2013年3月12日火曜日

Vol.976 紫陽花 -14-59



「そうよ 羨ましいわ」
「2位 僕です 73で廻りました ありがとうございます
商品は30分の昼寝です」
3人の女性は 大笑いして ビールを追加した
「なんと 3位が2名います 香織さんと真由美さんでーす おめでとう」
神山は商品券100万円分入った封筒を2人に渡した
「さてと 香織さんと真由美さんはマイナス4300円お願いしますね」
香織と真由美は4300円ずつだし神山に渡した
「はい 泰子さん プラス4500円です 残りは僕です」

「しかし泰子 凄くいいスコアだね」
「駄目よ 課題がはっきりしたけれど 3つオーバーだわ それより
神山さん 73って廻った事あるの?」
「ハハハ 初めてさ でも泰子同様課題が分かったよ うん」
泰子と神山がいいスコアで廻った事で 香織と真由美は
「あーあ いいなぁー 私も練習だわ 絶対に90切るから」
「私も切るわ だって同じクラブで 20違うって悔しいもん」
神山は頷き
「そうそう 練習をしなければ いいスコアは出ないよ 練習だぁー」
「そうよね 神山さんのスイングを見ていると 昔一生懸命練習したって
そんな感じよ ただタイミングがあのクラブに合っていないのね
そこだけだと思うわ 大丈夫よ あと4つ少なく出来るわ」
「ハハハ コース限定でね」
話が盛り上がり 夢中になっていると泰子が
「ねえ そろそろ帰りましょうよ って言っても神山さんのお休みタイム」
「そうね そうしましょう どこで寝るんですか」
「うん 車で寝ます」
神山は泰子に10万円分のギフトカードを渡し
「これで ここの精算をお願いします ゴルフの今までの分は全て精算し
残っているのは この分だけだから 充分に足りるよ
そうそう 30分のあいだ 呑んでていいからね
そうだ 泰子 30分したら精算をして 車にきて下さい」
「はーい 分かりました そうします」
神山はそう言うと3人に手を振って 車に向った
時計を見てみるとまだ3時半なので 渋谷には5時前に着く計算になる
泰子の予定も聞いて見なければいけないが 不動産屋にいき部屋を決めても
良いと思っていた

「神山さーん 起きてください 30分経ちましたよ」
神山は車の外で 誰かが起こしていると思い目を覚ますと 3人の女性が
ドアのところに並びニコニコとした顔で神山を見ていた
「やあ ありがとう では帰りますよ さあ乗って」
神山は缶コーヒーを飲み頭をスッキリさせると ゴルフ場を後にした
東名高速に入ると神山は香織と真由美に
「悪いけれど 渋谷駅で良いかな」
「ええ 大丈夫よ」
3人の女性が答えたので神山は泰子に
「泰子 そうしたらこれから部屋を探しに行くよ 今夜の予定は?」
突然言われた泰子だったがニコニコして
「ええ ありがとうございます 大丈夫ですよ」
「よし 決まった って事で泰子とお部屋探しをします」
香織と真由美は驚いて
「随分と急な話ですね」
「本人は以前から引越しを考えていたそうだ しかしチャンスが無く
今回 思い切って引越しってわけさ」
「へぇー 泰子さんそうだったの 全然知らなかったわ」
「ごめんなさい 神山さんが一緒に探してくれるって言われたので
前々から都心に近い方が何かと便利だし 考えていたのよ」
「そうね 都心の方が便利よね」
話していると 渋谷ICに着き 渋谷駅前で香織と真由美が車から降りた
「じゃ また書留が着たら 教えてください お願いしますね」
「はーい 寂しいから誘ってくださいね」
「分かった そうそう泰子 キオスクで不動産情報誌を買ってきて下さい」
「はーい では買ってきますね」
3人で駅まで行くと 泰子は二人に手を振り キオスクで買い物をして
車に戻ってくると神山は
「そうしたら ホテルのティーラウンジで作戦会議をしよう」
「はーい 分かりました」
神山はシブヤ ハイアット ホテルの地下に車を止めると 最上階の
レストランに入った

不動産情報誌をめくってみると 代々木公園傍のマンションが掲載され
間取りは25畳のLDKと15畳の寝室 10畳の浴室とトイレで
「泰子 ここいいね テラスも広いし どう」





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