そのデザインはオリンピック種目をロゴで表現してあるものに杉田が
原型を壊さないよう デザインしクリスタルグラスに彫刻するデザインで
神山は何枚か見ていると
「翔 このデザインがいいね シンプルで判り易いし それに見た感じ
高級感が出ると思うよ コレクターなら欲しくなるよ それでこのロゴを
グラスの何処に入れるの」
杉田は今回は方向性を見て貰う為だったので そこまで考えていなかった
神山はロゴは一箇所にして その向こう側にはそのスポーツをしている
イメージを入れると分かり易く素敵なグラスだと話した
「翔 ほら大森さんのところに アルタのオペレーターが もう稼動して
実際にあの機械を動かしていると思うんだ なので たたき台のデザインを
早急に持っていって 彫ってみればいいよ それに彫り具合もこれだけだと
分からないから 下書きをどのようにすれば良いかも話してくれるかな
そこからだね その方向性が決まったら Gプロと相談をしながら
進めていくと良いと思うよ」
「はい 分かりました そうしたら納車が終わったら 早速伺います」
「うん そうしなさい」
神山は次長室に戻ると 警備室から電話があった
「常務 誠に申し訳ないのですが 実はお中元の最盛期の警備で 日中の
警備員が少し増えたんです それでお中元を取りに来て頂きたいのです」
神山は電話を切ると配送課で小さなコンテナを借りて警備室にいった
お中元の量はたいした事がなかったがそれでも警備員の仕事に差し支え
コンテナにお中元商品を積み込んだ
次長室に戻ると洋子が
「あら 今回は少ないですね」
「うん 先日処分したばかりだし まあ 警備員が増えたので置けないんだ」
神山はコンテナ半分くらいをダンボール5つに入れ替えると洋子に
「洋子 これを泰子のところに送ってくれるかな お願い それと
この分だけど 本社人事でさばけないかな」
「うーん 持っていって断られるのは嫌だし どうしましょう」
「そうだよな 分かった Gプロで何とかしよう」
神山はコンテナをGプロの部屋に持っていくと高橋が
「山ちゃん どうしたの 凄い量のギフトセットだね」
「ねえ 翔や奈々子ちゃんを呼んで みんなで分けて欲しい お願いします」
「へぇー 全部ですか?」
「おいおい 考ちゃん お願いしますよ」
「はーい でも今回だけですよ 以前の分がまだ残っているし」
「はい お願いします」
神山は高橋にお願いとお辞儀をして次長室に戻った
「洋子 お昼は何処に行こうか」
「そうね たまには角の餃子を食べたいな」
「そうだね 暫く行っていないね そうしようか」
神山と洋子が出かける準備をしている時に奈々子から電話が入った
「先輩 今 納車なんですが 立ち会って頂けますか」
「ちょっと待ってね」
神山が頷いているので
「良いわよ パーキングでいいのかしら」
「はい あのぉー印鑑だけでいいですか」
「ええ 大丈夫よ」
「では下でお待ちしています」
神山と洋子がビルの1Fで待っていると 翔と奈々子がやってきて
お辞儀をし挨拶をした
「よかったな 早くて」
「ええ でもドキドキしているんですよ」
神山と翔が歩いていると 女性店員達はお辞儀をして挨拶をしていった
この時期の13時は暑くて半袖姿のサラリーマンも汗を拭っていた
神山はパーキングに行くと日産の販売員が待っていて お辞儀をした
杉田は色々と説明を受け 納車証明に奈々子が押印をした
「さあ それではこのビルを廻ってきますね」
杉田と奈々子が乗車し 車を発進させると洋子が
「ふふふ 数ヶ月前の貴方と一緒ね」
「えっ なにが」
「だって 杉田君も目を輝かせていたわ」
「そうか でも 綺麗にシフトアップしているようだし 大丈夫だね」
「そうね」
二人が待っていると 運転を変わったのか奈々子が運転してきた
フェアレディーZを降りると奈々子は洋子に
「凄く運転しやすいですね ありがとうございます」
「よかったね 大事に乗りなさい」
杉田と奈々子は再び乗車するとホテルの地下駐車場に車を止めた
神山と洋子はそのまま中華料理店に入り 餃子や野菜炒めを注文した