「うん どうしたの」
「ええ ボストンを代々木に置きっ放しだった事を思い出して
取りに行っていたんです」
「電話くれないと 心配するよ」
「はい 気を付けます」
「だけど いつも僕よりてきぱきとするのに」
「ええ ボストンの中に下着を入れっ放しだったんです
それを洗濯したら やはりゴルフのシャツも洗いたくなって
すみません 洗濯機とにらめっこしていました」
神山は笑い出してしまった
「4日間もそのままだと 結構いい香りになっていたでしょ」
「もう しらない」
神山は洋子をソファーに呼んで昨夜と今朝書いたラフスケッチを見せた
洋子は始めてみるのでよく分らなかったが 説明を聞くと納得して
「素敵ね 遊園地の感覚ね いいわ 女の子だったら
何回も行きたくなるわ 勿論私もよ」
「そうか 骨格は大体こんな感じなんだ 後はどうやって
味付けなり既成概念を破ったデザインが出来るかなんだ
やはり 子供と大人が楽しめるテーマパークの雰囲気を
大切にしたいと思っているんだけどね まあこれをたたき台にして
いいデザインが出てくる事を祈っています」
「そうね みんな500万円返金があるから真剣でしょ」
「うん しかし昨夜考えたけど 良かったのかなって
もっと自由にやってもらったほうが良かったのかなって」
「それもそうだと思うけど ある程度決まったテーマが有るのだから
あの方法もOKだと思いますよ」
「そうか ありがとう それから 先日の東都食品だけど
色々とスキャンダルを起こした部署とそこの売上を簡単で良いので
纏めておいて下さい 今日でなくてもOKです」
「そうすると東都食品にも入り込むんですか」
「いや難しい そこまでは出来ないが 鈴や食品とくっつけようと
思っている 鈴や食品の傘下って事です」
「へぇ~ 鈴や食品のさ・ん・か ですか」
「そう なに驚いているの 昨日見たでしょ 何もしていないよ」
「ええ しかし すごいです あ~あ素晴らしいわ」
「おいおい まだ決まった訳じゃないよ そんな」
「でも あなたが話すと出来ちゃうんだから」
「出来ない事もあるさ」
「いいえ 貴方は何でも出来る」
「赤ちゃん 産めないよ」
洋子は顔を真っ赤にしながら
「ば~か 知らない 誉めてたのに 軽蔑するわ もう」
神山はソファーから立ち上がり次長席で御殿場アウトレットの
ラフスケッチをどんどんと書いていった
スタッフが20日に帰ってくるまでにたたき台を
いくつか用意しておくつもりだった
神山は洋子に
「洋子 昨日アレックスブースの話をアレックス氏と話した事は
知っているよね」
「ええ 覚えています F-1を持ってくると言っていました件ですね」
「うん そこで F-1以外に何を集められるか リストが欲しい
アレックス氏が声を掛ければOKはAランク 要相談でOKはBランク
非常に難しいけど50、50の確立はCランクで出して頂けると
整理がしやすいし戦略が立てやすいって伝えてくれる
アレックス氏は洋子のファンだから何でも聞くよ
オートモの2011号室に宿泊しているよ お願いします」
洋子が電話をすると 部屋にいて話す事が出来 神山の話を伝えると
アメリカに帰ってからFAXすると返事を貰った 洋子はここの
FAX番号と秘書課のFAX番号を伝えた 夫人に代わり
今夜時間があれば一緒に食事をしようと誘われたが神山とデートで
駄目だというと独り占めしないでほしいと残念がっていた
2日のパーティの後は空いていると伝えると多分夕方まで仕事なので
その後になる 洋子の携帯に電話をして待ち合わせする事に決まった
洋子が神山に
「アレックス氏の件はOKです アメリカに帰ってからFAXをすると
約束してくれました あとご夫人からリクエストで今夜誘われたんですが
神山とデートだからだめよと 答えたら独り占めしないでと それで
2日の夜に食事会です お願いします」
「うん ありがとう FAXは分ったけど あの二人を何処に
連れて行くかだね そうだ洋子 悪いけど お魚やお寿司は
大丈夫なのかな聞いてくれる?」
「はい 分りました」
洋子はもう一度ホテルオートモのアレックス氏に電話をして
夫人と話すと 大変好物で楽しみにしていると答えてくれた
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