2012年4月18日水曜日

Vol.648 ゆり -8-41



来て頂ければ あそこの鍵をお貸ししますよ」
「それは 大丈夫ですよ ご安心下さい こちらで手配します
それで 赤坂の事務所は先程の事務所の部屋で構いませんか」
「ええ お願いします
そうすると 僕はこれからベッドの掛け布団など用意すれば良い訳ですね」
「ええ しかし山ちゃんが動けないと思って実はもう買ってあるんですよ
最高級の羽毛布団や羊毛敷き布団など全部屋分を」 
「幾ら掛かりましたか?」
内藤社長はレシートを神山に渡すと神山は
「全部で250万円ですね」
そう言い250万円を内藤に渡した
「あの主賓室の布団が高いんですよ 特別サイズなので」
「しかし 真夏は不要でしょう かえって薄い布団かタオルで間に合うと
思うのですが」
「ええ それもこの中に入っていますよ 大丈夫ですよ ご安心下さい」
「そうすると僕が買うのはスタジオのテーブルと椅子 ソファーで
良い訳で後はもう生活ができる訳ですね」
「そうですね ダイニングもリビングも家具は揃っています
事務所も上原の物を移動ですし 後は料理の時に使う食器類ですが
メイドに任せますか 山ちゃんが買いますか」
「う~ん 任せて気に入らなければ取り替えますよ」
「そうしたら ここに用紙が有るので希望を書いてください」
神山は調理する器具に付いては何も無く食器類に付いて細かく希望を
書き入れて内藤社長に渡すと
「家電製品も普通より少し良い物を選びましょうか」
「ええ その方が余裕があって使いやすいでしょう」
「そうしたら山ちゃん 済みませんが掛かった分を請求で良いですか」
「ええ お願いします 助かりますよ」
神山と洋子は不動産屋で内藤社長と別れて次長室に戻ると

まだ時間が充分あったので店内でダンボールを貰いみやま運送に
電話をしてバンを借りた
「ねえ 洋子手伝いにきてくれるかな」
そう言っていると洋子はすでに着替えを始めていた
用意が出来ると二人はパーキングに行ってバンを借り上原に向った
「しかし 凄い所を借りたわね 100万円ですって」
「うん 貯めても使い道ないし良いでしょ それに5年も10年も
住むわけじゃないし ねえ」
「そうね あなたの月収の10分の1ですもんね
だけど 赤坂のスタジオは軍資金から捻出したらどう」
「う~ん どうしようかな」
「だって 結局は今のお仕事がなかったら横浜でしょ
私だったら 軍資金から捻出しますよ」
「そうだね 分りました 使わせて貰うよ」
「もう 貴方のお金だからもっと使っていいのよ」
「うん そうするよ ありがとう」
そう話していると上原のマンションに着いた
部屋に入ると本当に何も無くダンボール4箱で済んだ
ただゴルフバッグやカメラが入ったカメラバッグなども忘れなかった

神山は全部乗せると赤坂の家に向った
10分もしないで着き 鉄門にカードキーをスキャンさせると
自動で開き車が入ると自動で閉まった
玄関に着くと扉が開いているので不信に思うと中から若いメイドさんが
現れてお辞儀をした
神山も車を下りてお辞儀をすると 
「神山様 始めまして 私 メイドの靑山祐子と申します
先程アルタ様から連絡を頂きまして お掃除をしていました」
「ありがとうございます 神山です こちらが秘書の田所さん」
「田所洋子です よろしくお願いしますね」
神山は早速部屋に入ると荷物を運んだ
主賓室に運ぶともう布団や枕が運ばれていて綺麗に掃除もされていた 
部屋は造りつけ家具とイタリヤの家具が調和していて落ち着いた
何しろベッドが大きくて4人で寝ても余る大きさだった
神山はダンボールを片付けるとバルコニーに出たが背の高い木に覆われ
部屋を覗くビルは無かった
二人がスタジオにいき外に出ると芝生の庭で気持ちが良かった
神山は後で気が付いたが小さいプールや屋根付きのガーデンがあり
真夏はここで楽しめると思った 
芝生を散歩して戻り部屋を見ていると地下に行く階段があり
扉を開くと音響設備が整ったリスニングルームだった
ここの音響設備を確認すると超一流のメーカー品ばかりで
いい音を聞くには充分だった
神山は1階に戻るとメイドの靑山祐子を探したが何処にもいないので





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