2013年7月7日日曜日

Vol.1093 百日紅 -4-65



7月17日 金曜日 曇り
神山は早い時間に出勤すると杉田とエレベーターで一緒になった
「先輩 おはようございます 早いですね」
「やあ 翔こそ早いじゃないか」
「ええ 催事課の仕事と両立って大変ですよ でも楽しいですよ そうそう
昨日 クリスタルに行ってきました」
「うん どうだった?」
「ええ オペレーターの方は梅崎さんと言いまして 凄いPCに詳しくて
大森社長も喜んでいました それで彼にわかり易い方法 PCに取り込み
すぐにサンドブラストできる方法など聞いてきました」
「へぇー よかったじゃないか」
「ええ なのでデザイン段階で相当細かい所を表現すれば 梅崎さんの
仕事が捗るって処です そうそうお中元 ありがとうございます
奈々子ちゃんが凄く喜んでいました」
「うん よかった そうだよな 縁の無い職場だし 頼むよ じゃ」
神山は次長室に入ると 洋子はまだ出勤していなかった
次長席に座ると 真由美に電話をした
「理事 おはようございます 先日はありがとうございます」
「うん ところで9月に美佳の披露宴があり そのパーティーに着るドレスの
採寸を今日のお昼にココで行います それで採寸に来てもらいたいんだ」
「えっ 美佳さんって あの美佳さんですか いいんですか 出席しても」
「うん そこは僕が何とかする 12時半にココに来て欲しい 場所は
泰子が知っているので 香織と一緒に来るように お願いします」
「はーい 分かりました では泰子さんと連絡をとって伺います」
「うん お願いします」
神山は電話を切ると香織に電話をした
真由美と同じ内容の話を伝え電話を切った

洋子が出勤してくるとドレスの採寸のことを伝えた
「わぁー みんなここに集まるわけね そうしたらお昼はどうされますか」
「うん うなぎでもいいでしょ お店に13時過ぎに伺うとキープして」
「はい 分かりました 12名位かしら」
「うん 多くて11名でしょ NNが3名だし お願いします」
洋子は直ぐにうなぎやに電話をして予約をいれた
神山はGOLのNNメンズをどのように展開するかスケッチに集中した
暫くすると泰子から電話が入った
「ごめんごめん すっかり忘れていました これからいきます」
「もう 下で待っていますね」
神山は洋子に断り 車に乗ると繊維協会が入っているビルの1Fで泰子を
拾い そのまま東京駅近くにある銀行に向った
「ねえ 神山さん 明日の面談ですが どんどんと増えてきてます
それで8月に廻す方向で良いですか」
「うん そうだお昼に他の協会の情報を聞こう それで面談日を決めよう」
「はい 分かりました ふふふ ドレスの採寸ですか」
「うん 真由美と香織は驚いていたけれどね まあ華だからさ」
「そうですね 楽しみです」
話していると銀行に着いた
係員の案内で書類に必要事項を記入し換金が終わると泰子は通帳を何回も
開き覗いていた
「これで多少だけれど 心に余裕が出来たね」
「ええ そうですね ふふふ」
「そうしたらお昼に真由美と香織を連れて僕の部屋に来てください」
「はーい 了解よ 楽しみです」
神山は繊維協会が入っているビルで泰子を降ろすと次長室に戻った

12時半になるとまず由紀枝 亜矢子 カトリアーナが次長室にきた
直ぐにニーナ・ニーナの祥子とデザイナー2人がきて 採寸を始めるので
神山が次長室を出たときに 泰子 真由美 香織がやってきた
Gプロの部屋に行くとお昼でみな不在で杉田の部屋では奈々子が一人だった
「やあ 一人だと寂しいでしょ」
「あっ 常務 いらっしゃい うーん でもお仕事に集中出来るから大丈夫」
「翔はどうしたの?」
「ええ 催事課でお仕事をしています」
「どうだい 翔の仕事振りは」
「ええ 優秀ですよ ふふふ 昨日 クリスタル大和さんに伺ったんです
そこでも 基本を学びたいって きちんと話をされていました」
「うーん なるほど」
「ええ デザインはその次で サンドブラストの基本が分からなければ
いくら良いデザインをしても 梅崎さんに迷惑をかけ いい商品は出来ない
って そう言われ熱心に大森さんの話や梅崎さんの話を聞いていました」
「うん 感心する いい方向性だね 間違っていないよ」
奈々子は神山がなんでこの部屋に来たのか不思議で聞いてみた
「ハハハ そうだね 今ね 女性のドレスの採寸をしていてね ははは」
神山は掻い摘んでドレスの話をすると