「はいはい 現金が3億1千2百万でギフトや商品券が4千1百万よ」
「うん ありがとう そうしたら 雛形があるでしょ
それを使って お礼状を出しておいてください 郵税は出すからさ」
「大丈夫よ 軍資金から出しておきますから しかし凄いわね」
「ははは 仕事が出来ませーん もう いっそうの事止めようかな」
「なにを言っているんですか まだまだ止めないでくださいね」
「そうだね よし 今日はどこに行こうか」
「今夜がお肉だから お寿司がいいわ」
「築地にするか」
「ええ 聞いて見ますね」
洋子は築地のいせ丸に電話をして 空いているか確認すると
「はい 分かりました ねえ あなた 空きが無いんですって」
「そうか そうしたら 店のうなぎでも行くか」
「わぁー 嬉しいわ」
二人は現金やギフトカードをダンボールにいれ造り付けの棚に仕舞った
神山と洋子は鈴やのうなぎ屋に行くと 時田とばったり会い
「おう よく会うな うなぎか?」
「ええ そうよ おじ様もうなぎですか?」
「うん 暫く食べていないからな 一緒にどうだね」
「ええ お願いします ねえ 次長」
神山は少し照れながら 頷いた
奥にある特別座敷に通されると 時田が神山に
「山ちゃん あのクラブだが わしの店にはもう在庫がないんだ
欲しい時に 無いんだ 困ったもんだ 今度の水曜日になんとしても
あのクラブで 隣をやっつけようと思っていたんだが 上手く行かないな」
「えっ 隣って 三山百貨店ですか」
「うん あそこの店長がわしと同じハンデで いつも勝ったり負けたりだが
ここ3回くらい 負け続けているんだ だから今回は勝ちたいんだ」
銀座にある鈴や百貨店や三山百貨店など 中央通りに面した大きな
店舗で構成されている 銀座中央会があり 1ヶ月か2ヶ月に1回
ゴルフの親睦会が開催されている
「そうですか 3回も続けてだと 少しがっかりしますよね」
「うん だから先月も負けた時は 少し休もうと思っていたんじゃ
ところが 山ちゃんの成績を聞いたら やる気が出てきたんだよ ははは」
神山はそこまで聞くと 自分の成績は自分だけではなくて
このように他人に希望も与えていると感じていた
「ところで よく売れているんだな 入荷が何時になるか判りませんだと
アレックスは出荷調整をしているんじゃないか なあ山ちゃん」
神山はアレックスの最高責任者として そのような事は無いと思ったが
果たして そこまで調整する余裕は無いと思っていた
「多分 調整ではなく 生産が追いつかないのだと思いますよ
現実に その調整をしても アレックスは儲からないですよ」
「そうだな うーん 困ったな」
神山はアレックスJrに電話をして聞いてみる事にした
「すみません ちょっと電話で確認します」
そういうと席を外し 携帯電話でアレックスJrに電話をした
「神山さん こんにちわ 昨日はお疲れ様でした」
「やあ お疲れ様 ところで聞きたいんだけど 例の僕が持っている
クラブだけど うちのお店に在庫が無いんだよ どうなっているのかな」
「うん 神山さん あのクラブはもともと生産が少ないんです
だから 無くなると 入荷時期がはっきりしないんですよ」
「そうか そうすると 会社の倉庫にはあるのかな?」
「神山さんが買うんですか?」
「うん 普段お世話になっている人が 欲しいけどって」
「ちょっと待ってね 在庫を調べるから」
アレックスJrはPCで在庫を調べると まだ少しあるので
「神山さん 今日中に来れれば大丈夫だよ」
「そうか そうしたら送ってもらえるかな?」
「うん そうしたいんだけど ほら現金で決済しないといけないし」
「じゃ 立て替えておいて欲しいな」
「うん 実は昨日 帰りの車の中で ばれてしまってお金が無いんだ」
「ああ あの件がばれたの?」
「うん ナタリーと涼子にお金を取られた 口止め料 高いんだよ」
「ははは そうか 仕方ないな わかった じゃ今日中にいくよ
だから 1セットは必ず確保してください そうそうパターと
キャディーバッグもお願いね 全部で145万円だよね」
「うん 助かる 正規の値段なら抑えます 了解しました」
「ははは お願いします」
神山は席に戻ると時田に
「すみませんでした 何とかあります ご用意できます」
「おお そうか ありがとう よかった」
時田は秘書課に電話をして大至急 お金を持ってくるよう指示をした
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