2013年9月6日金曜日

Vol.1154 百日紅 -6-67



「まあ そうですね 分かりました ありがとう ふふふ やっぱ」
そこまで言って祐子は手で口をふさいだ
それを見ていた泰子や香織がクスクス笑っていた

「祐子さん 私たち 5時上がりなの だから遊びましょうよ
って言っても 男じゃないわよ ゴルフとか ねっ」
真由美や香織がやり取りを聞いて祐子に話しかけていた
「そうですね お願いします ふふふ そうだ泰子さん 今度ね
泰子のゴルフレッスンってしない 勿論無料じゃないわよ 帰りに
パフェとか 講習生がゴチするの どう?」
「わぁー いいわね そうしたら教える方もやる気が出るわ ふふふ」
「だって 香織さんや真由美さんも練習場に近いんでしょ だったら
出来ますよ ねっ」
「はーい 理事の都合が無い時にそうします」
「そうか 神山さんのお仕事具合か そうだわね ふふふ」
それを聞いていた洋子が
「いいじゃない 私だって空く時があるし ふふふ」
「えっ そうなんですか へぇー」
「それはそうよ あの人だって色々と大変だもの だから空いた時に
私と付き合ってくれる 私も一人だから」
「ほんとですか でも そうね お願いします ふふふ これからは
踊りに行くよりゴルフが多くなりそうですね」
「お願いね」
由貴がやり取りを聞いていて
「祐子さん 私たちも7時にあがるでしょ 予定が無ければゴルフよ
これから一緒に練習をしましょうよ お願いね ふふふ」
「はーい ありがとう 嬉しいわ」
桃子が
「由貴先輩 もう お腹が一杯です」
「はいはい では神山さん お先に失礼します ゴチでした」
「うん 運転は大丈夫だね」
「ええ ぶつけても駆け足で逃げます」
「おいおい 物騒な事言わないでよ もう 桃子ちゃんしっかりして」
「はーい ちんちんバイバイ ふふふ」
「おい由貴 口を塞ぎなさい もう だらしないぞ」
由貴と洋子が桃子を支えるようにしてお店を出て行った

洋子が戻ってくると神山の隣に座り
「ねえ 私まだ終わらないの どうしよう」
「えっ なにが終わらないんだ?」
「もう 大きな声で 生理よ だから明日のお泊りを聞いているのよ」
やり取りを聞いていた泰子や祐子がクスクス笑っていた
「そうかぁー でもさ それって 目を瞑れば治るでしょ ねっ」
「もう 真剣に話しているのに」
「洋子さん 行けば良いじゃん だって目を瞑ればすむ事でしょ
羨ましいと思うわ ねぇー真由美さん」
「そうよ 洋子さんらしくないわ 目を瞑ればすむ事じゃない したければ
目を瞑って楽しむ したくなければ目を瞑って静かにしている でしょ」
洋子は年下の女の子に言われ嬉しかった
(あーあ 女の子ってやっぱり優しいなぁー)
「うん ありがとう 行きまーす ふふふ みんなありがとう」
「じゃ そろそろお開きにしよう 洋子 これで精算して」
神山は洋子にギフトカードを渡すと精算した
店を出ると洋子にタクシー代を渡し
「祐子を送ってください お願いね」
「はーい 了解です これお釣りです でも安いわねあれだけ食べて呑んで
5万円ですもの」
「えっ 間違っていない 大丈夫 だって日本酒と冷酒で15本は
呑んでいるよ 大丈夫かな」
「ええ 私も聞き間違いと思って 確認しました」
「わかった ちょっと待っていて」
神山は店に戻ると女将にギフトカード10万円分を渡し
「女将 今夜はご馳走様 それであの女性たちが着たら ここから出して
勿論全額だと変に思うからさ お任せします」
「はいよ いつもありがとう 待っているよ」
神山が店を出ると 丁度タクシーが2台来て 祐子と洋子 泰子を
見送ると 歩いて香織と真由美のマンションに向った

お盆前のこの時期が一番暑い日が続き 店を出るといっぺんに汗が
噴出してきた
香織や真由美もタオルハンカチで汗を拭っていたが 止まらなかった
白い半袖姿のサラリーマンも ネクタイを緩めたり 外したりして
忙しなく汗を拭きながら赤提灯に消えていった
今朝降っていた雨で湿度を増しているのか 呑んだアルコールが