2011年9月12日月曜日

Vol.429 薔薇 -5-30



田所洋子です」
「ほう 綺麗な方だ 神山君頼んだよ それにしても二人とも
いいスーツを着ているな 羨ましいな なあ 時田さん」
「ええ 私も神山さんが スーツで出席するとは思ってもいませんでした」
「実は初めてです スーツ姿は」
「ほう 普段は?」
「ええ Gパンにジャケット ノーネクタイです」
「そうか 倉さん流だな それでもこれだけの地位になったんだ
ワシもノーネクタイにするかな」
「しかし Gパンはちょっと」
みんなが笑って お開きになった
神山は部屋を出ようとした時に社長の権田から包みを渡され
「ワシからのプレゼントじゃ 有効に使ってくれ 頼んだよ」
「はい ありがとうございます」 
そして副社長 時田も包みを神山に手渡し
「これは ワシからの気持ちじゃ また足りなかったら来なさい いいね」
「はい ありがとうございます ご両人から頂いた物を有効活用いたします」
そう言い部屋を出ると秘書室で新しい名刺を貰った 秘書室長が
「神山次長 おめでとうございます こちらの名刺はアルタさんと話し
作りました」
神山は見てみるとアルタと鈴やの肩書きが入っている名刺だった
秘書室長が紙袋を用意してくれたので包みをその中に入れて
「室長 これから忙しくなりお手数を掛ける事が多くなります
よろしくお願いします」
神山は洋子と挨拶をして部屋を出て各理事のあいさつ廻りをした
各理事とも封筒を用意していて軍資金を差し出してきた
みんなに挨拶が終ると洋子の古巣人事課や秘書課に挨拶をして
エレベーターで待っていると人事課の先輩や安井がきて洋子に
「これ 神山さん おめでとうございます 洋子をお願いしますね」
神山は綺麗な色が混ざったバラの花束をもらった
「どうもありがとうございます 洋子さんはびしびし鍛えます」
みんなは大笑いして拍手をしてくれた
エレベーターで下がり次長室に向っているとすれ違う社員がお辞儀をし
挨拶されるので神山は頷き返した
神山と洋子は池上店長を訪れ改めてお礼をした
「頑張ってな 期待している なんでも言ってください協力します」
「ありがとうございます 頑張ります」
「そうだ 日本酒とビール 届いている ありがとうございます」
「どうでした」
「うん 美味しいよ 久しぶりだなあんなに美味しい日本酒は」
「良かったです では失礼します」
神山が帰ろうとした特 池上店長が包みを持ってきて
「何かと掛かるだろう これを足しにしてください 気持ちじゃ」
「はい ありがとうございます」
神山と洋子は丁寧にお辞儀をして店長室を出ると秘書課で
「神山さん おはようございます それとビール美味しかったわ」
「良かったです そのうちここで買えるようになりますよ」
「ほんと 嬉しいわ だけど神山さんがいなくなるんで寂しいわ」
「ははは ちょくちょく来ますよ 大丈夫ですよ ご安心下さい」
「お願いね ちょっと待っていて」
そういうとデジカメを用意して 神山を中心に秘書課の女の子と
記念撮影をした
「田所先輩も入ってください」
洋子が神山の隣りに入ってもう一枚記念写真を撮影した
「ありがとうございます」
神山は手を振って秘書課をあとにすると販促部長席に行き挨拶を済ませた
色々と挨拶回りをして最後に催事課についた
部屋の中は屋敷の加入で賑わっていて
「部屋の中が騒々しいね」
「ええ 新しい屋敷君でしょ」
神山と洋子はそう話して入っていくと更に騒がしくなった
「やあ 山ちゃんじゃない 次長 おめでとうございます」
「いいですよ 課長 山ちゃんで」
「しかし 凄いね 人気だね」
「えっ」
「うん 社内から神山次長はおられますかって さっきから電話が多くてね」
「まあ 勘弁してください」
「山ちゃん それにしても格好いいね 決まっているよ」
「そうでしょ 洋子さんと一緒ですよ」
「そうだね ほんと田所さんもなんか凄く綺麗だよ 眩しいよ」
そこへ屋敷が近寄ってきて
「神山先輩 おめでとうございます 神山先輩に負けないよう頑張ります」
「うん 頼んだよ 翔を兄貴と思ってしっかり支えてな いいね」
「はい 分りました ありがとうございます」






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