「こちらがニンニクおろしでこちらがしょうがおろしでございます
おしょうゆはこちらをご利用くださいませ」
「ここに置いてあるのと違うの?」
「はい こちらは少し甘味のあるたまりしょうゆでございます」
神山はありがとうと言って早速小皿にたまりを垂らしニンニクを
まぜ牛肉のナマを食べると美味しかった
「亜矢子 これいけるよ 食べて いいお肉を使っているよ」
亜矢子は勧められたので一口食べたが美味しいお肉だといって喜んだ
「このお肉の仕入れは高いよきっと こんなに美味しいのは初めてだよ」
「ええ 美味しいわ うちより美味しいお肉ね」
神山は由紀枝にOKサインをだしてあげた
亜矢子も由紀枝を見て頷いてあげた
由紀枝は二人に誉められた事を厨房に報告をしていた
神山はワインボトルが空になったので由紀枝を呼んでもう一本追加した
次は揚げ物で普通は天ぷらが多いが今夜は手の込んだ串揚げが出てきた
三品づつ3回出てきたがどれも美味しかった
二人は亜矢子の母親や老人ホームに付いて話していた
ご飯を食べ終わると最後にフルーツが出てきた
亜矢子が
「ふぁ~ 可愛いわ 良く調理されたわ 感心しますね」
「すみません それ私が作ったんです 美味しいですか」
「ほんと 美味しいわよ 凄い腕ねどうしたのでも」
「ええ 帰ってきてからおじさんに我侭を聞いて貰って教えて貰ったんです」
「それにしては 良く出来ているわよほんと」
神山も器に盛られたイメージが食欲をそそる事と
器とフルーツの調和が取れていて素晴らしいと誉めた
「神山様に誉めて頂くと 嬉しいです ほんと最後の最後ですから」
由紀枝は顔を赤くして丁寧にお辞儀をして厨房に戻った
神山も美味しくて全部食べたがデジカメで撮影をして
おけばよかったと思った
神山は気が付いて亜矢子に
「ねえ 由紀枝ちゃんとおじさんと亜矢子の記念写真を撮る
それで部屋に戻るからここに居てくださいね」
亜矢子は頷いて神山はすぐに席を立つと由紀枝が亜矢子に
「神山様はどうされたんですか 急に」
「ええ デジカメで記念写真を撮るのでカメラを取りに行ったわ
だから 大竹さんも手を休めてここに来て欲しいわ」
「はい 分りました それと今夜なんですが 今日は9時に終って
皆が私の送別会をここでやるんです 急遽決まったんです
だからお部屋に行かれなくなったんですよ 楽しみにしていたんですが」
「いいわよ 何時でも それで由紀枝さんの明日は」
「ええ お休みになっています」
「そうしたら 私たちの処で寝ていけばいいわ」
「でも」
「大丈夫ですよ 貴方の二次会をしましょうよ 大竹さんに頼んで
少しおつまみを頼むから それを持って来なさい」
由紀枝はようやく笑顔を取り戻した
「ごめんごめん 遅くなって さあお仕事中だから
さっさと撮影しましよ 由紀枝さん大竹さんに2分時間を貰って
お願いします」
由紀枝は頷いて大竹を呼び出してくれた
神山は3人が並んだ写真を数カット撮影をした
亜矢子が大竹に何かをお願いすると大竹はニコニコして頷いていた
「由紀枝さん 良かったわねおじさん快くOKしたわよ
それと 私のテストの結果を伝えます 合格は勿論
本給 32万円出します いいですか 深夜手当ては別です」
由紀枝は驚いた顔で信じられなかった
「由紀枝さん いい32万円で」
ようやく我に返って
「お願いします 亜矢子先輩 ありがとうございます」
そう言うと大粒の涙を流して厨房へ消えていった
「よかったね 亜矢子」
「ええ 本当は33万まで出せるけどいきなりだと 叩かれるから
あの子の実力よりしたのベースで考えたの だから1年すれば
34万は行くわね 実力あるもの彼女わ 3年もしたら
矢田部さんと同格になるんじゃない 頼もしい新人よ」
「そんなに凄い子か 隠れているんだね さあでようか」
神山と亜矢子はカウンターで伝票にサインをして部屋に戻った
亜矢子が神山に
「ねえ 由紀枝さんだけど女子寮じゃなくて マンションに住まわせない
勿論 賃貸よどう?」
「うん そうだね」
「女子寮は結構煩いから 特にお休みの帰宅時間がきついわね」
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