「追加して欲しい 引田泰子を追加して 1000万円分送ってください」
神山は4千万円分のGCと引田泰子の住所をメモに書き洋子に渡し
お願いした
「そうそう 泰子の分は お届け日を来週の14日にしてください」
そう指示し顧問を引き受けた謝礼金5千万円を引き出しに仕舞った
暫く仕事に集中するとお昼になり
「洋子 うなぎでも行こうか お店のうなぎ」
「ええ 行きましょう」
神山は昨夜がステーキだったので お昼は和食にしたかった
レストラン街のうなぎやは時間で少し待ち時間があったが暖簾をくぐると
仲居が奥の部屋を案内した
「さあ 生ビールと湯葉さし 後は鮮魚のつまみを頂こうかな」
「はい 畏まりました 神山様 2時に時田様が見えます」
「うん 分かった でもそんなにだらだら食べていないよ ありがとう」
仲居がお辞儀をして部屋を出ると洋子が
「ふふふ 仲居さん気を使ってくれているのね」
「そうだね もしかしたら時田さんが何か話しているんじゃないか」
「なぁに それ」
「うん 神山と洋子が来たら ワシが行くまでそこにいる様にってさ」
「まぁ そんなぁー でもまるっきりない事ではないわね」
「でしょ だって言いたいことがあるときに わざわざ電話じゃなくて
本人の顔を見ながら話をしたいでしょ どうだろう」
「って事は 早く結び付けたいって その話ね」
「うん そうだよ きっと ヤキモキしているんだと思うよ ほんと」
「でもねぇー ちゃんと話してあるのに 困ったものね」
二人が話していると 仲居が生ビールとおつまみを運んできた
「では73にかんぱーい おめでとうございます 良かったわ ふふふ」
「ありがとう では頂きましょう」
二人は食事を終えると次長室に戻り 洋子は郵便局に小包を出しに行った
神山が次長席でGOLの纏めをしていると携帯電話がなった
「はい 神山です」
「私 泰子です 携帯電話を買いました この電話番号がそうよ」
「おお 分かりました 早速登録をしておきます ありがとう
ところで 不動産屋はどう?」
「ええ 先ほど必要書類を提出してきました それで賃貸借契約を結び
今 それをコピーし終わったところです」
「そうか 良かったね じゃこれから会社にいくの?」
「ええ まだお昼を食べていないから どこかで食べてから出勤です」
「分かりました じゃ5時前に伺います」
「はーい お願いしますね」
電話を切ると架かって来た電話番号を携帯電話に登録した
洋子が部屋に戻ると神山は夕方4時に部屋を出る事を伝えた
「はーい 分かりました 泰子さんの引越し準備でしょ」
「えっ なっ なんで分かるの?」
「だって お昼だって 泰子 泰子って 可笑しいと思っていたのよ」
「そうか そうなんだよ」
神山は泰子の事を少し話すと
「今までの女性と少し違って 勿論美人よ そうだ日本人離れした美しさ
それで私も気にはなっていたんだ ふふふ あっそうそう 思い出した
今朝の話 そうだ 泰子さんの事よ 4年ほど前だったかしら 東京学院
大学生 女子プロゴルファーを諦めるって新聞に出ていたわ
その時の生徒さんね そうなんだ それで辞めた理由は書いてなかったわ」
「うん そうだね 泰子の事だよ 新聞に載ったんだ」
「ええ 当時女子アマで日本人離れした選手が凄い実力を持っていて
突然の表明だったから 注目を浴びたわよ」
「へぇー そんな事があったんだ」
「でも 騒がれたのはほんの一時で その出来事を知らない人も多いわ」
「じゃ 東京学院大学がストップを掛けたんだね 多分」
「ええ だと思います 2,3日しか載らないで その後は無しだったわ」
神山は女子プロ辞退の件は知らない事にしようと思った
次長席で仕事に集中すると直ぐに4時になり
「洋子 では出かけます 今日は早く帰って良いよ
もし祐子と夕飯だったら 電話をするけれど どうする?」
「ええ 今日は帰ります 毎晩じゃ祐子さんだって予定があるだろうし」
「うん 分かった そうしたら お先に失礼します」
神山は洋子にキスをすると 部屋を出て 駐車場に行った
蒼いBMWに乗ると泰子のマンションに向ったが 青山3丁目の交差点で
止まった時に 祥子を見かけたので声を掛けた
「やあ 祥子 どうしたの?」
「まあ あなた 貴方こそどうしたの? 私は本社に用があってこれから
上原に行くのよ でも凄い車に乗っているのね」
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