2012年4月23日月曜日

Vol.653 ゆり -9-42



納車を訪ねると5日の金曜日になった
神山はそのまま渋谷の家電量販店にいきTVモニターとチューナーを
現金で70万円支払い明日午前便の配達をお願いした
赤坂のスタジオに戻ると10時半になっていた
神山は洋子にこれから出ることを伝えた
「祐子では 行ってきます そうだ 今夜どこかで一緒に食べよう」
「本当ですか いいんですか」
「うん いいよ ここに来るよ それから出よう
それから 電話番号が午前中に決まると言っていた
あとは家具がきたら指示をしてくださいね」
「はい 畏まりました 行ってらっしゃいませ」

神山は赤いポルシェで銀座の次長室まで15分も掛からないで着いた
「やあ おはよう」
「おはようございます 如何ですか 新居は」
「うん シャンプーが無かったり慌てたよ 何かあった?」
「今は有りませんが 警備室にお中元の回送した分が溜まっているようです」
「わぁ~ またか わかった 取りにいって来るよ」
神山はジャケットを脱ぐと部屋を出て催事課で台車を借りた
警備室に行くと一回で運べる量じゃなかった
神山は慎重に次長室に運ぶと部屋の隅において再び警備室にいき
箱を積んだ
部屋に戻り化粧箱箱を調べると先日同様の商品だった
「洋子 どうする 洋子の家はどう?」
「辞めて もう駄目よ うちも一杯です」
「困ったな しかし あっそうか赤坂のスタジオに持っていこう」
神山は化粧箱を潰して先日のダンボールに詰め替えた
それでも充分余って困り果てた
神山はとりあえず赤坂のスタジオに運べるだけ運ぼうと思い
赤いポルシェに積めるだけ積んだ
「洋子ありがとう じゃあちょと行って来る」

そういい赤坂のスタジオに向った
外壁で神山と名乗ると門扉が開き車を玄関に着けた
「神山さん どうされましたか 何か忘れ物ですか」
「いやいや ちょっとこれを運びに着たのさ」
神山はダンボールを部屋の中に入れ終わると祐子に中味を見せた
「わぁ~ 凄いわ これ全部神山さまのお中元ですか」
「うん そこでこれからこれを重点的に使って欲しいんだよ」
「へぇ~ こんなに 食べきれませんよ だいいちお素麺ばかりだと
飽きが来るし 困りましたね」
「まあ 今日明日処理では無いので このまま考えよう」
「そうですね 私も2ヶ月位をメドに考えます
缶詰は必需品なので良いとしてもコーヒーや紅茶は多すぎですね」
「うん 頼んだよ では」
「はい 畏まりました 行ってらっしゃい」

赤いポルシェで次長室に戻ると
「ねえあなた 警備室から電話で先程忘れていた物があるから
取りにきて下さいって 印鑑持って」
「えっ もう 一回で済ませて欲しいよな~ くたびれているんだから」
神山は久しぶりに愚痴をいうと洋子はくすくす笑っていた
警備員室に行くと現金書留が来ていて印鑑を押印し受け取った
次長室に戻って中を開けると商品券だった
全部で12件も来ていた
洋子にお届け伝票と金額を書いて封筒を渡した
12件合計で280万円も入っていた
神山はそのうちの50万円を洋子に渡すと
「えっ 先日お祭りの時に頂きましたよ いいですよ」
「洋子 僕があげるんだよ おい文句あるか な~んてね
夏の特別ボーナスさ 取っておきなさい」
「はい 何時もありがとうございます 頂きます」
「洋子 軍資金 500程下さい」
「はい」
洋子はいやな顔せずに100万円帯封した束を5束を神山に渡した
「洋子 なんでにやにやしているの」
「怒らない」
「ああ 言ってごらん」
「あの子に車を買ってあげたでしょ ふふふ」
「うん まあ うん、、、」
「やっぱり あたり~ ピンポ~ン」
「なあ 不味かったかな でも食材購入の事を聞くとなんか
そのシステムが嫌でそれで彼女に買って貰おうと買ったんだ」
「なあに そのシステムって」





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