2011年9月13日火曜日

Vol.430 薔薇 -5-30



そう言いお辞儀をしていると後ろから杉田が
「先輩 おめでとうございます 逆だったのでビックリしているんですが
先輩の名を汚さぬよう頑張ります」
「うん 頼んだよ 翔ならいい兄貴になれるよ ねぇ洋子さん」
「ええ 大丈夫ですよ やってくれるわよ」
「はいありがとうございます」
今度は倉元が
「おう 山ちゃんおめでとうございます 頑張ってな ワシも応援するよ」
「はい ありがとうございます ところで筒井さんの件 ご存知ですか」
「ああ 倒れたんだろ 今朝聞いた 昼からいこうと思っている」
「そうですか 昨日伺ったんですが 夜に電話がありまして
今週中には退院出来る事になりました」
「おう そうか よかったなそれは」
「ええ まだ細かい所は判らないそうですが勤務に支障が無いみたいです」
「うん ありがとう 山ちゃんも働き過ぎるなよ」
「ええ 時間を作って休みます」
「うん それと日本酒が届いた ありがとうございます」
「あの日本酒をここで買えるようにしたいんです 練っているところです
内緒ですよ」
「おう そうか楽しみが増えるな 分った内緒だ」
みんなと挨拶を終えて部屋を出るとき由香里が
「これからも頑張ってね 応援しているわ」
そう言い花束を神山に渡した 少し目が潤んでいた
「ありがとうございます 隣りなんだから元気出して」
由香里は何も言わずお辞儀をして催事課の部屋に戻った

神山と洋子はようやく次長室に戻るとソファーに座り洋子に
「ねぇ 洋子 ご苦労様でした コーヒーをくれる」
神山は本当に疲れ果てた 洋子がコーヒーをだすと一息で飲んで
「ビールが良いや ビールを下さい」
「は~い 分りました ゆっくりしてくださいね」
神山はどうしてこんなに疲れるのか判らなかったが
交わりの事を思い出した
昨日は朝早くから亜矢子 昼から洋子 そして今朝 祥子と
休んでいなかった なるほどと思った
神山は次長席に置いた紙袋から包みや封筒を取り出しあけた
すべて現金だった
社長の権田は現金1千5百万円と東海4県ガソリン無料カードが入っていた
副社長の時田は現金1千万円 西野理事からは現金300万円と
首都高 東名、中央高速の無料カードが入っていた
その他の理事11名も各300万円入っていて本社で合計6100万円
神山は驚いて 洋子に積み上げた札束を見せると
「なに これ 凄すぎるわね 私が知っている限り 多くて7百万よ
けた違いね ふぁ~凄い」
神山は更に池上店長の包みを開けてみると1千万入っていた
積み上げると洋子は
「なんて額なの なんか信じられないわ」
結局7100万円のご祝儀が有った事になる
神山はそのうちの1千万円を取り洋子を呼ぶと
「これは臨時ボーナスだ 受け取ってください」
「へぇ~ だけどこれは軍資金でしょ」
「大丈夫だよ 任せなさい 受け取らなければ僕が貰うよ」
「はい 分りました 頂きます ありがとうございます」
「うん よし それで僕は1千1百万円を貰う いいね」
「はい 分りました」
「それで 残った5千万円だけど 代々木に1千万置いておきます
あと 2千万づつ保管 頼みます」
神山は洋子に2千万円を渡し残った2千万円を自分の引き出しに入れた
「あ~あ くたびれた」

次長席で背伸びをしていると洋子が
「お休みになられるんでしたら着替えて方が良いわよ」
「そうだね そうだ洋子 ニーナ・ニーナにいこう」
神山は着替えるとそのまま横になるのでカード入れを買いに
ニーナ・ニーナに向った
店内に入ると女性の社員が
「神山次長 おめでとうございます」
と挨拶されるので 頷いて挨拶を返した
ニーナ・ニーナには祥子もいて神山を迎えたがビックリした様子で
「ファッションショーのモデルより素敵です 良かったです着て頂いて」
「うん ありがとう 実はカード入れを買いに来ました」
祥子はいくつか見せ神山は札入れと同じつくりのカード入れを買った
帰る時に祥子が神山と洋子に
「済みませんが記念写真を撮らせて下さい」





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