2013年9月30日月曜日

Vol.1178 百日紅 -7-68



「あのさ 分かった もう なにも出ないよ」
「まあ そんなぁー ねぇー洋子さん」
「ふふふ 褒めているのにねぇー」
「おいおい 分かったよ もう それでこのファッションに合う靴を
探しにきたんだよ どうだろう いいのがあるかな」
この時間帯はお客が少ないのか 若い女性店員が3人もあれだこれだと
神山のところに靴を揃えてきた
「おいおい こんなに迷わせてどうするの 一押しはどれ?」
若い女性社員が真剣な眼差しで
「私は個人的にも 客観的にもこの靴をお勧めします」
そういうと 神山に選んだ理由を分かり易く説明した
「うん そうだね なかなか説得力があって分かりやすい うん あとは?」
明るい雰囲気になったこともあり 他の社員もお勧め理由を説明した
神山は最初に説明してくれた女性店員のお勧めシューズを買った
「専務 ありがとうございます ふふふ 嬉しいです」
「うん わかり易い説明だったよ 頑張りなさい」
神山は更に他の店員が勧めてくれた2足も一緒に買った
「まあ いいわね ねぇー洋子さん」
「ほんと ちやほやされると直ぐに買うのよね もう ふふふ」
「洋子さん この頃凄く綺麗になったわ 羨ましいわ ふふふ」
「そんなぁー でもありがと ふふふ」
「なんか 休みが無いって 本社人事で聞いたのよ 体を休めてね」
「うん ありがとう 神山も休み無しよ ほんとスーパーマンね」
「へぇー 大丈夫なのかしら」
「ええ 私も少し心配はしているけれど まあ本人が元気だから ふふふ」
「そうね 男は元気よね でも あのジャケットって素敵ね」
「ふふふ あれもねお仕事なのよ 今度ねNNでメンズを出すのよ」
「えっ ニーナ・ニーナでメンズ?」
「ええ 来年の4月発表よ その試作品を着ているのよ ジーンズもよ」
「へぇー お似合いね 素敵だわ」
「ほんと 常務や専務ったらスーツなのに ジーンズファッションでしょ」
「そうよね 中身がいいから着ているものも映えるのよ だってさ
いくら高いスーツ着ている部長がいても全然似合わないしね ふふふ」
「そうね ふふふ」
神山が精算を終わると二人に
「帰りますよ もういいですか ははは」
「はーい 分かりました でいくらだったの?」
「うん 3足で38万円もしたよ 参った」
「まあ 高い買い物ね」
「あっ 違う違う 予備が入っているんだ 4足だよ ははは」
「まぁー これだものね」
「じゃ洋子さん 頑張ってね」
「はーい では失礼します」

神山は珍しく紙袋を持って店内を歩いた
「ねえ そうしたら ビトロへいってバッグを見てみる?」
「ううん いい もう駄目だよ 見れば欲しくなるしさ だって
店員の勧め方が上手になってきたから 駄目だ ははは」
「ねぇー 以前は買うのにも大変だったのに この頃はねぇー」
「おいおい 何が欲しいの もう 部屋に戻るよ」
神山は洋子たち女性になにか買おうと婦人カジュアル売場を歩くと
係長や課長 部長までが神山の傍に寄ってきた
「専務 なにかお探しでしょうか?」
神山は客が少ない事を思い
「部長 今日は木曜日でイベントの立ち上がりなのになぜお客様が居ないの」
痛いところを言われた部長は何も答えられずにいると
「ほら 情報課が出来たんだから もっと集客しなければ
これだと店は潰れてしまうよ 僕を相手にしている時間があったら
集客の事を考えなさい いいですね」
部長はそういわれると神山にお辞儀をして退散した
「困ったものだ 情報課の活用がまだ上手に動いていないね」
「でも 出来たばかりだから 効果はもう少し時間が掛かるでしょ」
「うーん そうかな 勿体無い話だね」

次長室に戻ると催事課の奥村課長がやってきた
「どうされましたか?」
「山ちゃん じゃない専務 実は翔の理事昇進祝いと山崎さんの歓迎会を
今夜行いたいのです」
「えっ また急ですね」
「うん ごめん 店長の都合や副社長の都合を聞くと今日しかないんだ
そこで出席をお願いしたいんだよ」
「いいですよ で取引先は何処が出てきますか」
奥村はメモを神山に見せた
「うーん 抜けている会社がありますね」






2013年9月29日日曜日

Vol.1177 百日紅 -7-68



祥子は神山に気に入ってもらい嬉しく安堵した
「ねえ これって 着ていてもいいのかな ははは」
「ええ良いですよ 型はありますし 大丈夫です それにニーナ・ニーナの
今後の宣伝にもなりますし お願いします ただジャケットの裏には
まだ正式なロゴやタグがついていないんですよ」
「そうか じゃお返しをして 正式なのを待ちます」
「そうそう このジャケットは初夏ですが 秋口まで着られます 今は
秋物をこのシルエットでデザインしています この秋物にはシルエットを
もう2つ位増やす予定です それもデザインが出来上がりましたら
見て頂こうと思っています」
「うん ありがとう そうするとGOLオープンの時には このシリーズが
ウインドーに並ぶわけですね」
「はい そうです あとはシューズとバッグもなんとか揃えてと思ってます」
「うん 分かりました バッグもそんなに奇をてらったものではなく
ベーシックだけど使いやすくて長持ちするような そんな感じかな」
「ええ 神山さんの事を考えればそのようなデザインが出てきます それで
このセットでOKと言うことであれば ニーナ・ニーナメンズと言うことで
社内的にも発表をさせて頂きたいのですが 宜しいですか?」
「うん OKだよ」
「では 申し訳ないのですが ここで写真を撮らせてください」
神山は背景を考え 色々な場所で注文のポーズを取り撮影に応じた
「神山さん このジャケットとジーンズですが プレゼントしますよ
商品が出来ましたらまたお持ちします その時は契約書通りお願いします」
「うん 分かりました Tシャツやシャツは1枚しかないので ゴメンね」
「はーい ジャケットも毎日だと型が崩れますから 着替えてください」
「ねえ ところでこのテカテカしているのは何?」
「ふふふ 初めての試みですが シルクが入っています」
「えっ シルクなの」
「ええ 麻と綿そしてシルクです なので肌触りが滑らかです」
「へぇー それで軽いんだ」
「ええ 裏地はシルクですよ」
「へぇー そうすると高いでしょ いくらなの?」
「ええ 正式ではありませんが 45万円を考えています」
「うーん その位するだろうね なるほど」
「ええ初夏ジャケットでもシルエットが同じモデルで生地が違うバージョン
も考えています 出来上がりましたら着用をお願いしますね ふふふ」
「うん 楽しみです」

神山のファッションショーが終わると神山は部屋から出て女性群の
着替えを待っていた 随分と待たされると洋子が
「お待たせしました ふふふ モデルさま」
「ありがとう しかし大変だね」
「ふふふ まあ仕方がないでしょ 美しく見せるんだから」
「そうだね」
「でも このファッションって 凄く素敵よ ねぇーみんな」
祐子や香織などみんなが頷いていたが真由美が
「でもねぇー 中身が伴わないとねぇー 祐子さん」
「そうそう 外見ばかりじゃ詐欺だわ」
この言葉にはフランスから来ている2人のデザイナーも大笑いした
「そうすると後は バッグとシューズか どう 似合っているかな」
「大丈夫よ このままで」
神山は少し心配したが みんながこのままで良いと言うので納得した
着替えが済んだ祐子 泰子 香織 真由美たちはそれぞれに戻った
祥子と二人のデザイナーも詰めの打ち合わせをすると会社に戻った
神山はニーナ・ニーナの筒井に電話をして 今日の出来事を報告した
「いやぁー 良かったですよ ありがとうございます」
「いやいや 山ちゃんのお陰です こちらこそありがとうございます」
「今度 メンズが出来上がりましたら 是非着用してくださいね」
「うん 山ちゃんと事情がちょっと違うからプライベートの時にね」
「そんな 宣伝ですよ そのうちスーツも考えましょうよ 素敵な」
「そうだね でも手が出ないよ ははは」
「まあ そこは試着と宣伝で お願いしますよ」
「うん 分かりました でもよかった 喜んでもらって」
「はい では失礼します」
電話を切ると洋子に
「ねぇー 靴を見に行こうか」
「まあ 大丈夫よ でも気になるのね ふふふ いいわよ」

二人が店内を歩くと女性店員が神山に丁寧なお辞儀をした
メンズシューズ売場にいくと古株の女性店員が神山に
「専務 素敵なジーンズとジャケットですね 今日は凄く素敵です」
「おいおい じゃ普段は素敵じゃないのかな」
「うーん 普段の10倍位素敵 ねぇーみんな」
周りにいた若い女性社員も頷いていた







2013年9月28日土曜日

Vol.1176 百日紅 -7-68



そちらにお持ちしても宜しいですか?」
「ええ 全然構いませんよ お待ちしています」
「そうそう カクテルドレスも出来てます 一緒に持って行きます」
「そうか みんな色が違うんだよね」
「ええ うちのデザイナーが顔や雰囲気を感じ取ったままドレスにしました」
「えっ そうするとデザインがそれぞれ違うの?」
「ええ 多少違っています でも基本は崩していませんよ 大丈夫です」
「分かりました 荷物が一杯ですが大丈夫ですか」
「ええ タクシーで伺います 大丈夫です 30分後に伺います」
神山は電話を切ると祐子 泰子 香織 真由美に電話をして
合同披露宴のドレスが出来 試着があるので大至急来るよう伝えた
なぜか洋子の態度がそわそわしていて 神山の話も上の空だった

「やぁー ごめんごめん 急に呼び出して」
「ふふふ こういう呼び出しなら大歓迎ですよ ねぇー祐子さん」
祐子 泰子 香織 真由美の4人が次長室に来てくれた
直ぐにどのようなドレスなのかみなでワイワイと雑談が始まった
神山は次長席でそんな5人を眺めていると祥子がやってきた
台車に大きな化粧箱を載せ 男性社員も手伝っていた
「遅くなってごめんなさい」
「ははは 大丈夫ですよ でも早かったね ありがとう」
祥子は化粧箱に書かれている名前を呼び皆に渡した
洋子たちは箱を開けると一様に 驚いた
「わぁー 素敵な色だわ 肌触りも滑らかで気持ちが良いわ」
「ほんと 薄くて軽い感じ ふふふ」
祥子が余った化粧箱を神山の指示で脇に置くと
「どうぞ試着をしてください お願いします あのぉー男性はちょっと」
「はーい 分かりました ははは」
神山とNNの男性は部屋の外に出され 着替えが始まった
暫くすると洋子が扉をあけ
「どうぞ ふふふ」
神山が部屋の中に入ると ファッションモデルが雑誌から出てきたままの
状態と勘違いするほどドレスが各自にあっていて素敵だった
「わぁぉー 素敵だ みんな美しいよ ほんと へぇー」
神山はソファーに座ると みんなのドレスを良く見た
「祥子 そしてデザイナーのお二人 ありがとう 素晴らしいよ ほんと」
祥子もこれだけ綺麗に着こなして貰えるとは思っていなかったので
「いいえ こちらこそありがとうございます 皆様 大変お似合いです」
神山は洋子を呼ぶとお尻を触った
「洋子 ショーツは穿いていないの 大丈夫」
洋子は顔を赤くして
「もう Tバックです」
「そうか ふーん ショーツラインが見えないから ドキドキするよ」
そういうと 香織や泰子 祐子や真由美から
「もう へんたーい スケベなんだから 何見てんの」
「おいおい 正常な男性ならさ その位考えるよ もう」
「へぇー 正常な男性だったんだ ふふふ じゃ勘弁してやるわ」
「それで久保さん これでこのドレスはお終いなの?」
「ええ 今いる方の微調整をします この作業は国内でも出来ますから
ご安心ください それで残りの方も試着をお願いしたいのです」
「そうだよね 分かりました なんとか1回で済むようします」
「はい お願いします それでこちらがメンズです どうぞ試着して下さい」
神山は化粧箱を渡されると 着替えたかったがみんながいるので
「ねえ なぜここに居るの 出て行かないの もう」
「だって 試着室があるでしょ そこを利用すれば大丈夫でしょ もう」
祐子がいうとみなクスクス笑った

神山は試着室で用意されたものに着替えると
「わぁー 素敵 Gパンも凄く素敵よ 足が長く見えるし」
「ジャケットも 襟のところが変化があって素敵ですよ」
通常上着は前ボタンを掛ける事になっているが 神山のファッションは
ラフを基調にしているので わざと前ボタンは掛けないでいいデザインで
ウエスト部分を絞ったシルエットになっていた
腕や上半身を動かしても窮屈ではなく縫製されていた
「うん 凄く楽だよ うん」
「一応 これは来年初夏モデルです 如何ですか」
「うん いけるよ 今着ているジャケットより全然着心地が良いよ」
「それでジーンズですが カラーを3種類用意しています 今穿いている
カラーともう少し濃い色 それと薄いカラーと3種類です」
「うん そうしたら他の色も見てみたいな でも後でいいけれどね
なにしろ穿きやすいよ うん それにフィットしているのが良いね」
「ええ ストレッチ素材が入っています だからだと思います」
「うん 気に入った このボタンもおしゃれだし ジャケットの
アウターポケットもデザイン的によく処理されている うん いいよ」







2013年9月27日金曜日

Vol.1175 百日紅 -7-68



「へぇー 難しいんだ 泰子さんが難しいって言うなら間違いないわね」
「おいおい 僕も難しいって言っているんだよ もう」
みんなはキャァーキャァーいいながら 笑い出した
「だって 神山さんの言っている事も本当よ でもほら向こうはプロを
目指した人でしょ 色々な角度で判断していると思うの 怒らないで」
「あーあ そうだよね うん 分かったよもう」
おしゃべりがひと段落すると 全員でVWの販売店にいった
担当員が神山を見て笑顔で迎えるとカウンターで各自の手続きを行った
みなが色々な書類を預かりスタジオに戻ると神山は出勤の支度をした
由貴と香織 真由美は午前半休をしているので帰り支度をした
「祐子 タクシーを3台 呼んでくれるかな お願い」
神山はみんなに
「じゃ 行ってくるね 祐子 お願いします」
そう言うと 由貴と香織 真由美にタクシー代を渡し 次長室に向った

「やあ おはよう 昨日はお疲れ様でした」
「おはようございます お疲れ様でした」
「VWの手続きも順調に終わったよ」
「あっ そうですね どうでしたか」
「うん みんな大喜びさ ほんと子供みたいだったね ははは」
「まあ でも嬉しいんだわ ふふふ」
「なにかあった?」
「いいえ そうそう 亜矢子さんにプレゼントするんでしょ はいこれ」
洋子はVWゴルフVR6のカタログや必要書類を神山に手渡した
「おお 忘れていた そうすると後はTバックだけだな うーん」
次長席でGOLの纏めやスケジュールを見ていると泰子から電話があった
「神山さん ありましたよ 例のTバック」
「やあ 泰子 おはよう ありがとう でどうしようか」
「ええ お昼にそちらに伺いますよ うなぎでも良いですよ ふふふ」
「分かった 部屋を出たら電話をください タクシーで来る?」
「ええ 時間が勿体無いから タクシーで行きます」
「うん 分かりました じゃ うなぎ屋で待っています」
電話を切ると洋子に
「泰子が見つけてくれました 助かった ははは 地方のデパートなら
婦人肌着売場に行っても おばさんばかりだから何とも無いがね」
「まあ 以前 買いに行ってくれたのに 今は駄目なの」
「うん まあ 駄目じゃないけれどさ なんとなく恥ずかしいし、、、
それで お昼に泰子から電話があるから うなぎ屋にいくよ」
「はーい 分かりました そうしたら予約しておきましょうね」
「うん お願いします」

お昼になり泰子から電話がはいると 神山と洋子はうなぎ屋で待った
「お待たせしました」
「やあ ありがとう」
「はい これです でこちらはプレゼント用に包装してありますよ」
神山は袋を開けると確かに自分が穿いているTバックショーツだった
「ありがとう それで何枚包装してあるの」
「ええ Tバックが3枚でしょ ハイレグが3枚 スタンダードが2枚
合計8枚です ふふふ」
神山は2万円を泰子に渡した
「ありがとう 助かったよ」
「それと先日話していたグラスの件ですが たたき台が出来ましたので
あとでご覧ください お願いします」
「ああ ルコーワなどの景品の件ですね 分かりました ありがとう」
神山は泰子から書類を貰うと バッグにしまった
「それで 大きい会社に聞いたんですが 各社とも販促で前向きに
考えてくれています 手ごたえはいいですよ」
「そうか ありがたい事だ うん良かった そうしたら泰子のところにも
人を派遣して色々と準備しなくて良いかな?」
「うーん 大丈夫だと思いますよ 実際に取り扱うわけじゃないし」
「そうだね うん でも問い合わせの電話が多くなるでしょ 大丈夫?」
「大丈夫です ほらコールセンターと違うし ふふふ」
「うん 日常の業務に支障をきたす様だったら 連絡くださいね」
「はーい 了解です ふふふ」
3人はうなぎを食べ終わると 泰子はタクシーで協会に戻った
次長室に戻ると 亜矢子のプレゼントを綺麗な和紙で包装し配達した
「亜矢子 驚くだろうな」
「ええ Tバックと車でしょ 驚くわよ ふふふ」

15時過ぎにニーナ・ニーナの祥子から電話があった
「神山さん メンズが出来上がりました」
祥子は嬉しそうな声で神山に伝えると
「おぉー 出来ましたか ありがとうございます」
「ええ 今 成田から届いたばかりなんですよ それでこれから






2013年9月26日木曜日

Vol.1174 百日紅 -7-68



8月6日 木曜日 快晴
泰子は早く起き神山にキスをすると 祐子を起こして自宅に帰った
神山が目を覚ますと 泰子がいないことに気が付いたがテラスでタバコを
ふかしながら 缶ビールを呑んだ
シャワーを浴びてスッキリすると 庭に出てゴルフの練習を始めた
蝉の声が煩くなると 祐子や香織 桃子が起きてきて庭の神山に
「おはよう 早いですね ふふふ」
「うん ほら 支度をして練習だよ」
「はーい 待っていてね 直ぐにいくわ」
3人はTシャツやトランクスを穿くと庭に出て神山のところに行った
「じゃ 香織から打ってごらん」
神山はビデオをセットして 香織の練習を撮影した
「なかなか いいじゃん ねぇー神山さん」
「うん 良いと思うよ もう少し打ち込んでごらん ドライバーの他にも」
香織は言われたとおり アイアンも打ち込んだ
「うん このビデオを近いうちに泰子に見てもらおうね さあ次は祐子」
こうやって順番にビデオ撮影して練習を終えると シャワーを浴びて
体をスッキリさせた
朝食の支度は香織と桃子が祐子を手伝った
3人は調理法方など知っている情報を交換し合いきゃーきゃー話しながら
楽しそうに準備してくれた
神山は缶ビールを呑みながら そんな3人のお尻を触ると
きゃっきゃ言うのを楽しんでいた
「もう 変態 何考えているの もう ふふふ」
「そうよ あー駄目だ勘弁してくれって 誰でしたっけ ふふふ」
「おいおい もう だってさ 3人だよ 3人」
「ふふふ そのつもりで お泊りさせたんでしょ 違うのかなぁー」
神山はキッチンから引き下がり ソファーで庭を眺めた
「ふふふ そうよね 3人が無理だったら 誘わなければ良いのにね」
「そうよ もう ふふふ でも可哀相だから 余り苛めないほうが良いわね
実はね 以前もこうやって苛められたら 元気がなくなったのよ」
「えっ 本当ですか」
「そうなの だから苛めない方が得策ね ふふふ」
「へぇー そうなの 神山さんってスーパーちんぽだと思ったわ」
「それが駄目なのね」
「へぇー じゃ昨夜は元気だったんだ」
「うん そうみたい でもね泰子さんが話していたけど その前の日って
だれともHしなかったんだって」
「へぇー なんでだろう?」
「ほら 洋子さんが生理でしょ だからじゃない 多分 だってねぇー」
「そうね へぇー そんな一面もあるんだぁー」
「うん だからさ 余り苛めない方がいいと思うわ」
「結構 ナイーブなのね」
「うん 他の女性に気を使っている部分もあるし 全然とんちんかんな時も
あるし でも怨めないわね ふふふ」
「ふーん さすが祐子さんね」
「うん 色々と見えてくるわ 基本優しすぎるのね ほんと」
「そうそう 言えてる うん分かるよ」
「でしょ 男とかさ会社には全然敵なしでしょ でも女はどうにも
コントロール出来ないというか 深い所が分からないのね」
「うん そうね ほんと協会でもしっかりしているのに 駄目ね ふふふ」
「そうよ NNでも凄いアイデアを実現させているのにね ふふふ」
3人は手を動かしているが なかなか調理が進まなかった

「おーい まだなの 魚が焦げている匂いがするよ 大丈夫?」
祐子は慌ててグリルから焼き魚を取り出すと 確かに焦げていたが
「はーい もう直ぐできるわ 待っていて」
今朝は本格的に調理しているのか時間が掛かった
朝食の準備が出来 テーブルに料理が運ばれると神山はビールを呑み
「ねえ祐子 泰子は何時頃帰ったの?」
「うーん 6時過ぎだったと思います」
「ここで朝食を食べていけばよかったのにね」
「でも 出勤時間が違うし ほら女性って色々と支度があるでしょ」
「そうか ふーん」
「そうよ もう モードの入れ替えをしないと ふふふ」
「えっ モードの入れ替え?」
「そうよ これから会社モードとか ゴルフモードとか ねぇー桃子さん」
「そうそう 女って大変なのよ わかってね ふふふ」
神山は少し考えながら食事を終えた
いつものように30分寝ると 10時前だったが由貴と真由美が尋ねてきた

「やあ おはよう」
「おはようございます ふふふ どうでしたかゴルフは」
神山は成績などを交えながら 難しいコースを話した
由貴も真由美も真剣に聞いていたが






2013年9月25日水曜日

Vol.1173 百日紅 -6-67



「そうなんだ 凄いですね ふふふ」
「でも泰子 今日の運転って疲れなかったでしょ」
「ええ ほんと人間工学を感じました ドライビングポジションだって
今までと違うし アクセルだって位置が違うので最初は戸惑ったけれど
慣れると全然いいわ ふふふ 香織さん 明日が楽しみね」
「ええ でも納車はまだ先だから ふふふ でも楽しみに待つわ」
話もひと段落したので 神山がみんなに
「さあ それでは お風呂に入ろうか」
5人は2Fの主賓室へはいり祐子がお風呂の準備をした
桃子が以前購入したエアーマットとヌルヌルローションを準備すると
「神山さーん OKよ 入ってきて」
「はーい 分かりました」
部屋に残っていた神山と香織 泰子はお揃いのTシャツを脱ぎトランクスも
脱ぐと洗濯機にいれた
「わぁぉー ノーパンだったの」
「だって トランクスって下着じゃん もう」

浴室に入ると桃子と祐子は既に裸で神山を待っていた
「さあ 洗いますね」
椅子に座ると 4人の女性が泡のローションで体中を撫で回した
「うーん 普段と違う 気持ち良いよ ヌメヌメしている」
桃子は祐子に目で合図をして神山のおちんちんを洗い出した
肉棒化すると桃子が
「はい では流しますね」
シャワーで泡を流すと 湯船に浸かった
神山の左右には香織と泰子が座り 正面に祐子と桃子が座った
香織と泰子が肉棒を触ると 桃子が
「余り触ると 出してしまうから ほどほどにしてね」
泰子と香織は顔を見合わせ頷いた
神山は気持ちよさが途切れたので催促したが 桃子が断った
暫く湯船に浸かると桃子が
「では お疲れ様マッサージをしてあげるね ふふふ」
神山は言われるとおりエアーマットにうつ伏せになると まず最初に桃子が
3人に手本を見せた
「こうやるの そうよ じゃ泰子さんと香織さんは足をお願いね」
桃子は神山の手をヴァギナで洗いみんなに見せると 泰子たちは見習った
「そうよ クリを押し付けると自分も気持ちよくなるでしょ」
初めて経験した3人は頷き 桃子のように足や手をヴァギナで洗った
ローションがたっぷり使われているのでべちょべちょと嫌らしい音が
聞こえ出し 4人の女性たちも腰の動きが早くなってきた
彼女達は正面を向き合うと 神山のアナルやお尻を愛撫し始めた
「じゃ神山さん 仰向けになってくれる」
神山は言われたとおり 仰向けになると 足を担当してる泰子と香織は
「うーん こっちの方が気持ち良いわ ねぇー泰子さん」
「ええ ごつごつしているし ふふふ」
神山は触ってもらえないおちんちんをピクピク動かしたが 駄目だった
祐子と桃子が片方の手で神山の乳首を弄り始めると 泰子と香織は
肉棒化したおちんちんを弄り始めた
二人がつま先に下がる時に手は肉棒の先に来て 腿にあがるときは
肉棒の根元に動いていた 二人が交互に動くと不思議な快楽があり
「わぉー 初めての体験だよ 気持ちよすぎる」

そんな神山の気持ちを察してか 桃子が泰子と香織に
「おちんこをくるくる廻すようにすると もっといいわよ」
言われた泰子と香織は言われたとおり 回転運動を加え始めた
桃子が片方の手で祐子の乳房を愛撫し始めると 泰子と香織も真似た
「あっー 気持ち良いわ」
「うん 私も」
桃子は空いている手で亀頭の先を撫で回した
「あっ 誰だ 気持ちよすぎる あっー」
泰子が足から降りると 神山の足を大きく広げ 肉棒を咥え始めた
上下に動かすと神山が
「うん 気持ち良いよ あっー」
今度は香織がアナル周辺を愛撫し始めると
「駄目だよ 出そうだ」
泰子はその言葉を聞いて神山に跨ると 肉棒をヴァギナに挿入した
香織は神山の顔に跨り クリットとヴァギナを舐めてもらい 泰子の
乳房を愛撫した
桃子と祐子は神山の指をヴァギナに誘導すると 神山は上手に動かした
「あっ いいわ そこよ神山さん 2本入れて あっ あっー」
桃子と祐子は香織の乳房を愛撫し始めると 香織は
「だめっ いきそうよ あっー はぁー はぁー」
泰子が腰の動きを早くすると 神山は下から突き上げるように腰を動かし
「どうだ 泰子 いいかい」
「えっ 駄目っ もういきそう あっ あっー」
神山は更に腰の動きを早くした 指の動きも早くすると 祐子と桃子の
腰の動きも早くなった
浴室の中は4人の女性たちの喘ぎ声が響き渡った
最初に泰子が昇天すると香織も神山の顔にガクッと腰を落とし昇天し
祐子と桃子も昇天してしまった
泰子が終わると 香織の番で今夜は順番にヴァギナに挿入した
神山は3回も昇天しスペルマを発射したが 女性たちはベッドに入ると
また求めてきて 最後は神山が降参をし寝かせてもらった







2013年9月24日火曜日

Vol.1172 百日紅 -6-67



「はい 分かりました」
神山はベッドに横になると直ぐに寝てしまった 泰子が
「洋子さん 私も寝かせてください」
「はーい いいわよ 由紀枝さんは寝なくていいの」
「ええ 大丈夫です それよりメロンを注文しましょうか」
「そうね 食べたくなったわ ふふふ」
そういうと由紀枝は電話でフロントにメロンを注文した

30分経ち洋子が神山と泰子を起こした
「やあ ありがとう すっきりしたよ」
「洋子さん ありがとうございます すっきりです」
神山は部屋のなかをぐるりと見て
「あれっ 由紀枝は」
「ええ メロンを食べて帰りましたよ」
「そうか ありがとう それでは我々も帰ろうか」
神山はフロントで精算し洋子を乗せて車を出した
「そうしたらさ 今日はバーベキュー無理なんだ」
「ええ ごめんなさい」
「じゃ 渋谷で降りたら そのまま送るよ」
「はい お願いします」
神山は後ろについてくる泰子の運転を気にしていたが安全運転で安心した
更にスピードを上げると泰子もピタリとついて来て笑っていた
首都高渋谷ICで降りると洋子の自宅近くまで送り泰子とスタジオに戻った

「お帰りなさい」
「うん ただいま どう香織とか来ている?」
「ええ 香織さんは早くに来たけれど桃子さんはもう少し時間が掛かるって」
「じゃ 今日は5人分かな」
「ええ 私でしょ 神山さん 香織さん 泰子さんでしょ 桃子ちゃん」
「もう買い出してしてあるの?」
「ええ 大丈夫ですよ お肉も選んでもらいました ふふふ」
「魚介類は?」
「ええ 伊勢海老も買ってあります 大丈夫よ」
「わかった それでは着替えをしよう そうそう泰子の案内をお願い」
3人は2Fにいくと 神山は主賓室 泰子と祐子はゲストルームに消えた
着替えを済ませ1Fのスタジオにいくとドアフォンがなった
神山が出ると桃子で 外壁の門扉を開けた
「わぁー 遅くなってごめんね ふふふ」
「いいよ 今さ2Fで着替えているから 行ったら良いよ」
「はーい いつものお部屋ですね」
「うん 階段を上がって左側だよ 祐子もいるよ」
神山はそう言うと バーベキューセットを庭にセットした
冷たくなった缶ビールやワインボトルをアイスの入った大きなバケツにいれた
グラス類も人数分をガーデンテーブルに置き準備をすると みんなを待った

5人が揃うと 神山は野菜やおつまみになりそうなものから焼き始めた
香織が気を利かせ 焼き手になると 神山はみんなに缶ビールを勧めた
「ねえ神山さん それでゴルフはどうでしたか」
祐子が普通の感じで聞いてきたので
「うん 凄く難しい所だった それが第1印象で スコアは70でした」
「へぇー 難しいコースで70ったらいいじゃん ねぇー桃子ちゃん」
「ほんと 凄いですね 私なんかだと100は叩くわ」
「うん 一生懸命練習をして楽しもうよねっ しかし泰子のイーグルは凄い」
神山は北8番で泰子が残り125yを9番アイアンでカップインしたことを
細かく説明した
「へぇー 8番か9番って迷ったんだ」
「そうなのよ125yって8番の距離なの でも打ち下ろしで風が殆ど無い
状態でしょ それに今日は当っていたから 9番にしたの」
「へぇー 凄い わぁー憧れるわ ねぇー祐子さん」
「うん 凄すぎるよ よーしっ 明日から練習だぁー」
神山は香織と焼き手を変わると魚介類を焼き始めた
伊勢海老を塩 胡椒だけで味付けして焼くと香ばしい香りが漂った
「美味しそう 早く食べたいぃー」
今夜のバーベキューはゴルフの話で盛り上がり ステーキを食べた
食後のデザートは祐子がフルーツを美味しそうに盛り付け好評だった

後片付けを済ませソファーで寛いでいると 明日の車の話しになった
「どうでした 泰子さん」
「ええ 全然大丈夫よ 帰りなんて 神山さんの車を追いかけていたら
220kも出しているの驚いたわ でもね全然ぶれなくて安心よ ふふふ」
「そうか あの時220も出していたんだ 知らなかったよ ははは」
「ふふふ 相当なスピード狂ね でも安全運転だわ」
「うん 僕も泰子の事を見ながら走っていたんだよ あの車は300でも
大丈夫じゃないかな まだ試した事無いけれどね」






2013年9月23日月曜日

Vol.1171 百日紅 -6-67



キャディーにお礼をいい レストランで一休みした
「お疲れ様でした フロントで準備が出来るまで ビールでも呑もう」
神山達はホテルに戻りゆっくりするつもりなので おつまみは控えた
スコアカードを見てみると
「あれっ なんだニアピン ドラコンって2個ずつ取っているんだ」
「あらっ ほんと しかし最後の由紀枝さん あれって凄かったわ」
「ええ 7番で池ポチャしたから おまじないをしたの ふふふ」
「そうなんだ おまじないか なるほど」
「そうよ おまじない」
「どんなおまじないなの 教えて」
「ふふふ 一人で行水しないでねって」
「わぁー それって使える ふふふ こんど内野さんに話そうかしら
「駄目よ 洋子さん 私だけの おまじないよ 男は駄目 ふふふ」
「そうなの がっかり」
みんなが大笑いして 生ビールを呑むと神山が
「それではいきましょうか」
神山はフロントで精算すると アルコール飲料を除き全て無料だった
「どうもありがとう 楽しかったですよ」
「またお越しくださいませ お待ちしております」
「はい ありがとう」
「ホテルの送迎バスがもうじき出ますから それにお乗りください」
神山たちはフロント係員にお辞儀をして バスに乗った
暫くすると ホテルに着き降りたが バスにはまだ乗車している人がいた
ホテルのフロントでTJカードを見せると 係員がゴルフバッグをカーゴに
乗せ部屋まで案内してくれた
「あのぉー オードブルをお願いできますか」
「はい」
「それと シャンパンを2本お願いします えーっと30分後にお願い」
「はい 畏まりました」
係員が部屋から出ると神山は直ぐにシャワーを浴びた
女性たちもシャワーを浴び ソファーで寛ぐと オードブルが運ばれた

「では 楽しかったでしょーでかんぱーい」
みんなでシャンパングラスをカチンとあわせると呑んだ
「あー 美味しいわ ふふふ」
「まあ あと運転があるから 程ほどに ねっ」
神山はボストンから封筒を出すと
「洋子 はい ご苦労様でした」
「はーい ありがとう ふふふ」
「次 由紀枝 お疲れ様でした はい どうぞ」
「はーい 何が入っているの?」
「うん あけてからのお楽しみだよ 次 泰子 お疲れ様 ありがとう」
「はい こちらこそありがとうございます ふふふ」
3人の女性は封筒を開けるとギフトカードが1千万円分あり驚いた
「ねえ 神山さん いいのこんなに」
「じゃ由紀枝 返してくれる?」
「ぎゃはぁー いやだぁー 貰うぅー」
みんなで大笑いしながら オードブルをつまんだ
由紀枝や泰子はシャンパンを1杯飲んだだけで 殆ど口にしなかった
「じゃ 由紀枝と泰子さ ウーロン茶でも飲む? そうだ冷蔵庫に入ってる」
神山は部屋の冷蔵庫を開けるとウーロン茶のペットボトルが入っていた
綺麗なグラスに注ぎ二人に渡した
「これからはウーロン茶で乾杯ですね ふふふ」
「泰子 どうだった あのコース」
「難しいの一言だわ グリーンキーパーもしっかりした人がいるし
フェアウェイだって 綺麗に刈り取ってあったでしょ 凄いわ
だってパットがめちゃめちゃで スコアメイク出来なかったもの」
「そうだね グリーンがでかいよ ほんと 下手すると50yもあるしね」
「そうね 1グリーンだと9分割してローテーションでカップを切るでしょ
それがあるから 微妙なアンジュレーションが一杯あると思うわ」
「へぇー 9分割もするんだ」
「ええ それで先日も話したように 土日祝日のお客さんが多い時は
流さないといけないから 比較的易しいところにカップを切るの」
「うん そう言っていたね」
「今日は水曜日だから 少し難しかったんじゃないかしら ふふふ」
「ねぇー神山さん 勝ち負けはどうするの?」
「うん 由紀枝の支払いが1万4千円でしょ いいよ ねえ洋子」
「うん 私はどちらでもいいわよ ふふふ」
「泰子は?」
「私は要らないわ だってパープレー出来なかったし ふふふ」
「そうか 74だものね うん って事で今日はなし 由紀枝」
「はーい 皆様 ありがとうございます ふふふ」
オードブルも無くなって来たので神山は洋子に
「ねえ30分寝ます その間フルーツを注文しても良いし寝てもいいよ」






2013年9月22日日曜日

Vol.1170 百日紅 -6-67



北7番 BT382yFT322y P4
距離は短いが左右が狭く距離よりも正確なショットが要求される
ミドルホール ティーショットは確実にフェアウェイを捉えたい
このホールはグリーン右手前に小さな池があり 水郷がフェアウェイを
斜めに横切り フェアウェイ左をティーグランドまで流れている
残り170yフェアウェイ右のラフに50yの縦に長いバンカーがある
神山はドライバーを思い切り振り抜くと フェアウェイ残り60y
水郷の手前まで打ち込んできた
「わぁーナイスショット 凄いわ」
泰子もドライバーで右のバンカー狙いで打つと左に戻ってきて
フェアウェイ真ん中に落とした 残り110yと飛ばした
洋子と由紀枝もドライバーで思い切り打つと 真っ直ぐなボールで
フェアウェイをキープした 洋子と由紀枝共に75y残した
ここのグリーンは60yと細長く左奥にバンカーがある
泰子は9番アイアンで打つと池に向っていったが左に戻し 見事に
ピン傍にオンした
洋子がピッチングウエッジで打つとグリー左のバンカーに入れてしまった
由紀枝はそれを見て 力加減したが グリーンに届かず池に転がり落ちた
「あっ 入っちゃた もう 一人で入っちゃ駄目なのに もう」
キャディーや洋子も大笑いした
由紀枝は池手前から第4打をオンさせ 2パットのダブルボギーであがった
洋子もバンカーから出すと3パットしてしまいダブルボギーであがった
神山は残り60yをピタリと寄せるとバーディーであがった
泰子も2mをしっかり打ちバーディーであがった
「あーあ もう 暑いからって 一人で行水するってもう いやねぇー」
「ふふふ 由紀枝さん 泳いでくる?」
「嫌よ もう 泰子さんたら」

北8番 BT436yFT379y P4
豪快な打ち下ろしのミドルホール
2打目は右サイドにある池を避け左サイドから攻めたい
ここはティーグランド左側に水郷があり そのままレディースティーの
前を横切り190y右側に池を造っている そのまま水郷でグリーン手前
50y付近からグリーンの右側をカバーするように池になっている
残り220y付近フェアウェイ左側に50yと細長いバンカーがある
神山はドライバーで左バンカー右側を狙うと低い弾道で飛び出し
真っ直ぐに行くとフェアウェイ左だがキープした 残り90y
「おぉー よかった フェアウェイで 危ない危ない」
「ナイスショット 凄いわね 350y位飛ばしたんじゃないの ふふふ」
泰子は手前の池 左側を狙い打つと綺麗にドローで戻ってきた
フェアウェイど真ん中をキープした 残り125yと飛ばした
洋子と由紀枝もドライバーで打ち泰子を抜き 残り100yとした
泰子は8番か9番と迷ったが9番アイアンで打つと ピンに真っ直ぐ飛び
グリーンにオンするとバウンドしてピンまで転がり カップインした
「わぁー なに 見えなくなったわ ねぇー洋子さん」
「もしかして 入ったのかしら 見えないもの へぇー 凄いわ」
キャディーはカップインと確信しているので泰子に
「凄いですね おめでとうございます」
「入りましたか?」
「ええ 大丈夫ですよ 入っています」
由紀枝が打つと グリーン左にこぼしてしまった
洋子も右の池が怖く 左のフェアウェイに落とした
神山は残り90yをピッチングウエッジで打つとグリーンにオンして
ピン傍3mにつけた
由紀枝と洋子は3オンさせ2パットのボギーであがった
「凄いね 泰子 おめでとう」
「ふふふ 初めてですよ こんな長い距離を入れるのなんて」
「泰子さん おめでとう 凄いわね」
「ありがと ふふふ 嬉しいわ 距離が心配だったの」
「ああ アイアンを2本持っていたものね」
「ええ 8番だったら入っていないわ きっと ふふふ」
「私も初めてみたわ 凄いわ」

北9番 BT517yFT435y P5
左サイドの大きな池がグリーン回りまで広がるロングホール
各自の飛距離によって攻略ルートが違ってくる
ロングヒッターはティーショットで左の池に注意が必要
2打目で池を越すか 刻むかの判断がポイントとなる
このホールは残り220y付近から左側に大きな池がある
フェアウェイも残り65y付近左から右奥斜めに途切れていて池があり
グリーン廻りは池で囲まれている
泰子はドライバーを思い切り振りぬいた ボールは完全に右に出ていて
ラフかと思われたが フェアウェイ右ぎりぎり落としてきた 残り240y
「あー危なかった ふふふ」
「ナイスショット 凄いね 距離も出ているよきっと」
神山は左の池が怖く 右側を狙ったが 真っ直ぐに飛んだボールは右ラフに
入ってしまった それでも残り210yとした
洋子はドライバーを振り抜くと 少し右に出てしまい ラフに入ったが
神山と泰子を抜いていた 残り185y
由紀枝はキャディーに
「もう 行水させないから 真っ直ぐに飛んでね ふふふ」
キャディーもクスクス笑い由紀枝を応援した
由紀枝はドライバーを思い切り振り抜くと 今日一番の飛びでフェアウェイ
ど真ん中を真っ直ぐに飛んでいった フェアウェイキープしてドラコン
「わぁー やったぁー」
「庄司様 おめでとうございます 凄い飛びでしたよ」
「ありがとうございます ふふふ」
飛距離は270y出ていて 残り165yとした
神山と泰子も由紀枝のティーショットを見ていて驚いていた
「凄いな へぇー 出す時もあるんだね」
「そうね 今のショットは良かったわね ふふふ」
泰子は残り240yを刻む事にした 4番アイアンで打つとフェアウェイが
窄まっているところに落とした
神山は残り210yバッフィで方向性だけを考えて打つとグリーン奥に
こぼしてしまった
「神山様 残念ですね」
「うん しかしこの位置からだと例え外しても池には行かないでしょ
多少大きめでも良いと思ったんですよ」
「そうですよね あれで距離を合わせに行くと難しいですね」
洋子はロングアイアンを避けて 8番アイアンで方向を決めて打った
フェアウェイが窄まってくる所に落とした
由紀枝は4番アイアンで打つとピンに真っ直ぐ向っていったが 少し大きく
グリーンをこぼれてしまった
洋子の3打目はグリーン右に乗ったが 止まらないで落ちてしまった
泰子の3打目はグリーン右手前に落ちると ピンに向って転がった
グリーン奥は由紀枝が先に打ち3オンに成功し残り4mを2パットで沈め
パーであがった
神山も3オンに成功させると 2mを1パットで沈めバーディーであがった
洋子は4オンしたが2パットのボギーであがった
泰子は5mを2パットしてしまいパーであがった







2013年9月21日土曜日

Vol.1169 百日紅 -6-67



北4番 BT418y FT358y P4
右ドッグレッグで打ち下ろしのミドルホール
2打目地点から急な下りになっているのでクラブ選択に注意が必要となる
このホールは230y(BT FTでは170y)付近から右ドッグレッグ
残り70y付近にフェアウェイバンカーがあり アイアンショットの
正確性が求められる
神山はキャディーに聞いた
「ここって 北コースで一番難しいホールでしょ どこが難しいの」
「ええ まず1打目の落としどころ 次はグリーン廻りかな」
「僕の飛距離だと 右を狙ってもラフまで突き抜けるかな」
「フェードを打てれば グリーン傍まで運べるけれど バンカーがあるし
ここは無理しないでスプーンが良いですよ」
神山はスプーンで素振りをすると 思い切り右のバンカー狙いで打った
ボールは低い弾道で飛び出し 右のバンカーに向っていった
「わぁー ナイスショット」
ボールは下り傾斜を転がり 残り130y地点まできた
泰子は右山崖に向い打ち ドローが綺麗に掛かりフェアウェイに戻った
このボールも下り傾斜を転がり残り140y地点まできた
FTの洋子と由紀枝は右山のすそのを狙い打つが 狙いすぎて
フェアウェイ右のラフに入れた 飛距離は共に出ていて 残り100y
付近まで飛ばしていた
ここのグリーンはフェアウェイに対して時計方向に30度傾いた 縦に
細長いグリーンで奥行きは50yほどあった
泰子は7番アイアンで狙うが フェードの掛が良くなく グリーン右の
ラフに落ちてしまった
洋子は9番アイアンで打ったがグリーン左奥のバンカー 由紀枝はグリーン
にオンするが 一番奥にオンした
神山はグリーンにオンしたが転がりが良くて 左奥のバンカーに入れた
泰子はバンカーを上手に出しピン6mにつけた
由紀枝は25mのパットを打ち距離はまあまあだったが 左傾斜で
6mの距離を残した
洋子は3オンに成功したが3パットのダブルボギーであがった
神山は3オンさせ2パットのボギーであがった
泰子は6mを2パットしボギーであがった
由紀枝は残り6mのぼりを打ち切れなくて3パットし合計4パット
ダブルボギーであがった
「あーあ 凄く難しい ふふふ」
「でも ラフにつかまったけれど 良く飛ばしているじゃない」
「ええ せめてもの救いです ふふふ」
一方神山と泰子は
「ここは 飛ばすだけじゃ駄目だね」
「ふふふ ほんとグリーンが難しかったり いいところにバンカーでしょ」
「そうそう だからなんかさ萎縮する時があるよ ほんと」
「そうね まあ そこが狙いでしょうけれど ふふふ」

北5番 BT406yFT361y P4
緩やかな打ち上げのストレートミドルホール
ティーショットはフェアウェイのやや右サイドがベストポジションとなる
ここはティーグランドから90yと縦に長いバンカーがある
残り190y(BTから216yFTから171y)地点からフェアウェイ
左ラフに70yと縦に長いバンカーがある グリーンも奥行き50yと
広くて大きいグリーンで左 奥 右とガードバンカーがある
フェアウェイは右から左に少し傾斜している
神山はドライバーで思い切り打つと フェアウェイセンターを真っ直ぐに
飛び 残り110y地点まで打った
泰子はせり出している右のやますそを狙い打ちドローで左に戻し
フェアウェイど真ん中に落とした 残り145y
FTから洋子がドライバーで打つと泰子と同じ所に転がしてきた
由紀枝もドライバーで打つが少し引っ掛け 左のバンカーに入れた
「あーあ 今度は左だぁー」
「ふふふ 大丈夫よ 我慢我慢よ」
由紀枝は残り160yを3番アイアンで打つがグリーン右のバンカー
洋子のセカンドは左のバンカーとそれぞれバンカーに入れてしまった
泰子は綺麗に打ったが 左のバンカーに入れてしまった
神山は2オンに成功したがピン奥だった
一番遠い神山がパットをすると 距離はまあまあ合っていたが 傾斜を
読み取れなくて5mを残し3パットでボギーとした
由紀枝は3オンさせるが 3パットしてダブルボギーとした
洋子も3オンさせたが9mを3パットしてしまった
泰子も3オンし4mを2パットしてボギーであがった
「グリーンが大きいけれど 速くて難しいわね」
「ほんと それと傾斜ね 良く曲がるわね ふふふ」

北6番 BT201yFT173y
谷越えでグリーン回りもO.Bに囲まれた難しいショートホール
谷を越えてもグリーンに届かないと谷に転がり落ちるので
少し大きめのクラブで狙いたい
神山は3番アイアンで少しフェードを掛けて打つとフェアウェイにのり
そのまま転がりグリーン手前まできた
「あーあ 残念」
「でもいい狙いじゃない ふふふ」
泰子はバッフィーでストレートボールを打ち 見事にオンさせた
「ナイスオン 素晴らしいよ 泰子」
「ありがとう ふふふ」
FTでは洋子が3番アイアンで打つと 綺麗に谷を越え グリーンにオン
由紀枝も3番で打つがグリーン手前のバンカーに捕まった
「あー入っちゃったぁー もう」
グリーン回りに行くと
由紀枝は2オン成功させた
このホールのニアピンは泰子がゲットした
神山は16mを3パットのボギーであがった
洋子も11mを3パットしてボギーであがった
泰子は7mを3パットしてボギーにしてしまった
由紀枝は5mを上手に寄せ2パットのボギーであがった
「へぇー みんなボギーなんて珍しいわね ふふふ」
「うん 難しいよ ほんと これならさ2オンさせて1パットも良いかな」
「それでも左側にフェアウェイってそんなに大きくないでしょ」
「そうだね そこに乗せるにも大変だね ははは」






2013年9月20日金曜日

Vol.1168 百日紅 -6-67



北2番 BT173yFT148y P3
距離が短めで池越えのショートホール
右サイドの池を避け左サイドから攻めたい
グリーン手前の花道も広くアプローチはそれほど難しくない
神山は4番アイアンでピンに向って打つと ボールはグリーン手前で
落ち そのまま転がってグリーンにオンした
泰子は池の真ん中狙いで打つと少しずつ左に戻りフェアウェイ右に
落とすとそのまま転がり グリーンにオンした
「ナイスショット しかし はらはらするショットだったね」
「ええ 距離が足りないと池ポチャでした 反省です」
「ははは そうか あれは反省するショットなんだ」
洋子が6番アイアンで打つと グリーン手前で落ちて 転がりでオンした
由紀枝は前3人がピン傍で無いので 5番アイアンでしっかり打った
ボールはグリーンに落ちたが ピン奥につけてしまった
「ナイスショット いい感じじゃない」
「うーん 難しいわ ふふふ やっぱ6番だったのかな」
「っていうと5番だったの」
「うん 洋子さんが6番で届いていないから ははは もう いや」
「おいおい 泰子も反省していたよ」
「うん 私も反省のショットです 惑わされては駄目ね」
「ほら 同じ番手でも 距離をあわせる打ち方だと 普段と全然違うし」
「そうね でも みんなワンオンでしょ 楽しみね ふふふ」
全員でグリーンにあがると ニアピンが微妙だった
まず外れたのが由紀枝で 神山と洋子が1m横にあり 泰子のボールも
洋子と3mくらいの所にあった ピンを抜いて測るが4mも離れているので
結局 由紀枝が歩測したが それでも微妙だった
一人のキャディーさんが紐を出してきて ピンからぐるりと円弧を描くと
ボール2つ分の差で洋子がニアピンを獲得した
「ぎゃはぁー 凄いわね」
「うん でもキャディーさんも慣れているね」
由紀枝はピン奥から下って左に曲がる難しいラインをよく読んだが
2パットしてしまった
「ナイスパー 素晴らしいよ うん」
「ふふふ ありがと」
次の打順はレディーワーストで泰子に譲ると 上って右に曲がるラインを
読んだが20cm残しパーであがった
神山のラインも右傾斜しているラインだったので 上りの距離感だけで
少し強めに打つとカップを40cm越え くだりをいれパーセーブした
洋子は神山のラインが参考になり しっかり打つとバーディーであがった
「わぁー 漸くバーディーが来たわ」
「うん よかった 参考になったかな」
「ええ ありがと ふふふ」

北3番 BT530yFT458y
打ち上げのロングホール
ティーショットを右サイドのバンカーに打ち込んでしまうと出すだけになり
3打目に長い距離が残る ベストルートは左サイドとなる
又 グリーンまで予想以上に打ち上げており大きなクラブ選択が必要である
このホールは200y(BT FTからだと128y)付近から260y
付近までフェアウェイが広くなっているが 左右にバンカーが2つずつある
200y付近から軽く左ドッグレッグしていて 残り180y付近には
フェアウェイバンカーがある そこから軽く右ドッグレッグしているS字の
ホールで戦略性が高く 北コースでは2番目に難しいホール
洋子がFTで素振りを開始した
キャディーに聞き フェアウェイ左を狙い打つと 真っ直ぐに飛び
バンカーを越えていった フェアウェイ左サイドに落ち残り230yとした
神山は左のバンカーギリギリに狙い打つと 真っ直ぐなボールでバンカーを
越えてフェアウェイ左側に落とした 飛距離は280y出した
泰子は右のバンカー狙いで打つと ドローボールで左に戻ってきて
フェアウェイをキープした 飛距離は250y出した
「へぇー よく飛ぶね」
「ほら ドローだと転がりが期待できるのよ その代わり左にね ふふふ」
「そうか じゃ練習だ ははは」
「そのクラブ いい状態じゃないの スイングとタイミングが合っているわ」
「うん 前のクラブより全然振り抜きやすいよ」
「そうでしょ 無理している感じが全然ないもの 良かったわね」
「うん」
FTで由紀枝が素振りをしてフェアウェイ左に打つと少し右に出て
バンカーに入れてしまった 残りは240y
由紀枝のセカンドはスプーンで上手に脱出し距離も180y出した
「ナイスショット いいじゃん 素晴らしいショットだよ」
「うーん 少し体が開いているのかな スライスが出てきたわ」
「うん もう少し溜めると良いかもね 開きが早いかもしれない」
「ふふふ はーい」
泰子はセカンドでスプーンを使い フェアウェイをキープすると残り
80yとした
神山もスプーンで打ち フェアウェイキープし残り35yとした
洋子はドラコンをゲットし スプーンで慎重に打つが フェアウェイを右に
外しラフに入れてしまった それでも残り45yのところまで飛ばしてきた
泰子はピンをデッドに狙いオンさせたがバックスピンが掛かりグリーン
右側にあるバンカーにこぼれた
由紀枝のショットは残り40ヤードだがグリーン右手前のバンカーに
入れてしまった
洋子のボールも バンカー越えになり グリーンに僅かに届かずバンカー
神山は花道なのでピッチアンドランでピン5mに寄せ3オンした
バンカーから由紀枝が打つと 4オンに成功 ピンまで7m
泰子もバンカーから上手に出すと 4オンでピン5mにつけた
洋子も綺麗に出したが ピンまで8mとし 2パットのボギーであがった
由紀枝はくだりでスライスラインと難しく いきすぎて返しが届かず
結局3パットしてしまいダブルボギーであがった
泰子は由紀枝のラインが参考になり 1パットのパーであがった
神山は上りの5mで軽くフックしているラインで 2パットのパーとした
「このホールって 難しいね」
「そうね 今日はたまたまフェアウェイキープできたけれど これが
フェアウェイじゃないと 7つや8つ叩いても可笑しくないわね」
「うん あと風が吹いたら もうダブルスコアだよ ははは」
「ほんと グリーンも難しいし」
前を歩く由紀枝と洋子
「洋子さん凄いわね ニアピンのあとドラコンだって」
「ふふふ たまたまよ でも泰子さんには申し訳ないわね ふふふ」
「まあ 頂ける時には 頂いておきましょうよ」
「そうね ふふふ」







2013年9月19日木曜日

Vol.1167 百日紅 -6-67



神山たちはキャディーにお礼を言うと キャディーマスター室で
北コースのスタート時間を聞いた
「神山様 北コーススタートですが 12時15分です どうされますか
最後に東コースを廻られますか」
「うーん 次回にとって置きます」
「はい 畏まりました では12時15分に北1番にお願いします」
レストランに行くと まずは生ビールを注文し乾杯した
洋子がおつまみを注文するとスコアカードをだし確認した
「しかし 難しかった パターがめちゃくちゃだよ ほんと」
「ここって結構刈り込んでいるから 難しいですよ」
夏場のベントグリーンは毎朝グリーンキーパーが刈り込む事になっている
泰子の話しだと普段は5mmのところ今日は多分4.5mmか4mmの
刈込ではないかと言っていた
ただ刈り高だけで速さは決まらないと言う グリーン均一に刈り込まないと
いくら3.5mmの刈り高でも遅い仕上がりになるといわれている
「でも御殿場コースと違って フェアウェイの微妙なアンジュレーションや
海が見えるホールがあったりで 楽しいわね」
「そうか 洋子が気に入ってくれて嬉しいよ」
「まあ 私もお気に入りよ 失礼ね もう 洋子 洋子って」
「おいおい由紀枝 僻まないでよ 良かったよ でも東も回りたいけれど
もう少し早い時間だと余裕があるけれど 今日はちょっと難しい時間だね」
「そうね 前がコンペでしょ 時間が掛かるもの 次回にしましょう」
4人はコースお勧めの伊豆山弁当を注文した
3段の重箱になっていて 色々な料理を少しずつ楽しめる なんとも
美味しそうで頼んでしまった
ビールのおつまみにも食べられ みな綺麗に食べた
コーヒーを飲み終わると12時になっていて パッティング練習場で
グリーンの速さを確認していた
そろそろ時間になると神山はペットボトルの清涼飲料水を6人分買い求め
みなに渡した
「神山様 ご馳走様です ありがとうございます」
「いえいえ この時間から暑さが増してくるでしょ そんな時飲んで下さい」
「はい ありがとうございます」
「ところで メンバーになったんですが メンバーだと 一人でもスタート
出来ますか?」
「ええ 大丈夫ですよ ただ土日祝日は難しいですね」
「ありがとうございます」
「では神山様 スタートしましょうか」
神山と泰子 洋子と由紀枝は北1番ホールからスタートした

北1番 BT404yFT338y P4
緩やかな打ち下ろしのミドルホールコースは広めだが
先へ行くほど落としどころが絞り込まれシビアなショットが要求される
グリーン右サイドの池だけは避けたい
残り125y付近のフェアウェイがもっとも広くなっていて そこから
左にすぼまる感じのフェアウェイ 残り105yから右側に池があり
ちょうどくの字の先端にグリーンがある グリーン手前はフェアウェイで
くの字の下からは池とバンカーを越えるショットが必要になる
200y付近左側に細長いバンカーが口を開けてまっている
「わぁー ここから見ると 右に池で 左にバンカーだ」
「大丈夫ですよ 結構距離はありますから 神山様でしたら バンカーの
右側を狙ってください グリーンが狙いやすいところまでいきますよ」
神山はキャディーのアドバイスどおり打つと 低い弾道で飛び出し
バンカー方向に飛んでいった
「わぁー バンカーだよ」
「大丈夫ですよ」
ボールはフェアウェイを転がり 残り70yのところまで飛んだ
「ナイスショット 素晴らしいわね ふふふ」
泰子は池の真ん中を狙い打つと 綺麗なドローボールでフェアウェイに
戻ってきた 左のバンカーを越えていて残り120yの所にころがった
「わぁー ナイスショット うん 凄いね 池にすーっといって 段々と
左に戻ってくると バンカーに入らないでって感じだね」
「そうよね レイアウトを見ていると大丈夫って思うけれど 錯覚ね」
FTで洋子が素振りをしていた
ここからだと 右の池より左のバンカーが気になる 真正面にバンカーが
ありドライバーの飛距離からすると問題なく越えられたが精神的に
嫌なホールだった
洋子はバンカーの真ん中を狙い打つと 真っ直ぐにバンカー方向に飛び
残り75yの所まで飛んだ
由紀枝もバンカー狙いで打つが少し右に出て池方向に飛んでいった
「ぎゃぁー入らないで 駄目よはいちゃ 一人で行水はしないで お願い」
由紀枝の願いは通じたが キャディーやみなで大笑いをした
ボールはフェアウェイギリギリの右サイドで止まり残り85yとした
由紀枝の位置からだと 池を越えバンカーを越えるという難しいルートが
残ってしまった
「あーあ 良かった FTだからといっても 難しいわ ほんと」
「ははは 行水は良かったね」
「もう 午後一で池ポチャなんて嫌よ ねぇー洋子さん」
「そうね 嫌だわ」
泰子はセカンドでグリーンに乗せ ピン7mにつけた
由紀枝はグリーンに乗せたがピンまで20y以上あった
洋子は慎重にピッチングウエッジを振ったが ピンまで10y以上あった
神山も2オンに成功したが6y残してしまった
最初に由紀枝が打ち のぼってスライスするラインだったが見事に1mに
つけてパーセーブした
洋子も2パットのパーであがった
泰子は由紀枝のラインが参考になったが 僅かにカップにけられパー
神山は洋子のラインが参考になり 慎重に打つとバーディーであがった







2013年9月18日水曜日

Vol.1166 百日紅 -6-67



西7番 BT190yFT127y P3
グリーン左サイドが広く 花道になっているショートホール
各自の技量に合わせ ピンをデッドに狙うのか左サイドから攻めるのか
2つの選択肢が考えられる
グリーン右手前から 右側 真ん中奥と3つのバンカーがある
このホールはグリーン奥に僅かだが海が見えるホールだった
神山は3番アイアンでグリーンを狙い打ち真っ直ぐに飛ばし 見事に
ワンオンを成功させた
泰子は4番ウッド バッフィで打ちグリーンに落ちたが左に転がりでた
由紀枝は8番アイアンで距離をあわせピン左にワンオンさせた
洋子も8番アイアンで打ち ピン左奥に落とした
「やっぱ右は怖いわね」
「ええ あんなにバンカーがあると どうしても左に打ってしまうわ」
ニアピンはこのホール洋子と2mの差で神山が獲得した
泰子はピッチアンドランでピン1mにつけパーであがった
由紀枝と洋子は長い距離を2パットのパーであがった
神山は3mを緩やかなのぼりスライスラインを1パットで沈めた

西8番 BT551yFT466y P5
フラットなストレートロングホール
2打目地点右ラフに大きな木があり(残り260y)右サイドからは
打ちにくい為 左サイドがベストルートとなる
3打目地点は左右にバンカーがあり正確にフェアウェイをキープしたい
FTからはグリーンが見えるがBTだとフェアウェイ手前の左から
せり出している林でグリーンは見えない
神山はドライバーで左林ギリギリを狙い打つと フェアウェイ右にある
大きな木に向って飛んでいった 放物線の終点は木の右側でラフに入った
泰子はドローボールで攻め フェアウェイ右にある大きな木の左手前で
フェアウェイに運んできた
「ナイスショット」
「あそこしかないですよ ほんと難しいですね」
「うん ほんと難しいや」
FTでは由紀枝が素振りをしてドライバーを振り抜くと 真正面にある
木に向って真っ直ぐに飛んだ 僅かに木の右側を通り過ぎると 枝に当り
ラフに落ちてしまった
洋子はスプーンを使い木の左側を狙ったが ラフに入れてしまった
このホールのドラコンは泰子一人だけフェアウェイでゲットした
「わぁー 飛んでいないのにドラコンだって 申し訳ないわ ふふふ」
「木のところって フェアウェイが凄く狭いもの ここに落としたほうが
賢明だよ おめでとう」
泰子はスプーンで打ち ドローボールが綺麗に決まり フェアウェイ
残り130yまで飛ばしてきた
洋子はラフから打つが右に出てしまい残り115y右のバンカーに入れた
由紀枝は丁度木の下のラフで ライの状態が良いのでスプーンで打ったが
洋子と同じバンカーにつかまり 残り90yとした
神山のボールは 木を越えていて もう少し転がればフェアウェイだった
ライの状態がよく スプーンで打つがグリーン左手前のバンカーに入った
「あれぇー 落としどころがほんとピンポイントだ」
「そうね あれだけバンカーが大きいと 難しいわ」
「うん 打てばバンカーって感じだよ 難しい うん」
泰子は残り130yを綺麗にオンさせたが グリーンの奥ギリギリまで
転がった 3オンに成功
洋子の第3打はバンカーは出たがグリーン左手前のバンカーに入った
「あーあ またバンカーだわ トホホ」
「大丈夫ですよ 私もお仲間ですよ きっと」
「まあ 由紀枝さんたら ふふふ」
由紀枝は残り90y第3打は グリーン右のバンカーに入った 距離は
ぴったりだったので悔しかった
グリーン周りで神山が一番遠くにあり サンドウェッジで打つと3オンに
成功した ピンまで6mの所だが微妙なアンジュレーションがあり
難しいラインだった
洋子の第4打はグリーンを捉えたが難しいラインだった
由紀枝もバンカーから脱出するが難しい距離を残した
泰子はグリーン奥から3パットのボギーとした
由紀枝は4パットしてしまい8であがった
洋子も8mのフックラインで3パットをしダブルボギーであがった
神山も6mの距離だったが 3パットしてしまいボギーであがった
「うーん ここのグリーンって 落としどころでスコアが違ってくるね」
「うん そう思う だって4パットだもの 参ったぁー」
「うん カップのところで微妙に変化しているよね 難しいよ」

西9番 BT405yFT346y P4
ストレートなミドルホール
2打目でグリーンを花道から狙うためにはティーショットを
フェアウェイ右サイドに運ぶのがベストルートとなる
ティーグランドが少し斜め一列に配置され 右側は大きな池が
フェアウェイまであり どのティーグランドからでも 池越えのショットに
なる この大きな池は『北コース1番』のグリーン右手前から
グリーン奥まで繋がっている大きな池だ
グリーン周りのバンカーは左手前が縦に細長く配置され グリーン左側も
大きく口を開けていた 落としどころが難しいグリーン廻りだ
神山はテーグランドからグリーンを見ると 200y付近前後フェアウェイ
右側にバンカーがあり その向こう少し左にグリーンが見えた
神山はドライバーで思い切り打つとバンカー左側ギリギリを綺麗に飛び越し
残り70yフェアウェイ右側に運んだ
「わぁー ナイスショット 凄いわ」
「ははは ありがとう」
「お客様 あそこからだとグリーンを狙うのに絶好の位置です」
「うん そうなのか ありがとう」
泰子はドライバーでバンカー右側を狙い打ちドローボールが戻ってきて
バンカー越えのフェアウェイに落とした
フロントティーで洋子が素振りをしていたが もう一度グリーンを確認し
ドライバーを振り抜くと バンカー左側を飛んでいき 残り100y
フェアウェイに運んできた
「そうか ここからだと バンカー狙いだと右のラフに入るんだ」
「そうね ここだとグリーンに真っ直ぐで大丈夫ね」
由紀枝が素振りをして 打つと洋子と同じ所まで打ってきた
泰子は残り140yを6番アイアンで打つとグリーンに乗せてきた
由紀枝は少し左に打ってしまい グリーン左のバンカーに入れた
それを見ていた洋子は真っ直ぐに打ったが距離が足らずにグリーン手前の
バンカーに入れてしまった
神山は残り70yをピッチングウェッジで2オンさせピンまで6mとした
由紀枝と洋子はバンカー脱出に成功し3オンさせたが 共に微妙な
アンジュレーションのラインで2パットのボギーであがった
泰子は9mののぼり軽いフックラインを50cmまでつけて2パットの
パーであがった
神山のバーディートライだったが 下りのスライスラインは早くて
触っただけで転がり 返しのパットでいれ2パットのパーであがった








2013年9月17日火曜日

Vol.1165 百日紅 -6-67



西5番 BT401yFT341y P4
緩やかな打ち下ろしのストレートなミドルホール
フェアウェイが途切れる地点から左足下がりのライになり 足場が
不安定になるため ティーショットは右バンカー横に運ぶクラブ選択が
必要になる
300y付近でフェアウェイが途切れ 残り70y付近からフェアウェイ
ここも4番同様に右側が山になっていて ラフの右側は岩や林が密生し
打ち込むとロストボールになる危険がある
左側の林は6番との境界で木はあるが密生はしていない ただし
グリーンを狙うには木が邪魔になり フェアウェイに出すだけになる
泰子はドライバーで右の山を狙い 綺麗なドローボールで右バンカーの
横フェアウェイに落とした
「ナイスショット よく転がったね」
「そうね あそこら辺ってくだり傾斜だと思うわ ふふふ」
次は由紀枝で神山と泰子はBTから少し前に歩き 見ていた
素振りをすると ストレートボールがフェアウェイど真ん中に落ちた
「ナイスショット いいポジションじゃない 凄いね」
洋子も同じように打つと由紀枝と同じように フェアウェイが途切れる
ギリギリのところに落としてきた
「おお これもナイスショット 凄いね 2人とも」
「ふふふ 男の子頑張ってね」
「こら由紀枝 もう」
神山はBTまで戻るとキャディーに聞いた
「どうだろう 330y出せば 向こうのフェアウェイギリギリかな」
「ええ お客さんなら届くわよ 大丈夫よ 力まないでね」
神山はみんなが注目しているなか 思い切りドライバーを振った
シャフトが風を切る音がすると ボールは低い弾道で真っ直ぐに飛び
グリーン手前のフェアウェイまで飛んでいった
「わぁー 凄い 素晴らしいわね」
「ありがと」
キャディーも嬉しいのか拍手をしてくれた
泰子は残り120yを9番アイアンで打つとグリーンに2オンした
由紀枝と洋子は良く飛ばし フェアウェイが途切れるギリギリの所まで
きていた
「へぇー よくギリギリのところで止まったね 凄いね」
「だって思い切り振るとはみ出るもん ふふふ」
「そうか 余裕があるんだ いいな うーん 頑張って」
由紀枝は残り100yを9番アイアンで打ちギリギリのところでグリーン
右のバンカーに入ってしまった 距離があっていたので悔しかった
洋子はグリーンを捉え2オンに成功した
神山は残り60yをピン傍に2オンさせた
「わぁー ナイスオン 2m位でしょ さすが男の子ね ふふふ」
「おいおい キャディーさんが笑っているよ もう」
由紀枝より泰子のほうが遠いので先に打つと カップにけられ2パットの
パーであがった
由紀枝はグリーンにオンさせると2パットしてボギーであがった
洋子はラインを読んだがカップにけられて結局3パットしボギーとした
神山は3mを慎重にうちバーディーであがった
女性群が非難小屋でおトイレで用足しをし 神山はキャディーに
温泉饅頭をプレゼントした
4人でビールを呑むと 気合を入れなおした

西6番 BT405yFT352y
距離の長いミドルホール コースは広いのでのびのびと打っていける
花道が広く手前から攻めていきやすい
残り150y前後がフェアウェイが広いが そこから少し右ドッグレッグ
しているホールだ 左側は5番ホールとの境界で林があり右はカート道の
右に打つと山の下り斜面になっていて ロストボールになる
神山は右バンカーギリギリに打つと 綺麗に飛び出しバンカーを越え
フェアウェイ右に落とした
「うぉー ラッキー」
「ナイスショット お客様 凄いですね」
「いや たまたまです ははは」
泰子は右に打ち出したが ドローボールで戻ってきて 一番狭くなっている
右バンカーのフェアウェイ真ん中に落とした
「なんとも凄いね あの狭い所に落とすなんて」
「だってスプーンだと次が大変でしょ あそこしかないわよね」
「うん レギュラーティーなら文句無く僕と並んでいたね」
「ふふふ 分からないわよ 欲を出してロストボールかも」
二人が話しながらFTまで歩いている時に由紀枝が打った
綺麗なボールは 神山の先まで飛んでいった
「あらら 追い越された ははは ナイスショット」
その次に洋子が打つとこれまた神山のボールを抜いていった
「ははは 凄いね 二人とも スコアも良いしどうなっているの」
泰子は残り125yを8番アイアンで打ち見事に2オンさせると神山が
「さすが ナイスオン」
神山は残り100yを9番アイアンで打つとオンしたが奥につけた
由紀枝は残り90yを9番アイアンで打つが少し右にいきバンカーに入れた
洋子は残り88yを9番アイアンで打つが少し大きくて
グリーン奥にこぼれた
洋子は3オンさせたが パットが決まらず3パットの6であがった
由紀枝はバンカーから出して6mのパーパットが決まらないで3パットの
ダブルボギーであがった
神山は14mの微妙なアンジュレーションがあるラインを読みパットを
打つけれど 僅かにはずれ 3パットのボギーであがった
泰子も微妙なアンジュレーションを読みきれずに3パットしてしまった
神山はスコアカードを見ると このホールがHC1で一番難しいと知った
「なるほど 難しいわけだ HC1だよ泰子」
「グリーンが難しかったわ フェアウェイも微妙にアンジュレーションが
あって むずかしいホールだったわ ボギーであがれてよかった」







2013年9月16日月曜日

Vol.1164 百日紅 -6-67



西3番 BT534yFT469y P5
緩やかな打ち上げのロングホール
ティーショットは両サイドにバンカーがあり正確なショットを要求される
2打目は左サイドに運ぶのがベストルートとなる
BT280yフェアウェイセンターにバンカーがあり その先は
フェアウェイが狭くなっていて 落としどころが難しい
神山はドライバーで思い切り打つとタイミングが合っていたのか
低い弾道でストレートボールが真っ直ぐにバンカーに向っていった
キャディーが拍手をしたが もしかしたらバンカーだと話した
「しかし 凄い勢いで飛んでいったわね 素晴らしいわ」
「まあ 泰子に教えてもらったお陰です はい」
次の泰子も思い切り振り抜くと綺麗なドローボールでフェアウェイに
転がった 距離は270yを出していた
BTから前に歩くとフロントティーで由紀枝が素振りを始めた
「由紀枝 力まない方が良いよ 230出せばドラコンだよ」
「うん わかった」
ところが少し力むとボールはスライスして フェアウェイを外してしまった
飛距離は210y位出ていたが残念がっていた
最後 洋子はドライバーを思い切り打つと フェアウェイバンカーを越え
キャディーも拍手した
「ナイスショット 素晴らしいショットだよ」
「ふふふ ありがとうございます」
由紀枝はセカンドを狙いスプーンで打つと残り70yとした
フェアウェイバンカーに行くと 泰子がバンカー手前で神山のボールは
洋子と並びバンカーの先にあった
泰子はスプーンで思い切り打つとグリーン手前のバンカーギリギリまで
打ってきた
洋子と神山のボールは僅かに洋子の方が先に出ていたのでこのホールの
ドラコンを獲得した
神山のセカンドはスプーンで打つと グリーンに真っ直ぐに飛び
細長いグリーンにオンしたが ピン奥につけた
洋子の第2打は やはりスプーンで打ち 残り30yとした
「凄いね 洋子 フロントじゃなくて レギュラーだよ ははは」
「たまたまですよ ふふふ」
由紀枝の第3打は少しぶれて左のガードバンカーにつかまった
グリーン手前のバンカーに行くと 洋子と泰子のボールがあった
泰子はピッチングで寄せたが5mを3パットしボギーであがった
洋子も3オンに成功したが 3パットのボギーであがった
由紀枝はバンカーからだし4オンしたが3パットの7とした
神山はイーグルチャンスなので10mのラインをキャディーと読むが
下りの難しいラインで打ちすぎ のぼり2mもはいらずパーとした
「あの難しい下りを 2mで抑えるなんて上出来よ 凄いわ 私には
まねが出来ません ふふふ」
「うん 早かったね ほんとちょっこと触っただけなのにね」
「今日のピンの位置って そんなに優しくないわね それでアンダーよ
凄すぎるわ ふふふ」
「まあまあ そのうちに崩れるよ ははは」

西4番 BT371yFT327y
セカンド地点よりフェアウェイが狭くなるミドルホール 
ティーショットを右バンカー手前に運ぶのがベストポジションとなる
右側ラフの奥は山の崖になっているところや 林が密生していて
打ち込むと殆どロストボールになる危険がある
神山がキャディーに
「あのバンカーを越えるには300y打てば大丈夫かな?」
「ええ でもラフでフェアウェイだとあと10y必要かしら そうね
バンカーの左ギリギリを狙えば 300yでもフェアウェイです」
「はい ありがとう」
神山はキャディーに言われたとおりバンカー左を狙い打つと ギリギリに
バンカーを越え残り70yとした
泰子はドローボールで右側の山に向って打ちバンカー手前のフェアウェイが
広いところに運んできた
洋子はドライバーで真っ直ぐに打つと軽くバンカーを越えて残り70y
付近まで打ってきた
由紀枝も洋子と同じように攻めると 洋子のボールと並んだ
泰子は残り90yをピッチングウエッジで打つと グリーンにオンした
「ナイスオン ピン傍だよ 凄いね」
「ふふふ たまにはいいショットしないとね」
バンカーを越えると 神山のボールが僅かに手前だった
「はぁー ティーで50yのハンデってきついね ははは」
「男の子 頑張ってね」
「由紀枝 もう少し励まし方があるだろ もう」
70yを神山は慎重に打つと グリーンにオンしたがピンまで距離があった
由紀枝もピッチングウエッジで攻めると ピン傍3mにつけた
「あーあ いいな 3mだとバーディートライだね」
洋子もピッチングで打ち2オンに成功した
グリーンにあがると神山のボールが11mと一番遠く奥からのパットで
一回くだりピンのところでのぼる難しいラインだった
慎重に読むが距離が合わなく3パットをしてしまいボギーとした
洋子は5mを2パットしてパーであがった
由紀枝はピン横で ほぼストレートラインで3mを1パットで沈め
バーディーであがった
泰子は少しのぼりぴんのところでくだる難しいラインだったが2mを
ワンパットで沈めバーディーであがった
「泰子と由紀枝 凄いじゃないか あーあボギーだよ もう」
「ふふふ 男の子でしょ 頑張ってね」
「こら由紀枝 もう もう少しさ 励まし方を変えてよ あーあ」
「ふふふ じゃフロントで打つ?」
「むっ 何を仰る 絶対に打ちません」
そんな話をしながら 5番に向った







2013年9月15日日曜日

Vol.1163 百日紅 -6-67



西1番 BT367yFT311y P4
打ち下ろしのミドルホール 距離が短いのでティーショットは距離より
正確にフェアウェイをキープすることがポイントになる
フェアウェイ300y付近にバンカーがあり 飛ばすとつかまる
神山は素振りをして軽くタイミングを合わせると 真っ直ぐなボールで
フェアウェイ中央にあるバンカー右まで飛んだ
「わぁー 凄いわ いい球筋だったし うん素晴らしいわ」
2人のキャディーも拍手をしてくれた
2番目泰子は素振りを2,3回すると思い切り打ってきた
このボールは右に出たが 綺麗に左に戻ってきて バンカー手前まで
打ってきた
「おお 凄く綺麗なドローボールだね」
「ほんと 流石だわ」
2人のプレーを見た洋子と由紀枝はフロントティーで素振りをした
「しかし 50yも違うなんて 優遇されているね」
「まあ いいじゃない ふふふ」
3番手の由紀枝は力まずに打つとフェアウェイど真ん中に落ち転がり
泰子のボール隣で止まった
「わぁー 凄いわ 真っ直ぐに飛んだわ ふふふ」
「うん 凄いよ 綺麗なスイングだったよ」
4番手の洋子だが これも力まずに綺麗なスイングをすると 真っ直ぐに
飛び出し 泰子のボールを僅かだが超えた
「わぁー 洋子さん凄い飛ばすのね」
「たまたまですよ ふふふ」
「うん 綺麗に飛んだね 凄いや うかうか出来ないな ははは」
由紀枝の第2打はグリーンに届かずバンカーに入ってしまった
このバンカーはグリーン手前から左側半分以上 ぐるりとガードしていた
泰子のセカンドはグリーンにオンさせた
洋子の第2打はグリーンに乗ったが転がりでた このグリーンは
くの字型のグリーンで 手前右側に落とすと 勢いがある場合は真ん中に
転がり出てしまう
神山は残り70yをピッチングで打つとピン傍に落ちバックして50cmに
つけるとバーディーであがった
由紀枝は3打目をオンさせると2パットのボギー 洋子も3オン2パットで
ボギーとしてしまった
泰子は微妙なアンジュレーションを読んだがカップにけられ 2パットの
パーであがった
2番ティーにいくときに洋子が神山に
「ねえ 今日は私たちHC14貰えるの?」
「あっそうか 決めていなかったね うんいいよ 泰子はどう」
「ええ 神山さんとスクラッチ 洋子さんと由紀枝さんに14でいいわよ」
「よし 頑張りましょうね ねぇー由紀枝さん」
「うん 勿論よ ここのコースって 素敵ね 気持ちが良いわ」

西2番 BT187yFT148y P3
グリーンが2つあるショートホール 左右のグリーンともにハザードと
バンカーにガードされ 巾も狭いため 確実なショットが要求される
手前の花道は広いのでアプローチでパーを狙うのも一策
グリーンの真ん中にあるハザードは9番ティーグランド前にある大きな池と
つながっている
1番神山は落としどころがグリーンしかないと思い 5番アイアンで
しっかりと打ち込むと 綺麗にワンオンした
次の泰子は3番アイアンでドローボールで狙うとグリーン手前に落ち
転がってオンした
3番手の由紀枝はフロントティーから5番アイアンで狙い グリーン左に
あるハザードの岩に当り見事にワンオンした
「わぁー ついているわ 今日は ふふふ」
「そうよ 池ボチャとワンオンじゃ全然違うもの 良かったわね」
4番目の洋子は6番アイアンで思い切り打ったが グリーン手前に落ち
バックスピンでバンカーに転がり落ちてしまった
洋子はバンカーから出すが7mを2パットしボギーとした
神山はみんなのボールを見ると 自分のボールが4mと一番近いので
「すみませんね ここのニアピンは頂きます」
由紀枝は9mを3パットしてしまいボギーにした
泰子は左に傾いている6mを綺麗なフックラインで打ったが僅かにはずれ
2パットのパーであがった
神山は4mの緩やかなのぼりで 少し右に切れそうだった キャディーが
「ワンカップ左でのぼりだから 少し強めで大丈夫です」
神山は言われたとおり ワンカップ左狙いで打つとキャディーが言った通り
のラインを描いて カップインしバーディーであがった
「凄いわね バーディーラッシュじゃない」
「おいおい まだ2ホールだよ ははは でもこのクラブ 振りやすいよ
以前のクラブよりバランスが良いのか うん」
「へぇー そうすると今日は またまた60台期待できますね」
「洋子 そんなにプレッシャーを掛けないで もう」






2013年9月14日土曜日

Vol.1162 百日紅 -6-67



「あっ 席を間違えたのかな、、、」
「大丈夫よ 私が注文したわ ふふふ」
「なんだ由紀枝か 席を間違えたと思った ははは」
神山はいつものようにビールのおつまみになるような物ばかり食べていたが
由紀枝と泰子は納豆やひじきといったカロリーを控えた食事をした
神山がフランスパンを食べ終わると由紀枝がしじみのお味噌汁を持ってきて
「はい これもちゃんと飲むのよ いいわね」
「はーい でもな、、、」
「なに言っているの 栄養があるのよ もう 私のハートが伝わらないわ」
「わかった わかったよ 飲むよ」
神山は美味しくバイキングを食べ終わるとフロントで
「プレーの後って 部屋を貸してくれるのかな」
「ええ大丈夫ですよ 17時まででしたら別なお部屋でお寛ぎして頂けます」
「よかった じゃ一部屋お願いしますね」
「はい 畏まりました 神山様 プレーのお時間ですが 8時スタートで
ございますので 7時30分のバスにお乗りください」
「うん ありがとう」
伊豆山ゴルフ倶楽部もスキエホテルのすぐ傍だし ここも直ぐ傍で
ゴルフ場の宿泊施設に泊まっている感覚になる

指定されたバスに乗ると1分も掛からないでゴルフ場に着いた
フロントで手続きをすると 神山他各自のメンバーカードを
提示する事を求められ 係員に渡すと
「神山様 庄司様 田所様 引田様 本日はありがとうございます
ここでのご利用は全て無料でございます 例外としまして 非難小屋等
での飲食は半額とさせて頂いています 日中症など気を付けて
プレーを楽しんできてくださいませ」
「あのぉー プレー後の飲食はどうなっていますか」
「はい レストランご利用の場合は無料です ご安心くださいませ
でも アルコール関係は半額とさせて頂いています ご容赦願います」
4人はロッカーキーを受け取ると ゲストと違った部屋に入った
神山はボストンをロッカーにしまいキャディーマスター室前にいった
3人の女性はクラブのマーカーをキャディーと確認していた
今日は2サムで神山と泰子に一人のキャディー 洋子と由紀枝に一人と
キャディーが二人ついた
練習場で新しいクラブで素振りをすると 確かにシャフトが硬く感じられ
最初から飛ばさないようにしようと考えた
後ろで見ていた泰子が
「いい調子よ その方があなたに合っているかも知れないわね
タイミングを見つけるのには少し時間が掛かるかも知れないけれど
大丈夫よ 直ぐに慣れると思うわ 楽しみね」
「うん 以前使っていたシャフトに似ているんだ ただバランスが
こちらのクラブのほうが全然良くて 振りぬきやすいよ」
「わぁー そうなの そうすると今日も60台かしら ふふふ」
「おいおい プレッシャーを掛けないでしょ ははは でもね このクラブ
凄く合っている様な気がするよ うん」
「良かったわね 日本人で持っている人ってそういないはずよ 頑張ってね」
「うん 分かりました」
練習をしていると 神山の組が呼ばれた

ここ伊豆山カンツリークラブは伊豆山の中央南斜面に造られたコースで
林に囲まれたホールや海が見えるホールと楽しませてくれる
冬は暖かく 夏は涼しいコースで一年中快適にプレーが出来た
27ホールありプレミアムメンバーが優先利用できるのが西側のコース
で東側に9ホール センターに9ホールと27ホール構成になっている
今日廻るコースは「西コース」と「北コース」だった
順番が来ると打順を決める為にステンレス棒でじゃらじゃらをした
1番は神山 2番泰子 3番由紀枝 4番洋子となった
神山はレストランで 全ショートホールニアピン 全ロングホール
ドラコンと決めていた
ティーを見ると レディース フロント レギュラー バック
トーナメント と5箇所のティーグランドが有った
神山と泰子はバックティーから打つことにした 本来トーナメントティーで
打ちたかったが まだ造成中の箇所があり諦めた
由紀枝と洋子はレディースではなくフロントティーで打つことにした






2013年9月13日金曜日

Vol.1161 百日紅 -6-67



テーブル席でありがたいのは 暖かいものは暖かく頂けることだった
ここのステーキハウスでも徹底してお客の食べ具合にあわせ調理し
暖かいものを提供していた
神山たちが笑いながら食事をしていると友紀もニコニコと待機していた
周りのお客も神山に釣られたのか 少し笑い声が聞こえるようになった
ステーキが運ばれ 一口食べるとなるほどジューシーで重厚な味だった
「うん 美味しいね 久しぶりかな」
「ええ 美味しいわ ふふふ」
由紀枝が
「きっと 神山さんが宿泊って事で 最高級のいい部位を仕入れたのよ
私も久しぶりだもの 美味しいわ ふふふ」
「そうそう GOLでも美味しかった うん」
「あの時だって 特別注文して仕入れてもらったの ふふふ」
「そうか ありがとう 嬉しいよ なっ洋子」
「ええ 私は幸せです あなたと一緒にいると美味しいものが頂けて」
「おいおい 食べ物だけか もう」
又 大笑いしながらステーキを食べた
ガーリックライスを食べ終わると デザートが運ばれてきた
神山はアイスクリームが欲しくなり 特別に注文すると
「神山さま 売店で販売しているアイスクリームでよろしいですか」
「うん 構わないよ お願いします」
「あらっ 珍しいわね どうしたの 大丈夫」
「おいおい 僕だって 食べたくなる時があるんだ もう」
アイスクリームが来るとデザートに乗せ赤ワインを少し注いで食べた
「うん 最高 美味しいよ どうぞ」
神山が差し出したデザートに誰も手を出さなかった
「分かりました 僕一人で頂きます あーあ 美味しいなぁー」
また3人がクスクス笑い出した

8月5日 水曜日 快晴 微風
昨夜は誰とも交わらずに早く寝たせいかみんなより早く目が覚めた
太陽はとっくに海に顔を出していたが 部屋の露天風呂で眺めていた
今日も暑くなるだろう蝉が鳴きだし 合唱になった
微風だろう波が静かで 太陽の斜光が眩しく今日のプレーを願った
缶ビールを飲みながらたばこをふかしていると洋子が起きてきて
「ねえ 一緒に入ってもいいかしら ふふふ」
「うん おはよう 綺麗だね なにかさ 神妙になるね この光景って」
「ええ 素敵ね」
洋子は大事な所を丁寧に洗い流すと神山の隣に座った
「洋子 お盆が終わったら 関係各社をあたってゴルフ大会をしようよ」
「ええ 亜矢子さんのホテルでしょ」
「うん その方が無難だね 内藤さんも参加するし」
「そうすると明日からまた忙しくなるわね ふふふ」
「まあね 動ける人が動かないとね」
「そうね 大変ね 私も精一杯お手伝いするわね」
二人が露天風呂に入っていると由紀枝と泰子も起きてきて
「あら 早いですね ふふふ 一緒に入ろうかな ねぇー泰子さん」
「うーん 私は下の温泉に入ってきます ふふふ どう由紀枝さん」
「うん いく 私も下のほうがいいな どうぞごゆっくり ふふふ」
「おいおい 昨日のように長湯は禁物だよ お願いします」
「はーい では」
二人が部屋を出て行くと神山は先に露天風呂からでてソファーで寛いだ
洋子も浴衣姿で寛ぎ 缶ビールを呑んだ
「しかし このホテルもいいね ゴルフ場まで送迎でしょ 歩いても
5分とかからない所だし 素晴らしいね」
「ほんとね ねえ あそこの空き地ってパターゴルフかな なんか」
「うん そうだよ このホテルの裏側に全天候のテニスコートがあるよ」
「凄いわね 又来たくなるわね」
「うん 老若男女関係なく楽しめる所だよ スキエと手を組んだ事によって
熱海から伊豆山にお客を呼べるし楽しませる事が出来るよ」
「そうなると 熱海が大変じゃないですか」
「まあ 大変って言っても 頭を使わない企業は潰れるよ 現に海の方は
もう数件が閉館しているしね そんななかよく頑張るよ」
「そうね へぇー 閉館している所があるんだ」
「うん 何件かあるよ 寂しい光景だね」
30分ほどすると由紀枝と泰子が温泉から戻ってきた
「あーあ 気持ちよかったわ ねぇー泰子さん」
「ええ 昨夜の叔母ちゃん連中と一緒でしたが 気持ちよかった」
「そうか よかった そうしたら食べに行きましょう」

みんな浴衣姿でレストランにいき受付で部屋のキーを見せると
ウエイトレスが窓際の席に案内された
各自トレーを持ち 取り皿に料理を盛り合わせ席に戻るとビールが置いて
あった







2013年9月12日木曜日

Vol.1160 百日紅 -6-67



「ええ テーブル席が4つほど多いわね 広々として素敵ですね」
「うん でも赤沢ホテルも思い切ったことをしたね」
「ええ お部屋もあちらより全然素敵だし ステーキハウスや居酒屋も
ホテル内に造るなんて 凄いですね そうそう赤沢ホテルでも 居酒屋を
造るんですよ 歩いて2分くらいの所に」
「へぇー その話も凄いね では次回が楽しみだな」
「9月にオープンって言っていましたよ あとアロエのマッサージとかも」
「へぇー よし秋になったら みんなでいこう」
ウエイトレスが由紀枝を見つけて
「あら 由紀枝先輩 お久しぶりです」
「あら お久しぶり 元気にしている」
「はい 今度こちらで働く事になったんです えーとチーフで へへへ」
「へぇー 凄いじゃん 頑張ってね」
「ええ あれ 神山さんだぁー わぁー」
「やあ お久しぶり っても分からないな みんな美人だったから」
「ははは 良いですよ へぇー 一緒だったんだ」
「そう 明日はねゴルフなの ふふふ楽しみだわ」
「ああ うちのゴルフ場ですか 評判良いですよ」
「へぇー もうリピーターが来ているんだ」
「ええ もう3回目や4回目の人が多いですよ 由紀枝先輩もがんばって
ここを利用してくださいね」
「うん 頑張ってね そうそう ねえ ステーキに使うお肉をたたきで
頂きたいの ほら神山さんの大好物よ 覚えている」
「ああ 大丈夫ですよ 4人前でいいですか」
「ええ お願いします それで生ビールでしょ その後は赤ワインだけど
お肉にあった赤ワインが良いな あとは簡単なおつまみ 以上かな」
「はい了解 そうすると焼き物はもう少し後でいいですか」
「うん そうしてくれる お願いね」
ウエイトレスが厨房にはいると神山が由紀枝に
「あの子はレストランにいた子なの」
「ええ そうよ 私の下で働いていた子で藤間友紀っていうの だから
私も由紀枝でしょ 友達がゆきって呼ぶとあの子も振り返るの ふふふ」
「じゃ へたにゆきって呼べなかったね」
「ええ 私の事は由紀枝って呼ぶようになったのも友紀がいたから ふふふ」
「素晴らしいね 新天地でチーフだなんてさ」
「私より頑張りやさんだから抜擢されたんじゃないかな 強敵ね ふふふ」
「そうかグランドインにとっては強敵現るか 大変だ由紀枝 ゴルフで
遊んでいる場合じゃないぞ ははは」
「そうね 凄いわよね リピーターが3回目とか4回目って話でしょ
ちょっと羨ましいわ」
「まあ 色々と仕組みがあるだろうけれど 短期間で4回目って凄いね
よほど時間調整が上手な人か 現役を退いた人だろうね」
4人でおしゃべりをしていると友紀が生ビールと牛肉のたたきを運んできて
「こちらがニンニクでこちらが生姜です お醤油はこちらをお使いください」
「はい ありがとう」
藤間友紀は丁寧にお辞儀をすると厨房にさがった

「じゃ 明日頑張りましょうでかんぱーい」
4人がジョッキを空けると直ぐに赤ワインが運ばれた
ワインクーラーにアイスを入れ ワインボトルのコルク栓をあけ
神山にティスティングをしてもらった
ワイングラスに注がれると 若い香がしてきた
「このワインはライトですか」
「ええ 今日のお肉が重厚なお味ですので 私みたいに若いワインです」
聞いていた神山はきょとんとしていると由紀枝が
「ほら 友紀 まだ初めてだからさ 冗談が通じなかったんだ ふふふ」
「そうか ごめんごめん シェフと相談して決めてきたわ どうぞ」
神山は一口呑むと若いフルーティーな香と 独特の渋さ オレンジなどの
香りと味を感じた 美味しかったのでもう1本を冷やしてもらった
おつまみのピクルスやオリーブも美味しくいただけた
神山がそろそろ注文したいタイミングに藤間友紀がテーブルに来て
「そろそろ焼き物を始めてよろしいですか」
「うん お願いします」
神山は由紀枝にOKサインをだすと クスクスと笑っていた
「なぜなぜ 由紀枝」
「だって 友紀はこのテーブルを見ているのよ だからおつまみが
お皿から無くなれば 追加か焼き始めるかでしょ ふふふ」
「あっ そういう事なんだ なるほど なんかさタイミングがいいから」
「まあ お仕事が違うから仕方ないわね ふふふ でもいいタイミングね」
「だろ 驚いたよ 心の中が読まれたって どっきとしたもの」
「へぇー 神山さんでも そんな事あるんだ へぇー」
「おいおい おばけじゃないよ もう」
みんなで大笑いすると 周りがこちらを見ていた
最初は鮮魚や野菜類を焼いてくれて 少しずつ運んでくれた







2013年9月11日水曜日

Vol.1159 百日紅 -6-67



「いいえ 今着いたばかりです あのぉーガソリンを入れていきたいわ」
「うん じゃ ついて来て 僕も入れるから」
神山は車をとりに地下駐車場にはいると ボストンバッグを積み発車した
「直ぐ傍だから」
神山の先導でガソリンを入れると銀座から首都高に入った
暫く泰子の運転をみていた神山は洋子に
「結構 大丈夫だね 安心したよ 上手だよ」
「そうね カーブも綺麗だし ふふふ元暴走族だったり」
「えっ そりゃないだろ 洋子だけで充分だよ ははは」
渋谷を抜け東名高速に入ると スピードを増したが泰子は離されない様
ついて来た
小田原で下りると南下して 一般道を走り熱海まえで伊豆山に入った
伊豆山 ホテル スキエを通り越すと 今夜のホテル 伊豆山ホテルに着いた
車止めで洋子を降ろすと 蒼いBMWを屋根つきの駐車場にしまった
フロントで宿泊手続きをしてTJカードを提示すると係員が丁寧に
お辞儀をして荷物をカーゴに乗せてくれた
部屋に着くと由紀枝が先に来ていて
「わぁー 早いですね 私 もう温泉に入ってきました」
「やあ 遅くなってゴメン そうか じゃ寛いだら温泉だ」
3人はホテルの浴衣に着替えると 缶ビールで乾杯した

「泰子の運転って 上手じゃないか 安心しました」
「うーん 上手と言われると恥ずかしいな でもありがとう ふふふ」
「な なんで恥ずかしいの?」
「ええ 昔乗っていたからです 暴走族じゃないわよ ふふふ」
「うん 暴走族は一人で良いよ ははは」
「ねえねえ神山さん 御殿場からここまで1時間も掛からないわよ
スピードを出しても全然平気だし 益々ファンになったわ」
「由紀枝も程ほどにね ほんと大丈夫かな」
神山はテラスに出てみると初島や大島が見えタバコをふかしていた
部屋に戻りみんなを温泉に誘ったが洋子だけは行くのをやめた
「じゃ 悪いけれど留守番をお願いします」
「はーい その間 その露天風呂に入っています」
「うん じゃいこうか」
神山と由紀枝 泰子の3人は天然温泉に入りにいった
男風呂に入ると神山一人で貸しきり状態だった
浴室の外にある大きな露天風呂にいくと海の向こうに初島が見え
柔らかい湯気のなかで疲れを癒した
サウナでたっぷりと汗を流すと体がスッキリとしシャキとなった
部屋に戻ると洋子しかいなく
「あれっ あの二人はまだ帰ってこないの?」
「ええ ゆっくりと入っているんでしょ きっと そうそうフロントから
電話で 夕食はステーキハウスで良いですかって聞いてきたわよ」
「そうか 宿泊者が少ないから会席料理が出来ないんだね きっと」
「へぇー 少ないのかしら」
「うん 駐車場もガラガラだったよ まあ本オープンは9月でしょ
仕方がないよ」
「そうね そうすると朝食は大丈夫かしら」
「うん 聞いてみて」
洋子がフロントに聞くと バイキングで用意してると言われた
「うん 赤沢と同じだね なにしろ種類が多くて美味しくて迷ってしまうな
そうか まだ行ったことが無いんだよね ごめんごめん」
「へぇー そんなに美味しいの へぇー行きたいなぁー」
「そうだ 車を買ったらお母さんを連れて行けば良いよ 喜ぶよ
夜は会席料理で美味しいしお風呂もここより迫力があるし」
「へぇー そうなの 早く終わらないかな 明日の朝だったら大丈夫かな」
「そうか 大丈夫だよ お客さんが少ないし」
「まあぁー そんな問題じゃないと思うけれど でもいいか ふふふ」

暫くすると由紀枝と泰子がキャッキャ話しながら戻ってきた
「お風呂がとても気持ちよくて 遅くなっちゃった ふふふ」
「ゆっくりだから 倒れているのかと思ったよ」
「大丈夫よ あーあ でも久しぶりにゆっくりだわ」
「さあ それでは夕食にいきましょうか 由紀枝 今日はねお客さんが
少ないのかレストランで会席料理ではなくて ステーキハウスを利用して
くださいだって」
「へぇー まあ 本格的には9月オープンだから仕方がないわね」
4人は浴衣姿でレストランの隣にあるステーキハウスにはいった
受付で部屋のカードを見せると窓際の席に案内された
窓からはまだ沈まぬ傾きかけた太陽がまぶしく さざ波に反射していた
20ほどあるテーブルは半分くらい客で埋まっていた
ステーキハウスの規模はグランドインより少し広く カウンター席は
14人くらい利用できるようになっていた
「由紀枝 グランドインより少し広めかな」







2013年9月10日火曜日

Vol.1158 百日紅 -6-67



楽しいコンペになるよ」
神山はそう言うと 次長席の引き出しを開け100万円分のGCを渡し
「今夜でも使ってよ 換金してもいいし ねっ」
「ありがとうございます 頂きます」

高橋孝一が深々とお辞儀をして部屋を出ると 入れ替わりにARXの
Jrと篠原涼子が次長室を尋ねてきた
「やあ どうしたの 連絡もなしに」
「うん 実は神山さんにプレゼントなんだ はいこれです」
Jrはゴルフクラブのセットを神山に渡した
「これはね 9月中旬か10月に販売する新しいモデルなんです 日本では
まだ手に入らないので 本国から送ってもらいました」
「へぇー 凄いな でもいいのかな 頂いても」
「ええ 大丈夫です 父からそう言われています」
「ありがとう 嬉しいな それで今使っているのと何処が違うの」
「うん スィートスポットが少しだけ広がった事と ピンで当てれば
今までのクラブより10%は遠くに飛ばせます 飛距離が伸びてます
もしかしたら 神山さんだともう少し伸びます アイアンはピンに
当てれば最低でも15%飛距離が伸びます」
「へぇー 凄いね」
「ええ シャフトが今までのと違い少し硬く感じると思いますよ
慣れるまで練習をしてください ははは」
「そうだね 漸く今のクラブに慣れてきたところです」
「うん 今のクラブが使いこなせれば 大丈夫 飛ぶよ 凄いです
本国のプロにも試し打ちをしてもらったが よく飛んで驚いていたよ
あとスィートスポットが広がったから ラフのときでも距離は出るよ」
「うん ありがとう 実は明日ゴルフなので 使わせてもらうよ」
「よかった 間に合ったんですね ははは」

神山はゴルフクラブを次長席に置くとクリスタルグラスの話をした
「実は確認をしたいんだが シドニーオリンピックの利用権は分かるが
今後のオリンピック 勿論 夏季 冬季と取得できるのかな」
「ええ 大丈夫です 本国ではもう2004年まで利用権を取得してます」
「ありがとう 大森さんも安心して仕事が出来ます それと 例えば
サッカーのワールドカップなどのグラスを作る場合 何か規制はある?」
「うん あれも利用権を取得すれば大丈夫 ただしあそこは少し高いね」
「って言うと」
「うん はっきりは聞いていないが 商品の5%とかを納めるんですよ」
「ふーん って事は4万円で2000円か 考えるね」
「ええ 商売が上手ですよ 飲料メーカーは上手にやってますけどね」
「ふーん 分かった でもさ 頭に入れておいて 大森さんもマシンを
買うそうだよ それも10台も」
「へぇー 10台もですか 凄いですね」
「うん 僕も驚いている ははは」
「神山さん 日本国内の販売ですが 各企業と契約しても 商品自体の
販売は来年お正月からでいいですか」
「うん?」
「ええ 本国でも販売したいし その他の国でも販売したいんです
でも数量が少ないと 輸送費ばかり経費がかさみます
あと 販売時期をあわせないと 逆にうちが突かれ 人気が無くなります」
「うん そうだね 分かりました それで戦略としてはセットはGOLから
それまではバラを販売するってどう?」
「ええ そうしましょう バラだと 結構飛びつきますよ」
「うん ありがとう では物流が年内されても 販売は元旦からにしよう」
「ええ そうしてください 本国でもそのように動いています
ルール違反をすると 私はクビです お願いします」
「了解 ありがとう」
「では 失礼します」
ARXJrと篠原涼子が部屋を出て行くと 神山は早速ニュークラブを
軽く素振りをした
「うんなかなかいい感じだ 少し硬いけれど この硬さは以前と同じかな」
「良かったわね ふふふ」

ひと段落してソファーで寛ぐと泰子から電話があった
「泰子でーす あと15分でビルに着きますよ」
「おう そうしたら下で待っています」
「はーい 了解です」
電話を切るとギフトカード3千万円分を引き出しからだし洋子に
「大きな封筒をください 3枚」
受け取ると1千万円分ずつ封筒にいれ ボストンバッグにしまった
「さあ 支度をして出ようか」
「はい 私はこのままで大丈夫よ」
二人が下に行くと泰子は車を降りて待っていた
「やあ お待たせ」






2013年9月9日月曜日

Vol.1157 百日紅 -6-67



次長室でいつものように30分の昼寝をするとクリスタルの大森から
電話があった
「神山です」
「済みません お忙しい所 実は神山さん 今度のシドニーのグラスですが
あのぉー バラで販売する分ですが マスコットのグラスはいいんですか」
「あっ そうか バラは31種類しか製作していないよね そうかぁー」
「ええ それでちょっと引っかかっていたんです」
「そうですね どうですか 間に合うようなら 作っていただいたほうが
こちらとしても嬉しいのですが」
「ええ 先ほど計算したんですが 最初の3万1千客を収めたときに
ARXさんから入金があれば その分をそのままマシン購入代に当てようと
考えているんですよ」
「えっ ちょっと待ってください そうすると10台くらいですか」
「ええ そうです そうすれば 製作も少しは楽になりますし」
「はい では 1種類増えますから 3万2千客お願いします
箱に貼るシールは大至急作らせます」
「ええ お願いします」
電話を切ると杉田に電話をして用件を伝えた
「そうでした 先輩済みません 大至急シールを作ります
とりあえず5000番から7777番まで作ります」
「うん 頼みます 大至急だからね」
「そうすると 化粧箱も急がせます 少し足らないと思いますから」
「うん そちらもお願いします」
電話を切ると洋子に
「しかし大森さんもたいした人ですね」
「どうされたの」
「うん 僕の所に先行してバラを32000客作って貰うんだけど
その売上金でマシンを10台購入するって 凄いよ3億だよ」
「へぇー 凄いですね」
「もっとも 20台体勢になれば 8時間稼動で960客生産できるから
仕事は楽になるね」
「へぇー そうすると これからは時間に追われなくてすむのね」
「うん 良かった こうやって伸びてくれると 投資した甲斐があるね」
「ええ 今後のお仕事も順調に行くでしょうし 良かったわ」
「うん なんと言っても39万客で5千円利益として19億だからね
それが4年毎だろ それに4年後は7777じゃなくて1万にすれば
もっと利益が出てくるよ 凄いよ」
「そうね ねえ 余裕が出来たら 例えばアジア大会とか サッカーの
ワールドカップとか 色々とできるでしょ」
「あっ そうか サッカーはいいね うん 一応メモをしておきます」

Gプロの高橋から電話があった
「今 伺っていいですか?」
「うん」
直ぐに高橋孝一が次長室にやってきた
「どうしたの 考ちゃん」
「やりましたよ 漸く建築許可がおりました これで工事に入れます」
「おお やりましたね おめでとう よかった」
「ええ 佐藤も喜んでいます」
「そうしたらさ簡単なスケジュールを出してくださいね」
「ええ これです」
高橋孝一から工事日程表を受け取りみると
「結構 予備日がありますね よかった」
「この工程で工事ごとオーバーラップしている部分の 前で行われれば
3月始めには 充分間に合います もっともずれ込んでも内装で
帳尻を合わせられるようになっています」
「なるほど うん 3月始めに引渡しが出来れば各企業は大喜びだよ」
「ただ ほら御殿場って雪が降るでしょ なるべくその時までに屋根は
造っておきたいんです だから今から始まれば12月には屋根が大丈夫です」
「そうか そうだね よかった ご苦労様です」
「それで山ちゃん 8月のお盆が過ぎた辺りにゴルフにいこうよ どう」
「うん みんなを呼んで いこうか」
「うちの社長も喜んでさ 参加したいって言っていたよ」
「えっ そうか そうすると奥様も参加するね ってことは椿さんの
奥様も参加だね うん そうしたらさ 東都にも話してみるよ
あっ うちの時田にも話してみますね」
「ええ 凄い人数になりますね」
「うん まあ その位いいでしょ 記念だし何回もするわけじゃないしね」
「そうだね 了解です そうそう杉田常務も参加したいって話してました」
「えっ 翔がゴルフ?」
「ええ 美佳さんと練習をしているそうですよ ほらARXの篠原涼子さん
彼女も一緒らしいです」
「へぇー そうだね 彼も仕事に絡んでいるし 分かりました






2013年9月8日日曜日

Vol.1156 百日紅 -6-67



「へぇー 分かった じゃさ 書類を作るからさ 一緒に販売店にいこうよ」
「いいの 甘えて?」
「ははは いいよ こうなったら5台でも6台でも」
「へぇー 5台も頼んできたの 凄いわね」
二人は神山の車で先ほどのVW販売店に向った
店に入ると先ほどの女性担当員が怪訝そうな顔で神山に
「どうかされましたか?」
「ははは 安心して もう一台追加です」
「えっ もう一台追加ですか?」
「うん なんで?」
「あのぉー 法人様でしたら また色々とありますが」
「ははは 個人ですよ 安くしてくれるならありがたいがね」
洋子と神山はカウンターで簡単な手続きをし310万円支払うと
納車が2週間ほど掛かるといわれた
「では 明日にでも書類を揃えて伺いますね ありがとう」
「はい ありがとうございました」
店を出ると 神山は洋子に
「じゃ このアルピナも買う?」
「だめだめ いいわVWさえあれば ふふふ」
「しかし 驚きだね OKが出るなんてさ」
「そうね 私も一瞬耳を疑ったわ でもあくまで生活の中で使うから
ゴルフとか遊びは駄目ね ふふふ」
「まあ いいじゃないか 無いより」
「そうね」

次長室に戻ると今夜宿泊する伊豆山ホテルに確認をした
「はい お待ちしております 明日は伊豆山カンツリークラブでプレーと
伺っていますが よろしいですか」
「ええ お願いします それで庄司と引田は早く行くかもしれません」
「はい分かりました それでは気を付けてお越しください」
神山は由紀枝に電話をした
「わぁー 神山さんどうしたの 行かれないの?」
「おいおい そうじゃなくてさ ホテルには何時に着くの」
「ええ 3時か4時には着いちゃうな 温泉入ってゆっくりよ ふふふ」
「そうしたらさ 神山ですって話してくれるかな」
「ええ 大丈夫よ そうか少し遅くなるんだ」
「うん ほらバラバラだからさ お願いね」
「了解です ふふふ」
電話を切ると泰子に電話をした
「はい 泰子です」
「何時に出ますか」
「うーん ここを早く出て 家で着替えてから行きます」
「だったら4時頃スタートできる?」
「ええ 大丈夫よ 3時にあがるつもりなの そうしたら4時前に
鈴やさんに伺いましょうか」
「うん そうしてくれるかな 近くなったら電話をください」
電話を切ると洋子に
「そうしたら4時ごろ出ますね お願いします」

神山は冬季オリンピック記念限定グラスの販売計画をしていると
お昼になり洋子や杉田 奈々子を連れて近くの串揚げ屋にはいった
「どうだね 翔 冬季は進んでいる?」
「ええ それで考えたんですが 15競技全部作ろうと思います」
「うん 僕もそう考えているんだ 15だから3プラン作れて プラス
大会マスコットと大会イメージを入れた1客で 6客1セットが出来るし
バラで16種類販売すれば結構な数になるよ」
「そうですね 各1万とするとセットで18万 バラで16万で34万客
出来ますね ただ2002年の2月ですよ 大丈夫かな」
「ははは 心配するなよ マシンを5台くらい入れるよ きっと」
「そうすると 1時間6客で15台だと90客 8時間稼動で720客」
杉田は電卓で計算すると
「472日で出来ますね よかった」
「まあ最初の2ヶ月くらいは12時間か15時間稼動してもらい 翌年には
次の2004年の製作をしていかないと間に合わないよ」
「ええ それで大森さんも話していたんですが 他のデパートから引合いが
きた時はどうしようかと言われていました」
「ああ オリンピック以外の話ね」
「ええ そうです 言葉が足りなくて済みません」
「うーん うちと独占販売と話していたが契約を結ぶか その方が安心して
仕事が出来るしね オリンピックで貸しを作れたから嫌とは言わないよ
それに先方の言い値で仕入れるからね 大丈夫だよ」
「では その件は先輩から話していただけますか その方が間違いないし」
「ははは そうだね 経緯もあるしね 分かったよ」
4人はランチのほかにお好みの串揚げも食べ 洋子が精算して戻った








2013年9月7日土曜日

Vol.1155 百日紅 -6-67



いっぺんに出て行くようで マンションに着いた時は
エントランスルームのその涼しさで 生き返った気分になった
「わぁー 蒸し暑かったわ」
「ほんと もうびちょびちょよ どうしようかしら」
「お泊りしたいけれど 突然だとそれも出来ないし」
神山は空気を入れ替えるとクーラーの目盛りを最大にして涼んだが
それでも汗は止まらなかった
香織が気を利かせて 浴槽に水を溜めると神山に
「神山さん 水風呂でどうですか ふふふ 一緒にはいろうよ」
神山は香織の勧めで 直ぐに裸になると水風呂に浸かった
「おーい 気持ちが良いよ 早くおいで」
香織と真由美が返事をして 浴室に入ってくると 石鹸が無い事に気が付き
顔を見合わせて 大事な所をシャワーで洗い流し神山の隣に座った
真由美はタンポンの紐を上手に隠したつもりだったが
「あれっ 真由美 あそこから紐が泳いでいるよ」
そういわれると 真由美は顔を赤くして浴槽からでていってしまった
「こら 神山さん 可哀相でしょ もう」
そういうと香織も出て行って 真由美を慰め再び入浴した

「ゴメンゴメン でも 全然悪気はないよ ごめんね」
真由美が俯いているので 顔を上げるとキスをした
「もう 神山さん 私だってキスを我慢しているのに もう」
真由美とのキスを終えると 香織には舌を使ったキスをした
少し喘ぎだしたので みずから立ち上がり 浴室からでた
「あーあ 涼しくて気持ちが良いなぁー」
しかし 冷蔵庫の中には何も無くて 水を飲むだけだった
浴室から出てきた香織と真由美も涼しくて気持ちが良いと言った
「じゃ 悪いけれど 30分寝かしてくれるかな お願い」
そういうと裸のままベッドに行くと直ぐに寝入ってしまった
30分すると起こされ 帰り支度をした
香織と真由美はリビングのソファーで寛ぎ神山に
「ねえ 神山さん ここにお泊りしてもらいたいけれど 着替えは
置いておく事が出来ないのよ ほら2人とも母親が見にきたりとかで」
「そうだよな だったら着替えを持参だね ははは」
「うん 浴室が乾燥室になっているから肌着や靴下は大丈夫よ」
「うん ありがとう では帰ろうか」
タクシーを呼ぶとエントランスルームで涼んでいた
2台一緒に来たので 香織と真由美を見送り神山は自分の車で帰った

8月4日 火曜日 快晴
神山は次長室に行く前に傍にあるVWの販売店に寄った
「いらっしゃいませ 神山様」
「やあ おはよう」
「お車に何かございましたか?」
「ううん もう5台欲しいんだ」
「えっ もう5台ですか」
「うん そうなんだよ それで4台分については6日の朝手続きに来ます
後一台は どうしよう 書類関係は後日で お金は支払いするので
注文しておいて貰えませんか」
「ええ 別に構いませんが 5台ですよね」
「うん なにか?」
「ええ そうすると 多少お時間が掛かるかもしれません」
「うん?」
「ええ 最短で1週間ですが2週間ほどお時間を頂きたいのです」
「ああ いいよ それで色は今まで購入した白色でお願いします」
神山はそういうとカウンターで仮入金をし手続きをした
現金で1550万円を支払い 受取書をしまうと
「そうそう 下取りがあるんですよ ごめんなさい忘れていた」
「ええ では下取りはその時にお支払いします ご安心ください」
「はい ありがとう ではお願いしますね」

次長室に入ると洋子が先に来ていて
「おはようございます ふふふ」
「なんだよ やけに嬉しそうだね」
「ええ 車を買ってもいいって ふふふ」
「おいおい ほんとうかよ なんで」
「ええ 先日ね はす向かいのおばさんが倒れたの それで救急車を
呼ぶより娘さんの車でかかり付けの病院にいかれたんです それで
そのおばさんは持病を持っていて 下手に救急病院で手当てをすると
危なかったんですって それで車が欲しいって そういう訳です」
「でも それだけだったら タクシーでも充分だろ」
「だって 母だって運転できるわよ まだまだ現役よ かわいそうー」
「おいおい へぇー 運転するんだ 凄いね」
「それで ポルシェとかスポーツカーは無理としても VR6だったらOK」






2013年9月6日金曜日

Vol.1154 百日紅 -6-67



「まあ そうですね 分かりました ありがとう ふふふ やっぱ」
そこまで言って祐子は手で口をふさいだ
それを見ていた泰子や香織がクスクス笑っていた

「祐子さん 私たち 5時上がりなの だから遊びましょうよ
って言っても 男じゃないわよ ゴルフとか ねっ」
真由美や香織がやり取りを聞いて祐子に話しかけていた
「そうですね お願いします ふふふ そうだ泰子さん 今度ね
泰子のゴルフレッスンってしない 勿論無料じゃないわよ 帰りに
パフェとか 講習生がゴチするの どう?」
「わぁー いいわね そうしたら教える方もやる気が出るわ ふふふ」
「だって 香織さんや真由美さんも練習場に近いんでしょ だったら
出来ますよ ねっ」
「はーい 理事の都合が無い時にそうします」
「そうか 神山さんのお仕事具合か そうだわね ふふふ」
それを聞いていた洋子が
「いいじゃない 私だって空く時があるし ふふふ」
「えっ そうなんですか へぇー」
「それはそうよ あの人だって色々と大変だもの だから空いた時に
私と付き合ってくれる 私も一人だから」
「ほんとですか でも そうね お願いします ふふふ これからは
踊りに行くよりゴルフが多くなりそうですね」
「お願いね」
由貴がやり取りを聞いていて
「祐子さん 私たちも7時にあがるでしょ 予定が無ければゴルフよ
これから一緒に練習をしましょうよ お願いね ふふふ」
「はーい ありがとう 嬉しいわ」
桃子が
「由貴先輩 もう お腹が一杯です」
「はいはい では神山さん お先に失礼します ゴチでした」
「うん 運転は大丈夫だね」
「ええ ぶつけても駆け足で逃げます」
「おいおい 物騒な事言わないでよ もう 桃子ちゃんしっかりして」
「はーい ちんちんバイバイ ふふふ」
「おい由貴 口を塞ぎなさい もう だらしないぞ」
由貴と洋子が桃子を支えるようにしてお店を出て行った

洋子が戻ってくると神山の隣に座り
「ねえ 私まだ終わらないの どうしよう」
「えっ なにが終わらないんだ?」
「もう 大きな声で 生理よ だから明日のお泊りを聞いているのよ」
やり取りを聞いていた泰子や祐子がクスクス笑っていた
「そうかぁー でもさ それって 目を瞑れば治るでしょ ねっ」
「もう 真剣に話しているのに」
「洋子さん 行けば良いじゃん だって目を瞑ればすむ事でしょ
羨ましいと思うわ ねぇー真由美さん」
「そうよ 洋子さんらしくないわ 目を瞑ればすむ事じゃない したければ
目を瞑って楽しむ したくなければ目を瞑って静かにしている でしょ」
洋子は年下の女の子に言われ嬉しかった
(あーあ 女の子ってやっぱり優しいなぁー)
「うん ありがとう 行きまーす ふふふ みんなありがとう」
「じゃ そろそろお開きにしよう 洋子 これで精算して」
神山は洋子にギフトカードを渡すと精算した
店を出ると洋子にタクシー代を渡し
「祐子を送ってください お願いね」
「はーい 了解です これお釣りです でも安いわねあれだけ食べて呑んで
5万円ですもの」
「えっ 間違っていない 大丈夫 だって日本酒と冷酒で15本は
呑んでいるよ 大丈夫かな」
「ええ 私も聞き間違いと思って 確認しました」
「わかった ちょっと待っていて」
神山は店に戻ると女将にギフトカード10万円分を渡し
「女将 今夜はご馳走様 それであの女性たちが着たら ここから出して
勿論全額だと変に思うからさ お任せします」
「はいよ いつもありがとう 待っているよ」
神山が店を出ると 丁度タクシーが2台来て 祐子と洋子 泰子を
見送ると 歩いて香織と真由美のマンションに向った

お盆前のこの時期が一番暑い日が続き 店を出るといっぺんに汗が
噴出してきた
香織や真由美もタオルハンカチで汗を拭っていたが 止まらなかった
白い半袖姿のサラリーマンも ネクタイを緩めたり 外したりして
忙しなく汗を拭きながら赤提灯に消えていった
今朝降っていた雨で湿度を増しているのか 呑んだアルコールが







2013年9月5日木曜日

Vol.1153 百日紅 -6-67



「良いわよ 私たちが探して買ってきてあげるから ねぇー泰子さん」
「ええ 時間は一杯あるし 百貨店めぐりも良いわ ふふふ
ねえ 何処のメーカーですか ほら見せてください」
「おいおい なんで みんなが見ているよ」
「私 繊維協会の理事秘書です 見せなさい」
これには洋子をはじめ みな大笑いした

女性群が輪を作り 神山がパンツを膝まで下げると 泰子がタグを確認し
「大丈夫です 直ぐに手に入りますよ でももっと広告を打てば
大きな会社になれるのに 残念ね」
「なになに それって」
「うん 中堅でしっかりしている会社なのよ でもね地味なの
ほら40とか50歳の女性を対象にした肌着が中心なのよね
このような斬新なものを出していけば 一皮剥けるのにね 残念ね」
パンツを上まであげファスナーもあげると
「じゃ 僕がそこの顧問になろうか どうかな?」
「うーん いままで一度も顧問を希望されてなかったから難しいわね」
「そうか 繊維協会で何か手を打てると良いんだがな ほらグラスでさ」
「うーん 景品法で引っかからないようにしたいんでしょ だったら
大丈夫よ あそこの商品って揃えると10万や20万すぐだもの
例えば50万円分購入者にはグラス1客とかね そうすれば公取に
全然引っかからないわよ」
「ねえ 泰子 そうしたらさ 大手のルコーワやバードなどに働きかけて
活性化を促進って事で提案してみるか どうかな?」
「あっ それって絶対に良いわね 独占ではなくて 肌着企業に投げかけ
賛同してくれた企業と提携して販促を進める訳でしょ」
「うん どうだろう どう洋子」
「ええ 素晴らしいわ だってそこのTバックの会社だけじゃなくて
ルコーワやバードったら90%以上の女性は知っているし 使っていると
思うのね そこにそんな素晴らしいプレゼントがあったら 余計買うわね」

洋子や泰子のグラス販売計画のアイデアがひと段落すると皆の箸がよく進み
おつまみや日本酒を追加した
暫くすると ニーナ・ニーナの由貴と桃子が入ってきた
「あれっ 皆さんお揃いで どうされたんですか」
「ははは 香織と真由美の引越し祝いだよ」
「へぇー 凄いですね ねぇー桃子ちゃん」
「そうすると渋谷で揃えたんですか ふふふ」
「まあ さあこっちにきて食べなよ 車だろ」
「ええ 1杯だけ頂きます あーあ泰子さんに教えてもらいたいなぁー」
「そのうち時間を合わせましょうね ほら理事の都合もあるし ふふふ」
「そうか 洋子さん 泰子さん 香織さん 真由美さん みんな秘書
わぁー 凄いなぁー 私 次に生まれてくるときは男が良いな
りっぱなおちんちん付けて 一杯秘書を付けて ふふふ」
「おいおい 桃子ちゃん 酔っ払っているのか 大丈夫?」
「大丈夫ですよ 今日は由貴先輩の車です さっき缶ビールを呑んだの」
「そうなんです 練習場でどうしてもって言うから呑ませたら
1缶で足りなくて ふふふもう大変」
「って事です 神山さん」
「じゃ 由貴は桃子ちゃんを部屋まで送るの?」
「ええ 今回は私 次回は桃子ちゃんって決めたんです」
「そうか それも手だね まあほどほどに 食べて行って 足りなかったら
お好みで握りでもなんでも頼んでいいよ」
「はーい じゃ 私は握りを頂きますね」
「はいどうぞ」
その光景を見ていた香織と真由美が
「私たちもそうしようか ふふふ」
「でも 歩いて帰れるところだから 関係ないわよ それよりレディーの
酔っ払いって良くないわよ」
「そうね やっぱり程ほどね ふふふ」
みんなのやり取りを見ていた祐子が洋子に
「みんないいわね どこかで支えあって ふふふ」
「そうね そうか祐子さんは大変よね 神山さんしかいないし」
「うーん こんな光景を見なければ いまのお仕事は最高よ
だって 自分の時間が一杯あって それを自由に使えるでしょ それに
神山さんだって凄く優しい うーん でもね 周りにいないもんな」
「そうね 同じ職場で 例えば神山さんのスタジオで働く女の子が
祐子さんと同じような気持ちだったら色々と話せるわね」
「ええ でも 無理ですものね ふふふ だから由紀枝さんと一緒だと
凄く楽しいの 彼女も大変な過去があるでしょ 分かるのね」
「そうね そうしたら 新しい車で御殿場に遊びに行けばいいわよ」
「えっ そんな 怒られますよ」
「だって その時にその気があれば一緒に行くでしょ でも本人が
お仕事だったら 私は怒らないと思うわ」








2013年9月4日水曜日

Vol.1152 百日紅 -6-67



大森さんに指示をしています」
「うーん その部分はアレックスで行おう 大森さんの所では負担になる」
「はい それは修正します」
「うん シールは出来ているのかな」
「ええ 大丈夫です Gプロの部屋にありますよ」
「うん ありがとう それで翔 僕が欲しいのはシリアルナンバー
5000番からでいいよ ほら若い番号は欲しがるでしょ」
「ええ 現在 バラを製作していますが先日言われたように5000番以降
で番号を振っています」
「うん ありがとう そんなところかな」

「2002年の冬季オリンピックだが 情報はどうしてる翔」
「ええ PCで集めています こちらも全てデザインを進めていますよ」
「わかった 確かソルトレイクシティーは7種目15競技だろ
夏と違い デザインが難しいな」
「ええ なので例えばスキーに関して ジャンプとアルペンに絞るとか
考えています」
「うん そうか わかった じゃ次回の会議に参加するから呼んでください」
「はい 分かりました」
「で どちらにしても生産能力から行くとクリアできるので 限定1万で
考えていこうか どうだね翔」
「ええ それで種目が少ないので5客セットにして2プランはどうかと
考えています」
「そうだね いっそうの事全競技をセットにして プラス バラでもいいね」
「ええ 色々と考えてみます」
「うん 頼んだよ じゃJr こんなところですが」
「うん 大丈夫 まずは神山さんにバラ各1000客ですね 了解です」
「では失礼するよ」
神山と洋子 杉田と奈々子が社長室を出ると Jrや篠原涼子が
エレベーターに一緒に乗り玄関で見送ってくれた

次長室に戻ると17時になっていた
「洋子 僕はこれで帰ります それで6時半過ぎに代々木の寿司屋に
行くようにするから 祐子と一緒に来なさい」
「はい 分かりました 祐子さんは知っているの」
「いやまだだよ 連絡をしてくれるかな お願いします では」
神山は直ぐに部屋を出ると香織と真由美のマンションに向った
1Fのエントランスで香織と真由美に迎えられ部屋に入ると真由美が
「ねえ 部屋を間違わないでね ふふふ こちらは香織の部屋よ」
「うん でも間違えても 二人だったらいいじゃない だめか」
「もうそろそろ来るわよ 早めにしてもらったの」
3人が部屋で話していると家具や家電の搬入が始まった
家具屋は家具の配置が同じなので 真由美の部屋を参考にして香織の
部屋に置いていった
家電もまるっきり同じなので 作業が捗りガスの開栓も直ぐに終わった
電気屋もブレーカーを確認し通電すると直ぐに帰った
家具屋が最後になり 2部屋分の空きダンボールを持って帰った

「香織 真由美 いいね」
「ふふふ でもね 私は不思議な気分なのよ ほら同級生でしょ それが
大人になって 隣同士って なんか学生時代を思い出すわ」
「うん そうそう なんか不思議な気分ね ふふふ」
「しかし 造りがまるっきり一緒だね 家具を置いていると余計思うよ」
「そうね ほんと ふふふ ねえそろそろ6時半になるわ
お寿司屋で洋子さんが待っているんでしょ 行きましょうよ」
3人は歩いて10分くらいの所にあるお寿司屋に入ると 洋子と祐子
泰子が待っていた
「いやぁー 遅くなってゴメン 無事終わりました」
「ふふふ お疲れ様でした」
奥にある座敷に上がると 早速ビールで乾杯した
「洋子 8日って亜矢子の誕生日だろ 何が良いかな?」
「うーん 何かしら」
その話しを聞いていた泰子や真由美は
「そうしたら 一番記念になるものよ ねぇー泰子さん」
「うん そう思うわ そうそう神山さんて亜矢子さんから何か貰った」
「ほら 赤いTバックショーツだよ あっ それを送ろう うん」
「でもなぁー それだけじゃ可哀相よ ねぇー洋子さん」
「まあ 私に振っていやねぇー そうだわ 車はどう ほらVWよ」
「おっ そうか そうしよう でも御殿場で買えないな 困った」
「大丈夫よ スタジオの傍で購入して どこかで名義変更すれば」
「そうか しかし間に合わないよぉー 困ったぁー」
「じゃ 車のカタログを目録として赤いTバックショーツと一緒に送る」
「そうしようか うん 決まった でもなぁー 婦人のTバックなんて
東京では買えないよ 参ったぁー」







2013年9月3日火曜日

Vol.1151 百日紅 -6-67



「ええ 杉田君からですが 今月中にはバラが各500客できます
それで輸出入の件ですが アレックスの輸送専用便があるので 輸出しても
1週間以内には輸入できると回答です」
「そうか それしか手は無いな 分かりました ありがとう」
神山は杉田に電話をして都合を聞くと動けるとの返事だった
「そうしたら これからアレックスに行く 車でいくよ」
「はい 奈々子も連れて行きます」
「うん では10分後にパーキングだ いいね」
神山は電話を切るとARXJPに電話をした
「Jr 神山です 30分後にグラスの件でそちらに伺います」
「はい 了解です お待ちしています」
神山は洋子に契約書を書ける用意を指示し出かける支度をした

鈴やパーキングに行くと杉田と奈々子が待っていた
神山の車が近づくと直ぐに気が付き 後を追いかけ走ってきた
アレックスビルに入ると受付が神山を見て 丁寧にお辞儀をした
エレベーターで社長室があるフロアに着くとJrが待っていて
「やあ いらっしゃい」
「うん 久しぶりです」
直ぐに社長室にはいると 8人は会議テーブルについた
神山がシドニーオリンピック記念グラスの販売計画の確認とはなし
「現在 私が把握している輸送ルートで行けば必ず売り切れになります
そこで シリアルナンバーを打たないグラスを製作してはどうか
これは先日洋酒輸入企業の顧問になったときの話ですが 景品で渡すと
公取に引っかかります しかし販売となれば話は別で 先方も
充分販売できると確信していました どうだろう?」
「うーん 気持ちは分かりますが そうするとシリアルナンバーの意味が
なくなります それだったら最初から無い方がいいかな」
「うーん そこだね わかった では各7777個 及び組のみに
限定して販売をする それでいいねJr」
「ええ お願いします うちもそのつもりで宣伝を考えていますし
アルタの高橋さんとも話を進めています」
「わかった そこでお願いがあります GOLを先行して どうかな
バラで各1000客を僕に譲ってもらえないかな」
「理由はなんですか」
「うん 先ほど話をした 輸送ルートを利用し日本の隅々までこの事を
宣伝したいんだ 村の外れにある酒屋さんまでだ どうだろう」
「うーん 分かりました でもGOLの時に何も無いのも困ります」
「うん GOLではセットを重視していこうと考えている 僕はバラを
国内にばら撒きたいんだ」
「うん 了解です いいですよ」
「それで先ほど計算したんだが この8月と9月で36000客できる
そのうちの各1000組  合計31000客を先にほしいんだ」
「うん 大丈夫だよ それで納品先はどうするの?」
「うん まだはっきり決まっていないが 5社くらいになる 1社当たり
だいたい2億から3億の出費だが 先を考えれば安いものさ」
「わかった 神山さんの言う事に従います」
「僕の考えだが クリスタル大森にお金が入ればマシンを増やすと思うよ」
「えっ そうですか」
「だって リスクが少ない商売だもの 当たり前だよ 例えこれで
外れても 今後は凄い数の注文でもこなせるでしょ」
「なるほど そうですね」
「なので 心配は無用です その基盤をGOLより先に作るのさ」
「はい よく分かります 杉田さん この案でいいですね」
「はい 分かりました 大丈夫です」
「では神山さん 早速直ぐに動けるようスタッフを人選します」
「うん 大森では1日に900客出来ると言っています なので
最初は1人を専属につけて箱詰め作業 配送時にはもっと多めに準備」
「そうですね そうしたら 明日からでも行かせて 手伝いから行います」
「うん 翔 化粧箱はどうなっている?」
「ええ 来週月曜日に納品になっています」
「うん Jrそういう事です 翔 金曜日にならないか バラだよ」
「はい 今電話をします」

杉田はGプロの高橋孝一に電話をして納品を木曜日にするよう指示した
「でも 数が少ないですよ いいんですか」
「うん 第一便で最低でも2000箱は必要だ お願いします」
「はい できる限り5000箱納品できるようします」
杉田が電話を切ると神山に
「先輩 第1便で2000箱納品できます その後も追いかけます」
「うん 頼んだよ 最初はバラで各1000箱 合計3万1千箱だよ」
「はい 大丈夫です」
「それで箱のシリアルナンバーはどうなっている?」
「ええ シールを貼ります グラスの底にある番号を確認し貼るよう








2013年9月2日月曜日

Vol.1150 百日紅 -6-67



玄関脇まで引き込み ゲストルームのところで各部屋に振り分けます」
「はい わかりました それと 南側のガラスですが開閉可能ですか?」
「ええ 全面ではありません 床からh2300を開閉できるようにします
それとガラスですが2重構造にして冷暖房対策をします」
「うん 2重構造で随分と温度が違うと聞いています お願いします」
「神山様も凄いですね 情報が入っていますよ」
「えっ なにが?」
「うちは株式会社ヤマト資材さんや株式会社宮里建材さんと 取引があって
今回 顧問になられたと 情報が入ってきています」
「ははは 早いですね たまたまですよ」
「なので満足していただけるよう 建てますよ」
「ええ そうですね 会社に不利益が生じると私も困ります ははは」
「ええ ヤマトさんや宮里さんにも協力してもらいます」
「じゃ あとはスケジュールですね 棟上はいつですか」
「はい 1ヶ月ほど後になります くい打ちを充分しますから はい」
「お願いしますね 震度7でも倒れないように」
「はい あそこの土ですが7mしたが凄く固いんです 多分
岩だと思うのですが その下まで杭を打ちます 安心してください」
「へぇー 凄い工事ですね お願いしますね」
「はい スケジュールが出来ましたらご連絡します それと内装関係の
パースを書きます あと家具の色調は伺っていますからそのほかの
調度品などカタログを提示させて頂きます」
「そうですね 造りつけ家具のリストはこの見積書で拾えますね」
「ええ 大丈夫です 変更も利きますからご安心ください」
神山が頷くと勝又が
「それでは 私どもは帰らせていただきます ありがとうございます」
「うん ありがとう お願いしますね」
「それで神山さま このお部屋でお食事は如何されますか」
「うーん 今日はここで頂いていきます」
「はい 分かりました ではごゆっくりとお寛ぎください」
勝又と勝間田 部下達は神山と亜矢子にお辞儀をして部屋を出て行った

二人きりになると亜矢子が神山にキスをした
直ぐに女将がおつまみと生ビールを運んできて
「神山さん ゆっくりしていってね 美味しいのを持ってくるよ」
「はい ありがとう」
女将が下がると亜矢子が
「でも 助かるわ ありがとう ふふふ 一人じゃ判らないもの」
「そうだね しかしでかい家が出来るよ 掃除を頼まないといけないね」
「ええ ホテルにきているおばさんに聞いたら 個人も出来るみたい」
「うん それがいいよ 地元って融通が利くし」
「でもね ほら プライベートな部分が知れ渡るでしょ そこがちょっと」
「そうか それも分かるな まあ明日の事じゃないから考えようよ
僕の方でも調べてみるよ ねっ」
二人はおつまみや生ビールを呑み家のことで話した
日本酒を頼み握りも食べ終わると神山はいつものように30分寝た

神山が目を覚ますと亜矢子も傍でうたた寝をしていた
時計を見ると30分ではなく1時間寝た事になった
「おい 亜矢子 起きてください おーい」
「あら ごめんなさい 寝てしまったわ」
「うん それでこれからどうするの?予定は」
「ええ 母の所にいきます ごめんなさい ふふふ」
「うん じゃタクシーで帰るか ねっ」
「ええ 駅で拾います あーあ 久しぶりにうたた寝をしました」
「ここの部屋は別天地だね 外と違って暑くないし かといって
涼しすぎないし いい部屋だ」
「ふふふ お仕事には向いていないかもね 直ぐに寝ちゃだめね」
神山は女将にお礼をいい御殿場駅でタクシーを拾うと亜矢子を見送った

15時過ぎに銀座の次長室に入ると洋子が
「お疲れ様でした どうでしたか?」
「うん 広々としたいい家が出来ると思うよ」
「あのぉー、、、」
「うん なに?」
「ええ アルタでのその後の事ですが いいですか?」
「うん」
「あなたが帰られた後 次の冬季オリンピックの話が出ました それで
杉田君は既に考えていて デザインを進めているそうです
2004年のオリンピックには限定1万客にしたいと内藤さんが話して
杉田君は設備投資が必要だとはっきり言っていました
結局 冬季オリンピックの限定グラスは各7777客で落ち着きそうです」
「そうか しかし冬季オリンピックは競技種目が少ないからどうかな
うん 分かりました 詰めます そのほかは?」








2013年9月1日日曜日

Vol.1149 百日紅 -6-67



8月3日 月曜日 小雨
朝一番で銀行が現金を受け取りに来た
神山は一緒に銀行の大口預金の部屋で現金を数える所に立ち会った
「神山様 15億でございます 間違いありませんか」
神山が頷くと通帳記入がされ そのままスイス銀行へ18億を入金した
時計を見ると9時半になっていた
洋子に電話をして 15時頃次長室に入れる事を伝えた
蒼いBMWに乗ると首都高から東名高速に入り 御殿場ICでおり
駅前寿司屋には約束の時間よりも少し早く付いた
離れに入ると テーブルにはスケールモデルがおかれていた
「やあ 遅くなりました」
「ええ 済みません 突然お呼びたてしまして では説明をさせて頂きます」
基本的には前回の説明と変わらなかったが 亜矢子の部屋の西側にもう一つ
部屋が造られていた
「ここの部屋は将来的な部分で造られていますが 現状でもゲストルームで
充分使えるように設計しました」
「なるほど 廊下を挟んで部屋を増やしたわけですね」
「ええ 間口は桜川様のお部屋と同じですが 奥行きはキッチン部分まで
部屋になっていますので 相当広く取ってあります」
神山は問題ないと感じ 亜矢子に聞いてみた
「ええ 大丈夫です そうね 当分はゲストルームね ふふふ」
ゲストルームは亜矢子の部屋と同じ造りでバスルームも南側に設けられ
もう一家族住めるように造られていた
神山が頷くと勝又は見積書と前回支払った5千万円の領収書をテーブルに
置いた
「どうぞ桜川様 こちらが先日頂きました分の領収書です」
亜矢子は金額を確認するとバッグにしまった

神山は見積書を眺めてみると分かり易く書かれていた
「後は細かい所の変更で 多少の上下はありますがその都度金額提示を
させて頂きます ご安心ください」
「うん それで壁面のコンクリですが どうでしょうか 打ちっぱなしは」
「そうですね そうするとこの内装部分が減額になりますね」
「ええ その分他の建具などにお金を掛けられると思いますよ 室内も
打ちっぱなしにして そのかわり木目を明るくすれば違和感がなく
部屋全体が綺麗に仕上がりますよ ほらよくブティックなどで
展開している方法です」
「そうですね そうしましょう そうするとステンのヘアラインも
綺麗に映えてきますよね 分かりました」
「うん 大きな変更点はそのくらいかな 家具類ですが 既製品に色調を
併せることって大変ですかね」
「はい 大丈夫ですよ ただそこの工場で作りませんから 多少違いは
出てくると思いますが どのような家具ですか」
神山はメーカー名とシリーズ名を伝えると
「ああ あのシリーズですか 大丈夫ですよ 有名ですから 時々この様に
注文がございます 色だしは大丈夫ですよ」
「よかった あのシリーズで家具を新調しようと考えているんです
ただ母親の家具については現状かなと思っていますがね」
「そうですね 以前から使われている家具の方が馴染がありますからね」
「あとは 床ですが 桜川さんの部屋にも畳みスペースがあるといいかな
どうだろうか 亜矢子」
「そうね その方が落ち着く時があるわね」
「はい 大丈夫ですよ お母様の方は殆どが畳みです 桜川様のお部屋に
畳みスペースを設けるとすると どうでしょうか この部分に畳みは」
勝又が提案したのは南側のガラスに面している所に6畳のスペースを
設ける案だった
「ここですと 畳の脇にフローリングがあり ガラス面のところにも
余裕を持たせれば 畳が充分に生きて来ますよ」

その後も内装関係の詳細を打ち合わせをすると12時になっていた
「神山様 ありがとうございます それで躯体部分の金額は殆ど
変わりません 以前亜矢子様にお伺いした所ローンではなくて
一括現金とのお話でした で今回は躯体部分建築費用1億9千万円で
先に5千万円頂いています 残金1億4千万円の半分7千万円ですが
誠に申し訳ないのですが ここ1ヶ月の間にお支払いをお願い出来ますか」
「ははは 大丈夫ですよ ねえ亜矢子 全額でも払えるよね」
「ふふふ ええ ここ1週間のあいだに1億4千万円を振り込みますよ」
勝又は驚き丁寧にお辞儀をすると勝間田や部下達も丁寧にお辞儀をした
「空調器関係ですが メンテナンスを考慮して取り付けをしてくださいね」
「ええ 大丈夫です これだけ広いお部屋ですから 大店舗と同じように
躯体建築の時に組み込みます でないとランニングに経費がかさみます」
「そうですね でもボイラーは勘弁してくださいね」
「はい 今はもっと進んでいます ただしガスを直接引き込んだ方が
ランニングが安上がりなんですよ なので都市ガスの太いパイプを