2012年1月1日日曜日

Vol.540 ゆり -2-35



「ところで 翔 ギフトセンターはどうだ」
「ええ 先輩が抜けたんで大変ですがテツも頑張っているし大丈夫ですよ」
「そうか屋敷君はもう10日過ぎたが慣れて来たかな」
「はい 杉田先輩に怒られてばかりですが何とか持っています」
「テツ 違うだろ 先輩の教えがいいから楽しいだろ もう」
「はい 杉田先輩が言った通りです」
神山は笑って
「まあ 翔そんなに苛めるな 後で仕返しが来るぞ そうだ美佳さんは
どうなった」
「ええ 順調ですよ 全然ご心配は有りません」
「そうか 良かったな」
杉田はニコニコして美佳の事を話たがっていた
「さあ どんどん食べようよ ビールもがんがん呑んでさ」
「先輩 御殿場アウトレットは進んでいるんですか」
「うん 昨日も東都食品を契約書を交わしたよ
これで正式に東都食品が御殿場アウトレットに出る事になった
ただし 鈴や食品の傘下でだ 内緒だぞまだ公になっていないから」
「はい 了解です しかし鈴や食品の傘下ですか すごいですね
その話しって先輩一人で決めたんですか」
「うん 秘書が作った資料 デッサン 僕の説明さ どれが欠けても
契約は成立しなかったね 良かったよ」
「凄いですね なあテツ」
「ええ 杉田先輩もそうなってください 応援しますから」
「そうだね 頑張るよ たまには良い事言うねテツ」
「ありがとうございます そうすれば美味しいご飯が
何時でも食べられるでしょ 先輩がご馳走って言うと 
社員食堂ばかりですもん だから早く偉くなってください」
「もう わかったよテツ 社食だってご馳走はご馳走さ もう」
「まあ 翔 今夜は屋敷君も徹夜だろ」
「ええ 二人一組で仕事ですよ ほんととほほです」
神山は財布から1万円札を出して
「夜食はこれを使って美味しいの食べなさい 日本酒呑み過ぎるなよ
仕事にならないからな いいね」
杉田はぺこりと頭を下げて
「頂きます ありがとうございます ほらテツ ちゃんと」
「神山次長 ありがたく頂きます 杉田先輩が呑み過ぎないよう注意します」
「もう テツ 一言多いの もう」
「うん 頼んだよ屋敷君 さあ食べよう 
しかし 思い出すな 中元 歳暮の飾付け 準備当日ははらはらドキドキで
木曜日の開店でなにか山頂に登った時のある種の満足感を感じたな」
「へぇ~先輩 初めて聞きましたよ そうか努力を重ねて
成功すると満足感が味わえるんだ そうすると今まで
努力が足りなかったのかな 頑張ります」
「うん 努力すれば成果は必ず自分に戻ってくるよ」
3人はそんな話で盛り上がってよく呑みよく食べた

食べ終わると神山が清算していると杉田がタクシーを捕まえて
催事課の入っているビルまで行った
部屋の入り口で別れ神山は次長席に座ると秘書室から留守電が入っていて
本館受付に荷物が届いているとの連絡だった
神山は催事課で台車を借りて本館受付に行ってワインを受け取った
雨が降っているので気を付けて台車を押して無事次長室へ運んだ
靴が濡れてしまったので手入れをして乾かし他の靴に履き替えた 
神山は寿司屋の日本酒が効いたのか眠たくなってソファーで横になった
携帯電話が鳴って神山は目を覚ました
「はい 神山ですが」
「私 由貴です 凄いです」
「おいおい 落ち着いてどうした」
「ええ 宝くじですが 1等と前後賞で2億円です 当りました」
「えっ 当ったか 良かったね」
「ええ 神山さんありがとうございます」
「由貴の事をちゃんと見ているんだよ 良かった」 
「でも これは神山さんが買ってくれたもんだから、、、
全額は頂けません 私は前後賞の5千万円で良いです
それ以上頂くとバチが当ります そうしてください」
「うん わかった そうしたらその件は今夜話そう いいね
それから 宝くじの たの字も言ったらだめだよ いいね」
「は~い 分りました では今夜 すぐに行きます
雨でお客さんが少ないから 7時に出ます」
「わかった 僕もその時間に行くようにする 気を付けてね」
「は~い 分りました では済みませんでした お仕事中に」
「うん 昼寝をしていた 良かったよ」
「えっ お昼ねですか もう いいな~」
「ははは これもお仕事さ では」





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