神山は赤いポルシェに乗って赤坂に向うと直ぐに判り
鉄扉のインターフォンで来た事を告げると玄関まで少し走った
内藤社長が玄関で待っていて
「やあ山ちゃん いらっしゃい ここだよ」
神山は建物に入ると素晴らしい景色に驚いた
建物は四角の造りではなく多目的なスタジオに使えるよう変形をしていた
東南 南 南西と全面ガラスで日当たりが抜群で撮影用に
カーテンも3重のロールカーテンになっていた
天井まで5mはあり事務所は別の部屋が設けられ綺麗だった
「先週出て行った人は今度は関西で仕事をするのでここが不要になり
売りに出したけど まだ全額返済されてなくうちが管理する事になり
山ちゃんに話したわけです 2階に行きましょう」
壁に造られたストリップ階段を上がると部屋が4部屋有り
一番広い50畳位の広さの部屋が主賓室で残りの3部屋のうち2部屋が
ゲスト用の寝室で35畳位の広さがあり南に面した広い浴室と化粧室がある
残りの部屋はリビングでやはり40畳位の広さがあった
神山は主賓室が気に入り再度見ると部屋の外にガラス張りの
大きな浴室があって湯船も広いことが気に入った
家具類も神山が好んでいるイタリア製の家具で問題なかった
一階に戻ってキッチンとダイニングを見るとやはり
南側がガラスが全面になっていて採光には充分だった
神山は生活の臭いが無いので聞いてみると
「うん 山ちゃんね前の人はここを寝床にしていなかったんだ
単純にここのスタジオと庭が良かったんだね だから家具類は
新品だよ 大丈夫ですよ 安心して下さい」
神山は考えた このスタジオが
そのままリビング兼ダイニングにならないかと
「そうしたら ここにテーブルと椅子で充分でしょ 後は音響設備は
もう配線済みだし モニターを置いてソファーを置けば充分でしょ」
「分りました 契約しますよ」
「山ちゃん 隠していた訳じゃないけど ここはメイドさんがつくんだ
だから100万円になるんだ それでいい?」
「食事をしないときが多いけどその時の材料費なんかは」
「うん 一応材料費は購入した分を翌月請求だね だから山ちゃんの場合
殆ど掛からないでしょ 例えば朝食にしてもそんな高いものばかり
買うわけじゃないし」
「そうですね 毎日ほてる並みの食事はしませんからね
逆に 質素な食べ物が欲しいですね
それと 掃除や洗濯はどうなっているんですか」
「うん そのメイドさんが全てしますよ」
内藤社長は神山をスタジオの脇の部屋を案内するとそこがメイドの部屋で
30畳のワンルームマンションのようだった
その部屋も南側は全面ガラス張りで採光は申し分なかった
「それで メイドさんのお給料はどこが支払うんですか?」
「先程も言いましたが アルタで支払う予定ですが
代々木をそのままだと支払えないんですよ」
「そうか そうするとメイドの指示も僕に権限がある訳ですね」
「ええ 後はそこのクラブに連絡をしてメイドの契約を切るかですね」
「でも こんなに大きいと掃除が大変ですね」
「ええ 庭の手入れもそこのクラブが実費で作業をしてくれるんですよ
大体年間で100万円位でしたね 勿論芝生の手入れまで全てです」
「分りました 契約は何処の不動産屋ですか」
「ええ そうしたら これから契約をしましょうか」
「そうですね 現金も有りますし」
内藤社長が先導して不動産屋に着くと賃貸借契約は簡単に済んだ
家賃は一ヶ月65万円敷金礼金が325万円前家賃で65万円
今月の家賃が日割りで6万2千円合計396.2万円を不動産屋に支払った
メイドクラブとの契約書は不動産屋が代行していて一ヶ月35万円で
この中にはメイドの3食の食費が含まれているといわれた
こちらは日割りは関係なく翌月分と今月分 家電製品購入代として一か月分
合計105万円を支払った
生活消耗品や衛生消耗品代として年間費用で120万円を別途支払った
家賃やメイド費用の口座引き落としの手続きを終えると
不動産屋から部屋のカードキーを受け取ると不動産屋が
「このカードで全ての部屋が空きます 2階のお部屋でゲストの方が
内側から掛けてもこのカードで開きますが通常はこちらの普通の鍵を
お使いくださいませ」
神山は2階の部屋の鍵も受け取ると内藤社長が
「じゃあ 山ちゃん引越しは何時にしますか」
「ええ 荷物が無いから今日ダンボールを用意できれば今日しますよ」
「そうしたら あす上原を撤去しこちらに移動ても良いですか?」
「そうですね 構いませんよ そうしたら明日次長室に10時に
.