「ええ 素晴らしく美しいですよ 変身すると更に美しいですよ」
「そうでしょう 亜矢子ちゃん良かったね いい後輩が出来てさ」
「ええ 実力は計り知れないわ 私より上ね 私の若い頃は
こんなに話せなかったもん もじもじしていて」
「よし それでは由紀枝ちゃんの分はただだよ
おじさんからのプレゼントだよ」
そう言い店長は食材を順番に焼いていった
由紀枝はニコニコして美味しいと言って食べていた 亜矢子が
「神山さん ワインにする」
「うん ビールでおなか膨れた」
亜矢子は店長にワインを注文すると何時ものワインが出てきて
由紀枝がみんなのワイングラスに半分位注ぎ乾杯をした
神山もここのお肉は好きだったが昨夜食べたお肉の味は忘れられなかった
魚介類が焼かれ野菜類も食べるといよいよ牛肉の番だったが
「神山様 美味しい牛肉を生で食べますか 久しぶりなんですよ
入ってきたのが 如何ですか」
「では お願いします ニンニクおろしとしょうがおろしをお願いします」
店長はニンニクをすって小皿に盛ってしょうがも同じ様にして
神山の前に置いた
牛肉の塊を薄切りにして皿に盛ると
「さあ どうぞ」
そう言い神山に手渡しした
一口食べると昨夜のお肉と同じ味がして亜矢子や由紀枝に勧めた
「店長 実はこのお肉を昨夜食べたんですよ 凄く濃厚で美味しかったので
まだ記憶していますよ 素晴らしいお肉ですね」
「ありがとうございます 分りますか」
「ええ 焼くとどうしても焼き加減で上級のお肉も不味くなりますが
ナマは嘘を言いませんからね」
「さすがですね よく見破りましたね しかしほんとこのクラスは
滅多に手に入らないですよ」
亜矢子や由紀枝も美味しいと言ってすぐに無くなった
店長がいよいよ牛肉を焼き始めるといい香りがしてきた
焼き終わると手早く切ってお皿に盛り付けた
神山達は早速食べたがやはり昨夜と同じ味がした
亜矢子や由紀枝も美味しいと言ってよく食べた
店長がガーリックライスをどの位作るか聞くので亜矢子だけ少なめで
由紀枝と神山は普通にお願いした
3人はガーリックライスも美味しく食べると最後にデザートが出てきて
由紀枝はこれも美味しいと言って一番先に食べた
神山は食べ終わると店長に挨拶をして店を出た
亜矢子と由紀枝も同様にお辞儀をして店を出て行った
「さあ あなた お部屋はツインしかなかったの そこで休んでください」
山側の部屋に入ると広さが少し狭い程度だった
神山はジャケットを由紀枝に渡すとベッドに横になって
1時間寝かせて欲しいと言って寝てしまった
残された二人もあくびをしたりしたので目覚ましを1時間後に
セットをして由紀枝が神山に抱き付いて寝て亜矢子は一人で寝た
16時にセットされた目覚ましが3人を起こしたが由紀枝は寝ていた
神山が亜矢子を呼んで由紀枝の寝顔を見せてあげた
あどけなさが充分残る可愛い顔をしていた
神山が鼻の頭にキスを繰り返しているとようやく目が覚めて
「だれ もう 鼻を舐めたの」
まだ半分寝ていて意識がはっきりしていなかった
神山がこんどはキスを唇にするとようやく気が付いて
「ふぁ~ 神山さん あっそうですよね ごめんなさい
なんか 寮のなかで寝ている私の鼻を舐めている子がいたんです」
神山と亜矢子は由紀枝のおでこをちょんとつついて笑った
「さあ 僕もすっきりした それでは出ようか
亜矢子さん幾らかな」
「多分 7千円位じゃない」
「そうだ 3階から由紀枝の衣装を持って来なければ ねえ」
「大丈夫よ フロントに来ているはずよ」
「ありがとう では出ましょうか」
「ねえ あなた 今夜の宿は?」
「あっそうか どうしようかな ちょっと待って」
神山はボストンから内藤社長から貰ったチケットを出して
伊豆多賀のホテル多賀へ電話をすると予約が出来て
「亜矢子はどうする?」
「う~ん 帰るわね ごめんなさい 明日お仕事だから」
神山は頷いて2名の予約を入れて19時頃の到着も伝えた
「では 出ましょう」
「あの~ 私寮に帰らなくてもいいんですか?」
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