2011年9月15日木曜日

Vol.432 薔薇 -5-30



時計はまだ13時になったばかりだった
洋子が作ってくれた資料を次長席でコーヒーを飲みながら目を通した
分らない事が有ると洋子を呼んでそれでも分らない時はPCで調べた
神山は 
「よし 作戦は出来上がった どう出てくるか楽しみだ」
そう言ってタバコを吹かしていると洋子が目の前で着替え始めた
神山は黙ってみていたが自身も着替え始めた
Gパンを脱ぐと元気になっているおちんちんを洋子が発見して
「まあ いやらしい 早く小さくしてよ 間に合わないわよ」
「うん でもな」
洋子は神山に近づきおちんちんを撫でたと思うと思いっきり叩いた
「なにするんだ 痛いよ」
「ほら 小さく成ったでしょ」
言われると今の衝撃で小さくなっていた
「感謝してもいいでしょ」
「わかった ありがとうございます」
神山と洋子はお互いのスーツを確認しあって異常がなかったので
部屋を出ると催事課の倉元と由香里にばったりであった 倉元が
「おう 山ちゃんこれからか そうだこれお釣り」
倉元は現金と領収書を神山に渡すと
「何とかするから 気にするな」
と小さい声で耳打ちしてきた 神山は大袈裟に
「ありがとうございます」
と深々と頭を下げてその場を後にした
ホテルの地下駐車場から貴婦人をだし
アルタまで運転するのは神山だった
渋滞に捕まる事無く文京区のアルタ本社に着いた
時間はまだ充分あったので受付嬢の小谷は仕切りのある
待合室を案内して神山達は待った
しかし約束の14時を過ぎてもなかなかお呼びが掛からないので
洋子が小谷に訳を聞きに行くと 
「外人のお客様とお食事にいかれ まだ戻って来られないんです」
小谷も少し不安になっているところへ内藤社長たちが帰ってきた
一緒だったのはアレックス氏と夫人 アレックスジャパンの
アレックスJr社長と副社長ボーン シュナイダーといった面々だった
神山と洋子は待合室で随分と待たされたが 小谷から
「お待たせして済みませんでした こちらへどうぞ」
といって7階の秘書課に案内され待たされた
秘書課課長が神山と洋子を呼んだので社長室へ入った

社長室は先日の役員が全員並んでいた 内藤社長が辞令を読み始めた
「神山 龍巳 殿 右のもの 本日を持って株式会社アルタ
意匠担当常務を任命する
平成10年4月30日 株式会社 アルタ 社長  内藤 一哉」
神山が一歩でて人事命課を頂き下がろうとすると そのままでと言われ
「特別命課 神山 龍巳 殿 右のもの 本日を持って
株式会社鈴や東京本社勤務を任命する
平成10年4月30日 株式会社 アルタ 社長  内藤 一哉」
神山は今度は下がって 洋子のところに並び待つと洋子が呼ばれ
「田所 洋子 殿 右のもの 本日を持って株式会社アルタ
意匠担当常務 神山 龍巳の専属秘書部長を任命する
平成10年4月30日 株式会社 アルタ 社長  内藤 一哉」
洋子も下がろうとするとそのままでと言われ
「特別命課 田所 洋子 殿 右のもの 本日を持って
株式会社鈴や東京本社勤務を任命する
平成10年4月30日 株式会社 アルタ 社長  内藤 一哉」
これで正真正銘2つの会社で勤務する事ができるようになった
辞令交付が終った時に役員から拍手が沸いた
神山と洋子は皆にお辞儀をして挨拶をした
内藤社長が近寄ってきて
「これから直ぐにアレックスグループと会います まず挨拶をお願いします」 
「はい 分りました」

内藤社長と神山と洋子は6階の応接室に入ると
ソファーに座っていた4人が立ち上がって内藤社長を迎えた
「ではアレックス氏 私どもの強力な人間を紹介します
さあ 神山さん田所さん どうぞお入りください」
神山と洋子が部屋に入った時 アレックスグループは皆驚いた
「おお あのときのあなたか」
神山はこうなる事を予測していて
「脅かすつもりは全然無かった ただお会いした時はアルタの社員では
なかった しかし今はアルタの社員です よろしくお願いします」
アレックス氏が
「貴方なら 知っている 全てを任せることができる」






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