2013年4月26日金曜日

Vol.1021 紫陽花 -16-61



「泰子 そうだな まだ時間があるから 熱海でも宝くじを買おう」
そう言うと 熱海駅のロータリー脇に駐車をして いつもの宝くじ売場へ
いくと おばさんが覚えていて
「いらっしゃい」
とニコニコした顔で迎えてくれた
「まずは スクラッチからだよ いいかい」
神山は神経を集中すると 手の動きが止まった宝くじを削った
「ほら 5万円も当ったよ」
「ほんと 凄いわね じゃ 私ね」
泰子は神山の手を握ると同じように 宝くじの上で手の動きが止まった
削ってみると10万円が当った
「わぁー 凄い 本当だぁー」
「でもね 泰子 この事は誰にも話しては駄目だよ いいね 当った事や
僕が赤いTバックショーツを穿いている事もだよ」
「大丈夫よ そんなぁー 信用して そうしたら宝くじを買いましょうよ」
「おいおい 昨日買ったじゃない」
「うん でもいいでしょ」
神山は昨日と同じ様に3サイズを番号にして おばさんに告げると
「うん 連番であるよ」
神山は2000円を払い 宝くじを泰子に渡した
泰子は宝くじをみて
「あらっ これって東京と違うわ」
「ああ その宝くじは 地方冶自体の宝くじさ でも当ったら東京でも
換金してくれるよ 大丈夫だよお嬢さん」
泰子は頷いて バッグに入れると神山と腕を組んで車に向った
蒼いBMWは小田原から北上し 東名高速に入ると直ぐに御殿場ICに着き
亜矢子と待ち合わせの駅前寿司屋に向った
まだ約束の10時には時間があったが 駐車場に車を止めると 見かけた
マーチが入ってきた
「やあ 亜矢子 おはよう」
「あら 早いのね おはようございます あのぉー」
「うん こちらは繊維協会の纏めをしてくれている 引田泰子さん
こちらが 桜川亜矢子 お仕事でお友達です はい」
「まぁー 私が知らない間に 本当にもう ふふふ でお幾つ?」
「はい 25です 由紀枝さんと先日お会いし話をさせて頂きました」
亜矢子は経緯が分からないので 神山に説明を求めた
神山は由紀枝と泰子は学生時代フランス語大会などで知り合った友人で
祐子や由貴 桃子なども知っていると説明した
「へぇー そうなの で 神山さんの秘書?」
「ええ なので今日は洋子秘書の代理でこちらに伺いました」
「えっ 洋子さんの代理?」
「ハハハ 冗談だよ 泰子 こらっ 駄目だよびっくりするよ」
「もう 初対面で驚かせないで ふふふ でも由紀枝さんに似ているわね」
「ありがとうございます 亜矢子さんも洋子さん そっくりで綺麗ですよ」
「もう はい ありがとうございます ふふふ 楽しいわね」
「うん ゴルフの腕前はピカイチだよ 僕も負けた ははは」
「えっ あなたが負けたの スクラッチで?」
「うん 負けた ははは 今度教えてもらうよ 泰子お願いね」
「へぇー 私も教えてね お願いします ふふふ」
「なので カトリアーナや由貴なんかも仲間だし 桃子ちゃんとは
双子の姉妹みたいに いつもきゃぁーきゃぁーと騒いでいるよ ははは」
「へぇー 桃子ちゃんて あのくるくると目が可愛い子でしょ」
「うん ほんと何が楽しいのか ねぇ泰子」
「もう 神山さんて 嫌い そんなことばかり言って 本当のこと話すから」
「おいおい なんだよもう」
「だって 私をそんな苛めるんだもの 亜矢子さんに話そうかなぁー」
「おいおい 何を話すんだよ」
「ふふふ 我慢できなくて 発射したでしょ それも2回や3回じゃなく
もっと一杯 ふふふ どう」
「わかった ごめんなさい もう言わないから やめてくれ お願いします」
「でしょ 折角バージンを提供したのに もう」
「貴女も バージン提供者なの、、、」
「そうよ 桃子ちゃんだってそうだって 言っていたわ」
「へぇー そこまでは知らなかったわ 神山さん 駄目よ苛めちゃ」
「はい ごめんなさい 泰子 もう言わないから 勘弁してね」

3人が話していると 不動産屋の車が駐車場に入ってきた
「おはようございます 神山様 桜川様」
「おはようございます 社長」
建設会社社長の勝又は部下に大きなスケールモデルを持たせ 寿司屋の
裏手に入っていくと 女将と挨拶をしていた
神山たちも 後についていき 離れに入った
「やあ 女将さん 申し訳ないね ありがとう」
「いいよ どうせ空いている時間だから」