2013年4月17日水曜日

Vol.1012 紫陽花 -16-61



赤坂のスタジオに着くと神山は洋子が運転するフェアレディーZをだし
「じゃ 洋子 内野誠二君とドライブしてください」
「あのぁー 真紅のポルシェじゃ だめ?」
「いいよ 向こうに乗る?」
「うん あの方が ほらトルクがあるし ふふふ」
「分かりました」
神山はフェアレディーZをガレージにしまうと 真紅のポルシェをだし
「では お願いしますね」
「はーい」
神山の蒼いBMWには助手席に泰子が座り 洋子の運転する
真紅のポルシェには内野誠二が助手席に座った
祐子から聞いていた 庭の掃除をする職人達が神山にお辞儀をした
「じゃ 祐子 お願いしますね」
「はーい 行ってらっしゃい」

神山と洋子はスタジオを出ると直ぐ傍にあるガソリンスタンドで
ガスを満タンにすると 首都高に入り東名まで走った
幅が狭い首都高では洋子の真紅のポルシェに動きは無かったが
東名に入ると神山の蒼いBMWを抜きたいのか 時々パッシングし
神山もわざと抜かせ 先に行かせると 凄いスピードで走っていった
御殿場をもう少しという処で真紅のポルシェの左ウインカー点滅した
神山も左ウインカーを出し サービスエリアに入った
洋子の真紅のポルシェから内野誠二が飛び出しトイレに駆け込んだ
「おいおい どうしたの 洋子」
「うーん おしっこだって もう 男なのにねぇー 泰子さん」
「ふふふ 私は楽しかったわ 大丈夫でしたよ ぜんぜん」
「ここって 足柄だろ まだ半分も着ていないよな 大丈夫?」
「ふふふ 大丈夫でしょ 多分 でもね さっき大変だったのよ
もう 漏れます お願いします スピードを緩めてって それで
どうしたと思う」
「うーん」
「おちんちんの根元を掴んで 我慢していたわ 私笑えなくなったけど
車を汚されるのは 嫌いだから 頑張ってねって それで寄ったの」
「はぁー そんな苦労があったんだ へぇー」
泰子は冷たい缶コーヒーを4つ買ってきて 神山と洋子に渡し
「洋子さん これ内野さんの分 後で渡してくださいね」
「まあ 優しいのね 分かったわ」
神山は自身と洋子の車の運転に関して何も言わないのが不思議だったが
あえて聞こうとしなかった
3人でコーヒーを飲んでいると内野が変な格好で戻ってきた
「おいおい どうしたの 変な格好をして」
「ええ 少しだけもらっしゃったんです ごめんなさい」
「ははは 大丈夫だよ 外からは分からないよ」
この時泰子が
「だらしないわね 男でしょ もっとしっかりしなさいよ もう」
この言葉に内野だけでなく 神山と洋子も驚いた
「ごめんなさい はい」
「ねえ 本当に大丈夫なの 車を汚したら大変よ」
「うん 大丈夫」
「うん じゃ 車に乗ってもいいわ ねぇー洋子さん」
振られた洋子はきょとんとして泰子をみて
「そうね これからはもっと早く言いなさいね」
「駄目よ そんな 出すもの出して それで乗りなさい いいわね」
この言葉にも神山と洋子は驚いた
「はい もう全部出してきました 済みません」
泰子は勝ち誇った感じではなく 子供をあやすように
「正直に話すのよ いいわね でないと周りが迷惑するの いい」
「はい 分かりました ごめんなさい」
神山と洋子は顔を見合わせ アイサインで車に戻り発進させた

「泰子 さっきの一言 聞いていてこちらが怒られているようだった」
「ハハハ まぁー でも 当たり前のことでしょ」
「うん まあ でも初対面だろ それに内野君の方が年は上だし」
「まぁ 神山さんらしくないお言葉ですね 私 がっかりです
年や経験なんて 同じステージで関係ないでしょ 特に男と女って」
「ハハハ ごめん そうか その部分での話ですね 大好きですよ
僕自身も 男女の区別や年齢って関係ないし 仕事が出来る人が大好きで
特に 僕の波長に会う人は超大好きですよ ははは」
「ふふふ そうでしょ SEXだけの結びつきじゃないって分かっています
みんな 素晴らしいわ だから私もお友達になれて嬉しいわ ふふふ」
神山は後ろの洋子を見てみると 異常が無いみたいなので
わざと 左のウインカーをだすと すかさず抜いていった

「ねえ 本当に大丈夫 この車 神山副社長の個人の車よ」