2013年4月2日火曜日

Vol.997 紫陽花 -15-60



「大丈夫ですよ 今日からでも しかし杉田君が部長ですか
副社長も随分と思い切った事をされましたね もっとも山ちゃんで
慣れていますが ははは」
「それで理事 工事は内藤さんのところで 10日から入ります
お願いします」
「うん 了解です で どの位必要なのかな」
「ええ 棚なども設けますから 5m位ふかしたいんですが」
「ハハハ 図面を見てきたな そうすると空き部屋が無くなるじゃないか
もう隣の部屋との境界線だよ その数字は」
「ハハハ 前回のときにみて覚えておきました 今は隣の倉庫になって
いると思われますが 整理をしていただくようお願いします」
「そうすると 総務部長に話しておくよ 9日夜までに綺麗にするよう」
「ええ お願いします」
神山は話が終わると内藤に電話をした
「神山ですが 先ほどの件で 部屋の大きさが決まりました」
部屋の区切りを隣の部屋のパーテーションまで使える事が決まった事を
伝え 部屋の壁は天井まである事など注文をした
「分かりました そうすると区切りの既存パーテーションはそのままにして
部長席側に新規に壁を天井まで作るって事で良いですね」
「うん そうですね 棚を次長席のようにしその上を塞ぐようにすれば
新規の壁は必要ないでしょ」
「そうですね 分かりました そうしたら高橋に話しておきますので
後ほど現場を見させてください」
「はい 分かりました」
神山が電話を切ると時田が
「しかし いつも感心するが 仕事が速いな なあ西野君」
「ええ 本当ですよ いいですね副社長 いい部下をお持ちになって」
「ハハハ さあもう一杯」
時田は神山が褒められたので 気分が良く西野と奥村にブランデーを
注ぎ 自らもブランデーを口に含むと
「秋山君 なにかないか」
秋山は呼ばれると 直ぐに冷蔵庫から乾き物を用意した
「副社長 まだお昼ですよ 奥村さんや神山常務に失礼ですよ」
秋山は洋子と顔を見合わせくすっと笑った

「では 社長 失礼します ご馳走様でした」
「おお もう帰るのか?」
「ええ 現場を見る約束をしていますから 奥村課長はまだ大丈夫ですよ」
「ハハハ 奥ちゃんを置いていくのか 分かった」
神山と洋子が部屋を出ると たまたまエレベーターで本社総務部長の
堀田理事と会い
「神山常務 大変喜ばしい事ですね」
「お願いしますね 翔本人もやる気を出していますし 私自信の事でもあり
失敗が許されない事業です」
「はい 心得ています しかし神山常務の一件で驚いたのに 今度は杉田氏
ですからね 自身驚いていますよ いい先輩を持つと羨ましいですね」
「ははは 本人の努力も充分とありますよ 私は何もしていませんよ」
次長室に戻ると神山はGプロの高橋に電話をした
「やあ山ちゃん 部屋が広くなり部長席もできるって 内藤から聞きました」
「うん それで現場を見に行こうよ っても隣だけどね」
「了解です」
神山はGプロの部屋に行くと高橋と二人で隣の空き部屋を覗いた
「そうすると山ちゃんの言うように 隣とのパーテンションの所に新規に
造り付の棚を置いて バックに天井までのパネルを設ければ良いわけね」
「うん そうすれば次長室と同じように音も気にならないでしょ」
「で 部長席をどうするの 例えば、、、」
高橋孝一はスケッチブックに簡単なレイアウトをスケッチした
「うん それで 何も無いと落ち着かないから ほら外国のトイレのように
簡単な扉をつけようよ そうすればGプロから大きな声を出せばいいし」
「そうだね ってことはこの既存壁をそのまま残し 奥のほうを2000位
空けて そこに部長席の扉を設けるって方法でいいのかな」
「うん 開放は900で扉でしょ 一番奥は、、、うーん、そうだ考ちゃん
こうしよう 次長室と同じレイアウトにして ほらモニターが置いてある
あの位置を開放にすれば良いでしょ どうかな」
「はい 了解です すると出入り口も設けたほうが良いですね」
「うん 一応部長席だからね 扉はスイングにしてそうだな、、、うーん、
扉は曇りガラスとかで床から2000位で上はルーバーでどうかな」
「そうすると アクリルガラスで大丈夫でしょ 開口部は既製品の高さを
利用した方が早いと思うよ どう?」
「そうだね そうしよう そうするとスイングではなくて片開きで 施錠が
出来るようにしてください そうそう 扉の左右もアクリルガラスだと
開放感があって良いと思うけど どうかな」
「そうしたら この既存壁Gプロの壁を半分残して 後はアクリルガラスで
仕上げて 壁の真ん中あたりにドアを設けるって感じでどう?」





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