「ふぁ~ 凄いわね そうね貴方はしっかり働いているから頂けるんだわ
どうかしら 私のところでは手当て無しで28万円よ
今 私の下の子が手当て無しで40万円貰っているわ
それと女子寮があるから住宅費用は掛からないわ お食事代が
1ヶ月1万円で済むし どうかしら」
「そんなに頂けるんですか」
「ええ その代わりお仕事は大変よ お客様商売ですから」
「はい 承知しています」
「それで 2年位頑張ればお給料はもっと上がるわよ」
「でも 何か理由がないと辞められませんよ」
「そうね でも一身上の都合で良いでしょ」
「実はここのコック長が私のおじさんなんですよ
父親を無くし母親一人で大学まで出してもらいましたが
最初の職場でいやな事が有って ぶらぶらしていたんです
そうしたらおじさんの勧めでここに就職したんです
だから一身上の都合は無理だと思いますよ」
話を聞いていた神山が
「由紀枝さん 正直に言う事です ゴテンバ グランド インに
スカウトされたって その方がいいよ そうすればおじさんも納得するよ」
「そうでしょうか」
「うん その方がいいよ お休みは何時」
「ええ 明日ですが」
「うん そうしたらその時にスカウトされたって言えば良いよ
明日は 何処かいくの?」
「いえ 寮で読書かお買い物です」
「うん 明日一緒に遊びましょう それからでも良いよ ねっ亜矢子さん」
「ええ それで良いわよ私は 自分を生かすも殺すも貴方次第よ
ここでは 絶対にもったいないわ」
「分りました それで明日はご一緒させて頂いて良いんですか 本当に?」
「勿論だよ ねえ」
「全然構わないわよ そうしたら10時に伊豆高原駅にしましょうか」
「はい でも本当にいいんですね 私が居ても」
「気にしないで 私も気にしないわよ それとさっきの100万円は
その事とか今夜の事とか関係ないの 私の気持ちよ」
「はい 分りました ありがとうございます」
「うん そうしたら 明日待っていますね」
「はい お願いします」
由紀枝は浴衣を脱いで丁寧にたたみ自分の服に着替え
二人に丁寧にお辞儀をして部屋を出て行った 亜矢子が
「ねっ 貴方ごのみでしょ」
「凄いね でも28万円は本当なの?」
「ええ 本当よ 実際はもう少し上だけど最初から言えないでしょ
あの子だったら 椿は30万円出すわね そして深夜勤務も
ここよりいい筈よ だからあの子次第ね」
「そうか そうしたら僕が行ったら幾ら?」
亜矢子は笑いながら
「男の人は低いわよ だって橘だって副支配人だけど私より低いわよ
それに女子は寮が有るけれど男子は無いの だから大変ね
さあ あのバスタオル洗わないと 貴方も手伝ってね」
亜矢子は浴室に行くと浴槽にぬるま湯を張って足で何回も踏んで
くたびれると神山と交代して何回も洗うとうっすらと分る程度まで落ちた
「あ~あ 変な所で体力を使ったよ」
「もう 貴方の責任でしょ そんな言い方したら由紀枝さん 可哀相よ」
「ごめんごめん そうだね どうだろう移籍するかな」
「お金だけだと イーブンね 後は貴方次第ね
だって処女を捧げたのよ 大変な意味を持つわよ」
「うん わかった」
二人はビールを呑んで寛いでいると神山が亜矢子に
「忘れていたよ ごめんなさい 実は今日内藤社長から電話が有って
老人ホームを立てるのに条件がある事を言われたよ」
神山は内藤社長と話した事を亜矢子に伝えると
「良かったわ 進んでいて そうしたら私もしかして引退するかもね」
「えっ 引退って 退職」
「うん まだ決めていないけど 分らないわよまだ」
亜矢子は時計を見ると24時を廻っていたのでベッドに入ると
「お願いだから触らないでね あなた」
「わかった おやすみ」
二人は抱き合っていたがそのまま眠ってしまった
5月14日 木曜日 快晴
「起きて あなた ねえ」
「う~ん うん」
亜矢子は目覚ましで一回は起きたが又眠ってしまい時計は8時を指していた
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