「いいわよ それで真紅のポルシェは先ほど戻しておいたわ」
神山はタクシー代と祐子と食事代10万円渡した
「祐子さん 知っているの?」
「うん さっき電話をした お願いします」
洋子は催事課の杉田に電話をすると 直ぐに次長室に来た
「神山常務 本日付けで販売促進部 専門部長になりました
アルタでも専門部長になりました ありがとうございます」
「おお よかったね でも催事課がなくなったね 洋子どうして」
「ええ 例のクリスタルの件があるので対外的なところを配慮したと」
「へぇー 販促部の専門部長ねぇー へぇー 聞きなれないな」
「まぁー 貴方だって聞きなれない 次長常務じゃない ふふふ」
「まあまあ 杉田君 どうぞ」
神山は杉田をソファーに勧めると 洋子にビールを催促した
洋子は泰子の分も考え グラスを5個用意し ビールを注いだ
「では 改めて おめでとう よかったね 乾杯」
杉田が一口ビールを呑むと 神山は次長席の引き出しから 現金の包みを
2つ取り出し 杉田に渡した
「あのぉー 先ほど洋子理事から頂きました」
「はははあれは洋子からさ この分は僕の分だ 受け取らないなら仕舞うよ」
杉田は慌てて 自分の席の方に移動し
「ありがとうございます 感謝です」
「そうそう 各理事の挨拶は終わったの 洋子?」
「えっ、、、まだです」
「おいおい 権田社長直々の命課だろ 理事の挨拶忘れて困るな」
洋子は直ぐに本社秘書室に電話をして 杉田が理事へ挨拶する事を話すと
「そうね 神山常務の言われる通りね ごめんね洋子 気が付かなくて
早速 各理事に用意するよう指示をします それで常務はいくら」
「ええ 大きい包み2つです」
「えっ 大きいの2つも って1千万円?」
「ええ そうです」
「そうか じゃ一つでいいわね」
「ええ ごめんなさい お願いします」
「この時間だったら 全員いらっしゃるわ 直ぐに来れるのかしら」
「ええ 今 常務とビールを呑んでいるので 30分くらい後です」
「ねえ 時田さんのところは?」
「そうかぁー そちらが先ね ごめんなさい」
「もう 洋子 どうしたの」
「そうしたら 30分後に時田さんのところに伺います お願いします」
「はーい今 売場に出かけているから 30分後戻ってくるよう伝えます」
「ごめんなさい」
「洋子 昨夜 呑みすぎでしょ 結構 はしゃいでいたもの」
「ふふふ ごめんね じゃ」
「おいおい 洋子 どうなったの?」
「ええ 時田副社長の挨拶もしていませんでした ごめんなさい」
「そうか 分かった そうしたら時田さんが先だ いいね翔」
「はい 先輩 大丈夫です」
杉田はビールを呑むと 席を立とうとしたので神山が制止し
「おいおい向こうはまだ準備中だ ほら呑みなさい 洋子も注いであげて」
泰子がこの時杉田に
「ふふふ 頑張ってくださいね でも頼もしい人ですね 神山理事」
「うん?」
「だって 副社長に挨拶したり理事に挨拶するのに
お酒を呑んで行くんでしょ 普通じゃ考えられないもの」
「ははは そこだね 催事課はどんな時でもしゃっきとしているわけ
お酒は お仕事の一環です 僕もそれで育ったし それで常務になった」
「へぇー 格好いいですね 杉田さん神山理事のように 偉くなってね
影ながら応援をしているわね ふふふ」
杉田は褒められた事で ビールが進み顔が少し赤くなった
神山はそろそろ時間が良いと思い 杉田を連れて時田に会いに行った
行き交う社員が神山を見つけると挨拶をしたが 杉田には丁寧に
お辞儀をしながら挨拶をしていった
「おう 翔 凄いな みんなお辞儀をしていくぞ」
「ハハハ 最初だけですよ うん」
神山は少し大人になった杉田を見て頼もしくなった これならアルタと
クリスタルグラスのデザインを任せても大丈夫と感じた
副社長室に入ると時田が
「おーう 漸く来たか杉田君」
「はい 気が付いたらこの時間でした 申し訳ございません」
杉田は自分が忘れていた事にし 深くお辞儀をして謝罪した
「うん いいよ それより呑んできたか?」
「はい 神山常務にお祝いビールをたんまり頂きました」
「おう そうか 山ちゃんから祝い酒か おーい秋山君 準備だ」