だって 警備員の控え室がこれで埋もれていて 休憩が出来なかった」
「わぁー そんなに でも 凄いわね
そうそう 昨日はお疲れ様でした ありがとうございます」
「うん お疲れ様 助かったよ 洋子のお陰さ」
洋子は嬉しくて神山にキスをすると 電話が掛かってきた
「ハイ 次長室です」
「洋子さん こんにちわ 秋山です」
「こんにちわ もしかして」
「そうよ 印鑑と台車を持ってきてね 前回の倍くらいあるわ」
「えっ 前回の倍ですか」
「そうよ 袋が12個よ 神山さんが居たら手伝ってもらった方がいいわ」
「はい ありがとうございます 分かりました 伺います」
洋子は電話を切ると神山に 本社秘書室に書留が沢山来ている事と
一人では持てないので 手伝って欲しい事を伝えた
「えっー そんなに来ているの もう 仕事が出来ないな もう」
「はいはい 行きましょうね そうだわ 配当金も持って行きます」
「うん そうだね」
神山は催事課で台車を借り 本社秘書課へ向かった
8階でエレベーターを降りると 本社人事課の神山ファンから
「神山さん 応援していたのに 残念です 悔しいです」
「うん 調子は良かったんだ でもね女性のハンデには勝てなかった」
「次は頑張ってくださいね 応援していますから」
「うん お願いしますね」
神山と洋子は秘書課に行くと
「ねえ 社長はいらっしゃる?」
「ええ いらっしゃるわよ 入る?」
洋子は神山を見て 頷くので 時田と会うと申し出た
秋山が副社長室で確認すると
「どうぞ お入りください」
神山は台車を秘書課に預けて 副社長室に入った
時田は二人を見て
「山ちゃん 久しぶりに着てくれたな」
「はい いつも応援をしてくださいまして ありがとうございます」
「まあまあ ここに座りなさい 洋子も」
二人は勧められるまま ソファーに座ると
「しかし 昨日は二人とも残念な成績だったな」
「まぁ おじ様 早いですね」
「うん 内藤さんから電話があったよ わしも6-7は1票だからな
彼は穴狙いで 10票も買ったって言っていたよ 残念だ ははは」
「はい これが配当金です」
洋子は投票クレジットと2万5千円を時田に渡した
「うん ありがとう しかし山ちゃん グロスがいいな 75なんて
凄いじゃないか 今度教えてくれよ 頼みます」
「ええ あれはメンバーが良かったのと たまたまですよ」
「聞いたぞ 新しいクラブだって そんなに良いかな」
「ええ 力をセーブした方が真っ直ぐに飛ぶんですよ 僕もまだまだ
練習不足ですが それでもよく飛びましたよ お勧めです」
「よし アレックスのニューモデルだな」
「ええ」
時田は秘書の秋山を呼ぶと引き出しから100万円を出し
「なあ 申し訳ないけど ゴルフ売場で 神山次長と同じクラブ
そうだアレックスのニューモデルを買ってきてくれ」
神山は金額を見て
「社長 クラブセットで135万円ですよ」
「えっ そんなに高いのか うん分かった」
そういうと 財布から35万円を出して
「じゃ 秋山君 頼んだよ」
「まあ どうされたんですか
暫くプレーしないって先日お話されていたのに ねえ 洋子さん」
「うん クラブを変えればスコアだって 良くなるさ ははは」
神山達は話が一区切りついたので 台車に書留を積んで次長室に戻った
「わぁー どうしよう もう 仕事が出来ない あーあ」
「まあ 贅沢な悩みですね さあ 現金だけでも片付けましょうよ」
神山と洋子はお届け票を綺麗に切り取りながら 現金やギフトカードを
次長席に積んでいった
「まあ ご丁寧に 桐の箱に入れて来ているわ」
「うん その箱代だけでも 大変だよ」
洋子も少し呆れながら 整理するとようやく終わり
「凄いわね 全部で472社から来ていたわよ」
「へぇー もう 日本全国だね これは」
「でも 協会のお中元は無いんでしょ こちらには」
「うん でも混ざっているよ 見た事無いところが多いし 困ったな」
.