2012年11月22日木曜日

Vol.866 紫陽花 -9-54



洋子は頷くと早速 予約の電話をいれ席をキープした
「先輩 涼子さんて この間の涼子さんですか」
「うん そうだよ」
「へぇー それで 何かあったんですか」
「ははは まあもう少ししたら 話せる状態なら話すよ 何もないよ」
杉田と屋敷が餃子を良く食べるので神山は野菜炒めと餃子の大盛りを
追加注文すると 杉田が生ビールも追加した
丁度全員のジョッキが空になりいいタイミングで注文した
神山は杉田が 以前に比べ周りをよく観察するようになったと嬉しかった
みんなで餃子やビールを呑んでいると神山の携帯が鳴った
「はい 神山ですが」
「内藤です 凄いですね 滑り出しは絶好調ですね」
「ははは まだまだこれからですよ それで、、、」
「ええ 経費が絡みますが 送られたFAXを見る限り 充分安泰です
そこで 会社として気持ちを入金させて頂きました」
「えっ 入金ですか またぁー 社員としては当然ですよ」
「ええ ですが利益が明確に分かり それが持続すると判断しました
山ちゃん 素晴らしいですね ほんと気持ちですから」
「はい ありがとうございます」
「では」
神山が電話を切ると洋子が心配そうな顔で
「どうされたんですか 入金って」
「ああ 先ほどのプランが内藤さんは 非常に良いと評価され
会社として気持ちを入金したという話です」
洋子は安心したのか ニコニコして 神山にキスをした

「あーあ 田所さん それはないですよ なあテツ」
「ほんと 見ていられない もう」
二人に攻撃され洋子は顔を真っ赤にして
「ごめんなさい でも自分のように嬉しいのよ」
その時に洋子の携帯がなり出てみると内藤だった
内容は神山と同じだったが 短時間で書類を纏め上げた事に対し
会社として評価をしたい よって特別ボーナスを振り込んだと伝えられた
挨拶をして電話を切ると神山に
「わぁー 私にも特別ボーナスだって やったぁー」
今度は神山が洋子にキスをすると 杉田と屋敷は何も言えず黙っていた
追加したビールや餃子が来ても 二人は神山と話をしなかった
「おいおい翔 どうしたんだ 黙っていて」
「だって 先輩 目の毒ですよ もう なぁテツ」
「ええ いい迷惑です そんなキスなんて 田所さんなら
まだ乙女で可愛らしくて 許せるけれど 次長がこの場でキスは駄目です」
そういうと 二人は神山を少し軽蔑しながら 箸を進めた
「ははは 挨拶だよ まあ慣れていないからな
でも翔だって そのうちに大勢の前でキスをする事になるよ」
「僕は自分からしませんよ もう」
「あれっ 先輩 先日は抱きしめてキスをするって 
例えみんなが見ていてもって そう言ってましたよ 違うんですか」
「あーあ もう ばらさなくてもいいじゃん この場はこの場です もう」
4人は大笑いをしながら 食事を終えた

次長室に戻ると神山は祐子に電話をしてみると留守電だった
「神山です 今夜は外食になりますので 5時には部屋に居てください」
暫くすると 祐子から電話があった
「ごめんなさい 祐子です 留守電を聞いて電話をしました」
「やあ プールですか?」
「ええ それで 1時間に1回ロッカーに戻り 携帯を見ています」
「ありがとう それで6時に美佳さんと洋子と食事をするので
5時には戻っていて欲しいんだ」
「わぁー 美佳さんと一緒ですか 嬉しいわ では5時ですね」
「うん 頼んだよ」
「ハイ 了解です 今日はもう2kmを2回泳ぎました 凄いでしょ」
神山はどんどんと体力をつける祐子が怖かった
「はい 頑張って泳いでくださいね では」
神山は電話を切ると洋子に 昨日降参した事や
これから体力をつける祐子の事を話すると
「まあ 珍しいわね あなたがそんな弱音を吐くなんて」
「うん 困ったもんだ あーあ 失敗したな プールの会員権
100万円を出してしまったんだよ あーあ 失敗した」
「いいじゃない 若いときだけよ 頑張れるのは 贅沢な悩みよ」
「そうか でもね 今朝も思ったんだ
昨夜降参しただろ そうしたら少し主導権を握られてさ
朝寝のときも ちんちんを引っ張って起こすし その後がいいんだ
こんなに元気なのに 夜は駄目ねって もう自身なくしたよ あーあ」
「ふふふ いいじゃない 楽しそう」





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