「そうすると 今夜 社長のアテンドだな どうするか、、、」
「私が 早めに帰ってきて 6時ごろ上原では如何ですか」
「うーん 竹内さんに電話をして30分くらい早めてもらおう」
神山は静岡県庁内にある御殿場プロジェクトの竹内に電話をした
「ええ 大丈夫ですよ では1時半にお待ちしています」
神山は電話を切ると直ぐにアルタの高橋に電話をした
「考ちゃん 悪いけれど 竹内さんのところ1時半に変更です」
「了解です 30分早くなるわけですね」
「うん 申し訳ない」
神山は暫く考えた後 ここは泰子に犠牲になって貰うしかないと思い
「洋子 そうしたら ここを少し早めに出て行こう いいね」
神山は泰子に電話をして 30分くらい早めに来るようお願いした
「あのぉー 泰子さん 大丈夫かしら」
「ハハハ 昨日の感のよさは実感したでしょ 第一 秘書だよ」
「そうですね はい ごめんなさい」
「おいおい 元気を出して すんだ事だよ それより 今後の最善策を
考えてください お願いしますよ 特にクリスタルは重要なんだ いいね」
「はい ごめんなさい」
神山は竹内との打ち合わせ用の資料に目を通し漏れを確認していると
Gプロの内野誠二が部屋に入ってきた
「神山副社長 この度はありがとうございます」
「ああ 大丈夫だよ 安心してください 敷かれたレールだが
ひとつここはレールに乗ってください こちらからお願いします」
神山が頭を下げると 内野誠二は俯き泣いてしまった
「なあに 男なのに もう しっかりしなさい ほら」
「田所さん ありがとうございます 本当に嬉しいんです」
「ばかね でもよかったわね ゴールインできそうじゃない」
「はい 本当にありがとうございます 先ほど内藤社長からも 励ましの
お言葉を一杯頂きまして もう心臓が破裂しそうです」
「ハハハ そうか じゃもう池ポチャはなくなるな」
この言葉で 内野誠二は漸く神山と洋子をみて涙顔で頷いた
「わかった そうしたら涼子さんを大切にな なんといってもARXの
社長秘書さまだからね 大変だよ そこは分かっているね
勤務時間は不規則だし 休みも不規則だし いいね」
「はい 了解しています ありがとうございます では失礼します」
内野が部屋を出て行ったときに神山は洋子に
「ねえ 内野君も連れて行こう」
「えっ、、、」
「うん 竹内さんところだよ だって彼だって課長代理だろ 少し
修羅場を経験するのも良いんじゃないか どうだろう」
「そうね いい考えだわ 説明などは高橋さんが行うわけでしょ
それに佐藤部長もいるし 聞いているだけで勉強になるわね」
神山は頷いて聞いていたが 実際は内野に説明させるつもりでした
「内野君 緊急で悪いが これから静岡に行く 準備をしてください」
「えっ 私が静岡ですか だって部長や高橋さんが行かれてますよ」
「内野君 副社長命令です 10時半にここにきて下さい
それから今までのデザインも準備して 良いですね」
内野誠二は副社長命令と言われ 驚きながら出かける準備をした
神山は内藤に電話をして
「ハハハ いいですよ 内野君もいい勉強になるでしょう
またとない 絶好のチャンスですよ お願いします」
電話を切ると洋子が
「そうなのね もう出来ている所で内野君の更なる説明って訳ですね」
「うん 多少危険は覚悟しています でもその時は僕がフォローをして
現場の部分では考ちゃんがフォローをするって段取りです」
「いいわね そうやって育てていくんですね 勉強になります」
「うん いきなりって難しい 特にデザインではね そこで自信を
つけたり 駆け引きだったり勉強する所を与えるわけです」
「そうね いい勉強になりました やっぱりあなたね 普通じゃないわ」
「おいおい おばけじゃないぞ」
神山は次長席で持っていくデザインを整理していると泰子が来た
「やあ いらっしゃい」
「わぁー 素敵なお部屋ですね 直ぐに分かりました」
「さあ じゃソファーで少し待っていてね」
神山はニコニコしながら冷蔵庫からコーヒーを出しグラスに注ぐと洋子が
「まあ 随分と優しいのね もう 私にもそうして欲しいわ ふふふ」
泰子がコーヒーを飲んでいると内野誠二が部屋に来て 泰子に挨拶をした
「あっ 私 神山理事の秘書をしています引田泰子です」
「あっ 僕は アルタの内野誠二です」
「さあ そうしたら 行こうか」
神山は部屋に忘れ物が無いか確認をしてロックすると 駐車場へ車を
とりにいきビルの外で待つ3人を乗せた