2階に行くと主賓室を掃除をしていた
「ありがとう ところで明日の朝食は大丈夫ですか?」
祐子は嬉しそうにニコニコして
「はい ご用意できます」
「うん ありがとう それで注文だけど 本当に簡単でいいよ
凝った食べ物はいらないからね お願いしますね」
「はい 畏まりました そうしますと 例えばご飯に目玉焼きや
焼き魚程度で宜しいですか」
「うん お願いします」
「あの~ 神山様 私をお呼びになる時はアルタさんから
お聞きしたんですがお部屋のところにあるカードキーのBOXに神山様の
右手の親指をあてがうと私の受信機が何処で呼ばれているか分るように
なっているんです」
神山は言われた通りに試してみると最初は記憶するのに時間が掛り
次に試してみると確かにメイドの持っている受信機のランプが
神山が呼んでいる位置を示した
「分りました ありがとうございます 説明が無かったから
これからはこうして呼ばせて貰いますよ」
「それから これから家電製品が入ってきますが 私の指示で配置して
宜しいですか」
「うん 頼みます お願いしますね」
神山は冷蔵庫や洗濯機がどうなっているか内藤社長に確認した
「大丈夫ですよ ご安心下さい 山ちゃん 上原の家電製品を
そちらに運びます 今日中です もうすぐそこに届きますよ
上原にない電子レンジや湯沸しなどこまごました物が明日入ります」
「ありがとうございます お願いしますね」
「ええ 使える家電製品はちゃんとリストも作ってあるし平気ですよ
それから 電話も全てこちらで手続きを済ませます ですから
電話番号が変ります 明日の午前中になります」
「はい 了解しました それとこの件をしっている人は」
「ええ あそこの退室が有るので筒井さんには話しましたが
住所までは話していませんよ だから私だけです
引越しの社員も別会社を使っていますから大丈夫ですよ ご安心下さい」
「ありがとうございます ではお願いします」
神山はメイドの靑山祐子を呼ぶと今夜は外食で遅くなる事を伝えると
「はい 畏まりました お待ちしております」
「う~ん でも遅くなるといけないから寝て良いよ」
「はい 分りました ありがとうございます」
そう言って玄関を出ると靑山祐子はお辞儀をして見送ってくれた
玄関の脇を見てみるとシャッターがあり開けて見ると車が4台くらい
おける駐車場だった
シャッターを閉めると銀座の次長室へ戻った
時計を見るともう18時を差していたので洋子に
「洋子 渋谷の家具専門店に行ってそのあと食事にしないか」
「わぁ~嬉しいわ」
神山は赤いポルシェでまず赤坂のスタジオに車を置いて
渋谷までタクシーで行った
家具専門店のイタリア家具コーナーに行くと店員が神山を見て挨拶をした
神山は代々木のマンションで揃えたソファーを大小あわせて4脚と
ガラステーブルも大小合せて2台 ダイニングテーブル1台と椅子6脚
を購入した ソファー大2脚で60万円 ソファー小2脚で50万円
ガラステーブルが25万円と20万円 ダイニングテーブル40万円
椅子6脚で30万円合計225万円を現金で支払い明日の配達にした
神山は念のため上原のマンションへいき部屋を確かめた
部屋の中はきれいに何もなく片付いていた
二人は駅前寿司屋で食事をすることにして暖簾をくぐると女将が奥の座敷に
案内をしてくれてすぐにビールと鮮魚のおつまみを運んでくれた
洋子が神山のグラスに注ぐと
「では お引越しおめでとうございます」
「うん ありがとう」
神山と洋子はグラスをカチンと合わせて乾杯をした
「いいわね メイドさん付って 憧れるわ」
「そうかな 居なければ居ないでいいけれどあの広さでは掃除が大変だよね」
「そうね あっTVを忘れたわ あなた」
「ははは まあ明日にでも買うよ 慌てて買っても
また何か足りない物が出てくるさ」
神山と洋子は新しい住居の話題で盛り上がった
「しかし こうなると代々木のマンションが少し勿体無くなるね」
「ええ でも二人だけのホテルだからいいでしょ」
「うん そうだね」
「ねえ 私が赤坂に泊まる事って許して貰えるの?」
「ははは 大丈夫ですよ ただタイミングがあるから今夜は無理だね」
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