「わかった そうしたら 築地か上原か どうする」
「そうですね どちらに趣をおくかですね 佇まいなどだと
築地 新鮮さと美味しさだったら上原だと思います」
「洋子が初めて外国に言った時だったら 美味しい方かな」
「ええ 美味しくて楽しい所がいいですね」
「よし 上原にしよう そろそろ営業しているから予約をお願いします
大事なお客さんだと付け加えて」
洋子は頷いて上原駅前寿司に予約を入れた
何時もの女将が愛想よく返事をしてくれた
神山が時計を見ると12時になっていたので洋子に
「どこに行く お昼?」
「今夜はお魚でしょ」
「うん」
「そうしたら お肉がいいな」
「そうしたら しゃぶしゃぶにしよう」
「ふぁ~ うれしいわ」
神山と洋子は先日行ったしゃぶしゃぶに行った
ランチタイムになると銀座オフィスのサラーリーマンが
我先にと安くて美味しいお店に集まってくる
今日も満員だったがたまたまカウンターが空いていたので
待つ事無く座る事が出来た
ランチタイムはメニューが一つしかないが追加の牛肉は
色々とランクがあり選ぶ事が出来た
神山と洋子はブースの夢を話しながら美味しいしゃぶしゃぶを食べた
時々
「次長おめでとうございます」
と 声を掛けられビックリしていたが余り知らない人間ばかりだった
「やっぱり ここらでは有名ね スターじゃない 完全に」
「うん 若い女の子だったら気分も良いけどね 男じゃね」
「そうよね わかいお・ん・な・の・こ・ね」
「おいおい 変な意味じゃないよ 誤解をしないでくれ」
「私はどうなるの? ねえ」
「、、、ごめんなさい」
「ば~か 私が居るのに そんなこと言うなんて もう」
神山と洋子は笑いながらコースを食べ終わり次長室に戻った
「洋子ちゃん 30分寝かしてくれ 頼んだよ」
「は~い 分りました 私も寝ますね」
「大丈夫なのかな」
「ええ 携帯で起きますよ」
神山と洋子はソファーでお互いが顔が見えるように横になった
洋子はにこにこして神山の顔を見ていてなかなか目を瞑らなかった
神山はだんだんと睡魔が襲ってきて目を瞑ってしまった
携帯電話の目覚ましがけたたましく鳴って
「あ~ 良く寝た」
神山があくびをしながら起き上がると洋子は直ぐにコーヒーを作り
「すっきりしましたか?」
「うん 大丈夫だよ よし コーヒー飲んだら出るよ」
「は~い 分りました それで明日はここに戻ってホテルに行かれますか」
「うん アルコールが入るから不味いだろう
しかし 秘書課は知らせないで欲しい」
「はい ではこれから外出先不明 明日は12時のオートモで
秘書課に連絡をしておきます」
「うん お願いします」
洋子が秘書課に連絡し終わると洋子が
「軍資金はどうですか」
「うん 一応財布は50入っているけど」
「私 も50もって行きます」
「うん 頼んだよ」
二人が部屋を出た時には雨が本降りになっていた
神山と洋子は駆け足でホテルの地下駐車場へ走り貴婦人に乗った
スイッチを入れると気持ちのいいエンジン音が地下駐車場に響き渡った
神山はこれが6気筒のサウンドだと感じ発進させた
雨の中でもワイパーはしっかり水滴を落とし視界は良好だった
ガスが心配だったので高速に入る前に満タンし上がった
路面が不安定な事もあって首都高では余り追い越しは出来なかたっが
東名に入ると神山の運転が始まった
「ねぇ 少し落として 怖いわ」
「大丈夫だよ 見ていて ほら ねぇ」
神山はどんどんスピードを上げていったが横浜を過ぎたところで
小型車を追い越そうと思った時に小型車が右に出てきて
神山の車は行き場所がなくスピンをさせて 左に停車させた
「もう 怖かった もう 乱暴なんだから」
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