5㎡以上あることと規定が有り
あと参加費を支払わなければいけない
コンテスト期間は2週間と決められていて 今年はバレンタインに
あわせて2月1日から14日の間と決められた
毎年参加してくる所は 百貨店や大きい会社が参加してくる
裏通りにある個人経営のブティックなどは 以前は参加していた所も
有ったが 不景気の影響か今は殆ど参加していない
昨年は倉元が久しぶりに一位を受賞したが 連続受賞は無理だった
しかし 倉元はいつも上位 特に3位以内に入っている実力者だ
ウインドーコンテストは参加しているウインドーに『1998
ウインドーコンテスト参加』と印刷されたステッカーを貼り
行き交う通行人や購買客に参加している事を表示する
気に入ったウインドーを選んでもらう市民参加型のコンテストなので
デコレーション技術だけではなく総合デザインが問われる
投票用紙や回収箱は各交通機関の駅や参加している店舗だけではなく
銀座のいたるところに置かれている
実際の順位決定は市民参加分が100票で0.01ポイント獲得で
参加した店舗ウインドーに各ポイントが割り振りされ仮順位が決まり
コンテスト実行委員会では最初この作業から始まる
実行委員会の投票人数は70名で持ち点1が与えられ
実行委員会理事は5名で3ポイントが持ち点になる
最終的に1位になるには 実行委員会でのポイント85ポイントと
市民参加分ポイントが加算されその時の過半数を
超えなければ一位にはなれない
今回市民参加分が108ポイント(108万人分)と
85ポイントを加算し193ポイントになり過半数97ポイントを
超えなければ1位になれない
順位決定投票は市民参加分で上位8位までが残る
そこから実行委員や理事が投票し過半数が出たら1位だが
過半数に達しない場合は下位2つのウインドーが消える
この時残った6つのウインドーに対して入賞が与えられる
.
「はい 私でしょ 大丈夫よ 連絡先などは記録してあるから」
「ははは お願いします」
「課長 お願いですが 土日は外してくださいね」
「なんで」
「だって もうずっと休んでいないんですよ
それに夜遅くまで仕事をして 朝早くからFAXで起こされ
土日は休みますからね あっても来ません」
「おう 山ちゃんどうした そうかすっきりしたか」
「ははは すっきりしました もう 朝一番で 課長」
「分かったよ もう苛めるなよ 頼むよ
こっちこそ分かって欲しいよ 伝えたいのに
携帯電話は繋がらないし 何時に来るか って訳さ ごめん」
「まあ 課長 ありがとうございます でも土日はだめですよ」
「うん 分かった 業者さんで土日休みが半分くらいあるでしょ
そうすると 今度の月曜日がいいかな 何もないと思うよ」
奥村は自分の予定表を見てみると 店長や販促部長も
何も予定が入っていないので この日に決定とした
「市川君 早速地下に電話をして いつもの人数だから
大広間だ そこを押さえてくれ 頼んだよ」
「はい 分かりました」
市川は席を立つとホテル禅 日本料理 四季に電話をした
宴会担当と挨拶をして 本題を伝えると快く了承してくれた
「課長 OKです」
「うん ありがとう 翔 後は案内状など 市川君と進めてくれ」
「はい わかりました」
「杉田さん 昨年のが取ってあるわよ 後で持っていくわね」
「さすが ありがとうございます」
「課長 倉さんは」
「うん 2位だ しかしうちでワン・ツーなんて初めてですよね」
「おう 俺が1位の時 確か山ちゃんは僅差で3位だろ
あと 俺以外で 1位は居ないはずだけどな うーん 忘れた」
「僕も秘書課で確認したんですが 倉さん以外に居ないんですよ
そんな訳で 山ちゃん 本当におめでとう 店長も大喜びさ
それで 今日お昼はどう 一緒にいかない たまには」
「すみません お気持ちだけ頂ます お昼に現場で打ち合わせです」
「そうか 残念だな なんか寂しくなるな」
「おいおい 奥ちゃん 別に遠くに居るわけじゃないだろ
山ちゃんは今が一番大切な時期なんだよ 分かってあげろ」
「はい すんません がんばってな」
このコンテストは銀座1丁目から9丁目までの
ショーウインドーを持っている販売店なら業種関係なく参加できるが
ショーウインドーの床面積が5㎡以上あることと規定が有り
あと参加費を支払わなければいけない
コンテスト期間は2週間と決められていて 今年はバレンタインに
あわせて2月1日から14日の間と決められた
毎年参加してくる所は 百貨店や大きい会社が参加してくる
裏通りにある個人経営のブティックなどは 以前は参加していた所も
有ったが 不景気の影響か今は殆ど参加していない
昨年は倉元が久しぶりに一位を受賞したが 連続受賞は無理だった
しかし 倉元はいつも上位 特に3位以内に入っている実力者だ
ウインドーコンテストは参加しているウインドーに『1998
ウインドーコンテスト参加』と印刷されたステッカーを貼り
行き交う通行人や購買客に参加している事を表示する
気に入ったウインドーを選んでもらう市民参加型のコンテストなので
デコレーション技術だけではなく総合デザインが問われる
投票用紙や回収箱は各交通機関の駅や参加している店舗だけではなく
銀座のいたるところに置かれている
実際の順位決定は市民参加分が100票で0.01ポイント獲得で
参加した店舗ウインドーに各ポイントが割り振りされ仮順位が決まり
コンテスト実行委員会では最初この作業から始まる
実行委員会の投票人数は70名で持ち点1が与えられ
実行委員会理事は5名で3ポイントが持ち点になる
最終的に1位になるには 実行委員会でのポイント85ポイントと
市民参加分ポイントが加算されその時の過半数を
超えなければ一位にはなれない
今回市民参加分が108ポイント(108万人分)と
85ポイントを加算し193ポイントになり過半数97ポイントを
超えなければ1位になれない
順位決定投票は市民参加分で上位8位までが残る
そこから実行委員や理事が投票し過半数が出たら1位だが
過半数に達しない場合は下位2つのウインドーが消える
この時残った6つのウインドーに対して入賞が与えられる
.
2010年9月26日日曜日
Vol.78 芽吹き -3-7
銀座店催事課
「由香里さん コーヒーください」
「どうしたんですか さきっから」
課長の奥村は神山が出勤してこないのでイライラしていた
5分毎に時計を見ては ため息をしていた
「倉さん 山ちゃんから連絡ありませんか?」
「おう 無いぞ 携帯にかければいいじゃないか」
「携帯が繋がらないんですよ」
「おう まだ10時だぞ なにおそんなに焦っているんだ」
「ええ それは本人が来てから はい 遅いなー」
暫くすると ラフなカジュアルファッションで神山が出勤すると
「山ちゃん 遅いじゃないか もう どうして携帯が
繋がらないんだ 繋がるようにしてくれ」
「課長 おはようございます お言葉ですが
地下は繋がらないんですよ 僕の携帯は まったく朝から」
「おう 山ちゃん おはようさん」
「倉さん おはようございます なんですかいきなり ねぇ」
「おう 課長さんは 山ちゃんを来るのを待っていたよ」
「へぇー それで朝一番から 携帯のいちゃもんですか もう
気分悪いですよね 由香里さん コーヒーください」
「そうよね まったく 酷いわよ」
奥村は少し言い過ぎたと思い
「山ちゃん いや神山部長 大変失礼しました
で ちょっとみんな集まってくれ」
課長が男らしく神山に謝罪したので テーブルに集まると
「実は えー 僕がイライラしたのも 報告をさせて頂くからです」
「おう 分かったよ 山ちゃんが又 なにかしたのか」
奥村は メモをとったノートを読み上げた
「内示がありました 2月に行われた 銀座バレンタインディー
ウインドーコンテストで 見事 神山部長が最優秀賞を
受賞されました 神山部長おめでとうございます」
「えっ 僕が最優秀賞、、、ほんとですか 嫌ですよ
やっぱりあれは 間違いだったなんて」
「山ちゃん 大丈夫だよ ほら9日に銀座会があるだろ
その会議内容が 昨日届いて秘書課が確認したところ
間違いなく うちの山ちゃんだ だからおめでとう」
「おう 山ちゃん 凄いな おめでとう」
「先輩 おめでとうございます 凄いですね」
「神山部長 おめでとうございます よかったわね」
「うん ありがとう」
「やあ おめでとう 同期として嬉しいよ」
「ははは 大ちゃん ありがとう」
みんなが喜んでいるとニーナ・ニーナから電話が入った
「はい 神山です」
「筒井です 最優秀賞 おめでとう よかったね
あそこで我が社の商品を見せてくれたんだよね 嬉しいよ」
「ニーナ・ニーナの商品が良かったからですよ」
「よかった そうそう スケールモデルとか
色々とありがとう 僕も嬉しいよ がんばってね」
「はい ありがとうございます」
「そうそう あと1件 9日木曜日朝10時にNN青山本社ビルに
来てください アルタの佐藤部長にも来ていただきます
奥村課長には 後で連絡します お願いします」
「はい 分かりました 伺います」
神山は電話を切ると奥村課長に
「課長 筒井さんからですが 9日の10時に青山の
NN本社ビルに来てくださいと言われ 佐藤部長も
呼ばれるそうです 課長には後で電話すると言っていました」
「うん 分かった 立ち上がりは大丈夫だよな」
「もう 翔が居ますから 大丈夫ですよ なあ翔」
「はい そうそうFAX頂きました ありがとうございます」
「うん あれを見ながら 説明するよ」
「ええ 良く書かれているので 感心してみていました」
「ははは 見ているだけじゃなくて 覚えてくれよ」
みんなが大笑いしていると奥村が倉元に
「倉さん どうでしょうか このコンテストと部長昇進の
祝賀会は地下で行いませんか 大々的に」
「おう そうだな 俺が昨年貰った時も地下でしたしな
いいんじゃないか 店長も喜ぶよ そうしよう」
「はい わかりました なあ市川君 段取りをしてくれ
忙しいのは分かるが 同期の祝賀会だ それと
.
「由香里さん コーヒーください」
「どうしたんですか さきっから」
課長の奥村は神山が出勤してこないのでイライラしていた
5分毎に時計を見ては ため息をしていた
「倉さん 山ちゃんから連絡ありませんか?」
「おう 無いぞ 携帯にかければいいじゃないか」
「携帯が繋がらないんですよ」
「おう まだ10時だぞ なにおそんなに焦っているんだ」
「ええ それは本人が来てから はい 遅いなー」
暫くすると ラフなカジュアルファッションで神山が出勤すると
「山ちゃん 遅いじゃないか もう どうして携帯が
繋がらないんだ 繋がるようにしてくれ」
「課長 おはようございます お言葉ですが
地下は繋がらないんですよ 僕の携帯は まったく朝から」
「おう 山ちゃん おはようさん」
「倉さん おはようございます なんですかいきなり ねぇ」
「おう 課長さんは 山ちゃんを来るのを待っていたよ」
「へぇー それで朝一番から 携帯のいちゃもんですか もう
気分悪いですよね 由香里さん コーヒーください」
「そうよね まったく 酷いわよ」
奥村は少し言い過ぎたと思い
「山ちゃん いや神山部長 大変失礼しました
で ちょっとみんな集まってくれ」
課長が男らしく神山に謝罪したので テーブルに集まると
「実は えー 僕がイライラしたのも 報告をさせて頂くからです」
「おう 分かったよ 山ちゃんが又 なにかしたのか」
奥村は メモをとったノートを読み上げた
「内示がありました 2月に行われた 銀座バレンタインディー
ウインドーコンテストで 見事 神山部長が最優秀賞を
受賞されました 神山部長おめでとうございます」
「えっ 僕が最優秀賞、、、ほんとですか 嫌ですよ
やっぱりあれは 間違いだったなんて」
「山ちゃん 大丈夫だよ ほら9日に銀座会があるだろ
その会議内容が 昨日届いて秘書課が確認したところ
間違いなく うちの山ちゃんだ だからおめでとう」
「おう 山ちゃん 凄いな おめでとう」
「先輩 おめでとうございます 凄いですね」
「神山部長 おめでとうございます よかったわね」
「うん ありがとう」
「やあ おめでとう 同期として嬉しいよ」
「ははは 大ちゃん ありがとう」
みんなが喜んでいるとニーナ・ニーナから電話が入った
「はい 神山です」
「筒井です 最優秀賞 おめでとう よかったね
あそこで我が社の商品を見せてくれたんだよね 嬉しいよ」
「ニーナ・ニーナの商品が良かったからですよ」
「よかった そうそう スケールモデルとか
色々とありがとう 僕も嬉しいよ がんばってね」
「はい ありがとうございます」
「そうそう あと1件 9日木曜日朝10時にNN青山本社ビルに
来てください アルタの佐藤部長にも来ていただきます
奥村課長には 後で連絡します お願いします」
「はい 分かりました 伺います」
神山は電話を切ると奥村課長に
「課長 筒井さんからですが 9日の10時に青山の
NN本社ビルに来てくださいと言われ 佐藤部長も
呼ばれるそうです 課長には後で電話すると言っていました」
「うん 分かった 立ち上がりは大丈夫だよな」
「もう 翔が居ますから 大丈夫ですよ なあ翔」
「はい そうそうFAX頂きました ありがとうございます」
「うん あれを見ながら 説明するよ」
「ええ 良く書かれているので 感心してみていました」
「ははは 見ているだけじゃなくて 覚えてくれよ」
みんなが大笑いしていると奥村が倉元に
「倉さん どうでしょうか このコンテストと部長昇進の
祝賀会は地下で行いませんか 大々的に」
「おう そうだな 俺が昨年貰った時も地下でしたしな
いいんじゃないか 店長も喜ぶよ そうしよう」
「はい わかりました なあ市川君 段取りをしてくれ
忙しいのは分かるが 同期の祝賀会だ それと
.
2010年9月25日土曜日
Vol.77 芽吹き -2-6
「はい ここまでよ」
「なんで ほらこんなに大きくなった」
神山はガウンの真ん中が盛り上がっているのを見せると
「だめよ 忙しないとゆっくりと楽しめないでしょ もう」
神山はガウンの合わせを開くと 肉棒がぴょんと出てきた
「どうしてパンツ穿かないの?」
「えっ 無かったよ」
「また そんな」
祥子は慌ててバスルームに行くと パンツは乱れ箱に落ちていて
「ごめんなさい 下の箱に落ちていました」
祥子はそう言うと パンツを穿かせ肉棒へはちょことキスをし
「あとは自分であげてね」
「もう でも今夜に楽しみを取っておくよ」
祥子は笑顔で答えると 食器類をさげて支度を始めた
女性の着替えるところを じっくりと観察したかったが やめて
食器類を洗って 籠に入れ水切りをした
「ありがとうございます 助かるわ 貴方の支度は」
「あっ そうだ 直ぐにするから待っていて 忘れていたよ」
神山はガウンを脱いで パンツ一枚で自分の部屋に戻った
慌てて催事課に行かなくても良かったが 祥子の誘いなので
せめて駅までも一緒にいこうと支度をした
神山はドアフォンのところで
「支度できたよ」
「はーい」
そういうとドアが開き 神山はびっくりした
「あー 驚いた 心臓に悪いよ ははは」
二人は手をつないでエレベーターを待っていると祥子が
突然キスをしてきて
「まず お昼でしょ それから夜でしょ 絶対だからね」
「うん 大丈夫だよ」
話していると箱が上がってきて 1Fに降りた
エントランスルームは 朝日が燦々と差込気持ちよかった
外に出ると祥子は神山の腕を両手で絡め 豊満なバストを
押し付ける格好で歩いた
神山はこのまま祥子と一緒に生活してもいいかなと思ったが
果たして 子供が居る事だし 下手に告白しないでおこうと思った
代々木上原の駅に着くと 神山は
「僕は また事務所に戻るよ」
「えっ 戻るの」
「うん 連絡待ちが一件ある ごめんね」
「もう」
そういうと人目を憚らずにキスをした
「ねえ みんな見ているよ」
「いいじゃない 見たい人には見せておけば」
そういうと又 キスをしてきた 今度は少し長かった
「さあ 行ってらっしゃい」
「はーい じゃ1時に」
「うん」
祥子は改札口へ向かう人ごみの中に消えていった
神山は構内のATMを利用して150万円を入金した
通帳を見ると残高は殆どゼロに近い状態から150万という
桁違いの数字が打刻され 自身驚いた
神山は離婚した時の約束で 子供たちが成人するまで
仕送りをする約束を交わした 思うように仕送りが出来ず
給料日の前日に残っている金額を送金してきた
だから神山の通帳は一向に増えず 毎月ゼロ円に近い数字だった
しかしこのお金は 今後の事もあるので 貯金に回し
5月に出る 賞与を全額振り込めばいいと思った
部屋に戻るとアルタの高橋からFAXが届いていて
スケールモデルは今日12時に現場に持っていくと書かれていた
神山は高橋に電話をすると
「おはようさん」
「やあ山ちゃん おやようさん」
「FAX見たよ ちょっと駅まで行っていたんだ
それで 1時にニーナ・ニーナの久保さんが現場に来るんだよ」
「じゃ 丁度よかったね」
「何時までかかったの?」
「うん 製作部は3時頃って言っていた」
「ありがとう そうしたら どうしようか」
「山ちゃんはどうなの?」
「うん 午前中 催事課に顔だして お昼は上原で 夕方から
夜は銀座で まあこんな感じ」
「そうしたら 1時に現場で待っていますよ」
「うん それで駅前寿司を1時で予約を入れておこうか」
「あっ それはこっちでやります 大丈夫ですよ」
「うん 分かりました お願いします」
「そうそう 先ほど解体屋から電話があって 早急に天井を
解体するって 連絡がありました」
「よかっったね」
「うん 連絡をしなかったら 1ヶ月は無理ですよって言われた」
「えっ まさか でも横浜が忙しいから よかったね」
「日にちが決まったら連絡します」
「お願いします じゃ1時に現場」
神山は電話を切ると テーブルに大きな図面を広げ
落ち度が無いか 何回も確認した
.
「なんで ほらこんなに大きくなった」
神山はガウンの真ん中が盛り上がっているのを見せると
「だめよ 忙しないとゆっくりと楽しめないでしょ もう」
神山はガウンの合わせを開くと 肉棒がぴょんと出てきた
「どうしてパンツ穿かないの?」
「えっ 無かったよ」
「また そんな」
祥子は慌ててバスルームに行くと パンツは乱れ箱に落ちていて
「ごめんなさい 下の箱に落ちていました」
祥子はそう言うと パンツを穿かせ肉棒へはちょことキスをし
「あとは自分であげてね」
「もう でも今夜に楽しみを取っておくよ」
祥子は笑顔で答えると 食器類をさげて支度を始めた
女性の着替えるところを じっくりと観察したかったが やめて
食器類を洗って 籠に入れ水切りをした
「ありがとうございます 助かるわ 貴方の支度は」
「あっ そうだ 直ぐにするから待っていて 忘れていたよ」
神山はガウンを脱いで パンツ一枚で自分の部屋に戻った
慌てて催事課に行かなくても良かったが 祥子の誘いなので
せめて駅までも一緒にいこうと支度をした
神山はドアフォンのところで
「支度できたよ」
「はーい」
そういうとドアが開き 神山はびっくりした
「あー 驚いた 心臓に悪いよ ははは」
二人は手をつないでエレベーターを待っていると祥子が
突然キスをしてきて
「まず お昼でしょ それから夜でしょ 絶対だからね」
「うん 大丈夫だよ」
話していると箱が上がってきて 1Fに降りた
エントランスルームは 朝日が燦々と差込気持ちよかった
外に出ると祥子は神山の腕を両手で絡め 豊満なバストを
押し付ける格好で歩いた
神山はこのまま祥子と一緒に生活してもいいかなと思ったが
果たして 子供が居る事だし 下手に告白しないでおこうと思った
代々木上原の駅に着くと 神山は
「僕は また事務所に戻るよ」
「えっ 戻るの」
「うん 連絡待ちが一件ある ごめんね」
「もう」
そういうと人目を憚らずにキスをした
「ねえ みんな見ているよ」
「いいじゃない 見たい人には見せておけば」
そういうと又 キスをしてきた 今度は少し長かった
「さあ 行ってらっしゃい」
「はーい じゃ1時に」
「うん」
祥子は改札口へ向かう人ごみの中に消えていった
神山は構内のATMを利用して150万円を入金した
通帳を見ると残高は殆どゼロに近い状態から150万という
桁違いの数字が打刻され 自身驚いた
神山は離婚した時の約束で 子供たちが成人するまで
仕送りをする約束を交わした 思うように仕送りが出来ず
給料日の前日に残っている金額を送金してきた
だから神山の通帳は一向に増えず 毎月ゼロ円に近い数字だった
しかしこのお金は 今後の事もあるので 貯金に回し
5月に出る 賞与を全額振り込めばいいと思った
部屋に戻るとアルタの高橋からFAXが届いていて
スケールモデルは今日12時に現場に持っていくと書かれていた
神山は高橋に電話をすると
「おはようさん」
「やあ山ちゃん おやようさん」
「FAX見たよ ちょっと駅まで行っていたんだ
それで 1時にニーナ・ニーナの久保さんが現場に来るんだよ」
「じゃ 丁度よかったね」
「何時までかかったの?」
「うん 製作部は3時頃って言っていた」
「ありがとう そうしたら どうしようか」
「山ちゃんはどうなの?」
「うん 午前中 催事課に顔だして お昼は上原で 夕方から
夜は銀座で まあこんな感じ」
「そうしたら 1時に現場で待っていますよ」
「うん それで駅前寿司を1時で予約を入れておこうか」
「あっ それはこっちでやります 大丈夫ですよ」
「うん 分かりました お願いします」
「そうそう 先ほど解体屋から電話があって 早急に天井を
解体するって 連絡がありました」
「よかっったね」
「うん 連絡をしなかったら 1ヶ月は無理ですよって言われた」
「えっ まさか でも横浜が忙しいから よかったね」
「日にちが決まったら連絡します」
「お願いします じゃ1時に現場」
神山は電話を切ると テーブルに大きな図面を広げ
落ち度が無いか 何回も確認した
.
2010年9月24日金曜日
Vol.76 芽吹き -2-6
4月7日 火曜日 晴天
「あなた 起きてください」
神山は何事かと思い起きると 玄関で祥子がドアフォンを使って
お越しに来てくれていた
「やあ おはよう」
「もう 携帯に電話しても出ないし 仕方ないから来たわ」
「ごめんごめん 遅くまで起きていたから ついつい」
「良かったわ 起きてくれて さあ そのまま来て
私の部屋で シャワーを浴びたらいいわ」
「うん そうするよ そうだ祥子さんのところにビールはある?」
「うん 大丈夫よ」
「ちょっとまって カードを忘れると大変だ」
神山は部屋のキーカードを持って祥子の部屋に移った
キッチンからは 焼き魚の匂いが香ばしかった
「わぁ いい匂いだ お腹が空いてきたよ」
「ほんと 嬉しいわ じゃ早くシャワーを浴びてきて
着替えはバスルームに置いてあります」
「うん」
神山は熱いシャワーの湯で体を引き締めると 髪の毛や
体を丁寧に洗い流した
バスタオルで体を良く拭いて 棚にはバスローブが準備され
それを羽織 部屋の戻ると祥子が
「さっぱりしたでしょ さあ腰掛けて」
朝のキスを交わすと 着席をうながした
祥子は冷蔵庫からビールを取り出し 二人のグラスに注ぎ
「じゃ 今日一日頑張りましょう」
「うん ありがとう がんばりましょう 頂きます」
神山は早速干物を口にしたが 丁度いい焼き加減で美味しかった
「祥子さん 美味しいよ 嬉しくなるな」
「ねえ その祥子さんは止めて 祥子でいいわよ」
「うん 分かった」
神山はビールを呑みほすと祥子はもう1本出して
「大丈夫でしょ」
「うん 頂きます」
祥子はビールを二人のグラスに注ぎ呑んだ
「あー美味しいわね 朝からビールって」
「はは 強いんだね」
「ううん その日の気分よ 今日は天気もいいし 気分も最高」
「なるほど それでビールを呑んでも大丈夫なんだね」
「ふふふ 食前酒ってところですね」
神山は目玉焼きを食べたが 黄卵が甘くて味が濃厚だった
「祥子さん この目玉焼き 美味しいね」
「ほんと 嬉しいわ これは名古屋コーチンの玉子なのよ
褒めてもらって嬉しいわ よかった」
「そうすると 新幹線で持ってきたの?これを」
「ええそうよ パッキンして持ってきたの」
「はぁー 貴重な玉子なんだ 味わって頂きます」
神山は祥子が作ったという煮物も頂いたが美味しかった
朝ごはんが終わると タバコが吸いたくなり 祥子に
「ねえ 祥子さん タバコを1本恵んでください」
祥子はニコニコして 棚からスモールシガーを取り出し
神山に手渡すと
「では ちょっと外で吸って来ます」
「いいわよ ここでも」
「でも いいよ」
神山は東向きのテラスに出ると 朝日を浴びて気持ちよかった
新宿方面を見ていると 自分はのんびりとこうやって
ある部分束縛されない仕事をさせて貰い ありがたいと思った
今 この時間はサラリーマンにしては 会社へ行く戦いが
始まっている時間だ 今日一日の作戦を練ったり ミスの
穴埋めをどうするか考えたり 満員電車のなかから始まっている
「どうしたの 呼んでいるのに」
「ごめんごめん ちょっと考え事をしていたのさ」
「気持ちいいわね ここで吸うのも」
見てみると祥子もスモールシガーをふかしていた
「さあ 支度をしようよ 祥子さん」
「ねえ 祥子さん じゃなくて 祥子だって言っているでしょ」
「ははは そうだね ごめんごめん 祥子 支度をしようよ」
祥子はニコニコしながらシガーを灰皿に捨てると部屋に入って
神山に抱きつくと 熱いキスを交わした
.
「あなた 起きてください」
神山は何事かと思い起きると 玄関で祥子がドアフォンを使って
お越しに来てくれていた
「やあ おはよう」
「もう 携帯に電話しても出ないし 仕方ないから来たわ」
「ごめんごめん 遅くまで起きていたから ついつい」
「良かったわ 起きてくれて さあ そのまま来て
私の部屋で シャワーを浴びたらいいわ」
「うん そうするよ そうだ祥子さんのところにビールはある?」
「うん 大丈夫よ」
「ちょっとまって カードを忘れると大変だ」
神山は部屋のキーカードを持って祥子の部屋に移った
キッチンからは 焼き魚の匂いが香ばしかった
「わぁ いい匂いだ お腹が空いてきたよ」
「ほんと 嬉しいわ じゃ早くシャワーを浴びてきて
着替えはバスルームに置いてあります」
「うん」
神山は熱いシャワーの湯で体を引き締めると 髪の毛や
体を丁寧に洗い流した
バスタオルで体を良く拭いて 棚にはバスローブが準備され
それを羽織 部屋の戻ると祥子が
「さっぱりしたでしょ さあ腰掛けて」
朝のキスを交わすと 着席をうながした
祥子は冷蔵庫からビールを取り出し 二人のグラスに注ぎ
「じゃ 今日一日頑張りましょう」
「うん ありがとう がんばりましょう 頂きます」
神山は早速干物を口にしたが 丁度いい焼き加減で美味しかった
「祥子さん 美味しいよ 嬉しくなるな」
「ねえ その祥子さんは止めて 祥子でいいわよ」
「うん 分かった」
神山はビールを呑みほすと祥子はもう1本出して
「大丈夫でしょ」
「うん 頂きます」
祥子はビールを二人のグラスに注ぎ呑んだ
「あー美味しいわね 朝からビールって」
「はは 強いんだね」
「ううん その日の気分よ 今日は天気もいいし 気分も最高」
「なるほど それでビールを呑んでも大丈夫なんだね」
「ふふふ 食前酒ってところですね」
神山は目玉焼きを食べたが 黄卵が甘くて味が濃厚だった
「祥子さん この目玉焼き 美味しいね」
「ほんと 嬉しいわ これは名古屋コーチンの玉子なのよ
褒めてもらって嬉しいわ よかった」
「そうすると 新幹線で持ってきたの?これを」
「ええそうよ パッキンして持ってきたの」
「はぁー 貴重な玉子なんだ 味わって頂きます」
神山は祥子が作ったという煮物も頂いたが美味しかった
朝ごはんが終わると タバコが吸いたくなり 祥子に
「ねえ 祥子さん タバコを1本恵んでください」
祥子はニコニコして 棚からスモールシガーを取り出し
神山に手渡すと
「では ちょっと外で吸って来ます」
「いいわよ ここでも」
「でも いいよ」
神山は東向きのテラスに出ると 朝日を浴びて気持ちよかった
新宿方面を見ていると 自分はのんびりとこうやって
ある部分束縛されない仕事をさせて貰い ありがたいと思った
今 この時間はサラリーマンにしては 会社へ行く戦いが
始まっている時間だ 今日一日の作戦を練ったり ミスの
穴埋めをどうするか考えたり 満員電車のなかから始まっている
「どうしたの 呼んでいるのに」
「ごめんごめん ちょっと考え事をしていたのさ」
「気持ちいいわね ここで吸うのも」
見てみると祥子もスモールシガーをふかしていた
「さあ 支度をしようよ 祥子さん」
「ねえ 祥子さん じゃなくて 祥子だって言っているでしょ」
「ははは そうだね ごめんごめん 祥子 支度をしようよ」
祥子はニコニコしながらシガーを灰皿に捨てると部屋に入って
神山に抱きつくと 熱いキスを交わした
.
2010年9月23日木曜日
Vol.75 芽吹き -2-6
「よかったね 明日モデルが出来るって 喜んでいたよ」
「わぁー ほんと 嬉しいわ ありがと」
「うん やっぱり壁を固定しないとふらふらするでしょ
それが大変なんですよ なので最初に決めて貰うと助かる」
「そうか 固定していないと どうするの」
「うん 例えば 上にテグスを張ってそこにぶる下げるとか
どちらにしても 格好は悪いし 参考にならないんだよ」
「うんうん 分かる じゃ私 スピードアップに貢献したのね」
「そうだよ ありがとう」
「じゃ赤ワインを呑みましょうか ちょっと待ってね」
祥子はそういうと棚から ワイングラスを取り出し
「はい お願い」
今度は冷蔵庫の野菜室から赤ワインを取り出した
「ねえ コルク抜くのやってぇー」
神山はコルク栓抜きを上手にねじ込むと ゆっくりと引き上げ
ポンと音を出し 綺麗にコルクが抜けた
神山はワイングラスにワインを注ぎいれると 祥子に渡し
「じゃ 改めて乾杯」
「ありがと これからも教えてね 嬉しいな」
暫く食べたり呑んだりした後に神山が
「ねえ 今日ね林さんが 僕を訪ねてきたんだよ 驚きさ」
「えっ 貴方のところへ」
「うん だから何も知らぬ存ぜぬで通したよ ドキドキしたよ」
「うーん そうですか ごめんなさい」
「いや 別に気にしていないよ はっきり言ってよそ様の
人事に僕がどうのこうの言える立場ではないからね」
「そうよね でも今日も 夕方に林さんから電話があって
辞めたいという内容だったの 困ったわね」
「僕は筒井さんを信じているよ 大丈夫だよ 任せておけば」
「ほんと 大丈夫かしら」
「信用してあげないと 筒井さん可哀想だよ」
「そうね わかったわ ごめんなさい」
祥子はいつもの明るい笑顔に戻り フォークをすすめ
「ねえ 明日のお昼はどうされるんですか」
「うん たぶん現場だと思うよ お昼一緒にしようか」
「ええ 私も書類を届けるところがあって 上原に来るんですよ
そうしたら1時でいいかしら?」
「うん じゃ1時に現場で集合だね 居なかったら駅前寿司」
「わはっ また駅前寿司 大丈夫?」
「いいじゃん あそこの鮮魚は格別美味しいよ 安いし」
「はーい なにかあったら携帯電話ねっ」
「うん お願いします」
楽しいひと時を過ごし ダイニングテーブルで寛いでいると神山が
「ねえ 祥子さん 僕は仕事があるので 向こうの部屋に戻るよ」
「えっー 戻っちゃうのー 寂しいな」
「うん でもやらなければいけないことが沢山あって」
「分かったわ 明日の夜は絶対に お泊りしてね」
「うん 一応銀座の作業を確認して戻ってくるよ」
「わぁー お願いよ だったら邪魔しないから貴方の部屋に居ていい?」
「うん 来てもいいけれど なにもないし つまらないよ
また明日にでも部屋の中は 見せるよ だから我慢して」
「うん じゃ おやすみなさい」
「明日 朝ごはんを一緒に食べたいな」
「うん いいよ 起こしてあげるね」
「よっかたぁー 助かるよ 美味しいし 祥子の顔は見ていたれるし」
「じゃあ いってもいい?」
「ははは 祥子の顔を見ていたら 仕事にならないじゃないか」
「ふふふ そうね ごめんなさい」
神山と祥子は抱き合って キスをすると祥子が
「はい そこまで ねっ お仕事でしょ」
「うん じゃ ゆっくり寝てね 明日もハードだよ」
「はーい おやすみなさい」
神山は祥子の部屋を出ると 自分の部屋で貯まっている仕事をし
翔がこれから担当するであろう 仕事の整理を始めた
資料が無い為 思い出しながらポイントをパソコンで入力して
プリントアウトした 出来ればメールで送りたかったが
簡単なイラストや注釈を 記入するところが無くなり
プリントアウトした用紙に記入をし FAX送信する事にした
神山は時計を見ると25時を回っていたが構わずFAXをした
冷蔵庫から缶ビールを取り出し グラスに注ぎ呑んだ
テラスに出てみると 涼しい風が気持ちよく タバコをふかし
遠くの山を眺めていた
.
「わぁー ほんと 嬉しいわ ありがと」
「うん やっぱり壁を固定しないとふらふらするでしょ
それが大変なんですよ なので最初に決めて貰うと助かる」
「そうか 固定していないと どうするの」
「うん 例えば 上にテグスを張ってそこにぶる下げるとか
どちらにしても 格好は悪いし 参考にならないんだよ」
「うんうん 分かる じゃ私 スピードアップに貢献したのね」
「そうだよ ありがとう」
「じゃ赤ワインを呑みましょうか ちょっと待ってね」
祥子はそういうと棚から ワイングラスを取り出し
「はい お願い」
今度は冷蔵庫の野菜室から赤ワインを取り出した
「ねえ コルク抜くのやってぇー」
神山はコルク栓抜きを上手にねじ込むと ゆっくりと引き上げ
ポンと音を出し 綺麗にコルクが抜けた
神山はワイングラスにワインを注ぎいれると 祥子に渡し
「じゃ 改めて乾杯」
「ありがと これからも教えてね 嬉しいな」
暫く食べたり呑んだりした後に神山が
「ねえ 今日ね林さんが 僕を訪ねてきたんだよ 驚きさ」
「えっ 貴方のところへ」
「うん だから何も知らぬ存ぜぬで通したよ ドキドキしたよ」
「うーん そうですか ごめんなさい」
「いや 別に気にしていないよ はっきり言ってよそ様の
人事に僕がどうのこうの言える立場ではないからね」
「そうよね でも今日も 夕方に林さんから電話があって
辞めたいという内容だったの 困ったわね」
「僕は筒井さんを信じているよ 大丈夫だよ 任せておけば」
「ほんと 大丈夫かしら」
「信用してあげないと 筒井さん可哀想だよ」
「そうね わかったわ ごめんなさい」
祥子はいつもの明るい笑顔に戻り フォークをすすめ
「ねえ 明日のお昼はどうされるんですか」
「うん たぶん現場だと思うよ お昼一緒にしようか」
「ええ 私も書類を届けるところがあって 上原に来るんですよ
そうしたら1時でいいかしら?」
「うん じゃ1時に現場で集合だね 居なかったら駅前寿司」
「わはっ また駅前寿司 大丈夫?」
「いいじゃん あそこの鮮魚は格別美味しいよ 安いし」
「はーい なにかあったら携帯電話ねっ」
「うん お願いします」
楽しいひと時を過ごし ダイニングテーブルで寛いでいると神山が
「ねえ 祥子さん 僕は仕事があるので 向こうの部屋に戻るよ」
「えっー 戻っちゃうのー 寂しいな」
「うん でもやらなければいけないことが沢山あって」
「分かったわ 明日の夜は絶対に お泊りしてね」
「うん 一応銀座の作業を確認して戻ってくるよ」
「わぁー お願いよ だったら邪魔しないから貴方の部屋に居ていい?」
「うん 来てもいいけれど なにもないし つまらないよ
また明日にでも部屋の中は 見せるよ だから我慢して」
「うん じゃ おやすみなさい」
「明日 朝ごはんを一緒に食べたいな」
「うん いいよ 起こしてあげるね」
「よっかたぁー 助かるよ 美味しいし 祥子の顔は見ていたれるし」
「じゃあ いってもいい?」
「ははは 祥子の顔を見ていたら 仕事にならないじゃないか」
「ふふふ そうね ごめんなさい」
神山と祥子は抱き合って キスをすると祥子が
「はい そこまで ねっ お仕事でしょ」
「うん じゃ ゆっくり寝てね 明日もハードだよ」
「はーい おやすみなさい」
神山は祥子の部屋を出ると 自分の部屋で貯まっている仕事をし
翔がこれから担当するであろう 仕事の整理を始めた
資料が無い為 思い出しながらポイントをパソコンで入力して
プリントアウトした 出来ればメールで送りたかったが
簡単なイラストや注釈を 記入するところが無くなり
プリントアウトした用紙に記入をし FAX送信する事にした
神山は時計を見ると25時を回っていたが構わずFAXをした
冷蔵庫から缶ビールを取り出し グラスに注ぎ呑んだ
テラスに出てみると 涼しい風が気持ちよく タバコをふかし
遠くの山を眺めていた
.
2010年9月22日水曜日
Vol.74 芽吹き -2-6
「うん モデルが早く欲しいな」
「ええ 頑張ります それでは」
「じゃ」
高橋は駅構内に消えてゆき 神山はマンションに歩いていった
神山はマンションに帰ると シャワーを浴びて体をすっきりさせ
30分ほど寝る事にした
タイマーを19時に合わせ ベッドに横になった
目覚ましのけたたましい音で目が覚めると 部屋着に着替え
缶ビールを呑みながら 催事課の仕事を精力的にこなした
20時少し前に 携帯電話がなり出てみると
「祥子です ごめんなさい 遅くなって」
「うん 大丈夫だよ」
「今 会社を出ました」
「わかった 注文するのはピザだけでいいのかな?」
「任せるわ お願いします」
電話を切るとピザ屋に電話をして 住所を告げると30分かかると
いわれ 承諾して持ってきて貰うことにした
「こんばんわ」
「やあ お帰りなさい まだピザが来ていないんだ」
「はーい 来たら教えて 取りにくるわ 私の部屋でいいでしょ」
「うん じゃ準備しておいて」
祥子は部屋に帰ってくると 大急ぎで着替え神山の部屋で話した
「しかし ほんと事務所ね」
「ああ 大きなテーブルにパソコンに大きなFAX 事務所だよ」
「そうしたら お願いね 教えて」
祥子は神山に軽くキスをして 自分の部屋に戻っていった
神山は仕事に集中したので 催事課の仕事が結構進んだ
ピザが配達されると 祥子の部屋に運び 予め用意された
お皿に盛り付けを済ませると 冷蔵庫から缶ビールを取り出し
二人のグラスに注ぎ
「お待たせしました かんぱーい」
「うん 乾杯」
祥子はフォークとナイフでピザを切り分けると
神山の取り皿に乗せた
「はい どうぞ」
「ありがとう」
さらに祥子はサラダも取り皿に盛り付けると
「はい サラダも食べてね」
「うん ありがとう さあ 食べようよ」
祥子は自分の分を取ると一口食べて
「あー 美味しい お腹ぺこぺこよ」
「お昼から何も食べなかったの」
「ええ ほらバックヤードの容量を計算したりで おやつも
食べる時間が無かったの でも大体計算できたわ」
「凄いね で 図面に書いてある通りで 大丈夫なのかな」
「ええ 大丈夫だった でも 結果論でしょ
私 計算して 良かったと思う」
「良かった そうすると基本的なところは OKだね
どうしてかというと あの場所で5cmとか10cm動かすのは
什器の寸法まで影響して来るんだよ」
「へぇー それで大体の奥行きを決めて 後は微調整なの」
「そうなんだ 最初から5cm単位のレイアウトをしていると
二度手間 三度手間になってしまい なかなか前に進まないんだ」
「うんうん 分かるわ」
「そうか ちょっと失礼 アルタがモデルを作っているから
今のうちに教えてあげれば 固定できるでしょ
連絡してくるよ ちょっと待っていてね」
神山は自分の部屋に戻るとアルタの高橋に電話をした
「考ちゃん ごめんね 大丈夫かな」
「ええ 大丈夫ですよ」
「今ね ニーナ・ニーナの久保さんから連絡があって
バックヤードの奥行きだけど 図面どおりでOKだって」
「ほんと よかった 助かったよ これで固定できます」
「それでさ どうだろう あと5cm売場側にふかせるかな」
「ええ 一応10cmは見ていますよ」
「うん 彼女 バックヤードの容積を計算したんだって
大したもんだよ そこから割り出して OKだって」
「へぇー 凄いですね」
「じゃあ お願いします」
「明日持って行く事ができます」
「喜ぶぞ お願いね」
神山は電話を切ると 祥子の部屋に入るなり
.
「ええ 頑張ります それでは」
「じゃ」
高橋は駅構内に消えてゆき 神山はマンションに歩いていった
神山はマンションに帰ると シャワーを浴びて体をすっきりさせ
30分ほど寝る事にした
タイマーを19時に合わせ ベッドに横になった
目覚ましのけたたましい音で目が覚めると 部屋着に着替え
缶ビールを呑みながら 催事課の仕事を精力的にこなした
20時少し前に 携帯電話がなり出てみると
「祥子です ごめんなさい 遅くなって」
「うん 大丈夫だよ」
「今 会社を出ました」
「わかった 注文するのはピザだけでいいのかな?」
「任せるわ お願いします」
電話を切るとピザ屋に電話をして 住所を告げると30分かかると
いわれ 承諾して持ってきて貰うことにした
「こんばんわ」
「やあ お帰りなさい まだピザが来ていないんだ」
「はーい 来たら教えて 取りにくるわ 私の部屋でいいでしょ」
「うん じゃ準備しておいて」
祥子は部屋に帰ってくると 大急ぎで着替え神山の部屋で話した
「しかし ほんと事務所ね」
「ああ 大きなテーブルにパソコンに大きなFAX 事務所だよ」
「そうしたら お願いね 教えて」
祥子は神山に軽くキスをして 自分の部屋に戻っていった
神山は仕事に集中したので 催事課の仕事が結構進んだ
ピザが配達されると 祥子の部屋に運び 予め用意された
お皿に盛り付けを済ませると 冷蔵庫から缶ビールを取り出し
二人のグラスに注ぎ
「お待たせしました かんぱーい」
「うん 乾杯」
祥子はフォークとナイフでピザを切り分けると
神山の取り皿に乗せた
「はい どうぞ」
「ありがとう」
さらに祥子はサラダも取り皿に盛り付けると
「はい サラダも食べてね」
「うん ありがとう さあ 食べようよ」
祥子は自分の分を取ると一口食べて
「あー 美味しい お腹ぺこぺこよ」
「お昼から何も食べなかったの」
「ええ ほらバックヤードの容量を計算したりで おやつも
食べる時間が無かったの でも大体計算できたわ」
「凄いね で 図面に書いてある通りで 大丈夫なのかな」
「ええ 大丈夫だった でも 結果論でしょ
私 計算して 良かったと思う」
「良かった そうすると基本的なところは OKだね
どうしてかというと あの場所で5cmとか10cm動かすのは
什器の寸法まで影響して来るんだよ」
「へぇー それで大体の奥行きを決めて 後は微調整なの」
「そうなんだ 最初から5cm単位のレイアウトをしていると
二度手間 三度手間になってしまい なかなか前に進まないんだ」
「うんうん 分かるわ」
「そうか ちょっと失礼 アルタがモデルを作っているから
今のうちに教えてあげれば 固定できるでしょ
連絡してくるよ ちょっと待っていてね」
神山は自分の部屋に戻るとアルタの高橋に電話をした
「考ちゃん ごめんね 大丈夫かな」
「ええ 大丈夫ですよ」
「今ね ニーナ・ニーナの久保さんから連絡があって
バックヤードの奥行きだけど 図面どおりでOKだって」
「ほんと よかった 助かったよ これで固定できます」
「それでさ どうだろう あと5cm売場側にふかせるかな」
「ええ 一応10cmは見ていますよ」
「うん 彼女 バックヤードの容積を計算したんだって
大したもんだよ そこから割り出して OKだって」
「へぇー 凄いですね」
「じゃあ お願いします」
「明日持って行く事ができます」
「喜ぶぞ お願いね」
神山は電話を切ると 祥子の部屋に入るなり
.
2010年9月21日火曜日
Vol.73 芽吹き -2-6
「おう 頼むぞ」
あいにくと奥村課長が居ないので由香里に
「由香里さん 上原現場にはいってそのまま帰ります
っていっても事務所で翔のお仕事をしますがね ははは」
「はい 頑張ってね 林さんの件は大丈夫?」
「うーん だって僕がどうこうできない話でしょ 大丈夫ですよ」
神山は催事課の部屋を出ると 表通りでタクシーで上原に向かった
考えてみると 今日はタクシーに乗るのが これで4回目だった
(よかった 祝儀を貰っていなければ こんなに乗れないよな
近距離だと佐藤さんから貰った タクシー券も使いづらいし)
上原の現場に着くと高橋が待っていて手を挙げた
「やあ山ちゃん ごめんね 忙しいのに」
「なに言っているんですか お互い様ですよ それで」
高橋と神山は問題の柱に行くと神山が
「なるほど 確かに下がっているね そうするとタイルのままだと
コンクリの補修も出てくるものね コンパネにしようよ
床レベル出してさ 柱にアンコすれば問題ないでしょ」
「うん そうするよ うちのデザイナーもその方がベターだって
喜んでいたよ それに経費が減るし」
「うん では ハツリなしで決定 で モデルはどう」
「うん 製作部と誠二らが手伝っているから 明日にでも出来るよ」
「早いね さすがアルタだね」
「山ちゃんが来たんだから のんびりしていたら怒られますよ」
「ははは」
神山は笑うと 外との境にあるのガラスにいくと 手のひらを
ガラスのほうにだして 外光の明るさを調べた
「どう 山ちゃん 軽くいく?」
「あそこ?」
「うん」
神山は時計を見ると17時になっていた
1,2時間くらい呑んでも大丈夫とみて
「行きましょう」
高橋は店舗の鍵を閉めシャッターを下ろした
二人は駅前寿司に入ると 奥の座敷に案内され女将に
「鮮魚のおつまみと生ビール2つ」
「はい 何回もありがとうございます」
「ははは そうだね これからも一杯来るからね」
高橋と神山は顔を見合わせて 笑った
「ねえ 考ちゃん フローリングだと色は決まっている?」
「全然 一応候補は出してあるんだけれど」
「そうしたらさ 300角のサンプルを持ってきて貰えるかな」
「そうだね うん準備して現場に持ってきますよ」
「うん あそこね 照明も難しいよ だから早め早めに
手をうって進めないと オープンが6月になるよ」
「そうだよね さっきもさ 雨が降っているのに明るいでしょ
だから 考えていたんだ」
「うん この時間になると 結構暗くなっているけれどね
店内店舗と違って ちょっと工夫が必要だね」
「うん よかった山ちゃんが一緒で ははは」
「そんな なにも出ないですよ」
二人はお昼にここで食べたばかりなのに 箸が良く動いた
ゆっくり呑んでいると18時になり この時間になると
会社帰りのビジネスマンが多くなってきた
神山は高橋に
「今夜は ちょっと用事があるから もう直ぐ出てもいいかな」
「ごめんごめん そうしたら 事務所で待っているのに
お土産を作ってもらうから ちょっとだけ大丈夫?」
「うん 全然 そのくらいは大丈夫さ ほら店外催事とか
若いのが一人だからさ こちらで進めないとね」
「そうだね まだお中元じゃないでしょ」
「うん あれは5月に入ったら直ぐに始まるでしょ」
「そうか 5月はダブルで大変なんだ」
「うん でもデザインさえ出来れば あとは現場だから
考えようによっては 気が楽だよ」
二人が話していると 女将が
「お客さん お土産できました こちらに置いておきます」
「はーい ありがとう」
「じゃあ 考ちゃん 出ましょうか ご馳走様」
「いいえ 助かりますよ 仕事が速くなるよ ほんと」
神山は先に表に出ると 雨はすっかりあがり気持ちが良かった
高橋が会計を済ませ出てくると
「じゃあ また連絡をください」
.
あいにくと奥村課長が居ないので由香里に
「由香里さん 上原現場にはいってそのまま帰ります
っていっても事務所で翔のお仕事をしますがね ははは」
「はい 頑張ってね 林さんの件は大丈夫?」
「うーん だって僕がどうこうできない話でしょ 大丈夫ですよ」
神山は催事課の部屋を出ると 表通りでタクシーで上原に向かった
考えてみると 今日はタクシーに乗るのが これで4回目だった
(よかった 祝儀を貰っていなければ こんなに乗れないよな
近距離だと佐藤さんから貰った タクシー券も使いづらいし)
上原の現場に着くと高橋が待っていて手を挙げた
「やあ山ちゃん ごめんね 忙しいのに」
「なに言っているんですか お互い様ですよ それで」
高橋と神山は問題の柱に行くと神山が
「なるほど 確かに下がっているね そうするとタイルのままだと
コンクリの補修も出てくるものね コンパネにしようよ
床レベル出してさ 柱にアンコすれば問題ないでしょ」
「うん そうするよ うちのデザイナーもその方がベターだって
喜んでいたよ それに経費が減るし」
「うん では ハツリなしで決定 で モデルはどう」
「うん 製作部と誠二らが手伝っているから 明日にでも出来るよ」
「早いね さすがアルタだね」
「山ちゃんが来たんだから のんびりしていたら怒られますよ」
「ははは」
神山は笑うと 外との境にあるのガラスにいくと 手のひらを
ガラスのほうにだして 外光の明るさを調べた
「どう 山ちゃん 軽くいく?」
「あそこ?」
「うん」
神山は時計を見ると17時になっていた
1,2時間くらい呑んでも大丈夫とみて
「行きましょう」
高橋は店舗の鍵を閉めシャッターを下ろした
二人は駅前寿司に入ると 奥の座敷に案内され女将に
「鮮魚のおつまみと生ビール2つ」
「はい 何回もありがとうございます」
「ははは そうだね これからも一杯来るからね」
高橋と神山は顔を見合わせて 笑った
「ねえ 考ちゃん フローリングだと色は決まっている?」
「全然 一応候補は出してあるんだけれど」
「そうしたらさ 300角のサンプルを持ってきて貰えるかな」
「そうだね うん準備して現場に持ってきますよ」
「うん あそこね 照明も難しいよ だから早め早めに
手をうって進めないと オープンが6月になるよ」
「そうだよね さっきもさ 雨が降っているのに明るいでしょ
だから 考えていたんだ」
「うん この時間になると 結構暗くなっているけれどね
店内店舗と違って ちょっと工夫が必要だね」
「うん よかった山ちゃんが一緒で ははは」
「そんな なにも出ないですよ」
二人はお昼にここで食べたばかりなのに 箸が良く動いた
ゆっくり呑んでいると18時になり この時間になると
会社帰りのビジネスマンが多くなってきた
神山は高橋に
「今夜は ちょっと用事があるから もう直ぐ出てもいいかな」
「ごめんごめん そうしたら 事務所で待っているのに
お土産を作ってもらうから ちょっとだけ大丈夫?」
「うん 全然 そのくらいは大丈夫さ ほら店外催事とか
若いのが一人だからさ こちらで進めないとね」
「そうだね まだお中元じゃないでしょ」
「うん あれは5月に入ったら直ぐに始まるでしょ」
「そうか 5月はダブルで大変なんだ」
「うん でもデザインさえ出来れば あとは現場だから
考えようによっては 気が楽だよ」
二人が話していると 女将が
「お客さん お土産できました こちらに置いておきます」
「はーい ありがとう」
「じゃあ 考ちゃん 出ましょうか ご馳走様」
「いいえ 助かりますよ 仕事が速くなるよ ほんと」
神山は先に表に出ると 雨はすっかりあがり気持ちが良かった
高橋が会計を済ませ出てくると
「じゃあ また連絡をください」
.
2010年9月20日月曜日
Vol.72 芽吹き -2-6
「それから このチェックしてあるところ 売場係長より
メーカーの営業さんが口うるさいところだ」
「へぇー でもこの図面には書いてないですよ」
「それは覚えるんだよ 売場に行った時や 会場で覚えるさ」
「そうすると 営業さんを抑えるんですね」
「うん 自分で可笑しいなと思ったら 先に手を打つんだよ」
杉田は言われた事を 図面に書き込んでいると倉元が
「おう 翔頼んだぞ 山ちゃんはたった一回で覚え 秋には
誰からも苦情が出なかったって言っていたぞ」
「そうですよね 昨年の5月と10月のバーゲンですよね
はぁー 凄いな 見習います」
そこへ由香里がコーヒーを持ってきて
「そうよ 5月の時だって 凄かったのよ 知っている」
「あの先輩が怒った事件ですか」
「そう あれだってみんなに聞けば メーカーさんが悪いわ
山ちゃんに全然非がないわよ」
「ははは 由香里姫 もういいよ 終わった事だから」
由香里は神山の行動を掻い摘んで話した
昨年5月のホテルバーゲン会場 開催日当日朝の出来事
商品陳列が終わった什器に不具合が無いか 点検していると
ある売場の什器の配置変えをしている メーカーの営業マンがいて
見ていると 扱いがぞんざいで商品を積んだまま動かしていた
神山が手伝う事を申し出て 商品を什器からおろすと
メーカーの人間が怒り出したが 神山も什器が壊されるので
同じタイプの什器に積まれている 商品を全て卸し始めた
「なんで 時間が無いのに 商品をおろすんだ 陳列するのに
時間がかかるんだぞ」
「商品を積んだまま動かすと 什器が壊れるんですよ」
「うるさい 早く商品を元通りにしろ」
「嫌です 早く什器を動かしましょう 陳列はそれからです」
二人が言い合っていると 売場係長が止めに入ったが メーカーの
営業マンは ふてくされて 何処かに消えたという事実
「へぇー そうだったんですか 先輩が悪い処って無いですよね」
「そうでしょ それで その営業マンが居なかったその一日は
今までの1.5倍の売り上げがあったんですって」
「へぇー 初めて聞きました 僕も気をつけます」
「おう 翔 さっき言っていた ホテルの図面が間違っているの
あれ なぜだか分かるか?」
「ぜんぜん まさか測ったんですか」
「おう そうだよ ご丁寧に測ったんだ それも5回かな なあ」
「ははは そうです 30m巻尺で5回位測ったよ 哲ちゃんと一緒に」
「へぇー 凄いですね」
「うん 5月の初日だけどね 寸法どおりに什器が並んでいるのに
導線が取れていないんだよ 280とか300少ないんだ
ほら消防がきた時のことを考えると 大変だろ そこで 少しずつ
つめて 通路は確保したんだ でも撤収をしたあと 哲ちゃんと
巻尺で計ったんだ そうしたらホテルの図面が間違っていたんだ
ホテルでは 壁をふかした後 修正していなかったんだ
だから この図面までは 前の図面を利用して書いていたんだ」
「そうすると ホテルの図面を修正しなければいけないですね」
「うん ただ時間が無くて 手をつけられなかったんだ」
翔は頷き 大きく図面に書き込んだ
神山は暫く仕事に集中したが
「先輩 アルタの高橋さんから電話です」
「うん はい神山です」
「山ちゃん 今 大丈夫ですか」
「うん どうしたの」
「うん ほらスケールモデルの事で今現場に来ているんです」
「ああ ありがとうございます」
「それでさ この床だけれど どうする?」
「っていうと ハツリを入れるかどうかでしょ そうだな僕は
既存のタイルの上にコンパネ入れてフローリングがいいと思うよ」
「やっぱりね そうだよな 実はね柱があるでしょ」
「うん 真ん中の柱でしょ」
「あそこさ 床が10下がっているんだよ ご丁寧に4辺とも」
「あじゃー 分かった これから大至急いくよ 待っていて」
「うん お願いします 助かるよ」
電話を切ると翔と倉元に
「翔 上原に行ってそのまま事務所だ」
「はい 分かりました なにかあったら携帯電話に入れます」
「倉さん 上原がちょっとやっかいな問題がでたんで 失礼します」
.
メーカーの営業さんが口うるさいところだ」
「へぇー でもこの図面には書いてないですよ」
「それは覚えるんだよ 売場に行った時や 会場で覚えるさ」
「そうすると 営業さんを抑えるんですね」
「うん 自分で可笑しいなと思ったら 先に手を打つんだよ」
杉田は言われた事を 図面に書き込んでいると倉元が
「おう 翔頼んだぞ 山ちゃんはたった一回で覚え 秋には
誰からも苦情が出なかったって言っていたぞ」
「そうですよね 昨年の5月と10月のバーゲンですよね
はぁー 凄いな 見習います」
そこへ由香里がコーヒーを持ってきて
「そうよ 5月の時だって 凄かったのよ 知っている」
「あの先輩が怒った事件ですか」
「そう あれだってみんなに聞けば メーカーさんが悪いわ
山ちゃんに全然非がないわよ」
「ははは 由香里姫 もういいよ 終わった事だから」
由香里は神山の行動を掻い摘んで話した
昨年5月のホテルバーゲン会場 開催日当日朝の出来事
商品陳列が終わった什器に不具合が無いか 点検していると
ある売場の什器の配置変えをしている メーカーの営業マンがいて
見ていると 扱いがぞんざいで商品を積んだまま動かしていた
神山が手伝う事を申し出て 商品を什器からおろすと
メーカーの人間が怒り出したが 神山も什器が壊されるので
同じタイプの什器に積まれている 商品を全て卸し始めた
「なんで 時間が無いのに 商品をおろすんだ 陳列するのに
時間がかかるんだぞ」
「商品を積んだまま動かすと 什器が壊れるんですよ」
「うるさい 早く商品を元通りにしろ」
「嫌です 早く什器を動かしましょう 陳列はそれからです」
二人が言い合っていると 売場係長が止めに入ったが メーカーの
営業マンは ふてくされて 何処かに消えたという事実
「へぇー そうだったんですか 先輩が悪い処って無いですよね」
「そうでしょ それで その営業マンが居なかったその一日は
今までの1.5倍の売り上げがあったんですって」
「へぇー 初めて聞きました 僕も気をつけます」
「おう 翔 さっき言っていた ホテルの図面が間違っているの
あれ なぜだか分かるか?」
「ぜんぜん まさか測ったんですか」
「おう そうだよ ご丁寧に測ったんだ それも5回かな なあ」
「ははは そうです 30m巻尺で5回位測ったよ 哲ちゃんと一緒に」
「へぇー 凄いですね」
「うん 5月の初日だけどね 寸法どおりに什器が並んでいるのに
導線が取れていないんだよ 280とか300少ないんだ
ほら消防がきた時のことを考えると 大変だろ そこで 少しずつ
つめて 通路は確保したんだ でも撤収をしたあと 哲ちゃんと
巻尺で計ったんだ そうしたらホテルの図面が間違っていたんだ
ホテルでは 壁をふかした後 修正していなかったんだ
だから この図面までは 前の図面を利用して書いていたんだ」
「そうすると ホテルの図面を修正しなければいけないですね」
「うん ただ時間が無くて 手をつけられなかったんだ」
翔は頷き 大きく図面に書き込んだ
神山は暫く仕事に集中したが
「先輩 アルタの高橋さんから電話です」
「うん はい神山です」
「山ちゃん 今 大丈夫ですか」
「うん どうしたの」
「うん ほらスケールモデルの事で今現場に来ているんです」
「ああ ありがとうございます」
「それでさ この床だけれど どうする?」
「っていうと ハツリを入れるかどうかでしょ そうだな僕は
既存のタイルの上にコンパネ入れてフローリングがいいと思うよ」
「やっぱりね そうだよな 実はね柱があるでしょ」
「うん 真ん中の柱でしょ」
「あそこさ 床が10下がっているんだよ ご丁寧に4辺とも」
「あじゃー 分かった これから大至急いくよ 待っていて」
「うん お願いします 助かるよ」
電話を切ると翔と倉元に
「翔 上原に行ってそのまま事務所だ」
「はい 分かりました なにかあったら携帯電話に入れます」
「倉さん 上原がちょっとやっかいな問題がでたんで 失礼します」
.
2010年9月19日日曜日
Vol.71 芽吹き -2-6
「えぇ 私もびっくりしているのですよ」
「そこで 以前神山さんは筒井と親しく話が出来ると
伺っていたものですから なにか 存じ上げていらっしゃると
思いまして お尋ねました」
「うん 僕なんか 何も知りませんよ 御殿場開店は知っていますが」
果たして うそが見破られたか否か 心臓がどきどきしていた
「そうですか 神山さんだったら なにかご存知かと思いましてね」
「う~ん すみません ご期待に添えませんで」
「それと 浜野由貴が上原に移動になるんですよ」
これまた心臓の鼓動を抑えなくてはいけない言葉が出てきた
「へえ すごい人事ですね」
「ええ 私も彼女だとまだ店長は無理だとお話をしたのですが
しかし 筒井はこの人事で会社を磐石の構えにすると
言われるものですから、、、」
神山は何故にこの様な行動をとったのか腑に落ちなかった
それとも筒井になにかこの様な行動を起こさせる何かが起きたのか
林は一通り愚痴を言ったので気分が優れて来たのか
「どうもお邪魔しました お忙しいところをありがとうございました」
「いえいえ 何もお力になれませんでした また何かありましたら
お気軽にどうぞ来て下さい」
「はい ありがとうございます」
林は一礼をして催事課を出て行った
斉藤由香里が近寄ってきて
「ねえ どうしたの 今日の林さん 随分と暗い感じだったわよ」
「うん ニーナ・ニーナが御殿場のアウトレットに
出店する事は知っているだろ」
「ええ だけどそれと林さんとどんな関係があるの?」
神山は林との話をかいつまんで話した
「だけど 銀座店のベテランでしょ 林さん 大丈夫なのかしら」
「しかし はっきり言ってよその会社の人事だからね
まだ公じゃないから 少しの間は口にチャックだ いいね」
「はい わかりました」
席に戻り仕事をしていると翔が
「先輩 5月の店外ですがここが分からないんです 教えてください」
神山は図面の綴りを受け取ると
「ああ ここか じゃあっちで」
神山と翔はセンターテーブルに行くと図面を広げて説明した
「そうだ 経費の詳細もあっただろ それを持ってきて」
翔は言われたとおり 詳細を神山に渡すと
「いいか ここの売り場のハンガーラックとここの売り場の
陳列台を足してごらん」
翔は言われたとおり 図面から台数を足していくと
「ほら 経費詳細のこの数字になるだろ わかった」
「だって 先輩 陳列台が詳細に無いから どうしたのか
分からなかったし まさかサービスで入れたのかと思いましたよ」
「うん これには理由があってね この陳列台はそのまま売り場で
使って その翌週かな また催事場のバーゲンで使うんだよ
だから ハンガーラック並みに安くして貰った訳さ」
「そうですか でも詳細になぜ明記しなかったんですか」
「うん 明記すると 同じ金額で貸し出しが出来ると 知らない
人間が見たとき そうなるだろ だから分かるように
図面に →7Fと記入してあるだろ」
「なるほど この記入はその意味があったんですね 分かりました」
「ははは だって当時 担当を離れるなんて 思ってもいないしな」
「そうですね そうするとまだまだ暗号が一杯あるんですね」
「ははは 一杯あるよ 探してくださいね」
「またぁー 先輩教えてくださいよ」
「それと 金曜日に全体会議だよね」
「ええ そうです 出てくれるんですよね」
「うーん わからん」
「えっー そんな」
「図面はどうした 出来上がった?」
「ええ 出来ています」
翔は図面を神山に見せると
「この図面は書いてもいいのかな」
「ええ 大丈夫ですよ」
神山は翔が起こした図面に赤鉛筆で色々と記入していった
「まず ここの通路幅は 図面より狭くなる
ホテルから貰っている図面が違っているんだよ 30cm狭いよ」
「へぇー 凄いですね」
「まあね それから ここの柱6本は実際より細くなっている
確かWとDとも14cmくらい細いよ」
「へぇー」
.
「そこで 以前神山さんは筒井と親しく話が出来ると
伺っていたものですから なにか 存じ上げていらっしゃると
思いまして お尋ねました」
「うん 僕なんか 何も知りませんよ 御殿場開店は知っていますが」
果たして うそが見破られたか否か 心臓がどきどきしていた
「そうですか 神山さんだったら なにかご存知かと思いましてね」
「う~ん すみません ご期待に添えませんで」
「それと 浜野由貴が上原に移動になるんですよ」
これまた心臓の鼓動を抑えなくてはいけない言葉が出てきた
「へえ すごい人事ですね」
「ええ 私も彼女だとまだ店長は無理だとお話をしたのですが
しかし 筒井はこの人事で会社を磐石の構えにすると
言われるものですから、、、」
神山は何故にこの様な行動をとったのか腑に落ちなかった
それとも筒井になにかこの様な行動を起こさせる何かが起きたのか
林は一通り愚痴を言ったので気分が優れて来たのか
「どうもお邪魔しました お忙しいところをありがとうございました」
「いえいえ 何もお力になれませんでした また何かありましたら
お気軽にどうぞ来て下さい」
「はい ありがとうございます」
林は一礼をして催事課を出て行った
斉藤由香里が近寄ってきて
「ねえ どうしたの 今日の林さん 随分と暗い感じだったわよ」
「うん ニーナ・ニーナが御殿場のアウトレットに
出店する事は知っているだろ」
「ええ だけどそれと林さんとどんな関係があるの?」
神山は林との話をかいつまんで話した
「だけど 銀座店のベテランでしょ 林さん 大丈夫なのかしら」
「しかし はっきり言ってよその会社の人事だからね
まだ公じゃないから 少しの間は口にチャックだ いいね」
「はい わかりました」
席に戻り仕事をしていると翔が
「先輩 5月の店外ですがここが分からないんです 教えてください」
神山は図面の綴りを受け取ると
「ああ ここか じゃあっちで」
神山と翔はセンターテーブルに行くと図面を広げて説明した
「そうだ 経費の詳細もあっただろ それを持ってきて」
翔は言われたとおり 詳細を神山に渡すと
「いいか ここの売り場のハンガーラックとここの売り場の
陳列台を足してごらん」
翔は言われたとおり 図面から台数を足していくと
「ほら 経費詳細のこの数字になるだろ わかった」
「だって 先輩 陳列台が詳細に無いから どうしたのか
分からなかったし まさかサービスで入れたのかと思いましたよ」
「うん これには理由があってね この陳列台はそのまま売り場で
使って その翌週かな また催事場のバーゲンで使うんだよ
だから ハンガーラック並みに安くして貰った訳さ」
「そうですか でも詳細になぜ明記しなかったんですか」
「うん 明記すると 同じ金額で貸し出しが出来ると 知らない
人間が見たとき そうなるだろ だから分かるように
図面に →7Fと記入してあるだろ」
「なるほど この記入はその意味があったんですね 分かりました」
「ははは だって当時 担当を離れるなんて 思ってもいないしな」
「そうですね そうするとまだまだ暗号が一杯あるんですね」
「ははは 一杯あるよ 探してくださいね」
「またぁー 先輩教えてくださいよ」
「それと 金曜日に全体会議だよね」
「ええ そうです 出てくれるんですよね」
「うーん わからん」
「えっー そんな」
「図面はどうした 出来上がった?」
「ええ 出来ています」
翔は図面を神山に見せると
「この図面は書いてもいいのかな」
「ええ 大丈夫ですよ」
神山は翔が起こした図面に赤鉛筆で色々と記入していった
「まず ここの通路幅は 図面より狭くなる
ホテルから貰っている図面が違っているんだよ 30cm狭いよ」
「へぇー 凄いですね」
「まあね それから ここの柱6本は実際より細くなっている
確かWとDとも14cmくらい細いよ」
「へぇー」
.
2010年9月18日土曜日
Vol.70 芽吹き -2-6
このような状況だけれど どうでしょうって聞きにきたのよ」
「そうか しかし3ヶ月って言っていたよ」
「えっ4ヶ月よ もう直ぐ5ヶ月だわ」
「えっ 4ヶ月、、、」
「だから中絶するとしたら4ヶ月がぎりぎりで それ以降に
おろすと 母体が危ないし 将来的なことを考えるなら今よって
でも 私は実際に産んでいないから それ以上は分からないのよ」
「まあ そうだね しかしゆっくりしているな
課長と話したと思っていたんだけどな」
「うん 課長からも相当きつく言われ 反省していたわ」
「それで どうするって」
「うん 今はまだ分からないみたいで 悩んでいたわ」
「なに言っているんだよ 本気かよ」
「それで 貴方からも 話してもらえる?」
「だって 先日も話したし それ以上話せっても、、、」
「冷たいわね 同期でしょ ちゃんと別れさせてよ」
神山は由香里がなぜここまで市川のことで熱くなっているのか
よく判らなかったが 昨年のこともあるので
「じゃあ由香里から 話せばいいでしょ 相談されたんだから」
「まぁ 本当に冷たいわね いいわ」
由香里はぷりっとして 席を立ち喫茶レイを出て行った
一人になった神山は少し言いすぎたかと思ったが
市川に相談されたんだから 由香里も自分なりに考えて欲しかった
催事課の部屋に戻ると由香里の姿が見えなかったので
少し心配したが 自分の席に戻り仕事に集中した
「先輩 ニーナ・ニーナの林さんからメモです」
神山は翔からメモを貰うと
【ご相談したい事があります 至急連絡をください】
神山はこの内容に 上原の件が絡んでいると思ったが
デスクの電話機を握り 林の所へ架電した
「はい こちらはニーナ・ニーナです」
「私は催事課の神山ですが 林さんは在席されていますか」
「はい 少々お待ちくださいね 先日はご馳走様でした」
軽やかな口調の若々しい浜野由貴の声が電話口から聞こえた
「いや こちらこそ 何も出来なくて申し訳ない」
「今度はもう少し時間を考えて ゆっくりと呑みに行きましょう」
「はい ありがとうございます 待っていますね
あっ 林に変わりますね」
「もしもし 神山さん 少しご相談があるのですが、、、」
「えっ 僕に相談なんて言われても
出来る事と出来ない事がありますよ」
「ええ その上で お願いしたいのですが
今 そちらにお邪魔しても構いませんか?」
「ええ どうぞ 僕のほうは大丈夫ですよ 空いていますから」
「分りました 直ぐに伺います」
神山は部屋に戻ってきた由香里にニーナ・ニーナの林が来る事を告げ
会議室に人を通さないよう注意した
メモ用紙などを準備し待っていると林が会議室に入ってきた
「申し訳ございません お忙しいところ
それから 先日はご馳走様でした」
「いやいや 慌しい呑み会でしたね次回はゆっくりと呑みましょう」
挨拶を交わしているときに斉藤由香里がコーヒーを運んできた
由香里は林には作り笑顔でコーヒーを置き
神山に対しては覚めたキツイ目付きでコーヒーを置いていった
(きっと この間呑みにいったときに何かあったんだわ
いやらしい神山さんて 最低ね)
「すみません お忙しいところ」
「いえ 月曜日はそんなに忙しくないですよ 留守番ですよ」
「こちらが何時も無理をお願いしていますものね」
「まあ 出来るときは充分に飾りつけなどをさせて頂いていますが」
林が本題に入らないので少し重たい空気が流れたが
「ところでですね 私 昨日筒井から転勤を命ぜられました」
林が関を切ったように言い出した
先日 筒井が銀座店にきて林に内示を伝えたとの事だった
しかしその人事にまつわる事については一切 他言は無用であった
「はあ どう言うことですか?だって 林さんは
この銀座にはなくては成らない存在でしょ どうして?」
「まだはっきりとした時期は決まってはいないのですが
御殿場の準備室に決まりました」
(えっ なんて早いんだ だってまだ上原が開店していないのに
筒井さん何考えているのだろう)
神山は悟られないよう
「だけど 御殿場はまだ1年か2年も先の話しですよね」
.
「そうか しかし3ヶ月って言っていたよ」
「えっ4ヶ月よ もう直ぐ5ヶ月だわ」
「えっ 4ヶ月、、、」
「だから中絶するとしたら4ヶ月がぎりぎりで それ以降に
おろすと 母体が危ないし 将来的なことを考えるなら今よって
でも 私は実際に産んでいないから それ以上は分からないのよ」
「まあ そうだね しかしゆっくりしているな
課長と話したと思っていたんだけどな」
「うん 課長からも相当きつく言われ 反省していたわ」
「それで どうするって」
「うん 今はまだ分からないみたいで 悩んでいたわ」
「なに言っているんだよ 本気かよ」
「それで 貴方からも 話してもらえる?」
「だって 先日も話したし それ以上話せっても、、、」
「冷たいわね 同期でしょ ちゃんと別れさせてよ」
神山は由香里がなぜここまで市川のことで熱くなっているのか
よく判らなかったが 昨年のこともあるので
「じゃあ由香里から 話せばいいでしょ 相談されたんだから」
「まぁ 本当に冷たいわね いいわ」
由香里はぷりっとして 席を立ち喫茶レイを出て行った
一人になった神山は少し言いすぎたかと思ったが
市川に相談されたんだから 由香里も自分なりに考えて欲しかった
催事課の部屋に戻ると由香里の姿が見えなかったので
少し心配したが 自分の席に戻り仕事に集中した
「先輩 ニーナ・ニーナの林さんからメモです」
神山は翔からメモを貰うと
【ご相談したい事があります 至急連絡をください】
神山はこの内容に 上原の件が絡んでいると思ったが
デスクの電話機を握り 林の所へ架電した
「はい こちらはニーナ・ニーナです」
「私は催事課の神山ですが 林さんは在席されていますか」
「はい 少々お待ちくださいね 先日はご馳走様でした」
軽やかな口調の若々しい浜野由貴の声が電話口から聞こえた
「いや こちらこそ 何も出来なくて申し訳ない」
「今度はもう少し時間を考えて ゆっくりと呑みに行きましょう」
「はい ありがとうございます 待っていますね
あっ 林に変わりますね」
「もしもし 神山さん 少しご相談があるのですが、、、」
「えっ 僕に相談なんて言われても
出来る事と出来ない事がありますよ」
「ええ その上で お願いしたいのですが
今 そちらにお邪魔しても構いませんか?」
「ええ どうぞ 僕のほうは大丈夫ですよ 空いていますから」
「分りました 直ぐに伺います」
神山は部屋に戻ってきた由香里にニーナ・ニーナの林が来る事を告げ
会議室に人を通さないよう注意した
メモ用紙などを準備し待っていると林が会議室に入ってきた
「申し訳ございません お忙しいところ
それから 先日はご馳走様でした」
「いやいや 慌しい呑み会でしたね次回はゆっくりと呑みましょう」
挨拶を交わしているときに斉藤由香里がコーヒーを運んできた
由香里は林には作り笑顔でコーヒーを置き
神山に対しては覚めたキツイ目付きでコーヒーを置いていった
(きっと この間呑みにいったときに何かあったんだわ
いやらしい神山さんて 最低ね)
「すみません お忙しいところ」
「いえ 月曜日はそんなに忙しくないですよ 留守番ですよ」
「こちらが何時も無理をお願いしていますものね」
「まあ 出来るときは充分に飾りつけなどをさせて頂いていますが」
林が本題に入らないので少し重たい空気が流れたが
「ところでですね 私 昨日筒井から転勤を命ぜられました」
林が関を切ったように言い出した
先日 筒井が銀座店にきて林に内示を伝えたとの事だった
しかしその人事にまつわる事については一切 他言は無用であった
「はあ どう言うことですか?だって 林さんは
この銀座にはなくては成らない存在でしょ どうして?」
「まだはっきりとした時期は決まってはいないのですが
御殿場の準備室に決まりました」
(えっ なんて早いんだ だってまだ上原が開店していないのに
筒井さん何考えているのだろう)
神山は悟られないよう
「だけど 御殿場はまだ1年か2年も先の話しですよね」
.
2010年9月17日金曜日
Vol.69 芽吹き -2-6
高橋たち3人は傘をさして 駅に向かっていった
「祥子さん これからどうしますか」
「ええ 会社へ行って バックヤードの詳細を見直しします」
「そうしたら 車で送っていくよ 僕も催事課に行きます」
「わぁー ほんと 嬉しいなぁー」
神山はタクシーを拾うと運転手に 青山3丁目経由銀座と伝えた
「ねえ スケールモデルってなあに」
「まあ言ってみれば 小さな店舗ですよ」
「わぁー 小さい頃良く遊んだ あの小さなおうちが出来るの?」
「ははは そうですよ まあ多少割愛はしますがね」
「助かるわ ありがとうございます」
「ほら 目線を変えると お店の中がわかり易いでしょ」
「そうか そうですね なるほど 神山さんって やっぱり凄い」
「特に あのように外に面している所では 大切なんですよ」
「なるほど 分かるような気がします」
「今夜はどうされますか? 雨が降っているし」
「ねえ 神山さんピザ宅にしようか
実は私 今夜は少し遅くなると思うの だいたい8時ごろには
帰れると思うんです だからそうしませんか」
「そうしたら 会社を出たら電話をください 注文しますから」
「わぁー そうね そうするわ じゃお願いしていいかしら」
「いいですよ それまで僕は部屋で仕事をしていますから」
「今日は何時ごろ戻られるんですか」
「多分 6時頃には戻れますよ」
タクシーは青山3丁目の交差点で止まると祥子が
「ねえ ここで降ろして ここから直ぐだし」
「うん 運転手さん 一人降ります」
ドアが開くと 祥子は降りて歩道に渡ると神山に手を振った
神山が催事課の部屋に戻ると斉藤由香里が
「お帰りなさい 部長」
神山の目を見て笑顔で話すと
「ほんと 1日に何回も往復すると大変だよ」
「はい これ」
由香里はカードを渡し
「これ 地下鉄のプリペイドカードよ 使って」
「ありがとう 助かるよ でも大丈夫なの?」
「ええ 先ほど部長の交通費請求で購入したのよ」
「へぇー 凄いね 部長って」
「だから部長っていいでしょ」
二人が笑っていると 奥村が
「山ちゃん お帰り 少し前にアルタの内藤さんから
お褒めの言葉を頂いたよ 早速ありがとうございますって」
神山は何のことについて 褒められたのか検討がつかず
「はぁ 普通の事ですよ」
「ほら ニーナ・ニーナの久保さんの件や 天井解体の件
大変喜んでいたぞ 適切な指摘だって」
神山は言われて分かったが 当たり前のことなので
「まあ 期間が少なければそう考えますよ 当たり前です」
「まあまあ 先方は喜んでいるんだ 当たり前でも凄いじゃん」
「おう 店長も喜んでいたぞ」
「あっ 倉さん 本当ですか」
「おう 先ほど来られてな 嬉しそうな顔して 褒めていたよ」
「参ったなぁー そんな大げさな事じゃ無いのに」
「まあな でも周りが喜んでいるんだ いいじゃないか なっ」
神山は由香里から貰ったカードをバッグに入れると由香里が
「ねえ ちょっと話があるんだぁ いいかな」
「うん 大丈夫だよ ちょっと待っていてね 置いてくるから」
由香里は神山と催事課の部屋を出ると喫茶レイに入った
二人はウエイトレスにコーヒーを注文すると由香里が
「ねえ 市川君の事知っているでしょ」
「ああ 先日もあいつと話したよ なんでも出来ちゃったと言っていた」
「それでね 私にも相談があったのよ」
「えっ いつ?」
「さっきよ」
「なんで?」
「ほら 中絶の事なの」
「えっ 中絶?」
「そう 彼女がどうしても産みたいという話で 中絶するとしたら
時期的にどうだろうかって」
「なんでまた由香里に? 奥さんが居るだろうに」
「うーん そうね でも話しにくいんじゃないの それで私に
.
「祥子さん これからどうしますか」
「ええ 会社へ行って バックヤードの詳細を見直しします」
「そうしたら 車で送っていくよ 僕も催事課に行きます」
「わぁー ほんと 嬉しいなぁー」
神山はタクシーを拾うと運転手に 青山3丁目経由銀座と伝えた
「ねえ スケールモデルってなあに」
「まあ言ってみれば 小さな店舗ですよ」
「わぁー 小さい頃良く遊んだ あの小さなおうちが出来るの?」
「ははは そうですよ まあ多少割愛はしますがね」
「助かるわ ありがとうございます」
「ほら 目線を変えると お店の中がわかり易いでしょ」
「そうか そうですね なるほど 神山さんって やっぱり凄い」
「特に あのように外に面している所では 大切なんですよ」
「なるほど 分かるような気がします」
「今夜はどうされますか? 雨が降っているし」
「ねえ 神山さんピザ宅にしようか
実は私 今夜は少し遅くなると思うの だいたい8時ごろには
帰れると思うんです だからそうしませんか」
「そうしたら 会社を出たら電話をください 注文しますから」
「わぁー そうね そうするわ じゃお願いしていいかしら」
「いいですよ それまで僕は部屋で仕事をしていますから」
「今日は何時ごろ戻られるんですか」
「多分 6時頃には戻れますよ」
タクシーは青山3丁目の交差点で止まると祥子が
「ねえ ここで降ろして ここから直ぐだし」
「うん 運転手さん 一人降ります」
ドアが開くと 祥子は降りて歩道に渡ると神山に手を振った
神山が催事課の部屋に戻ると斉藤由香里が
「お帰りなさい 部長」
神山の目を見て笑顔で話すと
「ほんと 1日に何回も往復すると大変だよ」
「はい これ」
由香里はカードを渡し
「これ 地下鉄のプリペイドカードよ 使って」
「ありがとう 助かるよ でも大丈夫なの?」
「ええ 先ほど部長の交通費請求で購入したのよ」
「へぇー 凄いね 部長って」
「だから部長っていいでしょ」
二人が笑っていると 奥村が
「山ちゃん お帰り 少し前にアルタの内藤さんから
お褒めの言葉を頂いたよ 早速ありがとうございますって」
神山は何のことについて 褒められたのか検討がつかず
「はぁ 普通の事ですよ」
「ほら ニーナ・ニーナの久保さんの件や 天井解体の件
大変喜んでいたぞ 適切な指摘だって」
神山は言われて分かったが 当たり前のことなので
「まあ 期間が少なければそう考えますよ 当たり前です」
「まあまあ 先方は喜んでいるんだ 当たり前でも凄いじゃん」
「おう 店長も喜んでいたぞ」
「あっ 倉さん 本当ですか」
「おう 先ほど来られてな 嬉しそうな顔して 褒めていたよ」
「参ったなぁー そんな大げさな事じゃ無いのに」
「まあな でも周りが喜んでいるんだ いいじゃないか なっ」
神山は由香里から貰ったカードをバッグに入れると由香里が
「ねえ ちょっと話があるんだぁ いいかな」
「うん 大丈夫だよ ちょっと待っていてね 置いてくるから」
由香里は神山と催事課の部屋を出ると喫茶レイに入った
二人はウエイトレスにコーヒーを注文すると由香里が
「ねえ 市川君の事知っているでしょ」
「ああ 先日もあいつと話したよ なんでも出来ちゃったと言っていた」
「それでね 私にも相談があったのよ」
「えっ いつ?」
「さっきよ」
「なんで?」
「ほら 中絶の事なの」
「えっ 中絶?」
「そう 彼女がどうしても産みたいという話で 中絶するとしたら
時期的にどうだろうかって」
「なんでまた由香里に? 奥さんが居るだろうに」
「うーん そうね でも話しにくいんじゃないの それで私に
.
2010年9月16日木曜日
Vol.68 芽吹き -2-6
「それはね 上野から入ってくるのよ 上野でも大騒ぎよ」
「へぇー そうしたら僕が行くと サービス課の女の子は
みんな僕のところに 来るね」
「ふふふ そうよ その中から選べばいいわ」
「いやぁー 亜紀ちゃんより 美人は居ないよ ねえ旦那は」
「ごめんなさい 今ねちょっと買い物に出ているんですよ」
「そうか そうしたらさ また伺うよ 絶対に」
「いいわよ 電話をくださいね お待ちしています」
電話を切ると祥子はちょっと 嫌な顔をしていたが
「大変ですね 色々なところから 祝辞の挨拶で」
「うん でも飲み屋からは架かって来ないから大丈夫さ」
みんなが大笑いし おつまみを食べる事にした
食事が終わると神山が高橋に現場を見たいといい祥子が
「それでしたら 一緒に行きましょうか」
5人で歩いて直ぐにある 店舗に出向きシャッターを開け
がらんとした店内に入った
神山は入る時にすぐに気が付いたのが 床の傾斜だった
ファザードに緩やかな傾斜があり そのまま真ん中の柱まで
続いていた
「結構広くて 展開しやすいし いいところですね」
「ええ 私も アンテナとしては充分な広さだと思います」
神山は店内を一回りすると高橋に
「これだったら 5月の半ばにオープンできるよ ねえ考ちゃん」
「ははは 参ったなぁー お見通しで うん 出来るよ」
「考ちゃん この外に面しているガラス面を上手に生かそうよ
そうすると 床が問題だね」
高橋は図面を広げて 神山と祥子に説明を始めた
祥子も一生懸命 高橋の説明を聞いているが分からずに
「この高さって どこで見るんですか」
など 図面の見方が全然分からなかった
神山は高橋に
「ねえ考ちゃん 頼みがあるんだけれど スケールモデルを
造ってもらえないかな 什器は動かせるようにして どう?」
「うん 早速作るよ その方がわかり易いものね」
「うん お願いします それからね この床だけれど 入り口で
ステップにすると つまずきが出て危険だから止めようよ
中に倒れるならいいけれど 外に倒れた場合 このお店の
責任になるでしょ だからスロープにしようよ」
「そうか そうだね お店と違うからね 分かりました」
「それから久保さん このバックヤードの奥行きですが
実際 どのくらいの奥行きか分かりますか?」
「ううん 全然分からないんです」
神山は祥子を連れて バックヤードのパーテーションが
立つ位置を教えて 既存壁との奥行きを確認させた
「どうですか 少し狭くないですか?」
「ええ 少し狭いかしら」
「多分 この奥行きは 百貨店のバックヤードの寸法を基準に
考えられていると思います しかしこの店舗は バックヤードは
ここしかなくて ここに全部集約しないといけないんです
百貨店のように キャパがオーバーしたのでちょっと貸してが
出来ないところなんですよ」
「そうですよね 私もう一度 ここの寸法を測ります」
「細かい寸法は微調整するとして 80cmがいいのか1m20cmが
いいのか そこら辺で 考えてください」
「はい 分かりました」
「考ちゃんのほうも まだ大丈夫でしょ」
「ええ 全然大丈夫ですよ」
「どうだろう ここだと2週間かな」
「うーん 天井が入るでしょ やっぱり2週間少しかかるかな」
「うーん 天井を先に決めたいね」
「ええ 配線やダクトが決まれば 先に入れますからね」
「そうすると 床とバッティングしないよね そうだよな
ねえ 天井の解体だけ先に行おうか どうだろう」
「うん 横浜との兼ね合いなんだ 手があれば直ぐにでも出来るよ」
「その線で 進めようよ なにしろ解体だけ先に進めれば
楽は楽でしょ」
「分かった そうしたら 早速聞いてみるよ 墨は後でも出来るし」
「うん 壊して何が出てくるか楽しみだし」
「ははは それは無かったようだよ 裏に上がっているから」
「ははは そうなんだ 残念でした」
現場での確認が終わると 高橋は神山に
「そうしたら帰って スケールモデルや天井解体を進めます」
「うん お願いします」
.
「へぇー そうしたら僕が行くと サービス課の女の子は
みんな僕のところに 来るね」
「ふふふ そうよ その中から選べばいいわ」
「いやぁー 亜紀ちゃんより 美人は居ないよ ねえ旦那は」
「ごめんなさい 今ねちょっと買い物に出ているんですよ」
「そうか そうしたらさ また伺うよ 絶対に」
「いいわよ 電話をくださいね お待ちしています」
電話を切ると祥子はちょっと 嫌な顔をしていたが
「大変ですね 色々なところから 祝辞の挨拶で」
「うん でも飲み屋からは架かって来ないから大丈夫さ」
みんなが大笑いし おつまみを食べる事にした
食事が終わると神山が高橋に現場を見たいといい祥子が
「それでしたら 一緒に行きましょうか」
5人で歩いて直ぐにある 店舗に出向きシャッターを開け
がらんとした店内に入った
神山は入る時にすぐに気が付いたのが 床の傾斜だった
ファザードに緩やかな傾斜があり そのまま真ん中の柱まで
続いていた
「結構広くて 展開しやすいし いいところですね」
「ええ 私も アンテナとしては充分な広さだと思います」
神山は店内を一回りすると高橋に
「これだったら 5月の半ばにオープンできるよ ねえ考ちゃん」
「ははは 参ったなぁー お見通しで うん 出来るよ」
「考ちゃん この外に面しているガラス面を上手に生かそうよ
そうすると 床が問題だね」
高橋は図面を広げて 神山と祥子に説明を始めた
祥子も一生懸命 高橋の説明を聞いているが分からずに
「この高さって どこで見るんですか」
など 図面の見方が全然分からなかった
神山は高橋に
「ねえ考ちゃん 頼みがあるんだけれど スケールモデルを
造ってもらえないかな 什器は動かせるようにして どう?」
「うん 早速作るよ その方がわかり易いものね」
「うん お願いします それからね この床だけれど 入り口で
ステップにすると つまずきが出て危険だから止めようよ
中に倒れるならいいけれど 外に倒れた場合 このお店の
責任になるでしょ だからスロープにしようよ」
「そうか そうだね お店と違うからね 分かりました」
「それから久保さん このバックヤードの奥行きですが
実際 どのくらいの奥行きか分かりますか?」
「ううん 全然分からないんです」
神山は祥子を連れて バックヤードのパーテーションが
立つ位置を教えて 既存壁との奥行きを確認させた
「どうですか 少し狭くないですか?」
「ええ 少し狭いかしら」
「多分 この奥行きは 百貨店のバックヤードの寸法を基準に
考えられていると思います しかしこの店舗は バックヤードは
ここしかなくて ここに全部集約しないといけないんです
百貨店のように キャパがオーバーしたのでちょっと貸してが
出来ないところなんですよ」
「そうですよね 私もう一度 ここの寸法を測ります」
「細かい寸法は微調整するとして 80cmがいいのか1m20cmが
いいのか そこら辺で 考えてください」
「はい 分かりました」
「考ちゃんのほうも まだ大丈夫でしょ」
「ええ 全然大丈夫ですよ」
「どうだろう ここだと2週間かな」
「うーん 天井が入るでしょ やっぱり2週間少しかかるかな」
「うーん 天井を先に決めたいね」
「ええ 配線やダクトが決まれば 先に入れますからね」
「そうすると 床とバッティングしないよね そうだよな
ねえ 天井の解体だけ先に行おうか どうだろう」
「うん 横浜との兼ね合いなんだ 手があれば直ぐにでも出来るよ」
「その線で 進めようよ なにしろ解体だけ先に進めれば
楽は楽でしょ」
「分かった そうしたら 早速聞いてみるよ 墨は後でも出来るし」
「うん 壊して何が出てくるか楽しみだし」
「ははは それは無かったようだよ 裏に上がっているから」
「ははは そうなんだ 残念でした」
現場での確認が終わると 高橋は神山に
「そうしたら帰って スケールモデルや天井解体を進めます」
「うん お願いします」
.
2010年9月15日水曜日
Vol.67 芽吹き -2-6
「でもいいじゃない いろいろな面で優遇されているから」
「倉さんと一緒だ 大変だね」
「ねっ 大変でしょ」
神山の勤務する鈴やでは出向社員 派遣社員の場合
通常 現在の職級に2階級足した役職で勤務する事になる
職級は係長が6級7級で課長が8級9級となっている
例えば6級の係長が出向なり派遣なりされると その勤務先では
課長で勤務する事になる 本給は係長のままで手当てが僅かに上がる
今回 神山は8級課長なので通常は部長職で本給は8級のままになる
ところが9級課長を飛び越え本当の部長に命課されたのだ
いままで例が無く神山自身も聞いた事がない出来事だった
「じゃあ 誰か帰ってきた?」
「ちょっとお待ちください 部長」
由香里がかしこまった言い方をしたので誰かなと考えていたが
「奥村です 部長おめでとうございます」
「いやですよ そんな言い方 課長」
「しかし 驚いたよ そんな大切な命課を忘れるなんて」
「だけど 店長から頂いたのは1枚でしたよ」
「先ほど確認したが 秘書課長が店長に渡すのを忘れてそうだ」
「やっぱり だけどその場で頂いていたら ひっくり返っていますよ」
「そうだよな 俺を飛び越したんだもんな 凄いよ ほんと」
「そんないじめないで下さいよ」
「ちょっと待ってな 倉さんと変わるから」
「山ちゃん 凄いな みなびっくりしているよ」
「ありがとうございます」
「おう 俺も店長に確認したんだよ 9級の間違いじゃないのってね」
「ええ」
「そしたら 部長だ 倉さんの後釜 今のうちに作るって言われた」
「そんなに仕事していないのにな~」
「おう 兎に角良かった 頑張ってな」
神山は突然の出来事で驚いていると 高橋も誰かと話している
様子でこちらを伺いながら 頷いていた
「神山部長 内藤からです」
「はい 神山です」
「山ちゃん おめでとう 正真正銘の部長だね」
「はぁ 早いですね」
「うん 上原の件 頼みましたよ 部長」
「はい 了解しました」
電話を高橋に戻すと 高橋はまた頷きながら話をして終わった
神山は横の祥子を見ると やはり携帯電話で頷きながら
話していて 神山に電話を渡し
「筒井からです おめでとうございます」
「はい 神山です」
「山ちゃん 凄いな おめでとう 正真正銘の部長だね」
「ええ でも課長で残業で稼いだほうが いいと思っていますよ」
「なに言っているんだ 待遇が違うよ 待遇が
まあ 久保君と仲良くし 厳しく指導してくださいね」
「はい 了解しました」
神山は携帯電話を祥子に返すとみんなが
「部長昇進 おめでとうございます 良かったですね」
「ははは でもね本音は課長職で 残業や徹夜をすると
給料が凄い額になるんだよ そっちが良かったけどね」
高橋孝一が
「でもさ 待遇が違うでしょ やっぱり発言力も違うし
社内では出向肩書きが通用しないから 良かったじゃない」
「そうだね いくら部長でも社内では課長だもん うん」
祥子が嬉しそうな笑顔で神山に
「ご昇進 おめでとうございます お願いしますね部長」
「ははは そんなぁ 改まって言われるとお尻がムズムズする」
「まぁ」
みんなは大笑いしていると 女将が鮮魚のおつまみを運び
「昇進祝いです おめでとうございます
どうぞ召し上がってくださいね」
神山は突然の事だったが
「はい ありがとうございます
これからもちょくちょく来ますので お願いしますね」
「山ちゃん 美味しそうだよ まずは山ちゃんからどうぞ」
神山は高橋に薦められ 一番最初に箸をつけた
「うん 美味しいよ さあ食べようよ 久保さんも食べて」
みんなが鮮魚のおつまみを食べていると
神山の携帯電話がまた鳴った 出てみると熱海の金子亜紀だった
「神山さん おめでとうございます 凄いですね」
「やあ ありがとう でもなんで亜紀ちゃんのところまで」
.
「倉さんと一緒だ 大変だね」
「ねっ 大変でしょ」
神山の勤務する鈴やでは出向社員 派遣社員の場合
通常 現在の職級に2階級足した役職で勤務する事になる
職級は係長が6級7級で課長が8級9級となっている
例えば6級の係長が出向なり派遣なりされると その勤務先では
課長で勤務する事になる 本給は係長のままで手当てが僅かに上がる
今回 神山は8級課長なので通常は部長職で本給は8級のままになる
ところが9級課長を飛び越え本当の部長に命課されたのだ
いままで例が無く神山自身も聞いた事がない出来事だった
「じゃあ 誰か帰ってきた?」
「ちょっとお待ちください 部長」
由香里がかしこまった言い方をしたので誰かなと考えていたが
「奥村です 部長おめでとうございます」
「いやですよ そんな言い方 課長」
「しかし 驚いたよ そんな大切な命課を忘れるなんて」
「だけど 店長から頂いたのは1枚でしたよ」
「先ほど確認したが 秘書課長が店長に渡すのを忘れてそうだ」
「やっぱり だけどその場で頂いていたら ひっくり返っていますよ」
「そうだよな 俺を飛び越したんだもんな 凄いよ ほんと」
「そんないじめないで下さいよ」
「ちょっと待ってな 倉さんと変わるから」
「山ちゃん 凄いな みなびっくりしているよ」
「ありがとうございます」
「おう 俺も店長に確認したんだよ 9級の間違いじゃないのってね」
「ええ」
「そしたら 部長だ 倉さんの後釜 今のうちに作るって言われた」
「そんなに仕事していないのにな~」
「おう 兎に角良かった 頑張ってな」
神山は突然の出来事で驚いていると 高橋も誰かと話している
様子でこちらを伺いながら 頷いていた
「神山部長 内藤からです」
「はい 神山です」
「山ちゃん おめでとう 正真正銘の部長だね」
「はぁ 早いですね」
「うん 上原の件 頼みましたよ 部長」
「はい 了解しました」
電話を高橋に戻すと 高橋はまた頷きながら話をして終わった
神山は横の祥子を見ると やはり携帯電話で頷きながら
話していて 神山に電話を渡し
「筒井からです おめでとうございます」
「はい 神山です」
「山ちゃん 凄いな おめでとう 正真正銘の部長だね」
「ええ でも課長で残業で稼いだほうが いいと思っていますよ」
「なに言っているんだ 待遇が違うよ 待遇が
まあ 久保君と仲良くし 厳しく指導してくださいね」
「はい 了解しました」
神山は携帯電話を祥子に返すとみんなが
「部長昇進 おめでとうございます 良かったですね」
「ははは でもね本音は課長職で 残業や徹夜をすると
給料が凄い額になるんだよ そっちが良かったけどね」
高橋孝一が
「でもさ 待遇が違うでしょ やっぱり発言力も違うし
社内では出向肩書きが通用しないから 良かったじゃない」
「そうだね いくら部長でも社内では課長だもん うん」
祥子が嬉しそうな笑顔で神山に
「ご昇進 おめでとうございます お願いしますね部長」
「ははは そんなぁ 改まって言われるとお尻がムズムズする」
「まぁ」
みんなは大笑いしていると 女将が鮮魚のおつまみを運び
「昇進祝いです おめでとうございます
どうぞ召し上がってくださいね」
神山は突然の事だったが
「はい ありがとうございます
これからもちょくちょく来ますので お願いしますね」
「山ちゃん 美味しそうだよ まずは山ちゃんからどうぞ」
神山は高橋に薦められ 一番最初に箸をつけた
「うん 美味しいよ さあ食べようよ 久保さんも食べて」
みんなが鮮魚のおつまみを食べていると
神山の携帯電話がまた鳴った 出てみると熱海の金子亜紀だった
「神山さん おめでとうございます 凄いですね」
「やあ ありがとう でもなんで亜紀ちゃんのところまで」
.
2010年9月14日火曜日
Vol.66 芽吹き -2-6
「ははは その通り」
4人が噂をしていると祥子が現れた
神山は直ぐに気が付いて 手を挙げて合図をした
祥子はニコニコして近づくとみんなに
「ニーナ・ニーナの久保です よろしくお願いします」
「さあ 久保さん どうぞ上がってください」
祥子は靴を脱ぐと 座敷に上がり 神山の横に座った
「本当にすみません 色々と変更して」
祥子がアルタや神山に誤ると 高橋が
「いいですよ 筒井さんも考えられていると思います」
「そう言って下さると助かります
そうそう 神山さん 部長昇進 おめでとうございます」
神山は一瞬あれっと思ったが 直ぐに
「いやぁ ありがとうございます でもこの現場が終われば
元の課長に戻りますから はい」
アルタの3人が聞いていた
「そうだ 久保さん アルタの方を紹介しますね
こちらが今回の責任者 高橋課長 こちらが内野係長 それで
こちらが田中係長です それでいつも3人一緒で
いち・にい・さんコンビって呼ばれているんです」
祥子はきょとんとしているので 高橋が
「ははは 僕が孝一で 内野君が誠二 田中君が幸三で
それで ワン・ツー・スリーコンビなんですよ」
ようやく意味が分かった祥子は 可笑しくてケタケタ笑った
「私 一生懸命考えたけれど 分からなかったわ ふふふ」
神山は昨日 筒井副社長と佐藤部長のやり取りや 考え方など
ポイントを掴んで 祥子に説明し
「オープンは一応6月初旬までと言われてますが 僕は無理なく
早くできればそれに越した事は無いと思います
それで今回 僕がここの責任者と言う形で応援をします」
「はい お願いします 私 何も分からないので ご迷惑を
おかけする事があると思います よろしくお願いしますね」
祥子が笑顔でお辞儀をすると高橋が
「さあ久保さん 顔合わせの行事です」
高橋が祥子のグラスにビールを注ぐと
「では これからお願いしまーす 乾杯」
「かんぱーい」
グラスをカチンと合わせると祥子は ビールを一息で呑んだ
「わぁおー さあどうぞ」
高橋がビールを注ぐと 笑顔で答え今度は少し呑んで置いた
神山が
「実際問題として久保さんの商品展開は進んでいると思います
そこで 問題になるのが 今までのような百貨店と違い 顧客を
外から導入すると言うところが 違います
何かと言うと 欲しい顧客しか店には入って来ないと言う事です」
「そうだよね そこが難しいよね」
「僕はまだ現場に入っていないので なんとも言えませんが
図面を見る限り 成功すると信じていますよ」
「おぅ 山ちゃんから お墨付きを貰った 大丈夫だね」
「でも あくまでも机上の計算ですよ」
祥子を交えて 今後の進め方などを話していると
神山の携帯電話がけたたましく鳴った
「はい 神山ですよ」
「神山さん 凄いわよ やったわね」
「神山ですが 由香里さん?」
「聞いてくれた 大変よ」
「だから なにが大変なんだよ」
「神山さん 正真正銘の部長よ」
「えっ だって8級課長がそんな、、、」
「そう普通は9級課長に進級して肩書きは部長ってなるでしょ」
「そうだよね」
「あなた 忘れてきたでしょ 昇級の命課」
「えっ そんな事ないよ」
「昼過ぎに秘書課から電話があって 忘れ物があるから来なさいって
それで行ったら 命課は部長職になっているでしょ 皆びっくりよ」
「えっ なにそれ」
「奥村課長や倉さんも 間違いじゃないかって 言っていたわ」
「そしたら 本当の部長だ
しかし どうしたんだ いきなり飛び越しちゃって」
「課長なんてひっくり返りそうだったわよ」
「そうするとさ 残業とか定休日出勤とか無くなるわけ」
「そうね 無くなるわね その代わりタイムカードが無くなるわよ」
「今の僕はタイムカードが有った方が助かるな」
.
4人が噂をしていると祥子が現れた
神山は直ぐに気が付いて 手を挙げて合図をした
祥子はニコニコして近づくとみんなに
「ニーナ・ニーナの久保です よろしくお願いします」
「さあ 久保さん どうぞ上がってください」
祥子は靴を脱ぐと 座敷に上がり 神山の横に座った
「本当にすみません 色々と変更して」
祥子がアルタや神山に誤ると 高橋が
「いいですよ 筒井さんも考えられていると思います」
「そう言って下さると助かります
そうそう 神山さん 部長昇進 おめでとうございます」
神山は一瞬あれっと思ったが 直ぐに
「いやぁ ありがとうございます でもこの現場が終われば
元の課長に戻りますから はい」
アルタの3人が聞いていた
「そうだ 久保さん アルタの方を紹介しますね
こちらが今回の責任者 高橋課長 こちらが内野係長 それで
こちらが田中係長です それでいつも3人一緒で
いち・にい・さんコンビって呼ばれているんです」
祥子はきょとんとしているので 高橋が
「ははは 僕が孝一で 内野君が誠二 田中君が幸三で
それで ワン・ツー・スリーコンビなんですよ」
ようやく意味が分かった祥子は 可笑しくてケタケタ笑った
「私 一生懸命考えたけれど 分からなかったわ ふふふ」
神山は昨日 筒井副社長と佐藤部長のやり取りや 考え方など
ポイントを掴んで 祥子に説明し
「オープンは一応6月初旬までと言われてますが 僕は無理なく
早くできればそれに越した事は無いと思います
それで今回 僕がここの責任者と言う形で応援をします」
「はい お願いします 私 何も分からないので ご迷惑を
おかけする事があると思います よろしくお願いしますね」
祥子が笑顔でお辞儀をすると高橋が
「さあ久保さん 顔合わせの行事です」
高橋が祥子のグラスにビールを注ぐと
「では これからお願いしまーす 乾杯」
「かんぱーい」
グラスをカチンと合わせると祥子は ビールを一息で呑んだ
「わぁおー さあどうぞ」
高橋がビールを注ぐと 笑顔で答え今度は少し呑んで置いた
神山が
「実際問題として久保さんの商品展開は進んでいると思います
そこで 問題になるのが 今までのような百貨店と違い 顧客を
外から導入すると言うところが 違います
何かと言うと 欲しい顧客しか店には入って来ないと言う事です」
「そうだよね そこが難しいよね」
「僕はまだ現場に入っていないので なんとも言えませんが
図面を見る限り 成功すると信じていますよ」
「おぅ 山ちゃんから お墨付きを貰った 大丈夫だね」
「でも あくまでも机上の計算ですよ」
祥子を交えて 今後の進め方などを話していると
神山の携帯電話がけたたましく鳴った
「はい 神山ですよ」
「神山さん 凄いわよ やったわね」
「神山ですが 由香里さん?」
「聞いてくれた 大変よ」
「だから なにが大変なんだよ」
「神山さん 正真正銘の部長よ」
「えっ だって8級課長がそんな、、、」
「そう普通は9級課長に進級して肩書きは部長ってなるでしょ」
「そうだよね」
「あなた 忘れてきたでしょ 昇級の命課」
「えっ そんな事ないよ」
「昼過ぎに秘書課から電話があって 忘れ物があるから来なさいって
それで行ったら 命課は部長職になっているでしょ 皆びっくりよ」
「えっ なにそれ」
「奥村課長や倉さんも 間違いじゃないかって 言っていたわ」
「そしたら 本当の部長だ
しかし どうしたんだ いきなり飛び越しちゃって」
「課長なんてひっくり返りそうだったわよ」
「そうするとさ 残業とか定休日出勤とか無くなるわけ」
「そうね 無くなるわね その代わりタイムカードが無くなるわよ」
「今の僕はタイムカードが有った方が助かるな」
.
2010年9月13日月曜日
Vol.65 芽吹き -2-6
斉藤由香里は 奥村と話をした後 神山の席に行き
「はい ご祝儀よ 課長に相談してあるから 大丈夫」
「えっ ご祝儀、、、課長 頂いていいんですか?」
「うん 頂きなさい」
「ねえ 由香里さん この場合 お返しは?」
「ご祝儀だからなしよ 今までも無かったから」
「はーい ありがとうございまーす」
「部長様 しっかりしてくださいね」
由香里は神山の目を見ながら笑顔で伝えた
「おう 山ちゃん 近いうちにご馳走様 ははは」
「ええ 近いうちに いいですよ」
「せんぱーい ごちでーす」
「翔 お仕事優先 分かる ねだるのはまだ早いの」
「そうよ 翔君 貴方も早く偉くなって ご馳走してね いい」
「ありゃー なんでこっちにくるの もう」
「おう 翔 早く偉くなって 酒でもごちさせてくれ」
「はい 分かりました がんばります」
「その調子で頑張れよ 頼んだぞ それではそろそろ
上原に行きます なにかあったら 携帯にください」
「おう 頑張ってな 明日のニーナ・ニーナのステージは大丈夫だよな」
「ええ 店長の林さんと先ほども確認をしています 大丈夫です」
「わかった 上原の後は上原だよな、、、」
「もう 倉さん 呼んでくださればいつでも来ますよ」
「うん 頼んだぞ」
「はい では」
神山は翔の肩をたたき 倉元に会釈をし
「じゃあ 課長 お願いします」
「うん 頑張ってな」
神山はようやくと催事課の部屋を出ると 帰りもタクシーを利用し
銀座と上原の時間を計ることにした
乗車し運転手に行き先を告げたときに携帯電話が鳴った
「アルタの高橋です おめでとうございます」
「孝ちゃんありがと」
「今どこですか」
「タクシーで上原に向かっているところです」
「そうしたら昨日の寿司屋は如何ですか」
「そうしたらそこで あと20分位で着きます」
「僕らは13時前に着く予定ですよお待ちしています」
「では」
玄関を入ると高橋達が座っている座敷から拍手が来た
「山ちゃん こっちです」
「はずかしいよ まったく」
ちょうど昼飯時だったので満員の店内はびっくりしていた
「神山部長おめでとうございます」
「やめてくれよおしりがカユイよ」
高橋のほか 内野 田中が祝辞をいい
「それでは乾杯しましょう」
4人は神山の昇進祝いと今後の繁栄を誓い乾杯した
皆がビールを一呑みし終えた後
「孝ちゃん今朝ね社長から電話があって 驚いているんだ」
「本当は内緒だけど 筒井さんから電話があったって」
「そうなんだ それに取引先のお偉方が来ていて驚いた」
「凄いね 多分倉さんが指示しているのでしょう」
「そうか倉さんか そうだね考えられないもんな」
「人事発表は盛大でしたね」
「うん 催事課の部屋って結構広いけど身動きが取れない位だった」
「凄かったね ところで何を食べますか」
「鮮魚の盛り合わせでいいでしょ」
「そうだろうと思って 注文しておいた」
「そうしたら あと酢の物が欲しいな」
「それも 頼んであるよ」
「なんだお見通しか」
「だって山ちゃんは 上野の時からほとんど一緒だもんね」
二人は顔を見合わせ笑った
あらかじめ注文しておいたので盛り合わせはすぐに出てきた
ビールがすぐに無くなったので追加注文をした
神山は祥子に場所の変更を知らせようと携帯電話を出した
「山ちゃん どこに電話するの」
「うん ニーナ・ニーナの久保さんに場所の変更でさ」
「大丈夫ですよ もう筒井さんに連絡してあります」
「なんだ 早いね」
「勿論 後で怒られますよ 食べ物は後で怖いですからね」
.
「はい ご祝儀よ 課長に相談してあるから 大丈夫」
「えっ ご祝儀、、、課長 頂いていいんですか?」
「うん 頂きなさい」
「ねえ 由香里さん この場合 お返しは?」
「ご祝儀だからなしよ 今までも無かったから」
「はーい ありがとうございまーす」
「部長様 しっかりしてくださいね」
由香里は神山の目を見ながら笑顔で伝えた
「おう 山ちゃん 近いうちにご馳走様 ははは」
「ええ 近いうちに いいですよ」
「せんぱーい ごちでーす」
「翔 お仕事優先 分かる ねだるのはまだ早いの」
「そうよ 翔君 貴方も早く偉くなって ご馳走してね いい」
「ありゃー なんでこっちにくるの もう」
「おう 翔 早く偉くなって 酒でもごちさせてくれ」
「はい 分かりました がんばります」
「その調子で頑張れよ 頼んだぞ それではそろそろ
上原に行きます なにかあったら 携帯にください」
「おう 頑張ってな 明日のニーナ・ニーナのステージは大丈夫だよな」
「ええ 店長の林さんと先ほども確認をしています 大丈夫です」
「わかった 上原の後は上原だよな、、、」
「もう 倉さん 呼んでくださればいつでも来ますよ」
「うん 頼んだぞ」
「はい では」
神山は翔の肩をたたき 倉元に会釈をし
「じゃあ 課長 お願いします」
「うん 頑張ってな」
神山はようやくと催事課の部屋を出ると 帰りもタクシーを利用し
銀座と上原の時間を計ることにした
乗車し運転手に行き先を告げたときに携帯電話が鳴った
「アルタの高橋です おめでとうございます」
「孝ちゃんありがと」
「今どこですか」
「タクシーで上原に向かっているところです」
「そうしたら昨日の寿司屋は如何ですか」
「そうしたらそこで あと20分位で着きます」
「僕らは13時前に着く予定ですよお待ちしています」
「では」
玄関を入ると高橋達が座っている座敷から拍手が来た
「山ちゃん こっちです」
「はずかしいよ まったく」
ちょうど昼飯時だったので満員の店内はびっくりしていた
「神山部長おめでとうございます」
「やめてくれよおしりがカユイよ」
高橋のほか 内野 田中が祝辞をいい
「それでは乾杯しましょう」
4人は神山の昇進祝いと今後の繁栄を誓い乾杯した
皆がビールを一呑みし終えた後
「孝ちゃん今朝ね社長から電話があって 驚いているんだ」
「本当は内緒だけど 筒井さんから電話があったって」
「そうなんだ それに取引先のお偉方が来ていて驚いた」
「凄いね 多分倉さんが指示しているのでしょう」
「そうか倉さんか そうだね考えられないもんな」
「人事発表は盛大でしたね」
「うん 催事課の部屋って結構広いけど身動きが取れない位だった」
「凄かったね ところで何を食べますか」
「鮮魚の盛り合わせでいいでしょ」
「そうだろうと思って 注文しておいた」
「そうしたら あと酢の物が欲しいな」
「それも 頼んであるよ」
「なんだお見通しか」
「だって山ちゃんは 上野の時からほとんど一緒だもんね」
二人は顔を見合わせ笑った
あらかじめ注文しておいたので盛り合わせはすぐに出てきた
ビールがすぐに無くなったので追加注文をした
神山は祥子に場所の変更を知らせようと携帯電話を出した
「山ちゃん どこに電話するの」
「うん ニーナ・ニーナの久保さんに場所の変更でさ」
「大丈夫ですよ もう筒井さんに連絡してあります」
「なんだ 早いね」
「勿論 後で怒られますよ 食べ物は後で怖いですからね」
.
2010年9月12日日曜日
Vol.64 芽吹き -2-6
全てに経費が絡んでいるので 少ない予算で大きな効果を
生むように考える事を充分と説明した
「はい 分りました ご迷惑をお掛けしないよう頑張ります」
「うん頼んだよ 何かあったら 携帯でも良いから連絡をくれ」
「迷ったときは上司に相談する事 自分の判断はだめだぞ いいね」
「はい 分りました」
杉田と話をしている間に各取引先もぽつぽつと引き上げていった
6日8時 代々木上原
業務用の電話が鳴り響き バスから出るとアルタの高橋からだった
「ごめんね 山ちゃん」
「おやようさん どうしたの?」
「うん 今日お昼に現場で打ち合わせをしたいんだけれど」
「うん 何時?」
「1時がいいんだ」
「いいよ 現場でいいんだね」
「うん 実は今 ニーナ・ニーナの筒井さんから連絡があって
チーフの久保さんが1時に現場に来るんだって
それで 一応 顔合わせと仕事の進め方を説明しようと思って」
神山はこのとき久保祥子を知っている事を伏せて
「分かった どちらにしても 1時に現場に行きます」
「うん お願いします」
「了解」
神山は高橋との電話を切ると祥子に電話をした
「はい 祥子です おはようございます」
「おはよう ところで 1時に上原で打ち合わせって知っている?」
「ええ 先ほど筒井さんから電話があって 会社に寄らないで
上原の現場に直接行くよう 指示がありました」
「えっ そうなの 今ね アルタから電話があって チーフの
久保さんと顔合わせと今後のためにで1時現場って言われた」
「ふふふ そうすると 筒井さんが動かしているのね
私もびっくりしているんだもん」
「じゃあ 現場が終わったら会社にいくの?」
「ううん そのまま帰っていいって 言われたけれど
一旦帰社して報告だけするわ」
「そうだね その方がすっきりするし じゃあ 1時に
そうそう そうしたら東京駅から 一緒にいく?」
「うーん いいわよ 恥ずかしいでしょ」
「まあ そうだね では」
神山は電話を切ると 筒井がなぜこのような細工をしたのか
いくら考えても分からなかった
出かける支度をして バックの中を確認すると
昨日 高橋から貰った封筒が二つと筒井から貰った封筒があり
中を確認した
アルタの方は 最初が100万で後から佐藤部長が20万
ニーナ・ニーナの筒井さんが10万と合計130万のご祝儀だった
佐藤部長から貰ったタクシー券は30枚も入っていて
使い道に困るほどだった
(よし 今朝は少し贅沢して タクシーで出勤してみよう)
神山は姿見で確認すると バッグを持ち部屋を後にした
大通りにでてタクシーを拾い 銀座まで走ると渋滞に
つかまることなく スムーズに事務所までたどり着いた
銀座店催事課
「課長 このご祝儀 どうされるんですか?」
斉藤由香里は業者から貰った祝儀袋の束を奥村に見せた
「由香里さん 山ちゃん宛ては」
「ええ こちらに別にしてあります」
「そうか 催事課できたんだね」
「ええ 山ちゃんにっていわれ これは催事課さんですって
そうやって置かれていかれました」
今日来た業者の数は数えていないが50や70社くらいは
入れ替わり来ていたと見られる
奥村が祝儀袋を見ていると 同じ業者から複数頂いているのもあり
いままで昇進や歓送迎会でこれだけ ご祝儀が集まったのも
珍しく 奥村も戸惑った
「由香里さん 山ちゃんの分は 本人に渡して ねっ
で 催事課の分だよな どうするのこれ はぁー」
斉藤由香里が言うには 山ちゃんの分は合計で43社170万
催事課分が46社で90万円あるという
「そうしたら 業者名と金額を帳簿につけて 軍資金に回そう」
「はい 分かりました じゃあ 山ちゃんの分は、、、」
「うん そのまま渡して 後は本人が処理をするでしょ」
「はい 分かりました」
.
生むように考える事を充分と説明した
「はい 分りました ご迷惑をお掛けしないよう頑張ります」
「うん頼んだよ 何かあったら 携帯でも良いから連絡をくれ」
「迷ったときは上司に相談する事 自分の判断はだめだぞ いいね」
「はい 分りました」
杉田と話をしている間に各取引先もぽつぽつと引き上げていった
6日8時 代々木上原
業務用の電話が鳴り響き バスから出るとアルタの高橋からだった
「ごめんね 山ちゃん」
「おやようさん どうしたの?」
「うん 今日お昼に現場で打ち合わせをしたいんだけれど」
「うん 何時?」
「1時がいいんだ」
「いいよ 現場でいいんだね」
「うん 実は今 ニーナ・ニーナの筒井さんから連絡があって
チーフの久保さんが1時に現場に来るんだって
それで 一応 顔合わせと仕事の進め方を説明しようと思って」
神山はこのとき久保祥子を知っている事を伏せて
「分かった どちらにしても 1時に現場に行きます」
「うん お願いします」
「了解」
神山は高橋との電話を切ると祥子に電話をした
「はい 祥子です おはようございます」
「おはよう ところで 1時に上原で打ち合わせって知っている?」
「ええ 先ほど筒井さんから電話があって 会社に寄らないで
上原の現場に直接行くよう 指示がありました」
「えっ そうなの 今ね アルタから電話があって チーフの
久保さんと顔合わせと今後のためにで1時現場って言われた」
「ふふふ そうすると 筒井さんが動かしているのね
私もびっくりしているんだもん」
「じゃあ 現場が終わったら会社にいくの?」
「ううん そのまま帰っていいって 言われたけれど
一旦帰社して報告だけするわ」
「そうだね その方がすっきりするし じゃあ 1時に
そうそう そうしたら東京駅から 一緒にいく?」
「うーん いいわよ 恥ずかしいでしょ」
「まあ そうだね では」
神山は電話を切ると 筒井がなぜこのような細工をしたのか
いくら考えても分からなかった
出かける支度をして バックの中を確認すると
昨日 高橋から貰った封筒が二つと筒井から貰った封筒があり
中を確認した
アルタの方は 最初が100万で後から佐藤部長が20万
ニーナ・ニーナの筒井さんが10万と合計130万のご祝儀だった
佐藤部長から貰ったタクシー券は30枚も入っていて
使い道に困るほどだった
(よし 今朝は少し贅沢して タクシーで出勤してみよう)
神山は姿見で確認すると バッグを持ち部屋を後にした
大通りにでてタクシーを拾い 銀座まで走ると渋滞に
つかまることなく スムーズに事務所までたどり着いた
銀座店催事課
「課長 このご祝儀 どうされるんですか?」
斉藤由香里は業者から貰った祝儀袋の束を奥村に見せた
「由香里さん 山ちゃん宛ては」
「ええ こちらに別にしてあります」
「そうか 催事課できたんだね」
「ええ 山ちゃんにっていわれ これは催事課さんですって
そうやって置かれていかれました」
今日来た業者の数は数えていないが50や70社くらいは
入れ替わり来ていたと見られる
奥村が祝儀袋を見ていると 同じ業者から複数頂いているのもあり
いままで昇進や歓送迎会でこれだけ ご祝儀が集まったのも
珍しく 奥村も戸惑った
「由香里さん 山ちゃんの分は 本人に渡して ねっ
で 催事課の分だよな どうするのこれ はぁー」
斉藤由香里が言うには 山ちゃんの分は合計で43社170万
催事課分が46社で90万円あるという
「そうしたら 業者名と金額を帳簿につけて 軍資金に回そう」
「はい 分かりました じゃあ 山ちゃんの分は、、、」
「うん そのまま渡して 後は本人が処理をするでしょ」
「はい 分かりました」
.
2010年9月11日土曜日
Vol.63 芽吹き -2-6
4月6日 月曜日 小雨
「神山 龍巳 殿 右のもの 本日を持って専門部長を任命する
平成9年4月6日 銀座店店長 池上 聡」
神山は特例の人事命課を受けた
秘書課課長 店次長 販促部長を筆頭に他の部長が見守る中
人事辞令が発令された
「山ちゃん 頑張ってくれよ」
店長から励ましの言葉を頂き
「精一杯 尽力を発揮いたします 鈴やの為にも
ニーナ・ニーナジャパンの為にも 本日はありがとうございます」
神山は辞令を交付されてようやく自分が専門部長に
なったことを意識したがこれからが大変だと気を引き締めた
秘書課から催事課のビルに帰る途中 課長クラスと行き交うと
「おめでとう がんばってな」
と皆声を掛けられた
今回の人事は特例中の特例で 銀座店の皆がすぐに知る事になった
催事課に戻ると皆が神山の帰りを待っていて
「おめでとう すごいな 頑張ってくれよ」
と お祝いと励ましの言葉があちこちから来た
「ありがとうございます 暫くの間 銀座が手薄に成りますが
ここに居るスタッフが私をカバーし仕事をさせて頂きます」
神山の第一声をききあちこちから拍手がわいた
催事課でも奥村課長が異例の発表をした
「取引先の方も殆ど来られているので ここで人事発表を行います
本日をもって神山さんは専門部長になられました
現在 銀座店の仕事のほかにニーナ・ニーナジャパンの
代々木上原店出店準備の為 そちらの仕事もして頂きます
以上宜しくお願いします」
奥村課長の発表が終るとまたお祝いの拍手がわいた
神山はここまで発表をされたのであればと思い
「私が抜けた所は 杉田君がフォローしてくれるようになっています
勿論 倉元部長が全てを見るようにはなっていますが
杉田君にもがんばって頂きたいと思っています」
神山は奥村課長を見たが こちらを見て頷き返してきた
「神山部長が言われたように 杉田君がフォローをしますので
各取引先の方も杉田君を後押しして下さるようお願いします
杉田君 一言どうかね」
「はい 今回 神山部長のフォローをさせて頂きます
微力な私ですが精一杯頑張りますので ご支援をお願いします」
ここで又 部屋に居る皆から拍手が沸いた
なかなか自分の席につくことが出来ない神山だった
電話機が鳴ったので由香里が受話器を取り上げると
ニーナ・ニーナジャパンの筒井からだった
「神山部長 ニーナ・ニーナJPの筒井副社長からお電話です」
由香里が改まった口調で受話器を手渡すので お互い笑った
「はい神山ですが ありがとうございます」
「いや おめでとう 今忙しいだろうから又 後で」
「はい では」
受話器を置くとすぐに電話機がなった 今度は神山が取り上げると
「アルタの内藤ですが 神山部長はいらしゃいますか」
「神山です」
「やあ 昇進おめでとう 頑張ってください」
「はい 分りました 今後も宜しくお願いします」
受話器を置き奥村課長にアルタの社長から
お祝いの言葉を頂いた事を伝えた
(しかし なんで取引先のお偉方がいるのだろう
それに余り知らない取引先も来ているな)
取引先と催事課の皆が久しぶりで揃うので宴会場のような
そうぞうしい会話で大変だった
「課長 僕は上原で1時に約束がありますので 暫くしたらでます」
「そうか 昼を一緒にと思ったが 仕方ないな」
「又 設けてください 由香里姫と連絡を取り合いますから」
「うん 経費もこれからある程度自由だから由香里さんに言ってくれ」
「おう 良かったな 山ちゃん 頼むぞ」
「倉さん ありがとうございます それとこのカードの件も」
「ああ 大変だものな」
「それから 昨日アルタさんからビール券を一杯頂きました」
「おう それはいい事だ 寄らせてもらうよ」
神山は自分の席につき 杉田とデザインの割り振りをした
殆どを杉田にまかせたが自身もデザインしFAXで送る事にした
売場との打ち合わせは杉田が行うがチェックは神山が行う事に
なっているので 詳細を電話連絡するよう指示した
.
「神山 龍巳 殿 右のもの 本日を持って専門部長を任命する
平成9年4月6日 銀座店店長 池上 聡」
神山は特例の人事命課を受けた
秘書課課長 店次長 販促部長を筆頭に他の部長が見守る中
人事辞令が発令された
「山ちゃん 頑張ってくれよ」
店長から励ましの言葉を頂き
「精一杯 尽力を発揮いたします 鈴やの為にも
ニーナ・ニーナジャパンの為にも 本日はありがとうございます」
神山は辞令を交付されてようやく自分が専門部長に
なったことを意識したがこれからが大変だと気を引き締めた
秘書課から催事課のビルに帰る途中 課長クラスと行き交うと
「おめでとう がんばってな」
と皆声を掛けられた
今回の人事は特例中の特例で 銀座店の皆がすぐに知る事になった
催事課に戻ると皆が神山の帰りを待っていて
「おめでとう すごいな 頑張ってくれよ」
と お祝いと励ましの言葉があちこちから来た
「ありがとうございます 暫くの間 銀座が手薄に成りますが
ここに居るスタッフが私をカバーし仕事をさせて頂きます」
神山の第一声をききあちこちから拍手がわいた
催事課でも奥村課長が異例の発表をした
「取引先の方も殆ど来られているので ここで人事発表を行います
本日をもって神山さんは専門部長になられました
現在 銀座店の仕事のほかにニーナ・ニーナジャパンの
代々木上原店出店準備の為 そちらの仕事もして頂きます
以上宜しくお願いします」
奥村課長の発表が終るとまたお祝いの拍手がわいた
神山はここまで発表をされたのであればと思い
「私が抜けた所は 杉田君がフォローしてくれるようになっています
勿論 倉元部長が全てを見るようにはなっていますが
杉田君にもがんばって頂きたいと思っています」
神山は奥村課長を見たが こちらを見て頷き返してきた
「神山部長が言われたように 杉田君がフォローをしますので
各取引先の方も杉田君を後押しして下さるようお願いします
杉田君 一言どうかね」
「はい 今回 神山部長のフォローをさせて頂きます
微力な私ですが精一杯頑張りますので ご支援をお願いします」
ここで又 部屋に居る皆から拍手が沸いた
なかなか自分の席につくことが出来ない神山だった
電話機が鳴ったので由香里が受話器を取り上げると
ニーナ・ニーナジャパンの筒井からだった
「神山部長 ニーナ・ニーナJPの筒井副社長からお電話です」
由香里が改まった口調で受話器を手渡すので お互い笑った
「はい神山ですが ありがとうございます」
「いや おめでとう 今忙しいだろうから又 後で」
「はい では」
受話器を置くとすぐに電話機がなった 今度は神山が取り上げると
「アルタの内藤ですが 神山部長はいらしゃいますか」
「神山です」
「やあ 昇進おめでとう 頑張ってください」
「はい 分りました 今後も宜しくお願いします」
受話器を置き奥村課長にアルタの社長から
お祝いの言葉を頂いた事を伝えた
(しかし なんで取引先のお偉方がいるのだろう
それに余り知らない取引先も来ているな)
取引先と催事課の皆が久しぶりで揃うので宴会場のような
そうぞうしい会話で大変だった
「課長 僕は上原で1時に約束がありますので 暫くしたらでます」
「そうか 昼を一緒にと思ったが 仕方ないな」
「又 設けてください 由香里姫と連絡を取り合いますから」
「うん 経費もこれからある程度自由だから由香里さんに言ってくれ」
「おう 良かったな 山ちゃん 頼むぞ」
「倉さん ありがとうございます それとこのカードの件も」
「ああ 大変だものな」
「それから 昨日アルタさんからビール券を一杯頂きました」
「おう それはいい事だ 寄らせてもらうよ」
神山は自分の席につき 杉田とデザインの割り振りをした
殆どを杉田にまかせたが自身もデザインしFAXで送る事にした
売場との打ち合わせは杉田が行うがチェックは神山が行う事に
なっているので 詳細を電話連絡するよう指示した
.
2010年9月10日金曜日
Vol.62 芽吹き -1-5
「いいわね こんな所で生活をしてみたいわ」
「そんな事ないさ 事務所も兼ねているんだよ」
「でもいいわ 東京の隠れた一等地ですもん ビール私にも頂戴」
「うん」
新しい缶ビールをベッドに横たわっている由香里に差し出した
「ありがとう」
(あの時 君は僕ではなく 市川を選んでホテルに行っただろ
たまたま あのホテルに用があって見かけたんだ
まあ 今回の件は 市川は違うと言っているけれど、、、)
「どういたしまして」
お互いに羽織る物が無いので バスタオルを身につけた格好だった
「ちょっとシャワーを浴びてくる」
由香里にそう言うと バスルームに向かった
祥子の部屋で体験しているマジックミラーは今夜は使わなかった
バスルームを明るくして 思いっきり汗を流していると
由香里もバスルームに入ってきた
「ねえ 覚えている?」
「何を?」
「ほら初めての時 私間に合わなくて おもらしをしてしまった事」
「うん よく覚えているよ」
「その時 本当に恥ずかしかったの」
「そうだったね 躰が固まっていたもの」
「だけど 神山さんて凄く優しくしてくれたから 嬉しかったわ」
「特別に優しくしていた訳ではないよ 男だって恥ずかしいよ」
「ううん やさしかったよ」
由香里はその時を思い出したのか 神山の肉棒を洗い出した
下半身は勝手にそして立派な形に変身を遂げ
由香里を喜ばせる体勢になった
由香里は自分から背を向けてお尻を突き出す格好になり
肉棒を向かい入れる準備をした
神山は少し悪戯をしてやろうと考えて
座り込むと大事な秘所を指や唇で愛撫し始めると
「どうしたの だめ そんな事しては だめです」
由香里は突然の変わった攻撃を受け 心の準備が出来ていない所で
快楽を受け入れてしまい 膝をがくがくさせて頂点に達してしまった
「だめ もうだめ ねえ やめて お願い」
由香里は頂点に達した後も攻撃が続くので 躰をよじって逃げた
「なんで なんで入って来てくれなかったの
私 もうだめ なんか変な風に感じちゃったわ」
神山が由香里の秘所を触ると 滑りとした液体が溢れ出ていたので
躰を抱き寄せながら愛撫を始めると
「ねえ お願い入ってきて お願いします」
由香里はどうにもコントロール出来ない下半身をせめてながらも
満足していないものを神山に求めた
神山は再び硬直させると由香里の中にゆっくりと入り左右に動くと
由香里は待たされじらされた分 それだけで頂点に達してしまった
優しくそして少し強く締め付けられた肉棒は動かなかった
暫くすると肉棒への締め付けが更に強くなり
突き出した由香里のお尻が前後に動き始めた
それに合わせ神山も動き始めると由香里の動きが激しくなり
上下左右だけではなく円運動が加わり 神山は我慢できず頂点に達し
由香里も神山に合わせるように頂点に達し その場にへたり込んだ
「さあ これで綺麗になったわね」
「うん 手伝ってくれてありがとう」
「そんなー 水臭い事言わないでくださいよ」
「いやいや 本当にありがとう」
「どういたしまして 又 来ていい?」
「う~ん 少し無理だよ」
「なんで?」
「だって 仕事を優先しなければいけないからな」
「由香里 寂しいもん」
「そんな我侭を言うなよ
由香里が居ると 目移りして仕事が出来ないじゃないか」
「やっぱり由香里の事 嫌いなんだ 避けてばっかり」
「違うよ 今晩は良いけど 僕の部屋から一人で女性が出て来たら
事情を知らない人間は どのように思うかでしょ
だから 僕が銀座に行った時に又合おうよ」
神山はなんとかここに来て貰いたくないのでバリアーを張ったが
「しょうがないわね しかし神山さんが浮気をしたら、、、
ここを切り取りますからね」
神山のズボンの上から大事な処をぽんぽんと触りながら言った
(だったら なぜ去年 僕を避けたんだ
僕だって 由香里さんともっと色々と体験したかったのに)
「分ったよ そんな事無いよ」
(でも 他の女性と本気になったら どうする?)
「本当よ 浮気しないでね 由香里寂しいもん」
「うん 分ったよ」
「それでは お邪魔しました これからどうするの?」
「うん パソコンや通信関係を確認したら寝ますよ 明日のために」
「ふ~ん では 帰りますね」
「うん 気を付けて」
神山がそう言っている時にプリンターが鳴り出し起動し始めた
「アルタから又 何か送ってきた」
「じゃあ 送って貰えないわね」
「うん ごめんね」
「ううん いいの お仕事優先 頑張ってね」
由香里は先ほどとは違う 明るい顔で神山にキスを求めてきた
「今夜は 本当に助かったよ 色々とありがとう」
そう言いながら 軽く唇にキスをした
「ここからなら 電車を利用するよりタクシーの方が早いだろう」
「ええ そうするわ」
「では 気を付けてね 明日は遅刻しないように銀座に行く」
「はい 神山さん気をつけてね 大切な日だから遅刻はなしよ」
神山は頷くと玄関を開け由香里を大通りの車が拾える所まできて
タクシーを拾うと由香里を乗せた
「山ちゃん ありがとう ばいばい」
「うん ありがとう 気をつけてね じゃ」
二人の挨拶が終わるとタクシーは新宿方面へ発車した
.
「そんな事ないさ 事務所も兼ねているんだよ」
「でもいいわ 東京の隠れた一等地ですもん ビール私にも頂戴」
「うん」
新しい缶ビールをベッドに横たわっている由香里に差し出した
「ありがとう」
(あの時 君は僕ではなく 市川を選んでホテルに行っただろ
たまたま あのホテルに用があって見かけたんだ
まあ 今回の件は 市川は違うと言っているけれど、、、)
「どういたしまして」
お互いに羽織る物が無いので バスタオルを身につけた格好だった
「ちょっとシャワーを浴びてくる」
由香里にそう言うと バスルームに向かった
祥子の部屋で体験しているマジックミラーは今夜は使わなかった
バスルームを明るくして 思いっきり汗を流していると
由香里もバスルームに入ってきた
「ねえ 覚えている?」
「何を?」
「ほら初めての時 私間に合わなくて おもらしをしてしまった事」
「うん よく覚えているよ」
「その時 本当に恥ずかしかったの」
「そうだったね 躰が固まっていたもの」
「だけど 神山さんて凄く優しくしてくれたから 嬉しかったわ」
「特別に優しくしていた訳ではないよ 男だって恥ずかしいよ」
「ううん やさしかったよ」
由香里はその時を思い出したのか 神山の肉棒を洗い出した
下半身は勝手にそして立派な形に変身を遂げ
由香里を喜ばせる体勢になった
由香里は自分から背を向けてお尻を突き出す格好になり
肉棒を向かい入れる準備をした
神山は少し悪戯をしてやろうと考えて
座り込むと大事な秘所を指や唇で愛撫し始めると
「どうしたの だめ そんな事しては だめです」
由香里は突然の変わった攻撃を受け 心の準備が出来ていない所で
快楽を受け入れてしまい 膝をがくがくさせて頂点に達してしまった
「だめ もうだめ ねえ やめて お願い」
由香里は頂点に達した後も攻撃が続くので 躰をよじって逃げた
「なんで なんで入って来てくれなかったの
私 もうだめ なんか変な風に感じちゃったわ」
神山が由香里の秘所を触ると 滑りとした液体が溢れ出ていたので
躰を抱き寄せながら愛撫を始めると
「ねえ お願い入ってきて お願いします」
由香里はどうにもコントロール出来ない下半身をせめてながらも
満足していないものを神山に求めた
神山は再び硬直させると由香里の中にゆっくりと入り左右に動くと
由香里は待たされじらされた分 それだけで頂点に達してしまった
優しくそして少し強く締め付けられた肉棒は動かなかった
暫くすると肉棒への締め付けが更に強くなり
突き出した由香里のお尻が前後に動き始めた
それに合わせ神山も動き始めると由香里の動きが激しくなり
上下左右だけではなく円運動が加わり 神山は我慢できず頂点に達し
由香里も神山に合わせるように頂点に達し その場にへたり込んだ
「さあ これで綺麗になったわね」
「うん 手伝ってくれてありがとう」
「そんなー 水臭い事言わないでくださいよ」
「いやいや 本当にありがとう」
「どういたしまして 又 来ていい?」
「う~ん 少し無理だよ」
「なんで?」
「だって 仕事を優先しなければいけないからな」
「由香里 寂しいもん」
「そんな我侭を言うなよ
由香里が居ると 目移りして仕事が出来ないじゃないか」
「やっぱり由香里の事 嫌いなんだ 避けてばっかり」
「違うよ 今晩は良いけど 僕の部屋から一人で女性が出て来たら
事情を知らない人間は どのように思うかでしょ
だから 僕が銀座に行った時に又合おうよ」
神山はなんとかここに来て貰いたくないのでバリアーを張ったが
「しょうがないわね しかし神山さんが浮気をしたら、、、
ここを切り取りますからね」
神山のズボンの上から大事な処をぽんぽんと触りながら言った
(だったら なぜ去年 僕を避けたんだ
僕だって 由香里さんともっと色々と体験したかったのに)
「分ったよ そんな事無いよ」
(でも 他の女性と本気になったら どうする?)
「本当よ 浮気しないでね 由香里寂しいもん」
「うん 分ったよ」
「それでは お邪魔しました これからどうするの?」
「うん パソコンや通信関係を確認したら寝ますよ 明日のために」
「ふ~ん では 帰りますね」
「うん 気を付けて」
神山がそう言っている時にプリンターが鳴り出し起動し始めた
「アルタから又 何か送ってきた」
「じゃあ 送って貰えないわね」
「うん ごめんね」
「ううん いいの お仕事優先 頑張ってね」
由香里は先ほどとは違う 明るい顔で神山にキスを求めてきた
「今夜は 本当に助かったよ 色々とありがとう」
そう言いながら 軽く唇にキスをした
「ここからなら 電車を利用するよりタクシーの方が早いだろう」
「ええ そうするわ」
「では 気を付けてね 明日は遅刻しないように銀座に行く」
「はい 神山さん気をつけてね 大切な日だから遅刻はなしよ」
神山は頷くと玄関を開け由香里を大通りの車が拾える所まできて
タクシーを拾うと由香里を乗せた
「山ちゃん ありがとう ばいばい」
「うん ありがとう 気をつけてね じゃ」
二人の挨拶が終わるとタクシーは新宿方面へ発車した
.
2010年9月9日木曜日
Vol.61 芽吹き -1-5
「うん そうしてくれ 少し辛そうだし 頼むよ」
奥村が神山に大丈夫かと聞くが空返事しか返ってこなかった
神山自身はこの事を余り覚えてなく 久しぶりの不覚だった
翌日 目覚ましと時計が鳴っていたので目を覚ましてみると
隣に由香里が背中を向けて寝ていた
驚いた神山はここがどこだか分らず昨日の事を思い出したが
頭の中には由香里の姿は出てこなかった
暫く目をつぶっていると由香里がこちらに向きを変え
「どうしたの 神山さん おはよう」
「おはよう 斉藤さん」
「さいとうさんではなく ゆかりでしょ」
「うん 由香里さん」
「何を考えているの」
「いや 何で由香里さんとここにいるのだろうと思って」
「やだ 覚えていないの?」
「うん」
由香里は奥村と別れた後 高くもなく安くもないホテルを探し
神山をベッドまで運び寝かしたが
うわ言のように水が欲しいだの 頭が痛いだの言われ
結局 自宅に帰りそびた事を伝えた
神山は丁寧にお詫びとお礼を言った
神山は自分が裸でいる事が不思議でどうしたのか分らなかった
「昨夜 神山さんは私を求めてきたの」
「えっ 僕が 由香里さんを?」
「そう 頭痛が治まると 私の躰を触ってきて求めてきたの」
「えっ」
「いやだ 覚えていないの だけど久しぶりに気持ち良かったわ」
「そんな そんなに話していないのに」
「そうね しかし 女と男になると言葉なんか必要ないわ」
「しかし、、、」
神山はホテルの寝巻きを羽織トイレに入った
ユニットバスに湯を張り少し考えていたが由香里が
「ねえ 私もおトイレを使わせて」
「いいよ ちょっと待って 出るから」
神山は焦って出ようとしたがバスタオルが見つからず焦っていた時に
「もうだめ 神山さん見ないで あっちを向いていて」
狭い所で二人がもつれ合うようにしていた時 由香里は
便座に腰掛ける前にもらし始め
両足を硬く閉ざしている付け根から透明の液体が流れてきた
液体を流している間 由香里は直立した状態で両手は顔を覆い
生理現象が全て終ったとき由香里の秘所をシャワーで流してあげた
石鹸で丁寧に洗ってあげるとようやく足を広げ
自分から秘所をさらけ出しもっとも大切な処も洗わせた
顔を覆っていた両手は神山の肉棒を探り当て丁寧にシャワーで流し
今度はひざまずき 大きくなった肉棒を咥えたりしゃぶったりした
硬くなったのを確認した由香里はその場で交わりを求めてきたので
由香里をバスの壁に向けお尻を突き出させる格好で背後から交わり
最初のうちは神山が動いていたが 暫くすると
気持ちよくなって来たのか由香里もリズミカルに動き始めた
「うわぁー いっぱい ねえもう勘弁して」
神山は今度は正面を向かせ片足を持ち上げ交わったがすぐに
「あぁー きもちいいー もうすぐ ああぁー」
この体位だとクリトリスに当たるのか由香里は頂点に達した
由香里が頂点に達した後 神山もほどなく頂点に達した
シャワーが頭から流れている中で唇を重ね合わせた
「それだったら 私を避けることないでしょ
今年に入ってから 神山さん私を避けているもん 絶対に」
「そんな事ないよ 避けてなんていないよ」
「だったら ここで私を抱いて ねっ
ねえ お願い神山さん だ・い・て」
由香里の片手は神山の肉棒をズボンの上から探り触っていた
(どうして、、君は昨年のクリスマスイヴを覚えているのか)
神山の思考とは別の動きをする下半身で
感じないように呪文を掛けても由香里の魔術には負けてしまった
「ほら こんなに元気になったじゃない」
由香里は勝ち誇ったように ズボンの上からぽんと叩き
ブラウスのボタンをはずし脱ぐと 神山に抱きついて来た
神山もどうなってもいいと半分妬けになり由香里を抱きしめ
造り付けのベッドを準備すると二人は久しぶりの感触を確かめた
神山が上になり重なったり 由香里が背を伸ばし上になったり
由香里は何回か頂点に達した後 暫くは動かなかった
神山がビールを呑みにキッチンに立つと
.
2010年9月8日水曜日
Vol.60 芽吹き -1-5
「私も失礼するよ 随分と楽しませてもらったよ ありがとう
そうそう 肝心なものを忘れていた」
筒井はカードを出すと神山に手渡し
「これはここのキーカードで 予備なんだ ウラに管理人さんの
連絡先が入っているけれど 紛失しないようにね」
「はい 困ったな こんなにカードが増えると わかりました」
「じゃあ 頼んだよ」
この時 倉元も立ち上がり
「おう 俺も失礼するよ ご馳走様 がんばろうな」
「倉さん ありがとうございます」
「そうですね 私も失礼します 山ちゃん 頑張って
明日9時の事は忘れないでな 頼んだよ」
「はい でも心配だな 目覚ましが無いんですよ」
「大丈夫よ ちゃんと買ってきてあるわ」
「由香里姫 ありがとうございます」
「ねえ 課長 私 ここを片付けてから帰ります」
「うん 悪いな そうしてあげて」
神山は4人を1階のエントランスまで見送り 部屋にもどった
「あーあ 疲れたよ」
「お疲れ様 でも広くて気持ちがいいお部屋ね」
由香里は冷蔵庫から新しいビールを出して神山に注ぐと
自分も呑みながら テラスに出て夜風に当たった
二人でビールを呑み干すと由香里が
「さあ 片づけをしまーす 手伝ってね」
「はーい 了解」
由香里はニコニコして神山に伝えると キッチンに入り食器を洗った
ちょうどその時に神山の携帯電話がなり
「山ちゃん 携帯電話が鳴っているわよ ほら」
水道を止めると確かに自分の携帯電話だった
神山はタオルで手を拭いて携帯を手にすると テラスに出た
「祥子です こんばんわ 今 大丈夫ですか」
「うん ありがとう」
「夕方実家に戻り 先ほどご飯を済ませました それで子供は
TVに釘づけになったから 電話をしたの」
「仕事はうまくいったの?」
「ええ スムーズに運んでOKですよ 横浜から荷物は運べた?」
「うん 順調 明日驚くよ 完全な事務所だよ」
「へぇー そうなんだ」
「それから 筒井さんに言われたけれど 祥子さんがここに
居る事は誰にも話さないから 安心してね」
「そうそう 会社でもごく一部の人間だけなのよ
連絡は携帯電話で済ませるでしょ だからわざわざ教える事無いって」
「なので 僕も知らぬ存ぜぬで通すよ」
「お願いしますね あっ 子供が来たわ それでは又 明日ね」
「うん 会社には何時なの?」
「一応 12時頃と伝えてあります 失礼します」
祥子は子供が直ぐ傍に居るのだろう 最後は丁寧な口調だった
携帯電話を机に置くとキッチンに入った
「誰からだったの」
「うん アルタの現場の人だよ」
「後は 食器の水を切って拭くだけです」
「ありがとう そうそうこのグラス 1万もするんだって」
「翔君ね そうよ 上代はね でもバーゲンで3千円だったわ」
「それでも3千円か 落とせないな」
「ねえ お酒ってなにがあるの?」
「日本酒を呑む?」
「ええ そうしようかな」
神山は先ほど開けた日本酒をグラスに注ぎ由香里に渡した
「ようやく 落ち着いたわね 山ちゃん」
「ははは まあ慣れるまでは 落ち着かないよ」
二人で乾杯をして日本酒を呑んだ
「ねぇ 神山さん ようやく二人っきりになれたわ」
「しかし 由香里さんまずいですよ そんな」
神山は昨年4月に上野店から移動をしてきた時に
銀座店の催事課で歓送迎会が行われた
出席者は催事課だけではなく池上店長はじめ取引先も含めると
壮大な人数になった
池上店長の肝いりということで 取引先は我先に挨拶を求め
神山もそれに答え盃が進んだ
歓送迎会を無事に終えたが 二次会に出る勇気はなかった
少し足がふらつき始めていたところ由香里が
「私 何処かホテル探して介抱してきます」
.
そうそう 肝心なものを忘れていた」
筒井はカードを出すと神山に手渡し
「これはここのキーカードで 予備なんだ ウラに管理人さんの
連絡先が入っているけれど 紛失しないようにね」
「はい 困ったな こんなにカードが増えると わかりました」
「じゃあ 頼んだよ」
この時 倉元も立ち上がり
「おう 俺も失礼するよ ご馳走様 がんばろうな」
「倉さん ありがとうございます」
「そうですね 私も失礼します 山ちゃん 頑張って
明日9時の事は忘れないでな 頼んだよ」
「はい でも心配だな 目覚ましが無いんですよ」
「大丈夫よ ちゃんと買ってきてあるわ」
「由香里姫 ありがとうございます」
「ねえ 課長 私 ここを片付けてから帰ります」
「うん 悪いな そうしてあげて」
神山は4人を1階のエントランスまで見送り 部屋にもどった
「あーあ 疲れたよ」
「お疲れ様 でも広くて気持ちがいいお部屋ね」
由香里は冷蔵庫から新しいビールを出して神山に注ぐと
自分も呑みながら テラスに出て夜風に当たった
二人でビールを呑み干すと由香里が
「さあ 片づけをしまーす 手伝ってね」
「はーい 了解」
由香里はニコニコして神山に伝えると キッチンに入り食器を洗った
ちょうどその時に神山の携帯電話がなり
「山ちゃん 携帯電話が鳴っているわよ ほら」
水道を止めると確かに自分の携帯電話だった
神山はタオルで手を拭いて携帯を手にすると テラスに出た
「祥子です こんばんわ 今 大丈夫ですか」
「うん ありがとう」
「夕方実家に戻り 先ほどご飯を済ませました それで子供は
TVに釘づけになったから 電話をしたの」
「仕事はうまくいったの?」
「ええ スムーズに運んでOKですよ 横浜から荷物は運べた?」
「うん 順調 明日驚くよ 完全な事務所だよ」
「へぇー そうなんだ」
「それから 筒井さんに言われたけれど 祥子さんがここに
居る事は誰にも話さないから 安心してね」
「そうそう 会社でもごく一部の人間だけなのよ
連絡は携帯電話で済ませるでしょ だからわざわざ教える事無いって」
「なので 僕も知らぬ存ぜぬで通すよ」
「お願いしますね あっ 子供が来たわ それでは又 明日ね」
「うん 会社には何時なの?」
「一応 12時頃と伝えてあります 失礼します」
祥子は子供が直ぐ傍に居るのだろう 最後は丁寧な口調だった
携帯電話を机に置くとキッチンに入った
「誰からだったの」
「うん アルタの現場の人だよ」
「後は 食器の水を切って拭くだけです」
「ありがとう そうそうこのグラス 1万もするんだって」
「翔君ね そうよ 上代はね でもバーゲンで3千円だったわ」
「それでも3千円か 落とせないな」
「ねえ お酒ってなにがあるの?」
「日本酒を呑む?」
「ええ そうしようかな」
神山は先ほど開けた日本酒をグラスに注ぎ由香里に渡した
「ようやく 落ち着いたわね 山ちゃん」
「ははは まあ慣れるまでは 落ち着かないよ」
二人で乾杯をして日本酒を呑んだ
「ねぇ 神山さん ようやく二人っきりになれたわ」
「しかし 由香里さんまずいですよ そんな」
神山は昨年4月に上野店から移動をしてきた時に
銀座店の催事課で歓送迎会が行われた
出席者は催事課だけではなく池上店長はじめ取引先も含めると
壮大な人数になった
池上店長の肝いりということで 取引先は我先に挨拶を求め
神山もそれに答え盃が進んだ
歓送迎会を無事に終えたが 二次会に出る勇気はなかった
少し足がふらつき始めていたところ由香里が
「私 何処かホテル探して介抱してきます」
.
2010年9月7日火曜日
Vol.59 芽吹き -1-5
佐藤と筒井はそのコップを手にすると
「日本製ではないですね 重たいですよ」
それを受けて奥村が
「ええ フランスの有名なコップです 最高級のクリスタルです」
「わぁー 持つ手が震えてきましたよ ははは」
由香里は冷蔵庫を開けると よく冷えた瓶ビールをだして
新しいグラスにビールを注いだ
「それでは 山ちゃん 事務所開設 おめでとう かんぱーい」
神山はみんなの気持ちが嬉しかった
「山ちゃん これ おつまみよ ほら貴方が好きなチーズよ」
「おお 出そうよ」
そういって 一箱開けてテーブルに出した
神山は先ほど筒井から向かいに祥子が住んでいる事は
社内でも何人も知らない事なので 出来ればオフレコにして欲しい
と言われ 向かい側の部屋が話題になっても 祥子のことを
話す事は無かった
「ねえ由香里姫 翔と大輔はどうしたの」
「うん お留守番よ 翔君は 猛勉強しているわよ
さっきもね この買い物行く時に 手伝って貰いたいから頼んだの
そうしたら『今は手が話せません』って それで倉さんに頼んで
翔君をひっぱりだした訳」
「ははは そんな事いうようになったんだ あいつ」
「おう 本人頑張っているぞ」
「そうですね 明日にでもご褒美をあげよう 頼もしいですね」
神山が翔のことを話していると ドアフォンがまた鳴った
「どうしたのかな 今日は多いな」
独り言を言いながらモニターを覗くと
「神山さま 駅前寿司屋です 出前をお届けしました」
神山は自動ドアを開けて 玄関も開けておいた
暫くすると
「こんばんわ 出前です ありがとうございます
空きましたらいつでもいいですから電話をください 器を回収します」
「はい ありがとう」
3人前の盛り合わせと 鮮魚のおつまみが4皿
てんぷら盛り合わせが人数分と結構なご馳走がきた
「課長 ありがとうございます」
「山ちゃん これは佐藤部長のところだ」
神山は改めて佐藤にお礼を言った
「どういたしまして ほら安くて旨いだろ それで注文したんだ」
「ええ 昼に入ったんですが 新鮮で安くて はまりますね」
「ははは そうですね」
神山はモニターが非常に見やすいので佐藤に聞くと
「ええ 既存品と交換しました モニターも倍位大きくしました
ほらセキュリティーの問題があり 山ちゃん自身でなくとも
他の入居者に ご迷惑をおかけしたくないでしょ それですよ」
「そうですよね 今 変なのが多いから、、、」
「山ちゃん それを管理人に話し 早速全部屋交換をするそうですよ」
「わぁー 凄いですね」
神山は佐藤と話が終わると
「ちょっと失礼」
そういって 業務用の電話で催事課の杉田に電話をした
「はい 翔です」
「やあ 頑張っているみたいだね」
「まあ やるっきゃ無いでしょ 昇進遅れるし」
「そうだな 留守番 ありがとう」
「どういたしまして 由香里さんに買い物を手伝わされました
そうそう あのグラス 1客1万円するんですよ
割らないように 丁寧に扱ってくださいね」
「そんなに 高いものなのか 分かった 割っちゃたらごめんな」
「そうですね 形あるもの壊れますからね」
「それから この電話番号が ここの事務所の電話番号だ
一応 控えておいてください お願いします」
「先輩 駄目ですよ これって交換通しているでしょ もう」
「あっ そうかごめんごめん じゃあメモって」
神山は杉田に事務所の電話番号を伝えると電話を切った
お寿司が無くなりおつまみも無くなってきたので 時計を見ると
20時を回っていた
テーブルの上は お皿の上が殆どきれいになってきた時 佐藤が
「山ちゃん そろそろ失礼するよ 楽しかった がんばろうね」
「ありがとうございます お願いします」
それを聞いていた筒井も席から立ち上がり神山に
.
「日本製ではないですね 重たいですよ」
それを受けて奥村が
「ええ フランスの有名なコップです 最高級のクリスタルです」
「わぁー 持つ手が震えてきましたよ ははは」
由香里は冷蔵庫を開けると よく冷えた瓶ビールをだして
新しいグラスにビールを注いだ
「それでは 山ちゃん 事務所開設 おめでとう かんぱーい」
神山はみんなの気持ちが嬉しかった
「山ちゃん これ おつまみよ ほら貴方が好きなチーズよ」
「おお 出そうよ」
そういって 一箱開けてテーブルに出した
神山は先ほど筒井から向かいに祥子が住んでいる事は
社内でも何人も知らない事なので 出来ればオフレコにして欲しい
と言われ 向かい側の部屋が話題になっても 祥子のことを
話す事は無かった
「ねえ由香里姫 翔と大輔はどうしたの」
「うん お留守番よ 翔君は 猛勉強しているわよ
さっきもね この買い物行く時に 手伝って貰いたいから頼んだの
そうしたら『今は手が話せません』って それで倉さんに頼んで
翔君をひっぱりだした訳」
「ははは そんな事いうようになったんだ あいつ」
「おう 本人頑張っているぞ」
「そうですね 明日にでもご褒美をあげよう 頼もしいですね」
神山が翔のことを話していると ドアフォンがまた鳴った
「どうしたのかな 今日は多いな」
独り言を言いながらモニターを覗くと
「神山さま 駅前寿司屋です 出前をお届けしました」
神山は自動ドアを開けて 玄関も開けておいた
暫くすると
「こんばんわ 出前です ありがとうございます
空きましたらいつでもいいですから電話をください 器を回収します」
「はい ありがとう」
3人前の盛り合わせと 鮮魚のおつまみが4皿
てんぷら盛り合わせが人数分と結構なご馳走がきた
「課長 ありがとうございます」
「山ちゃん これは佐藤部長のところだ」
神山は改めて佐藤にお礼を言った
「どういたしまして ほら安くて旨いだろ それで注文したんだ」
「ええ 昼に入ったんですが 新鮮で安くて はまりますね」
「ははは そうですね」
神山はモニターが非常に見やすいので佐藤に聞くと
「ええ 既存品と交換しました モニターも倍位大きくしました
ほらセキュリティーの問題があり 山ちゃん自身でなくとも
他の入居者に ご迷惑をおかけしたくないでしょ それですよ」
「そうですよね 今 変なのが多いから、、、」
「山ちゃん それを管理人に話し 早速全部屋交換をするそうですよ」
「わぁー 凄いですね」
神山は佐藤と話が終わると
「ちょっと失礼」
そういって 業務用の電話で催事課の杉田に電話をした
「はい 翔です」
「やあ 頑張っているみたいだね」
「まあ やるっきゃ無いでしょ 昇進遅れるし」
「そうだな 留守番 ありがとう」
「どういたしまして 由香里さんに買い物を手伝わされました
そうそう あのグラス 1客1万円するんですよ
割らないように 丁寧に扱ってくださいね」
「そんなに 高いものなのか 分かった 割っちゃたらごめんな」
「そうですね 形あるもの壊れますからね」
「それから この電話番号が ここの事務所の電話番号だ
一応 控えておいてください お願いします」
「先輩 駄目ですよ これって交換通しているでしょ もう」
「あっ そうかごめんごめん じゃあメモって」
神山は杉田に事務所の電話番号を伝えると電話を切った
お寿司が無くなりおつまみも無くなってきたので 時計を見ると
20時を回っていた
テーブルの上は お皿の上が殆どきれいになってきた時 佐藤が
「山ちゃん そろそろ失礼するよ 楽しかった がんばろうね」
「ありがとうございます お願いします」
それを聞いていた筒井も席から立ち上がり神山に
.
2010年9月6日月曜日
Vol.58 芽吹き -1-5
「ええ アルタの考ちゃんもそのように言ってくれました
ただ オープンはいつですか 時間が無いと思いますよ」
「一応5月の半ばか6月初旬を考えているんだ」
神山は昨日電話で確認した事を 佐藤が居る前で再び確認した
3人が上原の話をしていると ドアフォンがなり見ると
作業服の男が二人立っていた
「はい 神山ですが」
「アルタさんから依頼された 机をお持ちしました」
「はーい 今開けますね」
神山は自動扉を開けると 玄関も開け放して作業員を待った
「夏はこうしたいけれど 風が抜けないですね」
「そうだな この造りだと 隣の部屋も開けないといけないしね
それに 扉がこんなにずれていると 風が迷子になるよ」
3人は大笑いした
暫くすると作業員が 机を持ってきて
「お邪魔します 神山様ですか」
「はい 待っていました 大きいですね」
「ええ 重たいんですよ 普通一人なんですが これは2人でないと」
そういって部屋に入れると 神山の指示したところに置かれた
「あと これが椅子です」
椅子もなかなかしゃれていて リクライニングでき クッションも
最高によかった
「では失礼します あっそうだった ここにサインをお願いします」
神山は配達伝票にサインをすると 配達員は部屋から出て行った
早速椅子に座り デスクのところで 手を置くとちょうど良かった
机に手を置いた時 肘が90度から100度くらいがいいと
人間工学的に言われている
「佐藤さん 最高にいいですね 使いやすそうだし」
「ありがとう 褒めてもらって嬉しいですよ」
「でも椅子は別として この机って オリジナルでしょ」
「さすが山ちゃんだね そうこれは横浜に納める分なんだがね」
「もう 大丈夫なんですか ははは」
「向こうは まだ時間があるし ちょうど出来上がったところでね
それで ここに搬入させて貰ったんですよ」
「うーん ほんとちょうどいい高さですよ この広さなら
ノートパソコンが一台置けますね」
「そうしたら 準備しようか?」
「お願いできますか こちらの大きいほうと使い分けますよ」
「分かりました 早速手配します 少し待ってくださいね」
「ええ 急ぎませんよ お願いします」
神山はセンターテーブルに戻り話をしているとドアフォンがなった
モニターを覗いてみると 酒屋だった
自動ドアを開け 玄関も開け放して待っていると
「神山様 こちらビールをお届けしました」
「はい ありがとう」
神山はその量に驚いた 瓶ビールが3ケースと缶ビールが3ケース
早速瓶ビールは冷蔵庫にいれたが 自分で笑ってしまった
「どうしたの 山ちゃん」
「ははは これじゃあ 折角の冷蔵庫がビールケースです ははは」
筒井と佐藤も大笑いした
「でも 現場の人間が ちょくちょく来たら直ぐになくなるよ」
「そうですね まあ1週間持てばいいかな」
「そうだ ビール券を渡しておくよ まだ残っているから」
佐藤は ここに来る前 酒屋によって配達を依頼したという
その時つかったビール券の残りがあるからと神山に渡した
「足りなくなったら また持ってきますよ 言ってくださいね」
「はい ありがとうございます」
神山たち3人が楽しく話していると又 ドアフォンがなった
「今日は多いな 誰だろ?」
佐藤と筒井は時計を見 顔を見合わせ 微笑んだ
「はーい どちらさま、、、あっ課長」
神山は筒井と佐藤に奥村課長が来たことを伝えると
「ごめんね 驚かせて ははは」
自動ドアと玄関を開けていると 暫くして奥村と倉元 由香里が来た
「おう 山ちゃん 事務所開設おめでとう ははは いいところだな」
「山ちゃん 驚かせて ごめんな」
「もう 驚きですよ さっき言ってくれればいいじゃないですか」
「まあまあ じゃあ失礼するよ」
神山は倉元が大きな荷物を持っているので聞いてみると
「ゴミ箱 食器洗いの洗剤 コップやお皿 日用品の高級品だ」
「えっ そんな ありがとうございます」
由香里は早速キッチンでコップを洗いテーブルに置いてくれた
.
2010年9月5日日曜日
Vol.57 芽吹き -1-5
「お客さん 起きてください お客さん」
「うーん うん ああ ごめんなさい」
「よっぽど疲れているんですね 着きましたよ 上原です」
「どうもありがとう」
神山は料金を払い降りると 傍にあるコンビニで
紙コップや紙皿 おつまみなどを買い込み 部屋に戻った
(しかし このタイミングで 筒井さんや佐藤さんが
なんで事務所の開設お祝いなんだろう? 分からないな)
神山は催事課から持って来た デザイン用具をお菓子の空き缶に
入れたまま テーブルのところに置いた
(机が無いと言うことは 机も欲しいな)
神山はそんな事を考えながら FAXや留守電をチェックし
冷蔵庫から缶ビールを出して呑み始めた
テラスで風に涼みながら呑んでいると気持ちが良かった
横浜と違い 小高い丘の上にあるので 天気がよければ
遠くに富士山が見えるかもしれないと思った
(見晴らしがいいと こんなにも気分が良くなるんだ)
チェアーに座り景色を見ていると ドアフォンがなった
神山は時計を見て17時を確認し 扉脇にあるモニターを見ると
筒井の顔が大きく映し出されていた
「はーい 今開けます」
1階のガラスドアを開け暫くすると ドアフォンが鳴ったので
扉を開けた
「やあ 山ちゃん 事務所開設 おめでとう」
筒井と佐藤が日本酒を差し出し 挨拶した
「ありがとうございます 早速 頂いています」
神山は缶ビールを見せ みんなで大笑いをした
「どうだい 山ちゃん なにか足りないものは出てきた?」
「ええ 仕事机がないので どうしようか考えていたんですよ」
「ああ もう直ぐ届くよ 格好いいのが」
「そうですか 良かった 実はPCや電話台のところでは
ちょっとメモを取ったりするには充分ですが ちょっと狭いかな
って そう考えていたんです」
「うん ごめんね 間に合わなかったんだ ははは
そうそう これね 事務所開設お祝いで 足りないものがあったら
これで買ってください」
佐藤は封筒を出すと 神山に手渡した
「実は内藤さんからも頂いているんですよ なので、、、」
「ははは あれは社長のポケットマネーです これは会社のお金
それに お金なんて いくらあっても不自由はないでしょ」
神山は佐藤に言われ 封筒を自分のバックにしまった
「山ちゃん 私からも お祝い金だよ もっとも佐藤さんより
全然少ないけれど 使ってください」
神山は筒井の封筒も丁寧にお辞儀をしてもらい バックに仕舞った
冷蔵庫からおつまみや缶ビールを出し キッチンの作り付け棚から
紙コップや紙皿を取り出し 大きなテーブルにセットした
佐藤が折りたたみの椅子を 用意すると筒井はおつまみを紙皿に
出して 一応準備が出来ると 椅子に座りビールを紙コップに注ぎ
「それでは 事務所開設 おめでとう かんぱーい」
みなで紙コップを上にあげて乾杯した
このテーブルは2.4m x 0.9mと非常に大きな作業テーブルで
乾杯するのには適していなかった
表面は上質の化粧版で仕上げら 小口処理も細かいところまで
きちんと仕上げられていた
「なんか 落ち着かないですね これからここで寝泊りするって」
「まあ 我慢してください 最初だけだと思いますよ
そうそう 呑んで忘れる前に これを渡して起きますよ」
佐藤は立ち上がり小さな白い封筒を 神山に手渡すと
「タクシー券が入っています どんどん使ってください」
「すんません ありがとうございます」
「ほら 急遽横浜に行くとか 色々と大変でしょ 気にしないで
使ってくださいね」
神山はタクシー券もバッグに仕舞い 上原の話を進めた
「そうすると 上原の現場は月曜日から動くんですね」
「うん 昨日賃貸借契約をしたから 月曜日から現場に入れるよ
もっとも 現場実測で2,3回入っているけれどね ははは」
神山は高橋から送られてきた図面や 昼に渡された図面を見せた
その図面を覗き込んでいたニーナ・ニーナの筒井が
「山ちゃん この図面はあくまでたたき台なんだよ
それで これから山ちゃんの仕事なんだ まったく新しい
デザインにしても構わないし ここから派生しても構わない」
.
「うーん うん ああ ごめんなさい」
「よっぽど疲れているんですね 着きましたよ 上原です」
「どうもありがとう」
神山は料金を払い降りると 傍にあるコンビニで
紙コップや紙皿 おつまみなどを買い込み 部屋に戻った
(しかし このタイミングで 筒井さんや佐藤さんが
なんで事務所の開設お祝いなんだろう? 分からないな)
神山は催事課から持って来た デザイン用具をお菓子の空き缶に
入れたまま テーブルのところに置いた
(机が無いと言うことは 机も欲しいな)
神山はそんな事を考えながら FAXや留守電をチェックし
冷蔵庫から缶ビールを出して呑み始めた
テラスで風に涼みながら呑んでいると気持ちが良かった
横浜と違い 小高い丘の上にあるので 天気がよければ
遠くに富士山が見えるかもしれないと思った
(見晴らしがいいと こんなにも気分が良くなるんだ)
チェアーに座り景色を見ていると ドアフォンがなった
神山は時計を見て17時を確認し 扉脇にあるモニターを見ると
筒井の顔が大きく映し出されていた
「はーい 今開けます」
1階のガラスドアを開け暫くすると ドアフォンが鳴ったので
扉を開けた
「やあ 山ちゃん 事務所開設 おめでとう」
筒井と佐藤が日本酒を差し出し 挨拶した
「ありがとうございます 早速 頂いています」
神山は缶ビールを見せ みんなで大笑いをした
「どうだい 山ちゃん なにか足りないものは出てきた?」
「ええ 仕事机がないので どうしようか考えていたんですよ」
「ああ もう直ぐ届くよ 格好いいのが」
「そうですか 良かった 実はPCや電話台のところでは
ちょっとメモを取ったりするには充分ですが ちょっと狭いかな
って そう考えていたんです」
「うん ごめんね 間に合わなかったんだ ははは
そうそう これね 事務所開設お祝いで 足りないものがあったら
これで買ってください」
佐藤は封筒を出すと 神山に手渡した
「実は内藤さんからも頂いているんですよ なので、、、」
「ははは あれは社長のポケットマネーです これは会社のお金
それに お金なんて いくらあっても不自由はないでしょ」
神山は佐藤に言われ 封筒を自分のバックにしまった
「山ちゃん 私からも お祝い金だよ もっとも佐藤さんより
全然少ないけれど 使ってください」
神山は筒井の封筒も丁寧にお辞儀をしてもらい バックに仕舞った
冷蔵庫からおつまみや缶ビールを出し キッチンの作り付け棚から
紙コップや紙皿を取り出し 大きなテーブルにセットした
佐藤が折りたたみの椅子を 用意すると筒井はおつまみを紙皿に
出して 一応準備が出来ると 椅子に座りビールを紙コップに注ぎ
「それでは 事務所開設 おめでとう かんぱーい」
みなで紙コップを上にあげて乾杯した
このテーブルは2.4m x 0.9mと非常に大きな作業テーブルで
乾杯するのには適していなかった
表面は上質の化粧版で仕上げら 小口処理も細かいところまで
きちんと仕上げられていた
「なんか 落ち着かないですね これからここで寝泊りするって」
「まあ 我慢してください 最初だけだと思いますよ
そうそう 呑んで忘れる前に これを渡して起きますよ」
佐藤は立ち上がり小さな白い封筒を 神山に手渡すと
「タクシー券が入っています どんどん使ってください」
「すんません ありがとうございます」
「ほら 急遽横浜に行くとか 色々と大変でしょ 気にしないで
使ってくださいね」
神山はタクシー券もバッグに仕舞い 上原の話を進めた
「そうすると 上原の現場は月曜日から動くんですね」
「うん 昨日賃貸借契約をしたから 月曜日から現場に入れるよ
もっとも 現場実測で2,3回入っているけれどね ははは」
神山は高橋から送られてきた図面や 昼に渡された図面を見せた
その図面を覗き込んでいたニーナ・ニーナの筒井が
「山ちゃん この図面はあくまでたたき台なんだよ
それで これから山ちゃんの仕事なんだ まったく新しい
デザインにしても構わないし ここから派生しても構わない」
.
2010年9月4日土曜日
Vol.56 出会い -4-4
神山と市川は事務館の向かい側にある 喫茶レイに入った
「なあ 大輔 詳しく話せよ どうしたんだ」
「うん 実はな 付き合っている女の子に赤ちゃんが出来たんだ」
「えっ 出来ちゃったかー、、、」
「うん それで向こうは産みたいと言っているんだよ
だから俺 かあちゃんと別れようと思っているんだ」
「なに 別れる 奥さんと、、、」
「うん」
「相手は幾つなんだよ」
「今年25歳かな」
「なんだよ 17歳も年下じゃないか へぇー もてるな大輔」
このとき少しだけ市川の顔が明るくなった
「ところで 課長にはなんと答えたんだよ」
「うん 実はそこまで話していないんだ」
「まさか 出来た事も伏せているのか?」
「うん」
神山は市川の俯いている顔を殴りたい衝動にかられた
「大輔 奥ちゃんにきちんと話せよ
あの人 大変なんだぞ 奥さんから電話がかかってきて
大輔を庇って なあ 正直に話してみろよ
あの人の事だ いい案があるはずだよ なあ」
市川は 俯いたまま神山を見ることが出来なかった
「だってさ このままじゃ 大輔 クビになるぞ」
「うん だからここも辞めちゃおうかとも考えたりした」
「そんな 今の奥さんや子供はどうするんだよ 考えたのか」
「うん」
「相手はどこの人なんだ」
「うん 横浜に住んでいる」
「職業は」
「会社員だ」
「大輔 だったら別れるのにお金で解決出来るだろう」
「うーん」
「おい 同期として最後に言っておく
出来た事を課長に話て 会社を辞めるならその後にしろ」
神山はそういうと 席を立ち喫茶レイをでた
部屋に戻ると 奥村が
「山ちゃん 筒井さんから電話だ このメモへ電話して」
「はい えっ今日は日曜日なのにどうしたんだろう」
神山は席に戻ると 筒井の携帯電話に電話をした
「はい 筒井です」
「銀座の神山です どうされたんですか?」
「いや大した用件じゃないけれど 今夜上原のマンションに
アルタの佐藤部長とお邪魔したくて 電話をしたんだ」
「えっ 佐藤さんもですか、、、またどうされたんですか」
「ほら 事務所が開設された訳だろ だからお祝いさ」
「あーあ びっくりすよ ありがとうございます
そうすると 何時頃に来られますか?」
「5時頃だけど 大丈夫かな」
「ええ でも食事の用意が出来ないんですよ」
「ははは いいよ そんなに気にしなくて ではお願いしますね」
電話を切ると 倉元に
「倉さん 今夜アルタの佐藤部長と筒井さんが 来るんですって」
「おう いいじゃないか よかったな」
「でも なにも御持て成しが出来ないんですよ」
「いいじゃないか 酒とつまみがあれば」
「そうか つまみはコンビニで買おう まあ突然ですよね ほんと」
「ははは そんな事もあるさ」
16時過ぎまで催事課で仕事をした神山は
「じゃあ 翔 僕はこれで帰るけれど なにかあったら携帯な」
「はい お疲れ様でした」
「倉さん お先に失礼します」
「おう 明日は遅刻するなよ 大事な日だからな」
「はい ありがとうございます」
神山は課長に挨拶しようとしたが 居なかったので
「由香里さん お先です 課長に伝えておいてね」
「はーい お疲れ様でした 明日が楽しみね」
「まあ 嬉しいけれどね、、、 それでは」
神山は日比谷通りに出るとタクシーを拾って上原に向かった
車の中で市川のことをどうしたら良いか考えていたが
いい案が浮かばずに 寝てしまった
.
「なあ 大輔 詳しく話せよ どうしたんだ」
「うん 実はな 付き合っている女の子に赤ちゃんが出来たんだ」
「えっ 出来ちゃったかー、、、」
「うん それで向こうは産みたいと言っているんだよ
だから俺 かあちゃんと別れようと思っているんだ」
「なに 別れる 奥さんと、、、」
「うん」
「相手は幾つなんだよ」
「今年25歳かな」
「なんだよ 17歳も年下じゃないか へぇー もてるな大輔」
このとき少しだけ市川の顔が明るくなった
「ところで 課長にはなんと答えたんだよ」
「うん 実はそこまで話していないんだ」
「まさか 出来た事も伏せているのか?」
「うん」
神山は市川の俯いている顔を殴りたい衝動にかられた
「大輔 奥ちゃんにきちんと話せよ
あの人 大変なんだぞ 奥さんから電話がかかってきて
大輔を庇って なあ 正直に話してみろよ
あの人の事だ いい案があるはずだよ なあ」
市川は 俯いたまま神山を見ることが出来なかった
「だってさ このままじゃ 大輔 クビになるぞ」
「うん だからここも辞めちゃおうかとも考えたりした」
「そんな 今の奥さんや子供はどうするんだよ 考えたのか」
「うん」
「相手はどこの人なんだ」
「うん 横浜に住んでいる」
「職業は」
「会社員だ」
「大輔 だったら別れるのにお金で解決出来るだろう」
「うーん」
「おい 同期として最後に言っておく
出来た事を課長に話て 会社を辞めるならその後にしろ」
神山はそういうと 席を立ち喫茶レイをでた
部屋に戻ると 奥村が
「山ちゃん 筒井さんから電話だ このメモへ電話して」
「はい えっ今日は日曜日なのにどうしたんだろう」
神山は席に戻ると 筒井の携帯電話に電話をした
「はい 筒井です」
「銀座の神山です どうされたんですか?」
「いや大した用件じゃないけれど 今夜上原のマンションに
アルタの佐藤部長とお邪魔したくて 電話をしたんだ」
「えっ 佐藤さんもですか、、、またどうされたんですか」
「ほら 事務所が開設された訳だろ だからお祝いさ」
「あーあ びっくりすよ ありがとうございます
そうすると 何時頃に来られますか?」
「5時頃だけど 大丈夫かな」
「ええ でも食事の用意が出来ないんですよ」
「ははは いいよ そんなに気にしなくて ではお願いしますね」
電話を切ると 倉元に
「倉さん 今夜アルタの佐藤部長と筒井さんが 来るんですって」
「おう いいじゃないか よかったな」
「でも なにも御持て成しが出来ないんですよ」
「いいじゃないか 酒とつまみがあれば」
「そうか つまみはコンビニで買おう まあ突然ですよね ほんと」
「ははは そんな事もあるさ」
16時過ぎまで催事課で仕事をした神山は
「じゃあ 翔 僕はこれで帰るけれど なにかあったら携帯な」
「はい お疲れ様でした」
「倉さん お先に失礼します」
「おう 明日は遅刻するなよ 大事な日だからな」
「はい ありがとうございます」
神山は課長に挨拶しようとしたが 居なかったので
「由香里さん お先です 課長に伝えておいてね」
「はーい お疲れ様でした 明日が楽しみね」
「まあ 嬉しいけれどね、、、 それでは」
神山は日比谷通りに出るとタクシーを拾って上原に向かった
車の中で市川のことをどうしたら良いか考えていたが
いい案が浮かばずに 寝てしまった
.
2010年9月3日金曜日
Vol.55 出会い -4-4
ひとりでニヤニヤしながら 格好を確認をすると部屋をでた
「山ちゃん 遅くなりました」
「やあ 考ちゃん それからみんなもお久しぶり」
駅前寿司で神山はアルタの高橋孝一 内野誠二 田中幸三と
久しぶりに顔をあわせた
高橋孝一は神山に
「まずは これ社長からです メモが入っているそうです」
神山は頷いて封筒を受け取ると お札が入っている様子だった
中を開けると 50万位入っていて 手紙があった
【山ちゃん 今回力を貸して頂き ありがとうございます
このお金は 上原で足りない物に使ってください 内藤】
「おいおい 考ちゃん いいのかなぁー こんなに沢山頂いて」
「大丈夫ですよ 社長が直々に僕によこした物ですから」
「ありがとう 助かるな」
「それから これは上原の詳細図面 部屋に戻ってから見てね」
「了解 さあ食べようよ」
このお寿司屋は初めて入ったが 新鮮な魚介類で美味しかった
女将がビールと おつまみで鮮魚の盛り合わせを持って来た
日曜日だというのに 家族連れが多く店内は繁盛し
子供たちが親におねだりする声や 美味しいと食べている声など
賑やかな感じだが 客全体が上品な感じだと思った
「考ちゃん 美味しいね ここのお店」
「そうでしょ 先日現場実測の時 立ち寄ったんですよ
こんなに美味しかったら 高いだろうと思ったら安くてびっくり」
「へぇー そんなに安いんだ だから混んでいるのかな」
4人で食べて呑んで一息つくと 店を出た
「美味しかった 考ちゃんごちそうさま」
「いえいえ あれだけ食べても 普通の寿司屋より安いですよ
これからここにちょくちょく来れるから 楽しみです」
「うん 新鮮だと箸も良く進むものね じゃ僕はこれで」
「山ちゃん 車で行こうよ」
「いいの? だって銀座経由だと遠くなるじゃん」
高橋孝一は内野と田中に電車で帰るよう指示すると
タクシーを拾い 銀座まで同乗すると
「山ちゃん ごめんね あのさ渡すものがあるんだ」
そういうと高橋は鞄から封筒を出して 神山に手渡した
「なに?」
「ほら 先ほどは部下が居た手前 大きいのが出せなかったんだ
こちらにも50万入っています」
「そうか うん でもいいのかな? 100万なんて」
「うん 社長が考えてくれているから大丈夫だよ 仕舞っておいて」
「うん 内藤さんによろしく伝えてね」
高橋は明るい顔で
「了解」
話しているとタクシーは銀座に着いた
「じゃ 考ちゃん どうもありがとう」
高橋が手を振って答えるとタクシーは発進した
銀座店催事課の部屋に入ると 日曜なのに全員出勤していた
「あれっ 山ちゃん 休みだろ」
「やあ 課長 こんにちわ 休みですが
特殊なデザイン用品なんかを向こうに運ぼうと思って来ました」
「そうだな これから向こうで書かなければいけないからな」
神山は課長に挨拶を済ませると 市川が居るので
「やあ 大輔どうした ちょっと時間をくれよ」
「うん 今にする?」
「うん そうしようか」
神山は一旦自分の席にいくと倉元に挨拶をして座った
横に居る杉田に
「何かあった?」
「あっ 先輩 お休みじゃなかったんですか」
「翔が心配で 出てきたんだよ」
「えっー 僕のためにですか ありがとうございます」
「って言うのは 冗談で 向こうで使う物を選びに来た」
「なぁーんだ そうですよね もう 驚かさないでくださいね」
「売り場から何かあった?」
「いえ 何も無いですよ 大丈夫ですよ 僕がいるから」
そのやり取りを聞いていた倉元が
「おう 翔 頼もしい言葉だな 任せたぞ」
「わぁ 聞かれていたんだ 参った お願いします部長」
3人は大笑いして 神山は市川の席に行くと催事課をでた
.
「山ちゃん 遅くなりました」
「やあ 考ちゃん それからみんなもお久しぶり」
駅前寿司で神山はアルタの高橋孝一 内野誠二 田中幸三と
久しぶりに顔をあわせた
高橋孝一は神山に
「まずは これ社長からです メモが入っているそうです」
神山は頷いて封筒を受け取ると お札が入っている様子だった
中を開けると 50万位入っていて 手紙があった
【山ちゃん 今回力を貸して頂き ありがとうございます
このお金は 上原で足りない物に使ってください 内藤】
「おいおい 考ちゃん いいのかなぁー こんなに沢山頂いて」
「大丈夫ですよ 社長が直々に僕によこした物ですから」
「ありがとう 助かるな」
「それから これは上原の詳細図面 部屋に戻ってから見てね」
「了解 さあ食べようよ」
このお寿司屋は初めて入ったが 新鮮な魚介類で美味しかった
女将がビールと おつまみで鮮魚の盛り合わせを持って来た
日曜日だというのに 家族連れが多く店内は繁盛し
子供たちが親におねだりする声や 美味しいと食べている声など
賑やかな感じだが 客全体が上品な感じだと思った
「考ちゃん 美味しいね ここのお店」
「そうでしょ 先日現場実測の時 立ち寄ったんですよ
こんなに美味しかったら 高いだろうと思ったら安くてびっくり」
「へぇー そんなに安いんだ だから混んでいるのかな」
4人で食べて呑んで一息つくと 店を出た
「美味しかった 考ちゃんごちそうさま」
「いえいえ あれだけ食べても 普通の寿司屋より安いですよ
これからここにちょくちょく来れるから 楽しみです」
「うん 新鮮だと箸も良く進むものね じゃ僕はこれで」
「山ちゃん 車で行こうよ」
「いいの? だって銀座経由だと遠くなるじゃん」
高橋孝一は内野と田中に電車で帰るよう指示すると
タクシーを拾い 銀座まで同乗すると
「山ちゃん ごめんね あのさ渡すものがあるんだ」
そういうと高橋は鞄から封筒を出して 神山に手渡した
「なに?」
「ほら 先ほどは部下が居た手前 大きいのが出せなかったんだ
こちらにも50万入っています」
「そうか うん でもいいのかな? 100万なんて」
「うん 社長が考えてくれているから大丈夫だよ 仕舞っておいて」
「うん 内藤さんによろしく伝えてね」
高橋は明るい顔で
「了解」
話しているとタクシーは銀座に着いた
「じゃ 考ちゃん どうもありがとう」
高橋が手を振って答えるとタクシーは発進した
銀座店催事課の部屋に入ると 日曜なのに全員出勤していた
「あれっ 山ちゃん 休みだろ」
「やあ 課長 こんにちわ 休みですが
特殊なデザイン用品なんかを向こうに運ぼうと思って来ました」
「そうだな これから向こうで書かなければいけないからな」
神山は課長に挨拶を済ませると 市川が居るので
「やあ 大輔どうした ちょっと時間をくれよ」
「うん 今にする?」
「うん そうしようか」
神山は一旦自分の席にいくと倉元に挨拶をして座った
横に居る杉田に
「何かあった?」
「あっ 先輩 お休みじゃなかったんですか」
「翔が心配で 出てきたんだよ」
「えっー 僕のためにですか ありがとうございます」
「って言うのは 冗談で 向こうで使う物を選びに来た」
「なぁーんだ そうですよね もう 驚かさないでくださいね」
「売り場から何かあった?」
「いえ 何も無いですよ 大丈夫ですよ 僕がいるから」
そのやり取りを聞いていた倉元が
「おう 翔 頼もしい言葉だな 任せたぞ」
「わぁ 聞かれていたんだ 参った お願いします部長」
3人は大笑いして 神山は市川の席に行くと催事課をでた
.
2010年9月2日木曜日
Vol.54 出会い -4-4
5合炊き出来る炊飯器と業務用電子レンジがキッチンに置かれた
「凄いね 5合炊きの炊飯器とは 一人暮らしなのに」
「ええ 今はこの大きさが主流なので これにしました」
「そうだね 少しを炊くより一杯炊いたほうが美味しいもんね」
「そうですね」
田代は最新式の家電製品を一通りダンボールから出し終えると
空になったダンボールを一まとめにし
「では 僕は横浜に帰ります」
「うん ありがとう」
「そのうちに御殿場に行きましょう」
「えっ 御殿場?」
「ええ 御殿場の仕事は 東京と横浜が合同で行うのです」
「そうなんだ」
「勿論 チーフは佐藤部長ですが 高橋と私が分担して行います」
「大変なプロジェクトだね」
「ええ しかし慣れていますから大丈夫ですよ」
田代は神山と一緒に仕事が出来る事に喜びを隠せなかった
「それでは 失礼します」
「うん ありがとう」
神山はマンションの駐車場で田代を見送った
部屋に戻った神山はアルタの佐藤部長へお礼の電話を入れた
もって来たダンボールの開梱作業を終えると1時を廻っていた
造り付けのワードローブにジャケットを掛けたり
下駄箱に靴を並べたりと明日からの生活に備えた
全てが終わり一段楽したので 改めて部屋の中を見渡した
備品類や洗濯機 冷蔵庫など新品の家電製品も直ぐに使える
状態になっていた
取り扱い説明書も 透明ファイルに分かりやすく整理され
テーブルの上に置かれていた
冷蔵庫も大きな400Lタイプで こんなに大きな冷蔵庫に
なにを入れるのか 少し考え扉を開けると缶ビールが入っていた
一番手前の缶ビールにメモが張ってあり読んでみた
【山ちゃん びっくりしたでしょ 一杯呑んでください
それからベッドの脇にある 棚には当分呑めるお酒が
収納してありますので そちらも呑んでください アルタ佐藤】
神山は ベッドの横にあるホリゾントの扉を開くと
当分どころの騒ぎじゃないくらい お酒が入っていた
日本酒から焼酎 ブランデーやウイスキーまであらゆるお酒が
揃えられていた 驚いたのは神山が好きな銘柄ばかり揃えられ
これを考えると 相当期待されているのが分かった
神山は冷蔵庫から良く冷えている缶ビールを出しテラスに出た
(そうか 祥子さんの部屋が東向きだから こちらは西か)
テラスには ガーデンチェアとテーブルが用意されて
これも新品みたいで 足元には転倒防止の重石が置かれていた
神山はテラスのフェンスに立ち部屋を見ると 祥子のところと
テラスの奥行きが狭い事に気が付いた
この部屋はその分 部屋の奥行きが広くなっていた
神山がテラスで寛いでいると 大きなFAKが動き出しロール紙が
印字され 床まで出てきた
部屋に戻り確認すると 上原の平面図ですでに寸法まで記入されていた
早速アルタの高橋に電話をすると
「やあ 山ちゃん お久しぶり これからお願いしますね」
「考ちゃん こちらこそ 凄いね もう出来上がりじゃないか」
「いえいえ それはたたき台ですよ まだまだこれからです
それと この電話じゃなくて もう一つ電話があるでしょ」
「うん もう一台あるよ」
「そう それが業務連絡用の電話です なので業務の時や
鈴やさんにもそちらの 電話番号を教えて置いてください」
「なにかあるの?」
「ええ 電話機には通話内容の録音が出来るようになっていますが
業務用は留守番電話や 通話録音の容量が桁違いに大容量なんです」
「そうか わかった 次回からそうするよ
ほんと なにから何まで ありがとう」
「山ちゃんが手伝ってくれるとなれば たやすい事ですよ
そうそう 今日の予定はどうなっていますか?」
「これから上原でお昼を食べてから 銀座に出ようと思っているよ」
「山ちゃん渡したいものがあるので 駅前寿司で待って貰えますか」
「うん 分かったよ」
神山は電話を切ると カジュアルなファッションに纏め
バスルームのところに備え付けられている 姿見で確認をした
(そうか 秘密が分かると 遊ぶ事も出来るな)
.
「凄いね 5合炊きの炊飯器とは 一人暮らしなのに」
「ええ 今はこの大きさが主流なので これにしました」
「そうだね 少しを炊くより一杯炊いたほうが美味しいもんね」
「そうですね」
田代は最新式の家電製品を一通りダンボールから出し終えると
空になったダンボールを一まとめにし
「では 僕は横浜に帰ります」
「うん ありがとう」
「そのうちに御殿場に行きましょう」
「えっ 御殿場?」
「ええ 御殿場の仕事は 東京と横浜が合同で行うのです」
「そうなんだ」
「勿論 チーフは佐藤部長ですが 高橋と私が分担して行います」
「大変なプロジェクトだね」
「ええ しかし慣れていますから大丈夫ですよ」
田代は神山と一緒に仕事が出来る事に喜びを隠せなかった
「それでは 失礼します」
「うん ありがとう」
神山はマンションの駐車場で田代を見送った
部屋に戻った神山はアルタの佐藤部長へお礼の電話を入れた
もって来たダンボールの開梱作業を終えると1時を廻っていた
造り付けのワードローブにジャケットを掛けたり
下駄箱に靴を並べたりと明日からの生活に備えた
全てが終わり一段楽したので 改めて部屋の中を見渡した
備品類や洗濯機 冷蔵庫など新品の家電製品も直ぐに使える
状態になっていた
取り扱い説明書も 透明ファイルに分かりやすく整理され
テーブルの上に置かれていた
冷蔵庫も大きな400Lタイプで こんなに大きな冷蔵庫に
なにを入れるのか 少し考え扉を開けると缶ビールが入っていた
一番手前の缶ビールにメモが張ってあり読んでみた
【山ちゃん びっくりしたでしょ 一杯呑んでください
それからベッドの脇にある 棚には当分呑めるお酒が
収納してありますので そちらも呑んでください アルタ佐藤】
神山は ベッドの横にあるホリゾントの扉を開くと
当分どころの騒ぎじゃないくらい お酒が入っていた
日本酒から焼酎 ブランデーやウイスキーまであらゆるお酒が
揃えられていた 驚いたのは神山が好きな銘柄ばかり揃えられ
これを考えると 相当期待されているのが分かった
神山は冷蔵庫から良く冷えている缶ビールを出しテラスに出た
(そうか 祥子さんの部屋が東向きだから こちらは西か)
テラスには ガーデンチェアとテーブルが用意されて
これも新品みたいで 足元には転倒防止の重石が置かれていた
神山はテラスのフェンスに立ち部屋を見ると 祥子のところと
テラスの奥行きが狭い事に気が付いた
この部屋はその分 部屋の奥行きが広くなっていた
神山がテラスで寛いでいると 大きなFAKが動き出しロール紙が
印字され 床まで出てきた
部屋に戻り確認すると 上原の平面図ですでに寸法まで記入されていた
早速アルタの高橋に電話をすると
「やあ 山ちゃん お久しぶり これからお願いしますね」
「考ちゃん こちらこそ 凄いね もう出来上がりじゃないか」
「いえいえ それはたたき台ですよ まだまだこれからです
それと この電話じゃなくて もう一つ電話があるでしょ」
「うん もう一台あるよ」
「そう それが業務連絡用の電話です なので業務の時や
鈴やさんにもそちらの 電話番号を教えて置いてください」
「なにかあるの?」
「ええ 電話機には通話内容の録音が出来るようになっていますが
業務用は留守番電話や 通話録音の容量が桁違いに大容量なんです」
「そうか わかった 次回からそうするよ
ほんと なにから何まで ありがとう」
「山ちゃんが手伝ってくれるとなれば たやすい事ですよ
そうそう 今日の予定はどうなっていますか?」
「これから上原でお昼を食べてから 銀座に出ようと思っているよ」
「山ちゃん渡したいものがあるので 駅前寿司で待って貰えますか」
「うん 分かったよ」
神山は電話を切ると カジュアルなファッションに纏め
バスルームのところに備え付けられている 姿見で確認をした
(そうか 秘密が分かると 遊ぶ事も出来るな)
.
2010年9月1日水曜日
Vol.53 出会い -4-4
「今日はバンを用意してきましたが大丈夫ですか?」
「うん ダンボールが4個とこの紙袋だけだ」
「では 運びましょう」
「ありがとう」
神山と田代が荷物をバンの中に入れ出発できる準備が出来た
最後に電話機の転送を確認しバンに乗った
「では お願いします 行き先は上原ですが」
「はい高橋から聞いていますからご安心下さい
でも現場で分らなくなりましたら教えてください」
「うん 分った」
バンの中には神山の荷物のほかに家電製品の
ダンボールが幾つか積まれていた
「大変ですね この様なものもまで運んでいるんですか」
「いいえ これは神山さんの所にお届けですよ」
田代は運転しながらこちらをちらっと向き 笑っていた
「しかし神山さん 大変ですね」
「まあ しょうがないでしょ」
「私は東京に居たときに 神山さんを拝見しているのですよ」
「えっ どこで?」
「勿論 上野店の現場ですがね」
「そうなんですか 声を掛けてくれれば良かったのに」
「いえ そんな雰囲気ではなかったですよ」
田代は8年前 上野店の婦人服フロア改装工事の時に
現場監督として2週間ほど入店し作業をしていた
店の営業時間内外関係なくして神山が点検に来ていた事を話した
ある時オープン棚の支柱位置がずれて固定され壁との隙間が出来て
困っていた時に たまたま神山が現場を訪れた
『何を考えているのですか 早く作業を進めてください』
『ええ すみません ここに隙間が空いてしまうので困っています』
その時に神山は少し考え
『ここの壁を少しふかす事は可能ですか』
『はい でもどうしたら良いか』
『PBをこの棚の幅に合わせ後ろの壁から支えれば
見た目もおかしくないし 大丈夫ですよ』
神山は簡単なスケッチを図面に書き込み
『さあ 頑張ってくださいね 明日は商品の納品がありますからね』
『でも 大丈夫ですか』
『大丈夫です 責任は僕が取りますから』
「神山さんはそう言われて すぐにその場を出て行かれたんですよ」
「そんな事有りましたかね」
「ええ 結局その後 色々検討した結果 神山案になったんですよ」
「そうだったんですか」
「あの時 お礼もそこそこに現場が終った時に
お会いしたいと考えていたんですよ」
「それはそれは ありがとうございます」
「僕はあの時から神山さんと一緒に仕事をしたいと思っていますよ」
「そんな でもありがとうございます」
神山と田代は昔話をしながら上原のマンションに着いた
この荷物を二人で上げるとなると大変だと思っていたが
田代は大きな台車をバンの上に取り付けていたのをはずした
台車といっても2.5x5(尺)のコンパネにキャスターと
紐を付けただけの簡単なものだが 一回で全てを運べる事が出来た
唯一 エレベーターの出し入れだけが傷をつけないよう大変だった
普段なら養生をするのだが 今回は少ないので手当てをしなかった
神山が部屋を空けると荷物を玄関口に運び出し
「神山さん 家電製品を配置しましょう」
「うん しかし凄いな このテレビは」
「えっ テレビではないですよ モニターですよ」
「あっ モニターね でかいね」
「ええ プレゼンの時に良く使いますがね」
神山はこの部屋がアルタの事務所になって行く事に気が重かった
「では チューナーを取り付ければテレビが見られるね」
「ええ 高橋に仰ってくだされば用意しますよ」
田代は60インチのモニターとパソコンを接続し終えると
パソコンを起動させた
モニターにパソコンの画面が映し出されると
「神山さん OKですよ」
「うん ありがとう」
「なにかあったら 内野か田中に言ってください」
「うん分った」
「彼らは この様な技術に特出していますから」
「へえー 誠ちゃんと幸三君が?」
「ええ 技術屋顔負けですよ 彼らの腕は」
田代はモニターの設置が終ると残りのダンボールを開き
.
「うん ダンボールが4個とこの紙袋だけだ」
「では 運びましょう」
「ありがとう」
神山と田代が荷物をバンの中に入れ出発できる準備が出来た
最後に電話機の転送を確認しバンに乗った
「では お願いします 行き先は上原ですが」
「はい高橋から聞いていますからご安心下さい
でも現場で分らなくなりましたら教えてください」
「うん 分った」
バンの中には神山の荷物のほかに家電製品の
ダンボールが幾つか積まれていた
「大変ですね この様なものもまで運んでいるんですか」
「いいえ これは神山さんの所にお届けですよ」
田代は運転しながらこちらをちらっと向き 笑っていた
「しかし神山さん 大変ですね」
「まあ しょうがないでしょ」
「私は東京に居たときに 神山さんを拝見しているのですよ」
「えっ どこで?」
「勿論 上野店の現場ですがね」
「そうなんですか 声を掛けてくれれば良かったのに」
「いえ そんな雰囲気ではなかったですよ」
田代は8年前 上野店の婦人服フロア改装工事の時に
現場監督として2週間ほど入店し作業をしていた
店の営業時間内外関係なくして神山が点検に来ていた事を話した
ある時オープン棚の支柱位置がずれて固定され壁との隙間が出来て
困っていた時に たまたま神山が現場を訪れた
『何を考えているのですか 早く作業を進めてください』
『ええ すみません ここに隙間が空いてしまうので困っています』
その時に神山は少し考え
『ここの壁を少しふかす事は可能ですか』
『はい でもどうしたら良いか』
『PBをこの棚の幅に合わせ後ろの壁から支えれば
見た目もおかしくないし 大丈夫ですよ』
神山は簡単なスケッチを図面に書き込み
『さあ 頑張ってくださいね 明日は商品の納品がありますからね』
『でも 大丈夫ですか』
『大丈夫です 責任は僕が取りますから』
「神山さんはそう言われて すぐにその場を出て行かれたんですよ」
「そんな事有りましたかね」
「ええ 結局その後 色々検討した結果 神山案になったんですよ」
「そうだったんですか」
「あの時 お礼もそこそこに現場が終った時に
お会いしたいと考えていたんですよ」
「それはそれは ありがとうございます」
「僕はあの時から神山さんと一緒に仕事をしたいと思っていますよ」
「そんな でもありがとうございます」
神山と田代は昔話をしながら上原のマンションに着いた
この荷物を二人で上げるとなると大変だと思っていたが
田代は大きな台車をバンの上に取り付けていたのをはずした
台車といっても2.5x5(尺)のコンパネにキャスターと
紐を付けただけの簡単なものだが 一回で全てを運べる事が出来た
唯一 エレベーターの出し入れだけが傷をつけないよう大変だった
普段なら養生をするのだが 今回は少ないので手当てをしなかった
神山が部屋を空けると荷物を玄関口に運び出し
「神山さん 家電製品を配置しましょう」
「うん しかし凄いな このテレビは」
「えっ テレビではないですよ モニターですよ」
「あっ モニターね でかいね」
「ええ プレゼンの時に良く使いますがね」
神山はこの部屋がアルタの事務所になって行く事に気が重かった
「では チューナーを取り付ければテレビが見られるね」
「ええ 高橋に仰ってくだされば用意しますよ」
田代は60インチのモニターとパソコンを接続し終えると
パソコンを起動させた
モニターにパソコンの画面が映し出されると
「神山さん OKですよ」
「うん ありがとう」
「なにかあったら 内野か田中に言ってください」
「うん分った」
「彼らは この様な技術に特出していますから」
「へえー 誠ちゃんと幸三君が?」
「ええ 技術屋顔負けですよ 彼らの腕は」
田代はモニターの設置が終ると残りのダンボールを開き
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