「私と亜矢子さんは 白っぽいのがいいわ でないと色に負けちゃうもん」
「えぇー そんな事無いですよ 素敵ですよ 例えば淡いブルーなんて
凄くお似合いですよ ねぇー由貴さん」
「ええ 亜矢子さんだって 淡い緑色なんて素敵ですよ
ほらゴルフの時 あの色も素敵でしたよ 大丈夫ですよ」
洋子は若い女の子の意見に従った
「さあ それではこれでドレスの話はお終い って事で解散しましょう」
神山は洋子と泰子にそれぞれタクシー代5万円を渡し泰子に
「じゃ 明日はお願いしますね」
泰子が頷くと 洋子にも
「2人をお願いしますね」
「はーい 分かりました 明日は少し早めに出て 東都を終わらせますね」
「お願いします じゃ」
神山は洋子と由貴 桃子を乗せたタクシーを見送ると 次に泰子の
タクシーを見送り 神山と祐子 カトリアーナは歩いてスタジオに戻った
スタジオに戻った神山はソファーで寛いでいると由紀枝から電話があった
「ふふふ ごめんなさいね」
「うん いいよ それより 大変な事が起きているんだよ」
神山は美佳と涼子の合同挙式や披露宴の事を話し 更にたった今みんなで
きめたドレスの話もすると
「わぁー 素敵ですね 嬉しいわ でも合同披露宴って凄いですね」
「うん 全員が僕の部下だから そんな訳さ」
「へぇー そうですか 凄い そうそう 私 実は今日ね
宝くじを買ったの ほら削るのあるでしょ」
「うん」
「そうしたら 元手が2千円で当選金が50万円よ 凄いでしょ」
「えっ そんなぁー 凄いね でも何処で買ったの」
「ええ 渋谷の駅前で買ったの 驚いたわ ふふふ」
「へぇー 大切に使いなさいね」
「はーい それで今夜は一人だったけれど 美味しいお肉でしゃぶしゃぶを
食べたわ 凄く美味しかった」
「ハハハ 食べ過ぎないようにね そうそう泰子のレッスン 楽しかった?」
「ええ なんで」
「うん 今夜もレッスンの話で盛り上がったから そうか そのうち
僕も本格的に教えてもらわないと 駄目だな うーん」
「ぎゃはぁー 大丈夫よ 泰子さん言っていたわよ
クラブが合っていないから そこの微調整だって」
「へぇー って事は 別なクラブを買いなさいって事なのかな?」
「ううん あれ以上のクラブは無いとも言っていたわ なのでスイングや
力の配分や 重心移動など言っていたわ ふふふ」
「そうか 分かりました」
「はーい 本当にごめんなさい」
「うん いいよ 早く寝なさい おやすみ」
電話を切ると ビールを飲干し冷蔵庫から缶ビールを出しグラスに注いだ
(しかし あの2人はどうしたんだろう ゲストルームに行ったきりで)
神山は心配になりカトリアーナが寝る事になっているゲストルームに
入ると 2人はシーツでドレスのデザインを考えていた
「嫌だぁー 見られちゃった へへへ」
「おいおい 分かったよ楽しいのは どうだい斬新なデザインが出ましたか」
「ねえ こんな感じってどうかしら」
カトリアーナが着ているドレスは正面は普通のカットだが 背中を見ると
大胆にもお尻まで切れていて Vカットになっていた
神山はカトリアーナに少し動き回るよう指示すると 凄く健康的な色気で
「うん それだけカットされていると ぞくぞくするね いいねぇー」
「でしょ 正面は普通のドレスより少しだけお胸のラインを見せて
その代わり 背中は思いっきりカットしたの」
「でもさ 9月の終わりだよ ノースリーブで寒くないかな」
「ふふふ なのでボレロって可愛い羽織る上着があるのよ」
「そうそう ボレロも背中を隠すようにデザインできるわ」
祐子は直ぐにシーツをイメージしたボレロ風にカットしてみた
「こんな感じよ どう 面白いでしょ ふふふ」
「はあ なるほど でも凄いね」
ボレロはドレスにちょこっと羽織るものだが 祐子がデザインしたのは
完全にドレスと一体化した ドレスの上着だった
「祐子にカトリアーナ そのデザインでいこうか」
「ええ でもみんなの意見を聞かないと ねぇーカトリアーナ」
「私は大丈夫だと思うけれど 祐子が言うように意見を聞いたほうがいいわ」
「分かった 近いうちにファッションショーでもするか?」
「わぁー 凄いわね」
しかし神山はこのデザインでドレスを作る事に決めていたので
「祐子 僕はこのデザインでいきたい なのでこれにしようよ」
「はーい 分かりました」
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