赤坂スタジオ
神山は突然の電話で 浴室から出た
「ねぇ ごめんなさい 遅くに」
「うん 大丈夫だよ」
「あのぉー 私が忘れていました 先に謝ります」
「おいおい どうしたの?」
「ええ 9日の夕食ですが 権田社長と上原のお寿司屋さんなんですよ」
「えっ あーあ そうか思い出した そうだね うーん って事は 翌日
たしかクリスタルだろ 困ったなぁー」
「そうなんですよ」
「うん 分かりました 銀座店の儀式が終わったら権田さんをクリスタルへ
連れて行ってください 翔には悪いが こちらの方が先決だ いいね」
「貴方はどうするの?」
「うん 僕は上原にいきます そこで 静岡辺りで時間を聞いてください
時田さんも一緒だけど 僕は車だといって呑めないから 寿司屋で
説明をしますよ そうだったね ありがとう」
「そうしたら 車は1台でいいのかしら?」
「ううん 2台でいく 泰子も連れて行く なので静岡が終わったら洋子は
先に銀座に戻って 情報収集をしてください アテンドもお願い 僕は
直接上原に向います お願いします」
「はーい 了解です ほんと忘れていてごめんなさい」
「うーん 仕方がないよ でも思い出してくれてありがとう」
神山は泰子に対し 心の中で謝った
大切な時間帯に 食事や入浴など一緒に出来なくさぞがっかりすると思い
埋め合わせの旅行を直ぐに実行できるよう考えた
神山は直ぐに内藤に電話をした
「やあ 山ちゃん どうしたの 遅くに」
神山は10日のスケジュールがどうにも動かせなくなり 杉田の儀式に
洋子も出席できない事を伝えると
「へぇー 大変ですね 権田さんが部長昇進で出席ですか はぁー」
「で 10日の午前中にクリスタルに伺うようになっているんです
私もすっかり忘れていて 洋子から今聞いて しまったと、、、」
「ハハハ やっぱりスーパーマンじゃないですね 人間でよかった
大丈夫ですよ 杉田さんの事は こちらで面倒見ますから しかし
権田さんがクリスタルに興味を持たれるなんて へぇー」
「ええそうでしょ しかし私は同行できないので 洋子に行って貰います」
「山ちゃんも忙しいですね」
「ええ 実は過日お話をした友人の家を建築する件なんですよ」
「ああ あの話ですね 覚えていますよ」
「ええ それで土地購入も立会い こんどはうわものの立会いなんです
なので どうしてもそちらを優先したいんです」
「そうですね 分かりました 気をつけて運転してくださいね」
「はい ありがとうございます では失礼します」
神山は電話を切ると洋子に電話をした
「内藤さんに分かってもらった よかったよ」
「本当にごめんなさい 忘れていました」
「うん いいよ もうすんだ事だし それより明日にでもクリスタルに
電話をして 10日午前中に社長が伺う事を伝えてよ その方が大事だ」
「そうですね 分かりました」
「それで 帰りは確か13時の新幹線でしょ 違ったっけ」
「ええ そうです」
「そうしたら クリスタルの帰りに上原によってお弁当を包む うん
しめ鯖が美味しかったら おつまみも用意するようにしてくれるかな」
「そうですね 分かりました でもあそこってそんなに早く開いている?」
「ははは 11時には開いているよ だからクリスタルの帰りに寄れば
大丈夫だよ そうだ明晩伺った時に 注文しておけばいいよ ねっ」
「あっ そうね 美味しかったら 残してもらえばいいものね」
「うん 忘れないようにお願いします では」
「はーい ごめんなさい おやすみなさい」
「うん お休み」
神山はその後 ベッドでカトリアーナと祐子を相手に何回も交わった
7月9日 木曜日 快晴
神山は前日の事が気になり早めに出勤をした
次長室に入ると既に洋子がきていて 仕事をしていた
「あなた 本当にごめんなさい」
「ははは いいよ もうすんだ事だ それよりクリスタルには電話をした」
「ええ 大森社長が凄く喜んでいました」
「うん よかった ではクリスタルの方はお願いしますね」
「はい それから東都ですが 頂いてきました」
「えっ 早いね ありがとう 洋子が持っていて下さい」
「あのぉー もう 引き出しに入らないです」
神山は東都食品の軍資金を受け取ると造り付のロッカーに入れた