テーブル席でありがたいのは 暖かいものは暖かく頂けることだった
ここのステーキハウスでも徹底してお客の食べ具合にあわせ調理し
暖かいものを提供していた
神山たちが笑いながら食事をしていると友紀もニコニコと待機していた
周りのお客も神山に釣られたのか 少し笑い声が聞こえるようになった
ステーキが運ばれ 一口食べるとなるほどジューシーで重厚な味だった
「うん 美味しいね 久しぶりかな」
「ええ 美味しいわ ふふふ」
由紀枝が
「きっと 神山さんが宿泊って事で 最高級のいい部位を仕入れたのよ
私も久しぶりだもの 美味しいわ ふふふ」
「そうそう GOLでも美味しかった うん」
「あの時だって 特別注文して仕入れてもらったの ふふふ」
「そうか ありがとう 嬉しいよ なっ洋子」
「ええ 私は幸せです あなたと一緒にいると美味しいものが頂けて」
「おいおい 食べ物だけか もう」
又 大笑いしながらステーキを食べた
ガーリックライスを食べ終わると デザートが運ばれてきた
神山はアイスクリームが欲しくなり 特別に注文すると
「神山さま 売店で販売しているアイスクリームでよろしいですか」
「うん 構わないよ お願いします」
「あらっ 珍しいわね どうしたの 大丈夫」
「おいおい 僕だって 食べたくなる時があるんだ もう」
アイスクリームが来るとデザートに乗せ赤ワインを少し注いで食べた
「うん 最高 美味しいよ どうぞ」
神山が差し出したデザートに誰も手を出さなかった
「分かりました 僕一人で頂きます あーあ 美味しいなぁー」
また3人がクスクス笑い出した
8月5日 水曜日 快晴 微風
昨夜は誰とも交わらずに早く寝たせいかみんなより早く目が覚めた
太陽はとっくに海に顔を出していたが 部屋の露天風呂で眺めていた
今日も暑くなるだろう蝉が鳴きだし 合唱になった
微風だろう波が静かで 太陽の斜光が眩しく今日のプレーを願った
缶ビールを飲みながらたばこをふかしていると洋子が起きてきて
「ねえ 一緒に入ってもいいかしら ふふふ」
「うん おはよう 綺麗だね なにかさ 神妙になるね この光景って」
「ええ 素敵ね」
洋子は大事な所を丁寧に洗い流すと神山の隣に座った
「洋子 お盆が終わったら 関係各社をあたってゴルフ大会をしようよ」
「ええ 亜矢子さんのホテルでしょ」
「うん その方が無難だね 内藤さんも参加するし」
「そうすると明日からまた忙しくなるわね ふふふ」
「まあね 動ける人が動かないとね」
「そうね 大変ね 私も精一杯お手伝いするわね」
二人が露天風呂に入っていると由紀枝と泰子も起きてきて
「あら 早いですね ふふふ 一緒に入ろうかな ねぇー泰子さん」
「うーん 私は下の温泉に入ってきます ふふふ どう由紀枝さん」
「うん いく 私も下のほうがいいな どうぞごゆっくり ふふふ」
「おいおい 昨日のように長湯は禁物だよ お願いします」
「はーい では」
二人が部屋を出て行くと神山は先に露天風呂からでてソファーで寛いだ
洋子も浴衣姿で寛ぎ 缶ビールを呑んだ
「しかし このホテルもいいね ゴルフ場まで送迎でしょ 歩いても
5分とかからない所だし 素晴らしいね」
「ほんとね ねえ あそこの空き地ってパターゴルフかな なんか」
「うん そうだよ このホテルの裏側に全天候のテニスコートがあるよ」
「凄いわね 又来たくなるわね」
「うん 老若男女関係なく楽しめる所だよ スキエと手を組んだ事によって
熱海から伊豆山にお客を呼べるし楽しませる事が出来るよ」
「そうなると 熱海が大変じゃないですか」
「まあ 大変って言っても 頭を使わない企業は潰れるよ 現に海の方は
もう数件が閉館しているしね そんななかよく頑張るよ」
「そうね へぇー 閉館している所があるんだ」
「うん 何件かあるよ 寂しい光景だね」
30分ほどすると由紀枝と泰子が温泉から戻ってきた
「あーあ 気持ちよかったわ ねぇー泰子さん」
「ええ 昨夜の叔母ちゃん連中と一緒でしたが 気持ちよかった」
「そうか よかった そうしたら食べに行きましょう」
みんな浴衣姿でレストランにいき受付で部屋のキーを見せると
ウエイトレスが窓際の席に案内された
各自トレーを持ち 取り皿に料理を盛り合わせ席に戻るとビールが置いて
あった