2012年1月15日日曜日

Vol.554 ゆり -3-36



由紀枝は支配人室に入って行った
暫くすると総支配人が現れて神山と亜矢子に挨拶をした
亜矢子がビックリして
「山本室長 ご無沙汰しています」
「なんだ 亜矢子ちゃんか まあ掛けてください 先程由紀枝君が
君のホテルに行きたいと言ってね 止めたんだがお金だけではなくて
友人のお姉さんがいい上司の下で楽しく働いている事を聞いていてね
まあそれで そこまで考えているならこちらも諦めた そう言う訳さ」
総支配人 山本清次郎は亜矢子が大学を卒業して入社した
静岡銀行の当時の上司で今年になって
ここの総支配人に就任したばかりだった
「でも亜矢子ちゃんのホテルで仕事が出来るなら私も嬉しいよ」
「山本室長 ありがとうございます 頑張ってこの子を育てます」
「うん 安心しているよ それと神山様 おめでとうございます
トラベラーズジャパンの件 内藤様から伺いました 今後も
よろしくお願いします」
「ありがとうございます こちらこそ宜しくお願いします」
由紀枝が
「そう言う訳です それで総支配人と相談しまして20日退職して
21日からお願いします 宜しいでしょうか」
「ええ いいわよ 引越しもあるしゆっくりで良いわよ」
「それで 今日はご一緒させて頂くのですが
夜は神山様のテーブルに付きます」
「うん ありがとう でも休みだろ 会えない訳じゃないし」
「ええ でも ここでは多分今夜が最後と思いますから」
「うん わかったよ ありがとう では着替えをしてきます
ここで待っていて下さいね」
「はい 分りました」
「では 山本室長 失礼します」
「うん また遊びに来てください」

神山と亜矢子はお辞儀をして部屋に戻った 亜矢子が
「ビックリよ ほんと 入社した時の上司だもん」
「そうか なるほど しかし狭いね」
「ええ まだ亜矢子ちゃん ですもの もう」
「まあ 幾つになってもそう呼ばれるよ 男は呼びたいのさ
さあ着替えよう」
「ねえ 今日はどこに連れていてくれるの?」
「ふふふ お楽しみさ」
「もう 意地悪」
二人は由紀枝が待っているので仕度を早くした
亜矢子はルージュを塗って
「はい いいわよ 可笑しくないでしょ」
神山は素直に綺麗と思って
「うん 大丈夫だよ 綺麗だよ」
二人は部屋を出るとフロントに待たせている由紀枝と3人で
配車を頼んでおいたタクシーで伊豆海洋公園へ向った
前に座った神山は後ろの二人と話が出来ずに公園についた

入場料を払って園内に行くと色とりどりの花が迎えてくれた
由紀枝が
「わぁ~ 素敵 私この時期に来ていないんですよ いいわ~」
亜矢子も
「素敵ね さすが貴方ね」
3人は『みはらしガーデン』に行って更にかわいいお花の鑑賞をした
神山を真中に亜矢子と由紀枝が左右で腕を組んで散歩を楽しんだ
傍目でみると仲のいい親子と映るだろう
海が見えるベンチに座ると神山はビールを買いに売店まで戻った
亜矢子が由紀枝に
「ねえ 由紀枝さん ありがとう 貴方が来てくれると助かるわ
実は先日伺った時にも皆さんの勤務態度が良いので驚いていたの
うちも接客マナーには厳しいわよ でも由紀枝さんなら乗り越えられるわ」
「ありがとうございます ええ私も先日来られた時から気にしていました
神山さんのマナーがすれすれで楽しくお食事をされていて」
そこまで言うと由紀枝は顔を赤くして何も言えなくなってしまった
「そう その時から神山さんを好きになったの」
「、、、はい、、、」
「でも 彼も男よ それも元気な 大丈夫?」
「なにがですか?」
「あっちが元気なの」
由紀枝はますます顔を赤くして下を向いてしまった
亜矢子が
「私が付いているから大丈夫よ そんなに心配しなくても ねっ」
「あの そんなにSEXするんですか?」





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