「ええ テーブル席が4つほど多いわね 広々として素敵ですね」
「うん でも赤沢ホテルも思い切ったことをしたね」
「ええ お部屋もあちらより全然素敵だし ステーキハウスや居酒屋も
ホテル内に造るなんて 凄いですね そうそう赤沢ホテルでも 居酒屋を
造るんですよ 歩いて2分くらいの所に」
「へぇー その話も凄いね では次回が楽しみだな」
「9月にオープンって言っていましたよ あとアロエのマッサージとかも」
「へぇー よし秋になったら みんなでいこう」
ウエイトレスが由紀枝を見つけて
「あら 由紀枝先輩 お久しぶりです」
「あら お久しぶり 元気にしている」
「はい 今度こちらで働く事になったんです えーとチーフで へへへ」
「へぇー 凄いじゃん 頑張ってね」
「ええ あれ 神山さんだぁー わぁー」
「やあ お久しぶり っても分からないな みんな美人だったから」
「ははは 良いですよ へぇー 一緒だったんだ」
「そう 明日はねゴルフなの ふふふ楽しみだわ」
「ああ うちのゴルフ場ですか 評判良いですよ」
「へぇー もうリピーターが来ているんだ」
「ええ もう3回目や4回目の人が多いですよ 由紀枝先輩もがんばって
ここを利用してくださいね」
「うん 頑張ってね そうそう ねえ ステーキに使うお肉をたたきで
頂きたいの ほら神山さんの大好物よ 覚えている」
「ああ 大丈夫ですよ 4人前でいいですか」
「ええ お願いします それで生ビールでしょ その後は赤ワインだけど
お肉にあった赤ワインが良いな あとは簡単なおつまみ 以上かな」
「はい了解 そうすると焼き物はもう少し後でいいですか」
「うん そうしてくれる お願いね」
ウエイトレスが厨房にはいると神山が由紀枝に
「あの子はレストランにいた子なの」
「ええ そうよ 私の下で働いていた子で藤間友紀っていうの だから
私も由紀枝でしょ 友達がゆきって呼ぶとあの子も振り返るの ふふふ」
「じゃ へたにゆきって呼べなかったね」
「ええ 私の事は由紀枝って呼ぶようになったのも友紀がいたから ふふふ」
「素晴らしいね 新天地でチーフだなんてさ」
「私より頑張りやさんだから抜擢されたんじゃないかな 強敵ね ふふふ」
「そうかグランドインにとっては強敵現るか 大変だ由紀枝 ゴルフで
遊んでいる場合じゃないぞ ははは」
「そうね 凄いわよね リピーターが3回目とか4回目って話でしょ
ちょっと羨ましいわ」
「まあ 色々と仕組みがあるだろうけれど 短期間で4回目って凄いね
よほど時間調整が上手な人か 現役を退いた人だろうね」
4人でおしゃべりをしていると友紀が生ビールと牛肉のたたきを運んできて
「こちらがニンニクでこちらが生姜です お醤油はこちらをお使いください」
「はい ありがとう」
藤間友紀は丁寧にお辞儀をすると厨房にさがった
「じゃ 明日頑張りましょうでかんぱーい」
4人がジョッキを空けると直ぐに赤ワインが運ばれた
ワインクーラーにアイスを入れ ワインボトルのコルク栓をあけ
神山にティスティングをしてもらった
ワイングラスに注がれると 若い香がしてきた
「このワインはライトですか」
「ええ 今日のお肉が重厚なお味ですので 私みたいに若いワインです」
聞いていた神山はきょとんとしていると由紀枝が
「ほら 友紀 まだ初めてだからさ 冗談が通じなかったんだ ふふふ」
「そうか ごめんごめん シェフと相談して決めてきたわ どうぞ」
神山は一口呑むと若いフルーティーな香と 独特の渋さ オレンジなどの
香りと味を感じた 美味しかったのでもう1本を冷やしてもらった
おつまみのピクルスやオリーブも美味しくいただけた
神山がそろそろ注文したいタイミングに藤間友紀がテーブルに来て
「そろそろ焼き物を始めてよろしいですか」
「うん お願いします」
神山は由紀枝にOKサインをだすと クスクスと笑っていた
「なぜなぜ 由紀枝」
「だって 友紀はこのテーブルを見ているのよ だからおつまみが
お皿から無くなれば 追加か焼き始めるかでしょ ふふふ」
「あっ そういう事なんだ なるほど なんかさタイミングがいいから」
「まあ お仕事が違うから仕方ないわね ふふふ でもいいタイミングね」
「だろ 驚いたよ 心の中が読まれたって どっきとしたもの」
「へぇー 神山さんでも そんな事あるんだ へぇー」
「おいおい おばけじゃないよ もう」
みんなで大笑いすると 周りがこちらを見ていた
最初は鮮魚や野菜類を焼いてくれて 少しずつ運んでくれた