「ありがとう 嬉しいわ」
二人は天ぷらや照り焼きなども食べて何時ものようにネギトロの細巻きを
食べて食事を終えた
神山は帰る前にネギトロ巻きのお土産を作って貰った
洋子を先に返して神山は一度上原のマンションにいき祥子の部屋を
眺めたが照明は入っていなかった
坂を少し下りて青山通りに近い所でタクシーを拾って
赤坂のスタジオへ帰った
外壁の門扉で神山がインターフォンで帰宅を告げると隣りの小さい
扉が開き玄関まで歩いた
玄関にはメイドの靑山祐子がニコニコして迎えてくれて
「神山様 お帰りなさい」
そういうと神山のバッグを持って部屋に入り2階の主賓室まで付いて来た
神山が着替えようとすると部屋から出ていかないので
「靑山さん あの~ 着替えるんですが」
「ええ お洗濯物を頂いたら出ていきますよ すみません」
神山は後ろ向きでシャツや靴下を脱ぎ部屋着になると
「神山様 あの下着は、、、」
「うん 風呂に入るときに脱ぐよ 大丈夫ですよ2日も穿かないから」
靑山祐子はくすっと笑って神山を見た
「さあ ありがとうございます それで貴方と少し話したいけどいいのかな」
靑山祐子は笑顔で
「ええ 大丈夫ですよ そうしましたらどこにしましょうか」
「そうだね ビールを呑みながらが良いからダイニングにしますか」
「はい 畏まりました」
神山は部屋に掛かっているカーテンを開けると庭の照明が綺麗で
これならバーベキューも出来ると思った
部屋の中に開けていない扉があったので開けて見ると
トイレと化粧室バスルームだった
上原のマンションと同様部屋からは大きな姿見だが浴室からは
採光のガラスでマジックミラーになっていた
もう一つの扉を開けて見るとクローゼットだが縦に長く造られていて
季節ごとに分けられるよう広かった
神山は下に行くとダイニングテーブルに座った
靑山祐子はグラスを一つ持ってきてビールを注ぐと神山が
「靑山祐子さんも一緒に呑みましょう」
「でも、、、この制服の時は、、、」
「うん じゃあ着替えてきなさい」
靑山祐子はニコニコして神山の指示に従って自分の部屋で着替えた
戻って来ると白いTシャツに淡いブルーのスカート姿で現れた
「靑山祐子さんお似合いですよ 清楚で可愛らしいね
制服姿も素敵だよ でもこちらの方が若々しいね」
「ありがとうございます 神山様
あの~ それから私を呼ぶ時は 祐子でお願いします」
「うん 分りました それでは祐子 これをつまもう」
祐子は神山からお寿司を受け取ると神山の指示した中皿に盛り付け
テーブルに置いた
祐子は箸を揃え忘れたので神山に謝り割り箸で食べる事にした
神山がグラスを用意してビールを注ぐと祐子と乾杯をした
「これから大変だけど 宜しくお願いしますね」
「こちらこそお願いします まだ初めてなんです」
「そうか では慣れないから余計に大変だね」
「ええ でもお掃除やお洗濯は大好きで苦になりませんから大丈夫ですよ」
「うん それは良かった」
神山はビールを呑んだのでワインを開けると祐子がグラスを用意して
ワインを二人のグラスに注ぎ神山に渡した
「あの~ 誤解しないでほしいのだが 一応履歴を教えてください」
靑山祐子は山脇学院卒業し語学万能で入社した会社で苛めにあい
この会社に入った
中学2年の夏に父親を飛行機事故で亡くし母親一人でここまで
育てて貰った事 父親は自衛隊のパイロットで今でも心の中で生きている
「そうか 寂しかっただろうね 当時は」
「ええ でも父は民間のパイロットになりたいって言っていたので
私がその夢を叶え様と必死で勉強しましたよ」
神山が突然英語で
「一番行きたい所は何処ですか」
祐子はニコニコしながらフランス語で
「パリの凱旋門とパリの居酒屋めぐり 理由はロートレックが好きで
彼が愛した居酒屋やクラブを見て廻りたいの」
神山もフランス語で
「約束できないけれど 長期のお休みが取れるように努力するよ」
「わぁ~嬉しいわ 本当ですか」
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