それからだね その時はお願いしますね」
「えっ 何を?」
「ははは 運転さ」
「ああ はーい 分かりました」
その話を聞いていた高橋孝一は
「山ちゃん そうすると 僕らも行かないといけないよね」
「当然ですよ なんで?」
高橋孝一は以前 神山や洋子の運転で怖い思いをしているので
「そうしたら 今夜から静岡に入ってもいいかな?」
「ははは そうか うん 良いですよ 部長も一緒にね」
神山は次長席に戻り引き出しから現金20万円を出すと高橋に
「考ちゃん これで今夜 美味しいものでも食べてよ そうそう
何かあるか分からないから 携帯はお願いね」
高橋は神山から現金を受け取ると
「了解です いつもありがとうございます 早速部長に連絡しますね」
「うん 詳細は今夜か 明日にでも連絡します このスケッチやデザインは
全て持っていってくださいね お願いします」
高橋孝一は神山に言われたものを全てデザインバッグにしまうと部屋を出た
次長席に戻り 明日の計画を練っていると ビトロ売場から電話が入った
「神山常務さまですか こちらはビトロですが 今 庄司様が
お見えになっています お電話を代わりますね」
「はい」
「ふふふ びっくりした 由紀枝でーす お買い物に来ちゃった」
「ハハハ いいよ 直ぐに行きます みんなはどうしたの」
「驚かないでね みんな一緒よ」
「えっ そんなぁー そうか 分かりました」
神山は電話を切ると バッグに商品券を1千万円分入れて
「洋子 これから買い物にお付き合いをします 一緒に来てくれる?」
「はーい みんな一緒なのね いいわよ お金は?」
「うん 一応1千万円は持ったけれど」
「じゃあ 私もその位持って行きますね」
「ははは お願いします」
ビトロの売場に行くと由紀枝 由貴 祐子 泰子 カトリアーナたち
5人の美女が神山を待っていて
「わぁー 洋子さんも一緒だぁー 楽しいね ねぇー泰子さん」
5人は神山と洋子を見つけるときゃぁーきゃぁーとはしゃいだ
「わかったよ 静かにね それでなくても目立つ美女なんだから もう」
「ふふふ 神山さーん どうしたの 元気が無いわよ そうか
昨夜も降参して 今朝も降参だものね ねぇー祐子さん」
「そうそう もう駄目だぁー 降参だぁー ぎゃはぁー」
「おいおい こらこら 人が聞いているよ もう」
「そうね 少しは小さい声でお話をしましょうね」
そう言っても 若い彼女達の話は何が楽しいのか 自然に大きな声になり
直ぐに大きな笑い声が売場に響いた
売場課長が鼻の下を伸ばし神山に近づき
「常務 素敵な女性達ですね 今日は何を」
「ははは 僕は分からないよ それより課長に相談する事は無いので
ここは引き上げて ご自分の仕事をしてください 良いですね」
売場課長は神山に釘を刺されると しぶしぶと事務所に戻っていった
カトリアーナが婦人靴をみて
「ねぇー 由紀枝さん知っている この靴ってね 凄く履き易いんだよ」
言われた由紀枝と祐子は早速履いてみると
「ほんと カトリアーナの言うとおりだわ でもなんで?」
「このメーカーのシューズ部門って パリでは有名なんだ」
「へぇー 知らなかったわ じゃ私 このパンプスとサンダルがいいなぁー」
由紀枝と祐子が履いているシューズは何足も在庫が無くて
「じゃ じゃんけんね いいでしょ 祐子さん」
「ええ じゃ ほしい人 じゃんけんよ ふふふ」
高級な毛皮小物を扱っている売場で 美女5人が和気藹々と楽しく
じゃんけんをしていると 廻りの売場から見学者が出てきて神山が
「ほらほら 静かにじゃんけんだよ 周りの売場が商売できないってさ」
由紀枝と祐子はごめんなさいをして しかし大きな声でじゃんけんをした
パンプスは由紀枝 祐子 洋子でサンダルはカトリアーナ 泰子 由貴と
丁度みんなに商品が行き渡った
会計は洋子が商品券で済ませたが 彼女らはまだ購買意欲があり
由紀枝やカトリアーナはみんなを先導するように売場を廻った
カジュアルファッションの売場に行くと 5人の容姿は際立って目立ち
売場の男性社員だけではなく 買い物に来た女性客も足を止め 彼女達を
見ていた
5人は特に由紀枝やカトリアーナは高額商品でも ブランド名の認知度など
ではなく 縫製や生地などを見ながらジャケットなどを購入した
売場係長が神山に
「常務 ありがとうございます あのブランドはまだまだマイナーですが
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