2012年4月15日日曜日

Vol.645 ゆり -8-41



高橋と同期入社で渡辺は今 課長を勤めている 
「え~ これからは 渡辺課長と話を進め現実的な案を出してください」
佐藤部長が
「神山さん このまま進んでも大丈夫ですか?」
「ええ もう大掛かりな軌道修正は無しで行けますね」
「はい 分りました ありがとうございます」
神山はアルタスカイの渡辺課長を呼ぶと
「渡辺課長 宜しくお願いしますね」
「ええ 先日佐藤から聞いていますから先程言われた現実的な部分で
デザインを出していきます 期待してください」
「ありがとう お願いします」

神山は部屋を佐藤部長に任せると次長室に戻った
「あなた 東都と連絡が取れて何時でも良いそうですよ」
「うん ありがとう
そうしたら これから赤坂の東都食品に行くが大丈夫ですか?」
「ええ 出られます」
二人はフェアレディーZで赤坂の東都食品本社に向った
1階の受付で神山が名乗ると受付嬢がエレベーターで最上階を案内し
副社長室に着いた
部屋に入ると秘書室があり夫人の里香と葉山が神山を迎え
「いらっしゃいませ 神山常務 田所部長 田宮が待っております」
「よう 元気そうだね 葉山さん」
「はい ありがとうございます」
「うん 血色が良く健康そのものだね」
神山は葉山と里香に挨拶すると田宮が待つ部屋に入った
田宮と神山は握手をしてソファーに座ると神山が早速御殿場アウトレットの
進捗状況を説明した
田宮は秘書の里香に財務部長 営業統括部長 営業推進部長を呼ぶように
指示をすると暫くして全員が部屋に入ってきた
自己紹介がされ森和幸 営業推進部長 佐久間隆志 営業統括部長
そして女性の林敬子 財務部長の3人が加わり話が続いた
御殿場アウトレットのブースに付いては各部長とも田宮から聞いていて
経費予算も理解を示していた
神山は話し合いが終ると田宮に
「田宮さん 実はお願いがあるんですよ」
「なんでしょう」
「ええ 野菜の缶詰を作れませんかね」
神山はお中元のお礼と実体験した事 今後天候などに左右されない
美味しい野菜の提供など分り易く説明すると
「素晴らしいお考えですね 早速商品企画に話をして実験をして
御殿場アウトレットに間に合わせましょう」
「ええ 全国展開する前に御殿場アウトレットでテスト販売をして
アンケートを取れば磐石な商品が出来るでしょう」
「いやー 誰も考えていない分野ですね ありがとうございます」
それを聞いていた林敬子財務部長が田宮に
「浩司社長 神山常務に金一封ですよ 女の私からすると絶対に売れますよ
いいアイディアですよ これは ねえ田所部長」
「ええ 私もお肉の缶詰セットにお野菜の缶詰が入っていたら絶対に
そちらを選びますね イメージがいいですよ」
「そうですよね 浩司社長お分かりですか 若い田所部長も
仰られていますよ」
「はい 分りました」
そう言って田宮は引出しから包みを出すと林敬子財務部長が
「それでは失礼ですよ 大きく一本にしなさい」
田宮は更に包みを重ね林 敬子財務部長が頷くと神山に
「神山常務 こちらは私の気持ちです 受け取ってください」
「しかし まだ商品になっていないのに」
林敬子財務部長が
「いいのよ 神山さん 貴方は我社を救ってくださいました ですから
幾ら御礼をしても足りません これは気持ちですよ 受け取ってください」
神山は頷いて林から包みを受け取り洋子に渡した
田宮が神山達をエレベーターで一階まで送る時に
「神山さん 驚かれたでしょ 実は父の昔のこれで今も頑張っているんです
まあ 仕事は出来るし頭の回転も人並み以上なので私も助かっています」
田宮は神山に小指を立てた事に頷いて
「でも しっかりされた方ですから味方に付けておいた方が得策ですね」
「ええ どうもありがとうございます」
「あっ 地ビールはもう少し待ってくださいね タイミングがありますから」
「はい 承知しております」
二人は田宮に見送られてフェアレディーZに乗ると洋子が
「でも林部長は貴方を随分とかっているのね」
「うん 何かな 初めてだけど分らないな」
「あなたは どんな年齢の女性にももてるのよ」





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