そちらにお持ちしても宜しいですか?」
「ええ 全然構いませんよ お待ちしています」
「そうそう カクテルドレスも出来てます 一緒に持って行きます」
「そうか みんな色が違うんだよね」
「ええ うちのデザイナーが顔や雰囲気を感じ取ったままドレスにしました」
「えっ そうするとデザインがそれぞれ違うの?」
「ええ 多少違っています でも基本は崩していませんよ 大丈夫です」
「分かりました 荷物が一杯ですが大丈夫ですか」
「ええ タクシーで伺います 大丈夫です 30分後に伺います」
神山は電話を切ると祐子 泰子 香織 真由美に電話をして
合同披露宴のドレスが出来 試着があるので大至急来るよう伝えた
なぜか洋子の態度がそわそわしていて 神山の話も上の空だった
「やぁー ごめんごめん 急に呼び出して」
「ふふふ こういう呼び出しなら大歓迎ですよ ねぇー祐子さん」
祐子 泰子 香織 真由美の4人が次長室に来てくれた
直ぐにどのようなドレスなのかみなでワイワイと雑談が始まった
神山は次長席でそんな5人を眺めていると祥子がやってきた
台車に大きな化粧箱を載せ 男性社員も手伝っていた
「遅くなってごめんなさい」
「ははは 大丈夫ですよ でも早かったね ありがとう」
祥子は化粧箱に書かれている名前を呼び皆に渡した
洋子たちは箱を開けると一様に 驚いた
「わぁー 素敵な色だわ 肌触りも滑らかで気持ちが良いわ」
「ほんと 薄くて軽い感じ ふふふ」
祥子が余った化粧箱を神山の指示で脇に置くと
「どうぞ試着をしてください お願いします あのぉー男性はちょっと」
「はーい 分かりました ははは」
神山とNNの男性は部屋の外に出され 着替えが始まった
暫くすると洋子が扉をあけ
「どうぞ ふふふ」
神山が部屋の中に入ると ファッションモデルが雑誌から出てきたままの
状態と勘違いするほどドレスが各自にあっていて素敵だった
「わぁぉー 素敵だ みんな美しいよ ほんと へぇー」
神山はソファーに座ると みんなのドレスを良く見た
「祥子 そしてデザイナーのお二人 ありがとう 素晴らしいよ ほんと」
祥子もこれだけ綺麗に着こなして貰えるとは思っていなかったので
「いいえ こちらこそありがとうございます 皆様 大変お似合いです」
神山は洋子を呼ぶとお尻を触った
「洋子 ショーツは穿いていないの 大丈夫」
洋子は顔を赤くして
「もう Tバックです」
「そうか ふーん ショーツラインが見えないから ドキドキするよ」
そういうと 香織や泰子 祐子や真由美から
「もう へんたーい スケベなんだから 何見てんの」
「おいおい 正常な男性ならさ その位考えるよ もう」
「へぇー 正常な男性だったんだ ふふふ じゃ勘弁してやるわ」
「それで久保さん これでこのドレスはお終いなの?」
「ええ 今いる方の微調整をします この作業は国内でも出来ますから
ご安心ください それで残りの方も試着をお願いしたいのです」
「そうだよね 分かりました なんとか1回で済むようします」
「はい お願いします それでこちらがメンズです どうぞ試着して下さい」
神山は化粧箱を渡されると 着替えたかったがみんながいるので
「ねえ なぜここに居るの 出て行かないの もう」
「だって 試着室があるでしょ そこを利用すれば大丈夫でしょ もう」
祐子がいうとみなクスクス笑った
神山は試着室で用意されたものに着替えると
「わぁー 素敵 Gパンも凄く素敵よ 足が長く見えるし」
「ジャケットも 襟のところが変化があって素敵ですよ」
通常上着は前ボタンを掛ける事になっているが 神山のファッションは
ラフを基調にしているので わざと前ボタンは掛けないでいいデザインで
ウエスト部分を絞ったシルエットになっていた
腕や上半身を動かしても窮屈ではなく縫製されていた
「うん 凄く楽だよ うん」
「一応 これは来年初夏モデルです 如何ですか」
「うん いけるよ 今着ているジャケットより全然着心地が良いよ」
「それでジーンズですが カラーを3種類用意しています 今穿いている
カラーともう少し濃い色 それと薄いカラーと3種類です」
「うん そうしたら他の色も見てみたいな でも後でいいけれどね
なにしろ穿きやすいよ うん それにフィットしているのが良いね」
「ええ ストレッチ素材が入っています だからだと思います」
「うん 気に入った このボタンもおしゃれだし ジャケットの
アウターポケットもデザイン的によく処理されている うん いいよ」