2013年7月25日木曜日

Vol.1111 百日紅 -4-65



「分かった いいよ それで連絡先とか 詳細を知りたいんだ」
「うん いいよ FAXで資料を流します 番号を教えて」
神山は次長室のFAXを教えると
「それで聞きたいんだけど 亜矢子が話していたプレミアム会員ってなに」
「ええ その通りで最高級メンバーってことです その下がレギュラー
その下が平日会員です プレミアムとレギュラーの違いは 会員権の金額も
違うのね それ以上にスタートが最優先されるというシステムなの それと
プレー後のマッサージやボディーケアが無料なの」
「へぇー それは聞いていなかった」
「あっ そうそう 亜矢子さんのは2週間ほど前の資料よ 最新版では
載っているわ それから会員権の金額も2500万円に登録料が500万円
そうなっているのよ」
「なんだ 全部で2500万円じゃないんだ でも安いな」
「ええ コースは全てが9ホール3600yに揃えられています それで
もっと凄いのはコースレートが36なのよ だから難しいわね でもね
景観はいいし 戦略性に富んでいるし 楽しめるコースみたいよ」
「そうか わかった ではFAXをお願いします」

神山は由紀枝から送られてきたFAXをみると確かに会員権が2500万円
登録料500万円と書いてあった よく言われている預託金はどこにも
書いてないのでシンプルな経営と感じ取った 更に目を引いたのは
募集会員の人数だった プレミアムが150名 レギュラーが350名の
500人だった 平日会員は500名と書いてあった
通常 このクラスだとあと500名入れても問題ない数字だが そこは
余裕を持ってプレーをして貰いたいと願う企業姿勢と感じた
神山は早速 記されている電話番号のところに電話をすると 丁寧な応対で
話を聞くことができた
「それで私はTJの会員なんですが ホテル利用を無料でゴルフも無料って
そんな都合のいい事が出来るんですか?」
「あっ TJの会員様でいらっしゃいますか はい全然問題はございません
かえって TJさまにはどんどん利用して頂きたく思っている所存です」
「わかりました ありがとうございます それで あと枠は何名ですか」
「はい あと18名法人様でございます 如何されますか 法人様でも
全然構いませんが」
「ははは 僕は個人なので 個人会員ですよ」
「えっ 個人会員ですか?」
「なにか?」
「あっ 申し訳ございません 殆どの方が法人会員様でしたものですから
大変失礼を申し上げました」
「へぇー そうですか」
「ええ 現在1次募集は2500万円ですが2次募集は4000万円です
しかしプレミアムメンバーの2次募集はなくなると思います レギュラーの
1次募集が2000万円2次が3500万円なんです ですから企業の方は
殆どプレミアムメンバーを買われています ただし個人の方の場合 審査が
ございますが TJ会員の方は無審査です」
「あのぉー 友人が購入したいと言っているんですが」
「その場合は神山様のご友人と言う事でやはり無審査です しかし無審査枠
神山様のご紹介枠は3名様までです ご容赦ください」
「分かりました では どうすればいいですか 会員になるのに」
「ありがとうございます それでしたら ご住所を教えてください
そちらに会員申込書や規約書など送らせて頂きます それで 今までの
お話を伺っていますので 無審査で会員になれますが 2500万円と
会員登録料金500万円合計3000万円をご入金ください」
「それでしたら すぐにでも送りますよ 口座を教えてください」
「えっ でも 申込書が届いてからでいいですよ」
「でも 早く済ませたいものですから お願いします」
担当の係員は上司と相談しているのか 暫くすると
「畏まりました 神山様のTJも確認できました お振込先をご案内します」
神山はメモをとると
「そうすると 1億2千万円振り込めば4名分のプレミアムメンバーを
確保していただける訳ですね」
「はい 勿論でございます」
「我侭を言って申し訳ございませんが あと2名追加は出来ませんか
その2名は株式会社鈴や社長と副社長ですが」
「あっ 少しお待ちくださいませ」
係員はまた電話を保留にし暫くして
「神山様 了解しました それでは1億8千万円をご入金ください
それで入会申込書を神山様のところへ6名様分お送りいたします その中に
㈱鈴や権田様 時田様の返信用封筒を同封させていただきます あとは
神山様から一括でも結構ですし個別でも構いません 神山様と他の方分の
返信用封筒を同封させて頂きます」
「やあ ありがとう では早速 送金手続きをさせて頂きます」

「まあ ゴルフ会員権を買うんですか?」