佐藤はお辞儀をして部屋を出て行った
打ち合わせが終ったのは19時を過ぎていた 神山が
「孝ちゃん 時間は」
「ええ 大丈夫ですよ ご安心下さい あけて来ました」
「洋子さん どこで食べる」
「ええ ゆっくり出来る所って上原しかないですね」
「そうしたら 上原にしよう」
神山たち3人は部屋を出てタクシーで上原の駅前寿司屋に向った
駅前寿司に着くと女将が何時ものように奥の座敷に案内してくれた
席に着くとビールや簡単なおつまみが運ばれ 高橋が
「では Gプロジェクトの発足記念で乾杯」
みんなで乾杯すると神山は
「これからは ご馳走される側ではなくてする側になるね」
「大丈夫ですよ ご安心下さい 佐藤が何とかしていますから」
「ありがとう」
「しかし 驚きましたね アレックスジャパンが実質アルタの傘下とは」
「うん 僕自身も驚いている あそこまで上手く行くとはね」
「そうですね 柔道が良かったのかしら」
「うん あまり使いたくなかってけどね 仕方ないね」
3人はアレックスジャパンの事で盛り上がった 神山が
「ねえ 孝ちゃん じつはGプロジェクト選抜隊のメンバーで勉強を
してきてほしいのだよ 5月5日から5月20日まで」
「どこに行くんですか」
「それは各自が決めてほしい 要は既成概念を破る何かを各自が掴んで
その成果を御殿場アウトレットに生かしたいわけさ 勿論お金が
必要になる ぼくが用意したよ」
神山は500万円を出して
「一人100万円使ってください 5人で500万円」
「はあ しかし急に言われてもね」
「ええ そうですが 既成概念を破らないと御殿場アウトレットは
飽きられます 例えば何処かのお寺に入って座禅を組んでも良いし
北海道の美味しい物を食べても良いし 自由です その計画を
明日から行って貰い5日には出発です ゴルフばかりしても良いです
ただ 一人でも何かを掴まなければこの500万円を
全額返還して貰います」
「へぇ~ 大変だ もう決定ですか」
「ええ 決定です」
「ふぁ~ そうすると何人かで組んでも良い訳ですか」
「ええ 自由です 国内何処に行って頂いてもOKです」
「はい 分りました しかし目的が 既成概念を破る旅とは、、、」
「ニーナ・ニーナのブースも現状を打破しないと飽きられるでしょ
御殿場アウトレットは『安い』だけでは回転が少なくなります
現にぼくだって 年に3回行けば良いかなと思っていますよ
その顧客の足をもう一回 もう二回増やせば売上はうなぎのぼりです
集団心理でお客が集まっていればその廻りに顧客がつき
更にその廻りに顧客が着きます この間の上原のようにね」
「分りました がんばってきます それでこのお金は」
「ええ 明日から早速皆さんに渡してください
先ほども言いましたが 自由です ただ何をしたいかの簡単なレポート
そうですね A4で1枚くらいでOKですが その提出を4日
それから 先ほどの全額返金についてのサイン それだけで良いです
それと 書式なんかないですから自由です」
「はい 分りました しかし大変な事になった」
「うん あまり考え込まないで 実務で僕自身の体験してきた事を
原案の時にどんどんとぶつけて行きます それに耐えられないと
仕事にならない訳です」
「ええ そうですね 次長室のように奇抜だと考えても実際出来上がりは
目を見張る出来になりましたからね」
「ええ あそこはあれで済みました しかし今度は顧客を相手にします」
「そうすると 少しずつ見えてきましたよ」
「お願いしますね 孝ちゃん そして孝ちゃんをGプロジェクトの
責任者になってもらいます」
「えっ 山ちゃんが居るでしょ」
「ええ 責任者と言ってもまとめ役です リーダーの下が2名で
足りなかったら応援体勢を準備するとか そこはぼくでは出来ません
やはり 孝ちゃんの仕事です それと内藤社長から言われましたが
ぼくの思い通り進めてOKとお墨付きです したがって孝ちゃんは
ぼくの直属の部下になります 孝ちゃんの意見に反対できる人は
僕と内藤社長だけです いいですね」
「そんな すると部長は、、、」
「ええ Gプロジェクトで働いている時は関係ありません
しかし社内の慣例とかは重視をしてくださいね」
高橋は凄い事になったと感じていた 今までと違ったデザインを
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