2013年3月4日月曜日

Vol.968 紫陽花 -13-58



「でしょ だったら今夜は諦める?」
「うん その方が泰子に怨まれないわよ だってバージンでしょ」
「うん 私 可笑しいと思った事があるんだ 話が合わないのよ」
「そうそう 私のときもそうだった 何か探る感じだった
でもこれで 疑問が解けたわ 納得したわ」
「そうしたら 今夜は泰子に華を持たせて 次回にする?」
「ええ その方がいいわ 泰子だってヤキモキして待っているでしょ
可哀相よ 同じ仲間だし そうしよう」
「じゃ これからラウンジにでも呑みに行こうか」
「ええ そうしましょう」
香織と真由美は神山の電話のあと直ぐに部屋を出て ラウンジに行った

神山はそんな事を知らずに香織と真由美の部屋に向いながら考えた
(なぜ由紀枝との仲が分かったんだろう 参ったなぁー)
部屋に着くとベルを鳴らしたが応答が無いので ドアを叩き香織を呼んだ
それでも返事が無いので どうしたものか考えていると由紀枝が
見回りで神山に近づいてきた
「あら あなたどうしたの?」
「あっ 由紀枝 うーん ここに御呼ばれしたんだが、、、」
神山は掻い摘んで話をすると由紀枝は
「もう 分からないの 多分ラウンジで飲んでいるわよ もう」
「そうかな」
「そうよ だって私だって同じ事をするわよ 折角の時間でしょ
でも いい人がまた増えたんだ」
「ごめんね」
「もう 貴方が誤らなくてもいいのよ 女が決めたんだから そうでしょ」
「うん そうなんだ あーあ どうしようかな」
「もう 早く泰子さんのところに戻って 幸せにしなさいよ
それがバージンを頂いた男の役目でしょ 分からないの もう
私だって寂しいけれど お仕事頑張っている貴方に何も言わないでしょ
それは 貴方がみんなを大切にしていると思うし 私は 貴方しか
思っていないから お仕事に集中しているの ぶらぶらと遊んでいる
男だったら とっくに別れているわ 洋子さんや祐子さんを
ある部分幸せにしているわけでしょ 我慢しているのよ」
「ごめんなさい わかった 直ぐに戻ります」
「もう しっかりして」
由紀枝は周りを見て 神山の唇にキスをした
「あーあ スッキリした 勤務中にキスをしちゃった ふふふ」
「由紀枝 近いうちにゴルフに行こうよ 泰子も一緒だ どう?」
「はーい もう連休取れるから いつでもいいわよ ただし金土と
祝日前の日曜日は忙しいから 連休は取れないわ」
「分かった 人数が多いから 洋子もつれてくるよ」
「わぁー そうすると 桃子さんや由貴さんも入るのね」
「うん だからこの間のように6時上がりで翌日休みって出来る?」
「ええ 全然大丈夫よ 楽しいなぁー 決まったら早く教えてね」
「うん 今回は僕のお友達だけにするよ」
「ぎゃはぁー そうするとベッドが大変ねぇー わぁー 凄いなぁー」
「ははは ゴルフだろ もう由紀枝は じゃ戻るよ」
神山は由紀枝にキスをすると泰子の待つ部屋に歩いていった
由紀枝は各部屋の戸締りなど 点検する為に反対方向に歩いていった
神山が突然由紀枝に
「由紀枝 香織さんの部屋にメッセージをお願いします」
由紀枝は直ぐに神山のところに近寄ってきて
「はい メッセージ内容は」
「うん 明日の朝食はレストランです 7時にお待ちしています」
「はい 畏まりました メッセージを入れておきます」
「じゃ」
「はーい」
神山と由紀枝は反対方向に歩き別れた

泰子の待つ部屋に戻ると泰子は
「まあ 早いわね ふふふ」
「うん 居なかった」
「やっぱりね」
「って 知っていたの?」
「もう 女って考えれば直ぐに分かるわよ 多分居なくて直ぐに戻るって」
「へぇー そうなんだ」
「そうよ もう しっかりしてよ」
神山はここでも【しっかりしてよ】を言われ 意気消沈した
「ごめんなさい 大丈夫」
「わぉー 大丈夫じゃない もう」
神山は部屋に行き由紀枝と会い 同じ事を言われた事を話した  
「やっぱり 貴方を愛しているからみんな我慢しているんだわ
凄いわね 由紀枝さんもそこまで言うなんて」





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