洋子は携帯電話で本社秘書室へ電話をすると 既に部屋に来ていると言われ
「それとね 洋子 寿司屋に早く行きたいって」
「はい 5時には銀座に戻れると思います」
「じゃ 帰ってきたら 連絡をくださいね もう うるさいのよ
イライラしていて 早く行きたいって そうそう時田さんも行かれるって」
「はい 神山に伝えておきます」
電話を切ると秋山と話した事を神山に伝えた
「はぁー 時田さんも一緒 了解です」
「ねえ そうすると どうするの?」
「うん 顔だしをして 洋子は残ってください 僕は車だから呑めないし
そのまま御殿場に入ります」
「そうね 分かりました 泰子さん大丈夫?」
「うん ちゃんと紹介するし 大丈夫だよ 機転も利くし うん
帰りの車の中で話しておきます」
「はい じゃ帰りましょうか その前におトイレ ふふふ」
洋子は泰子と一緒に県庁内にあるトイレに向った
銀座に着いたのは4時50分で 県庁からICまでに時間がかかった
洋子は早速秘書室に連絡をすると 5時に本社ビルの下で待つと言われた
「そうしたら 洋子は僕の車に乗っていけばいいよ」
神山は洋子に帰りのタクシー代と寿司屋の分で20万円を渡した
「神山さん 私の方にある軍資金で出しますよ 引き出し一杯だし」
「うん 分かりました じゃ このお金は今日のご褒美だよ ねっ」
洋子はニコニコしてもらうと 改めて軍資金を持った
「神山さん それから終わった後 加奈子と由実子の3人で呑みに行きます」
「おうおう そうか そうしたらその分も持って行きなさい いいよ
でも明日の朝 ちゃんとアテンドしてくださいね それから列席も」
「はい 呑み過ぎないようにします」
神山たち3人は蒼いBMWで本社ビルに行くと既に権田の車と時田の車が
待っていて 神山は挨拶をすると ゆっくりと走った
上原駅前寿司屋に着くと 女将が時田の顔を見て奥座敷に案内した
テーブルは2卓つなぎ 大きなテーブルになっていた
権田と加奈子が上座に着き 泰子 神山 洋子 時田 由実子と座った
女将が生ビールと鮮魚のおつまみとしめ鯖のおつまみを運んできた
神山が開口一番 挨拶をした
「社長 部長命課の為に上京してくださいまして 心から感謝しております
ありがとうございます それで本日ですが 御殿場の件で静岡県庁に伺い
OKを頂いてきました ありがとうございます」
「おお そうか それは良かった なあ時田さん」
「よかった 良くやったぞ山ちゃん うん」
「って 事で乾杯です」
みんなが生ビールを美味しそうに呑むと 神山も一口呑んで
「社長 実は私はこの後も別な現場に行きます 隣に座っているのは
繊維協会の纏めをしてくれている 引田泰子さんです さあ」
「神山理事の秘書をしています 引田泰子です こんばんわ
神山理事はこれから工場見学があり その為に私もお供します」
「はぁー 山ちゃん まだ仕事か」
「ええ なので しめ鯖をおつまみで包んでいただき 早々に退散です」
神山はこの後の事を余り聞かれたくなくGOLの詳細を説明した
「そうか 静岡県庁を見方につけてよかった うん ご苦労さん」
「それで 明日は朝早くから御殿場へ行きます なので杉田君の命課や
クリスタルのアテンドは洋子が全て行います 申し訳ございません」
「うん 体が幾つあっても 大変だな 分かった 一杯仕事をしてください」
神山は時計を見ると5時半を少し廻っていたので 女将にしめ鯖を
包んでもらい 洋子にアイサインを出した
「では 社長 副社長 退散させていただきます ご馳走様でした」
「おう 山ちゃん 車の運転 気をつけてな」
「はい ありがとうございます では失礼します」
神山と泰子は残った5人に丁寧にお辞儀をして寿司屋を出た
「さあ 遅くなったけれど これからだ」
「まあ そんな事無いですよ 一緒に居られるだけ幸せです」
神山は渋谷駅で車を止めると 駅前の宝くじ売場に行った
「どうしたんですか」
「うん 運試しさ さあ挑戦してみよう」
神山はスクラッチのくじを並べてもらうと 自然に手が動き
「うん これだ」
削ってみると なんと10万円当った
「さあ 泰子 僕の手を握って ゆっくりとくじの上を探ってご覧」
泰子は半信半疑で手をくじの上に差し出すと 一枚の上で動きが止まり
削ると 5万円当った
「ようし そうしたら 泰子の3サイズ教えてよ その番号で買うから」
泰子は少し照れながら神山に伝えると 神山くじを売っているおばさんに
番号を伝えた